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豊かさを未来へつなぐ、海洋の今と未来の風景

目次

はじめに:なぜ今、私たちは海に目を向けるべきなのか?

ねぇ、ちょっと想像してみて。キラキラ光る夏の海、友達とはしゃいだ砂浜、家族で食べた新鮮なお刺身…。私たちの思い出や毎日の生活って、実はたくさんの海の恵みに支えられているんですよね。

海は、地球上の酸素の半分以上を作り出し、私たちの出す二酸化炭素を吸収してくれる、いわば「地球の大きな肺」。それに、世界中の人々にとって大切なたんぱく源であり、心を癒してくれるかけがえのない存在です。

でも、そんな大切な海が今、静かに、でも確実に悲鳴を上げているとしたら…?

「なんだか難しそうな話だな」って思うかもしれません。でも、大丈夫。この記事では、私たちの海が今どんな状況にあって、これからどんな未来を描いていけるのか、まるでカフェでおしゃべりするみたいに、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

少しだけ、海の未来に想いを馳せる時間、ご一緒しませんか?きっと、この記事を読み終わる頃には、いつもの海が少し違って見えるはずですよ。

第1章:私たちの海が直面している危機

まず知っておきたいのは、私たちの海が今、ちょっと大変な状況にあるということ。でも、目をそらさずに現状を知ることが、未来を変える第一歩になります。ここでは、特に深刻な3つの問題について、一緒に見ていきましょう。

海を蝕むプラスチック汚染の実態

最近、「マイクロプラスチック」なんて言葉をよく耳にしませんか?

海に流れ出たビニール袋やペットボトルが、紫外線や波の力でだんだん小さくなって、5ミリ以下になったものをマイクロプラスチックと呼びます。これが今、本当に大変な問題になっているんです。

というのも、世界経済フォーラムの報告では、「このままでは2050年までに、海の中のプラスチックの量が、重さで魚の量を超える」と予測されているんです。ちょっと信じがたい話ですよね…。

「でも、それは遠い国の話でしょ?」って思うかもしれません。

実は、私たちのごく身近なところにも原因はありました。例えば、以前は洗顔料や歯磨き粉に入っていた「マイクロビーズ」というスクラブ剤。これもマイクロプラスチックの一種で、洗い流された後、下水処理施設をすり抜けて海に流れ出ていたんです。今は多くの国で規制されていますが、知らず知らずのうちに、私たちも加担していたかもしれないんですね。

この小さなプラスチックが、なぜ問題なのでしょうか?

  • 海の生き物たちが間違えて食べてしまうプランクトンと間違えて食べた小魚を、さらに大きな魚が食べ…という食物連鎖の過程で、プラスチックに含まれる有害な化学物質が生き物たちの体内に蓄積されていきます。もちろん、その魚を最終的に食べるのは、私たち人間です。
  • ウミガメや海鳥たちが苦しんでいるビニール袋をクラゲと間違えて食べてしまったり、漁業で使われる網(ゴーストネット)に絡まってしまったりして、命を落とす動物たちが後を絶ちません。

日本でも、レジ袋が有料になったり、「プラスチック資源循環促進法」という法律ができたりして、国全体でプラスチックを減らそうという動きが活発になっています。私たち一人ひとりが「使い捨て」を少し意識するだけで、未来の海は大きく変わるはずです。

止まらない海の温暖化と酸性化

地球温暖化、というと「陸上の気温が上がること」をイメージしがちですが、実はその熱の90%以上を、海が吸収してくれているんです。海はまさに、地球の「クーラー」のような役割を果たしてくれているんですね。

でも、その吸収できる量にも限界があります。海の温度が上がってしまう「海洋温暖化」は、まるで海が熱中症にかかっているような状態。これが、様々な問題を引き起こしています。

代表的なのが、沖縄などで見られる「サンゴの白化現象」。

サンゴって、実は動物なんです。サンゴの中に「褐虫藻(かっちゅうそう)」という植物プランクトンが住んでいて、光合成でサンゴに栄養をあげています。あの色鮮やかなサンゴの色は、この褐虫藻の色なんですよ。

