第174回芥川賞・直木賞の結果を、まるでカフェで友人と話しているような距離感で、かつ必要な情報はしっかり網羅できるようにまとめました。読書好きの女性ライターとして、難しい言葉は使わずに、それぞれの作品の魅力をたっぷりとお伝えしますね。
みなさん、こんにちは。
ついに発表されましたね、第174回の芥川賞と直木賞!
半年に一度のこのお祭り、今回はどんな作品が選ばれたのか、ドキドキしながら結果を待っていた方も多いのではないでしょうか?
「ニュースでタイトルは見たけど、どんな話なの?」
「難しそうだけど、私でも読めるかな?」
そんなふうに思っているあなたのために、今回の受賞作の魅力を、どこよりも分かりやすく、そしてやわらかく解説していきます。
今回はなんと芥川賞が2作、直木賞が1作という「豊作」の回になりました。
それぞれの作品が持つ色合いが全く違うので、きっとあなたの今の気分にぴったりの一冊が見つかるはずです。
さあ、コーヒーでも飲みながら、ゆっくり見ていきましょう。

はじめに:第174回芥川賞・直木賞の結果速報
まずは、今回の主役たちをサクッとご紹介します。
書店で探すときに迷わないよう、リストにまとめてみました。
| 賞 | 受賞作 | 著者名 | 出版社 | キーワード |
| 芥川賞 | 『時の家』 | 鳥山まこと | 新潮社 | 建築士、記憶、家 |
| 芥川賞 | 『叫び』 | 畠山丑雄 | 文藝春秋 | 歴史、大阪、再起 |
| 直木賞 | 『カフェーの帰り道』 | 嶋津輝 | 小学館 | 昭和、女性、癒やし |
今回の特徴は、なんといってもバラエティの豊かさです。
芥川賞は「静謐な美しさ」を持つ作品と、「重厚な歴史と熱量」を持つ作品の2つが選ばれました。
一方で直木賞は、読んでいて心がじんわり温かくなるような、エンターテインメントの王道とも言える作品が選ばれています。
「最近、本を読んでないなあ」という方こそ、今回は手に取りやすいラインナップなんですよ。
芥川賞受賞作①:鳥山まこと『時の家』
まず一作目の芥川賞は、鳥山まことさんの『時の家』です。
この作品、文章の組み立て方がとても独特で美しいと話題なんですが、それもそのはず。
実は著者の鳥山さん、現役の一級建築士なんです。
現役の「一級建築士」が描く小説とは?
小説と建築。一見関係なさそうに見えますが、鳥山さんの作品を読むと「なるほど!」と膝を打ちたくなります。
建物を設計するときのように、言葉の一つひとつが計算されていて、無駄がないんです。
例えば、家がきしむ音(家鳴り)の描写だけで、なんと1ページ近くも費やされているシーンがあるとか。
普通なら読み飛ばしてしまいそうな「音」や「空間」の描写が、まるで目の前にその家が建っているかのようにリアルに迫ってきます。
「理系的な視点」と「文学的な情緒」が混ざり合った、新しい読み心地が楽しめますよ。
【あらすじ】三代の記憶をつなぐ「家」の物語
物語の主人公は、ある古い「家」そのものと言ってもいいかもしれません。
祖母、母、そして私。
三代にわたる女性たちの記憶が、ひとつの家を通して語られます。
家には、住んでいた人たちの気配や、隠された感情が染み付いていますよね。
- 柱の傷に残る思い出
- ふとした瞬間に香る匂い
- 誰にも言えなかった秘密
そういったものが、リフォームや解体、あるいは日々の暮らしの中で少しずつ紐解かれていく。
そんな静かで、でも心の奥底に触れてくるようなストーリーです。
野間文芸新人賞に続いての受賞ということで、実力は折り紙付き。
「激しい展開よりも、文章の美しさに浸りたい」という夜におすすめの一冊です。
芥川賞受賞作②:畠山丑雄『叫び』
二作目の芥川賞は、畠山丑雄(はたけやま うしお)さんの『叫び』です。
このタイトルを見て、「えっ?」と思った方もいるかもしれませんね。
デビューから10年越しの復活受賞!著者の軌跡
畠山さんは、デビューから約10年、コツコツと書き続けてきた作家さんです。
華々しいデビューから少し間が空き、苦しい時期もあったそうですが、今回の受賞で見事にスポットライトを浴びました。
「諦めずに続けていれば、いつか報われる」
そんな著者の姿そのものが、多くの読者に勇気を与えています。
【重要】ホラー映画の『叫び』とは別作品です
ここで一つ、大切な注意点をお伝えしておきますね。
スマホで「叫び」と検索すると、黒沢清監督のホラー映画『叫び』(2006年公開)が出てくることがあります。
赤い服の幽霊が出てくる、あの怖い映画です。
安心してください、今回の受賞作はホラーではありません。
小説の『叫び』は、お化けが出てきて脅かすような話ではなく、歴史の叫び、土地の記憶に耳を澄ませる純文学です。
「怖いのは苦手だからやめておこうかな」と思っていた方は、もったいないのでぜひ考え直してみてくださいね。
【あらすじ】1938年の満州と現代の大阪・茨木が交差する
物語の舞台は、1938年の満州と、現代の大阪・茨木市。
この二つの時代と場所が、ある「遺物」を通してつながっていきます。
- 過去パート:戦時下の満州で、ある調査を行っていた男たちのドラマ