ところが、海水温が上がると、サンゴはストレスでこの大切なパートナーを追い出してしまいます。これが「白化」。栄養をもらえなくなったサンゴは、骨だけが残り、やがて死んでしまいます。

環境省の調査によると、2022年の夏には沖縄の石西礁湖(せきせいしょうこ)という日本最大のサンゴ礁で、9割以上のサンゴが白化してしまったという報告もありました。美しいサンゴ礁は、たくさんの魚たちの隠れ家や産卵場所。そこが失われるということは、海の豊かさそのものが失われることを意味します。

そして、もう一つ深刻なのが「海洋酸性化」。

海は、私たちが排出する二酸化炭素(CO2)の約3分の1を吸収してくれる、ありがたい存在です。でも、CO2が海水に溶け込むと、海のpHが下がって酸性に傾いてしまいます。これを「海洋酸性化」と呼んでいて、「海の骨粗しょう症」と例えられることもあります。

なぜなら、海水が酸性になると、カキやホタテ、エビやカニといった、炭酸カルシウムで殻や骨格を作る生き物たちが、うまく体を作れなくなってしまうからです。

アメリカ西海岸では、実際に酸性化の影響でカキの養殖が壊滅的な被害を受けた例もあります。このまま進めば、私たちの食卓から、美味しいシーフードが消えてしまう未来が来るかもしれないんです。

枯渇する水産資源と持続可能な漁業への道

「お魚は無限にいるわけじゃない」

当たり前のことのようですが、私たちはついつい忘れがちです。国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の水産資源のうち、実に35.4%(2019年時点)が「持続可能でないレベル」で漁獲されているそうです。つまり、魚が成長して子供を産むスピードよりも、私たちが獲るスピードの方が速い状態の魚が、3分の1以上もあるということ。

この大きな原因の一つが、「IUU漁業」です。

IUUとは、「Illegal(違法)」「Unreported(無報告)」「Unregulated(無規制)」の頭文字をとったもの。簡単に言うと、「ルールを無視した、ズルい漁業」のことです。

  • 違法操業:禁漁期間や禁漁区を守らない
  • 無報告操業:獲った魚の量を少なく報告したり、報告しなかったりする
  • 無規制操業:国際的なルールがない海域で、好き放題に魚を獲る

こうしたIUU漁業は、真面目にルールを守っている漁師さんたちを苦しめるだけでなく、水産資源の枯渇に拍車をかけています。

そこで今、世界中で注目されているのが「持続可能な漁業」という考え方です。

海の環境や水産資源を守りながら、未来もずっと漁業を続けていけるようにしよう、という取り組みのこと。

その代表的な目印が「海のエコラベル」です。スーパーなどで、青い魚の形をした「MSC認証」マークや、緑の魚の形をした「ASC認証」マークが付いた商品を見たことはありませんか?

認証マーク名前対象意味
MSC(海洋管理協議会)認証天然の水産物資源を守り、環境に配慮した漁業で獲られた証
ASC(水産養殖管理協議会)認証養殖の水産物環境と社会に配慮した責任ある養殖で育てられた証

これらの認証は、厳しい審査をクリアした証。私たちがこうした商品を選ぶことが、ルールを守って頑張る漁師さんや生産者さんを応援し、海の未来を守ることにつながるんです。

第2章:テクノロジーが切り拓く、海洋新時代の幕開け

海の危機についてお話しして、少し心配になってしまったかもしれません。でも、希望の光もあります。それが、最新のテクノロジー。これまで人間の目では見えなかった海の中を可視化し、様々な問題を解決に導く「海洋DX」という新しい波が来ているんです。

海洋DXとは何か?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」って、最近よく聞きますよね。

簡単に言うと、「デジタル技術を使って、社会や生活をより良いものに変革すること」です。その”海洋版”が「海洋DX」。水中ドローンやAI、衛星技術といったハイテク技術を駆使して、海の世界に革命を起こそうという取り組みです。

これまでの海洋調査は、船を出して、専門家が潜って…と、ものすごく時間もコストもかかる大変な作業でした。天気にも左右されますし、調査できる範囲も限られていました。

でも、海洋DXは違います。

  • 水中ドローン:人間が潜れないような深い場所や危険な場所でも、リアルタイムで高画質な映像を送ってくれます。まさに「海のレントゲン」のように、海中の様子を隅々までチェックできるんです。
  • AI(人工知能):撮影された膨大な映像データから、魚の種類や数を自動で判別したり、サンゴの状態を診断したりできます。「海の頭脳」として、データの分析・解析をサポートしてくれます。
  • 衛星技術:宇宙から海の色や水温を観測することで、赤潮の発生を予測したり、魚が集まりやすい場所(漁場)を見つけ出したりします。

KDDIは、水中ドローンと高速通信を組み合わせて、陸にいながらリアルタイムで養殖場の様子を確認できるシステムを開発しています。これなら、台風が近づいていても安全に生け簀の点検ができますよね。

このように、海洋DXは、私たちの海との付き合い方を、よりスマートで、より安全なものに変えようとしているんです。

スマート漁業の挑戦

海洋DXの波は、日本の主要産業である漁業にも大きな変化をもたらしています。それが「スマート漁業」です。

これまで漁業は、漁師さんの長年の「勘」や「経験」がものを言う世界でした。でも、後継者不足や高齢化が進む中で、その貴重な知恵をどうやって次の世代に伝えていくかが大きな課題だったんです。

そこで登場するのがAIです。

例えば、NECはAIを活用して、過去の気象データや海流、水温、魚の取引価格などを分析し、「いつ、どこで、どんな魚が、どれくらい獲れるか」を高精度で予測するシステムを開発しました。

これがあれば、新人漁師さんでもベテラン漁師さんのような効率的な漁ができますし、燃料費の削減にもつながります。まさに「ベテorベテラン漁師の知恵袋をAIが引き継いでくれる」ようなものですね。

また、「獲る漁業」だけでなく、「育てる漁業」=養殖も、テクノロジーで大きく進化しています。特に注目されているのが「陸上養殖」です。

海ではなく、陸上に作った大きな水槽で魚を育てる方法で、こんなメリットがあります。

  • 環境にやさしい:海を汚染する心配がなく、赤潮などの影響も受けません。
  • 安全・安心:抗生物質などを使わずに育てられるため、安全性が高いです。
  • どこでも養殖可能:海のない内陸県でも、新鮮な魚を生産できます。

最近では、近畿大学が開発した「ウナギ味のナマズ」が話題になりましたよね。絶滅が心配されるニホンウナギの代わりに、ナマズを美味しく食べられるようにしようという、ユニークな陸上養殖の挑戦です。

もちろん、まだ設備投資にコストがかかるなどの課題はありますが、食糧問題と環境問題の両方を解決する可能性を秘めた、夢のある技術なんです。

海洋再生可能エネルギーの未来

海は、私たちの食卓を満たしてくれるだけでなく、クリーンなエネルギーを生み出す巨大なポテンシャルも秘めています。それが「海洋再生可能エネルギー」です。

一番身近なのは「洋上風力発電」かもしれません。

陸上の風力発電に比べて、海の上は強い風が安定して吹くため、より効率的に発電できます。ヨーロッパではすでに大規模な洋上風力発電所がたくさん稼働しています。

ただ、日本には一つ、地理的な課題があります。

ヨーロッパに多い「着床式」という海底に基礎を固定するタイプの風車は、遠浅の海でないと設置が難しいんです。日本は海岸からすぐに深くなる地形が多いため、この方式が使える場所が限られています。