- 現代パート:大阪のベッドタウンで暮らす主人公が、土地に眠る歴史に向き合う姿
特にキーワードとなるのが「銅鐸(どうたく)」や「万博」といった、土地に根付いた記憶です。
私たちが普段何気なく歩いている地面の下には、かつて生きていた人たちの「叫び」や「想い」が埋まっている。
それを掘り起こしていくような、知的でスリリングな読書体験が待っています。
直木賞受賞作:嶋津輝『カフェーの帰り道』
さて、続いては直木賞です。
嶋津輝(しまづ てる)さんの『カフェーの帰り道』。
タイトルだけで、なんだかコーヒーのいい香りがしてきそうですよね。
「令和の向田邦子」とも評される、温かい人間ドラマ
嶋津さんの作品は、とにかく「人が愛おしくなる」のが特徴です。
選考委員の方からも「令和の向田邦子」という賛辞が出るほど、人間の弱さや狡さを描きつつも、最後には温かく包み込んでくれるような優しさがあります。
仕事で疲れたり、人間関係でちょっと落ち込んだりしたときに読むと、特によく効く「読むお薬」のような作品です。
【あらすじ】上野のカフェーで織りなす、自立した女性たちの物語
舞台は昭和初期、東京・上野。
当時「カフェー」と呼ばれた喫茶店(今でいうキャバクラと喫茶店の中間のような社交場ですね)で働く女性たちが主人公です。
彼女たちは、それぞれ事情を抱えています。
- 田舎から出てきて、家族を養うために働く子
- 男運が悪くて、何度も失敗してしまうお姉さん
- 夢を追いかけて、都会にしがみついている女性
華やかに見える「カフェー」の裏側で、たくましく、したたかに生きる彼女たちの群像劇。
「連作短編」という形式なので、一話完結でサクサク読めるのも嬉しいポイントです。
忙しい方でも、寝る前の15分で一話ずつ読み進められますよ。
前回の候補作では惜しくも逃しましたが、今回は満場一致に近い形での受賞だったそうです。
読んだ後に「明日もちょっと頑張ってみようかな」と思える、そんな明るい余韻が残ります。
今回の選考について:なぜこの作品が選ばれたのか
「他にも候補作があったのに、どうしてこの作品だったの?」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
今回の選考で評価されたポイントを、こっそり分析してみました。
- 完成度の高さ芥川賞の2作は、どちらも「新人離れした筆力」が評価されました。勢いだけでなく、文章としての構築美(鳥山さん)や、構成の巧みさ(畠山さん)が抜きん出ていたようです。
- 読後の「救い」直木賞に関しては、エンターテインメントとして面白いだけでなく、読んだ後に嫌な気持ちにならない「品格」のようなものが重視された印象です。話題になっていた他の候補作(『家族』など)も素晴らしかったのですが、少しテーマが重すぎたり、救いがなかったりした点で、今回は「温かさ」のある嶋津作品に軍配が上がったのかもしれません。
Q&A:読者の疑問を解決!
ここで、ブログの読者さんからよく聞かれる質問を想定して、Q&A形式でまとめてみました。
Q1. 普段あまり本を読まないのですが、どれから読むのがおすすめですか?
A. 直木賞の『カフェーの帰り道』が断然おすすめです!
短編集なので区切りがいいですし、ストーリーも分かりやすいです。昭和レトロな雰囲気が好きなら、間違いなくハマると思いますよ。
Q2. 芥川賞って、難しくて意味が分からないイメージがあるんですが…
A. 今回は比較的「読みやすい」ですよ。
特に『叫び』は、謎解きのような要素もあるので、ミステリー感覚で読み進められる部分もあります。『時の家』は少し芸術的ですが、文章のリズムが綺麗なので、朗読を聞くような感覚で読むと心地よいです。
Q3. 『叫び』は本当に怖くないですか?
A. はい、大丈夫です(笑)。
お化け屋敷的な怖さはゼロです。ただ、歴史の重みや、人間の業(ごう)のような深みはあるので、「考えさせられる」という意味での重さはあるかもしれません。でも、夜にトイレに行けなくなるようなことはないので安心してくださいね。
まとめ:あなたはどれから読む?タイプ別おすすめガイド
いかがでしたか?
最後に、それぞれの作品をどんな人におすすめしたいか、タイプ別にまとめておきますね。
- 美しい文章に浸りたい、感覚的な読書体験をしたいあなた➡ 『時の家』(鳥山まこと)建築的な美しさと、記憶の物語を楽しんでください。
- 歴史のロマンや、社会的なテーマに触れたいあなた➡ 『叫び』(畠山丑雄)大阪の街の見え方が変わるかもしれません。
- 仕事や家事に疲れていて、心温まる物語で癒やされたいあなた➡ 『カフェーの帰り道』(嶋津輝)頑張る女性たちの姿に、きっと元気をもらえます。

どの作品も、今の時代を映し出す素晴らしい鏡です。
話題になっている今こそ、書店に足を運んで、実際に本を手に取ってみてください。
装丁(表紙のデザイン)もそれぞれ凝っていて素敵なので、ジャケ買いするのも楽しいですよ。
あなたの読書時間が、素敵なものになりますように。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!