そこで期待されているのが、「浮体式(ふたいしき)洋上風力発電」です。

これは、風車を海に浮かべて、鎖などで海底につなぎ留めるタイプ。これなら、水深が深い場所でも設置できるので、日本の海に適していると言われています。長崎県の五島市沖では、すでにこの浮体式の商業運転が始まっていて、日本の未来のエネルギーを担う存在として、大きな注目を集めています。

さらに、海には風力以外にもエネルギーが眠っています。

  • 波力発電:波の上下運動を利用して発電する。「海の呼吸」をエネルギーに変えるイメージです。
  • 海流発電:黒潮のような、海の決まった流れを利用する。「海のコンベアベルト」でタービンを回します。
  • 海洋温度差発電:海の表面の温かい水と、深海の冷たい水の温度差を利用して発電します。

これらはまだ研究開発段階のものが多いですが、四方を海に囲まれた日本にとっては、エネルギー自給率を高める切り札になるかもしれません。テクノロジーの力で、海が巨大な「グリーン電力プラント」になる日も、そう遠くないかもしれないですね。

第3章:未来の鍵を握るブルーカーボンと日本の挑戦

地球温暖化を食い止めるには、CO2の排出を減らすだけでなく、すでに大気中にあるCO2を吸収することも大切です。その救世主として、今、海の力が世界中から注目されています。キーワードは「ブルーカーボン」です。

“海の森”が地球を救う「ブルーカーボン」とは?

「ブルーカーボン」って、なんだか素敵な響きですよね。

これは、コンブやワカメなどの海藻や、アマモなどが茂る「藻場(もば)」、そしてマングローブ林といった、海の生態系(植物)が光合成によって吸収し、海の中に貯めてくれる炭素(カーボン)のことです。

森の木々が吸収する炭素を「グリーンカーボン」と呼ぶのに対して、海(ブルー)の生態系が吸収するから「ブルーカーボン」。分かりやすいですよね。

「森の木々がCO2を吸うのは知ってるけど、海もなの?」と思った方、するどいですね。

実は、ブルーカーボンには、グリーンカーボンに負けない、すごいパワーがあるんです。

ブルーカーボン生態系森林(グリーンカーボン)
CO2吸収速度森林の数倍~数十倍速いと言われる基準
炭素の貯留場所海底の堆積物の中土壌の中
炭素の貯留期間数千年にわたって貯留される数十年~数百年

(出典:国土交通省港湾局「ブルーカーボンとは」などを参考に作成)

表を見てわかるように、吸収スピードもさることながら、貯留期間がすごいんです。

森林の場合、木が燃えたり枯れたりすると、蓄えていた炭素の一部は大気中に戻ってしまいます。でも、海の藻などが枯れると、その多くは分解されずに海底に沈み、泥の中に閉じ込められます。数千年という、とてつもなく長い時間、炭素を隔離してくれる「海のタイムカプセル」のようなものなんです。

さらに、アマモなどが生い茂る藻場は「海のゆりかご」とも呼ばれています。メバルやアイナメといった魚たちの産卵場所になったり、小さな生き物たちの隠れ家になったり。水をきれいにする働きもあります。

ブルーカーボンを守り、育てることは、地球温暖化対策になるだけでなく、豊かな海そのものを取り戻すことにもつながる、一石二鳥以上の素晴らしい取り組みなんですね。

海洋大国・日本の海洋政策

四方を海に囲まれ、世界第6位の広大な排他的経済水域(EEZ)を持つ日本は、まさに「海洋大国」。海の恵みと共に生きてきた国だからこそ、国を挙げて海を守り、活かすための取り組みを進めています。

その設計図となるのが、「海洋基本計画」です。

これは、日本の海洋政策の基本的な方針を示すもので、5年ごとに見直されています。2023年に新しくなった計画では、「総合的な海洋の安全保障」と「持続可能な海洋の構築」という2つの大きな柱が立てられました。

難しく聞こえるかもしれませんが、要は「海をめぐる安全をしっかり守りつつ、環境を守りながら海の恵みを未来にもつなげていこうね」ということです。

この計画の中では、先ほどお話しした「ブルーカーボン」も、すごく重要な役割を担うと位置づけられています。

国だけでなく、全国の自治体でも、ユニークなブルーカーボンの取り組みが始まっていますよ。

例えば、横浜市では「横浜ブルーカーボン」という仕組みを作りました。

企業の環境活動などを通じて、ワカメやコンブの養殖を応援し、CO2吸収量を増やすプロジェクトです。実際に参加した企業からは、「自分たちの活動が海の再生に直接つながるのが嬉しい」「社員の環境意識が高まった」といった声が聞かれるそうです。

また、福岡市では、市民ボランティアと漁師さんが協力して、食害などで失われたアマモの藻場を再生する活動を続けています。種をまき、苗を植える地道な活動ですが、少しずつ海のゆりかごが蘇ってきているそうです。

こうした活動は、まだ始まったばかりかもしれません。でも、国や自治体、企業、そして私たち市民が一体となって「海の森」を育てていけば、それはやがて、気候変動という大きな課題に立ち向かうための、日本の大きな強みになるはずです。

第4章:豊かな海を未来へつなぐために、私たちができること

ここまで、海の現状や未来の技術について見てきました。「なんだかスケールが大きくて、自分にできることなんてあるのかな?」と感じたかもしれません。でも、そんなことはないんです。私たちの毎日の小さな選択や行動が、大きな波になって海の未来を変える力を持っています。

エシカル消費(責任ある消費)という選択

「エシカル(ethical)」とは、「倫理的な」という意味。

「エシカル消費」とは、価格や品質だけでなく、人や社会、環境に配慮した商品を選んでお買い物をすることです。なんだか難しそう?いえいえ、実はとってもシンプル。「このお買い物で、未来がちょっと良くなるかな?」と想像してみることなんです。

海のために、私たちがすぐに始められるエシカル消費を2つご紹介しますね。

1. 「海のエコラベル」を探してみよう!

第1章でも少し触れた、MSC認証(青い魚のマーク)やASC認証(緑の魚のマーク)。これが、海の未来を考えたお買い物の、一番分かりやすい目印です。

  • MSC認証(天然魚):資源が減らないように、海の環境を守りながら獲られた魚の証。
  • ASC認証(養殖魚):海の環境や、働く人の人権にも配慮した、責任ある養殖で育てられた魚の証。

「いつも行くスーパーに、そんな商品あるかな?」って思いますよね。

実は、イオンやコープといった身近なスーパーでも、これらのマークが付いたサバの缶詰やアトランティックサーモン、冷凍エビなどがたくさん売られています。

今度お買い物に行ったら、ぜひ宝探し気分で探してみてください。同じような商品が並んでいたら、このマークが付いている方を選ぶ。たったそれだけで、あなたは海を守る漁師さんや生産者さんを応援する「投票」をしたことになるんです。

2. プラスチックフリーな生活にチャレンジ!

プラスチックごみの問題は、本当に深刻です。でも、これも日々の暮らしの中で、少しずつ減らしていくことができます。無理なく、ゲーム感覚で楽しむのが長続きのコツですよ。


  • マイボトル・マイカップを持ち歩く:定番ですが、効果は絶大。カフェで割引してくれるお店も多いですよね。
  • マイバッグを常にカバンに:コンビニのちょっとした買い物でも、さっと出すのがスマート。
  • みつろうラップを使ってみる:洗って繰り返し使える、天然素材のラップ。野菜の鮮度も長持ちする気がします。見た目も可愛いので、キッチンの気分が上がりますよ。
  • シャンプーや洗剤を固形タイプに:最近はおしゃれで質の良い固形バーがたくさんあります。プラスチックボトルを削減できます。
  • 量り売りの店を利用する:ナッツやドライフルーツ、パスタなど、必要な分だけ買えるので食品ロスも防げます。

全部を一度にやるのは大変。まずは「今週はペットボトルを買わないウィークにしよう!」みたいに、一つずつクリアしていくのがおすすめです。

海を知り、学び、伝える

海を守るためには、まず海を好きになることが一番の近道かもしれません。

好きなアイドルのことをもっと知りたくなるように、好きな海の生き物や、好きなビーチのことを「推し活」みたいに調べてみませんか?

例えば、水族館に行く時。ただ「カワイイ!」と見るだけでなく、「このペンギンはどこから来たんだろう?」「この魚はどんな環境で暮らしているのかな?」と、解説パネルをじっくり読んでみる。それだけで、世界がぐっと広がります。

最近の水族館や博物館は、エンタメ性だけでなく、環境教育にもすごく力を入れています。

バックヤードツアーで飼育員さんの話を聞いたり、サンゴの保全活動について学べるワークショップに参加したり。大人も夢中になれるプログラムがたくさんあります。

そして、知ったこと、感じたことを、ぜひ周りの人に話してみてください。

「この前行った水族館でね…」「最近、こんなエコな商品を見つけたんだ!」

そんな何気ないおしゃべりが、あなたの友達や家族の心にも、海を大切に思う気持ちの種をまくことになるはずです。SNSで、美しい海の写真と一緒に、ちょっとした豆知識をシェアするのも素敵ですよね。


海を守る活動に参加する

最後は、もう少しアクティブな関わり方です。実際に体を動かして、海を守る活動に参加してみませんか?

一番参加しやすいのは、「ビーチクリーン」活動です。

全国各地の海岸で、NPOや地域団体、企業などが主催しています。「ごみ拾い」と聞くと地味に感じるかもしれませんが、これが、やってみると本当に気持ちがいいんです!

【ビーチクリーン参加者の口コミ(イメージ)】

「最初は少し面倒かなと思ったけど、青空の下で夢中でごみを拾っていたら、すごくリフレッシュできました。拾ったごみの量を見て達成感もあったし、何より、同じ想いを持つ人たちと話せたのが楽しかったです!」(30代・女性)

「子供と一緒に参加しました。『なんでこんなものが落ちてるの?』という子供の素朴な疑問に、自分もハッとさせられました。環境について親子で話す良いきっかけになりました。」(40代・女性)

きれいになった砂浜を見ると、心までスッキリします。そして、「このきれいな海を、汚したくないな」という気持ちが、自然と湧いてくるはずです。

もし、直接参加するのが難しくても、関わる方法はあります。

海洋保全に取り組んでいるNPOやNGOに寄付をするのも、素晴らしいサポートです。月々1000円から支援できる団体も多く、そのお金が、ウミガメの保護活動や、サンゴの移植活動、政策提言などに使われます。自分の代わりに、専門家たちが海を守る活動をしてくれる。これも、立派な参加の形です。


おわりに:青い地球の未来は、私たちの手の中に

ここまで、長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

私たちの海が抱える課題から、未来を拓くテクノロジー、そして私たち一人ひとりにできることまで、一緒に旅をしてきました。

海の問題は、あまりにも壮大で、時には無力感を感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、思い出してください。海に流れ着くプラスチックごみは、元はといえば誰かの手から離れた、たった一つのレジ袋やペットボトルです。

だとしたら、その逆もきっと真実。

私たちが選ぶ、たった一つのエコラベル商品。私たちが持ち歩く、たった一本のマイボトル。その一つひとつの小さな選択が、集まれば必ず、未来の海を変える大きな力になります。

完璧じゃなくていいんです。できることから、楽しみながら、一歩を踏み出してみる。

その一歩が、何千年もの時をかけて地球の命を育んできた、壮大な海の物語の、次のページをめくるのだと私は信じています。

さぁ、今度の週末は、少しだけ海に想いを馳せながら、お買い物をしてみませんか?

あなたのその選択が、青い地球の未来を、もっと豊かで美しいものにしてくれるはずですから。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

まずは、自分でできることから地道に努力できるといいですね。


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