・大人のワクチン接種回数は生まれ年によって異なり、免疫が不十分な人も少なくありません
・感染が疑われる場合は直接受診せず、必ず事前に電話相談することが絶対ルールです
はしか(麻疹)とは?いま知っておきたい現状と感染力の強さ
最近、ニュースやSNSで「はしか」という言葉を目にする機会が増えましたよね。
なんだか怖いな、と不安に感じているひとも多いのではないでしょうか。
はしかは、小さな子どもがかかる病気というイメージがあるかもしれません。
でも実は、大人にとっても非常に注意が必要な病気なのです。
まずは、はしかがどういうものなのか、その特徴を分かりやすくお話ししますね。
マスクだけでは防げない!「空気感染」の脅威

はしかの一番怖いところは、その「感染力の強さ」にあります。
風邪やインフルエンザは、咳やくしゃみのしぶきを吸い込むことでうつる「飛沫感染」がメインですよね。
でも、はしかのウイルスは「空気感染」を引き起こします。
ウイルスが空気中をふわふわと漂って、同じ空間にいるだけでうつってしまうのです。
しかも、感染したひとがその場を立ち去ったあとでも、ウイルスは空気中で最大2時間ほど生きていると言われています。
つまり、すれ違っただけでも感染するリスクがあるということです。
だからこそ、普段から気を付けている手洗いやマスクだけでは、完全に防ぐことがとても難しい病気なのです。
大人も注意!国内での感染事例が増加中

「日本なら大丈夫じゃないの?」と思うかもしれません。
たしかに日本は、はしかを抑え込んできた実績があります。
でも、2026年に入ってから、国内でも感染の報告が少しずつ増えてきているのです。
たとえば、海外旅行や出張で感染したひとが帰国して、そこから広がるケースが多く見られます。
空港や新幹線など、たくさんのひとが行き交う場所で感染が広がるおそれがあります。
だからこそ、他人事だと思わずに、私たち大人も正しい知識を持っておくことが大切です。
あなたは大丈夫?【世代別】はしかワクチンの接種回数早見表
はしかの感染を防ぐために、いま私たちにできる一番確実な方法は「ワクチン接種」です。
でも、自分が過去に何回ワクチンを打ったか、すぐに思い出せるひとは少ないですよね。
実は、日本の予防接種のルールは何度も変わってきたため、生まれた年によってワクチンの接種回数がまったく違います。
いま、はしかを完全に防ぐためには「2回」のワクチン接種が必要だと言われています。
自分の世代が何回打っているのか、一緒に確認してみましょう。
1972年(昭和47年)9月30日以前生まれのひと
この世代のひとは、子どものころにワクチンの定期接種がなかったため、「1回も打っていない」可能性が高いです。
子どものころに自然にはしかにかかって、すでに免疫を持っているひともたくさんいます。
でも、確実にかかった記憶がない場合は、注意が必要です。
免疫がないまま感染すると重症化しやすいので、2回のワクチン接種が強くおすすめされています。
1972年10月1日〜1990年(平成2年)4月1日生まれのひと
この世代は、子どものころに定期接種として「1回」ワクチンを打っている可能性が高い世代です。
でも、1回だけの接種だと、大人になるにつれて免疫が少しずつ落ちてしまうことがあります。
そのため、感染を防ぐには免疫が足りないかもしれません。
不安なひとは、もう1回追加でワクチンを打つことが推奨されています。
1990年4月2日〜2000年(平成12年)4月1日生まれのひと
この世代は、ルールがちょうど変わる時期でした。
基本は1回接種の世代ですが、のちに特例として「2回目」を打てる期間がありました。
そのため、しっかり2回打っているひとと、1回で終わっているひとが混ざっています。
もし母子手帳などが残っていれば、自分が2回目を打っているか確認してみてくださいね。
2000年(平成12年)4月2日以降生まれのひと
この世代からは、子どものころに「2回」ワクチンを打つのが当たり前のルールになりました。
そのため、基本的にはしっかりと免疫がついている可能性が高い世代です。
ただ、体調不良などで打ちそびれていることもあるので、念のため親御さんに聞いたり、記録を確認したりすると安心です。
母子手帳がない!大人の予防接種履歴の確認方法

自分の世代の目安が分かっても、実際に打ったかどうか正確に知りたいですよね。
一番確実なのは、子どものころの「母子手帳」を見ることです。
でも、実家を出て一人暮らしをしていたり、引っ越しを繰り返したりしていると、母子手帳が見つからないことも多いはずです。
そんなとき、大人が自分の予防接種の履歴を確認する方法を2つご紹介しますね。
マイナポータルを使ったオンライン確認
最近は、とても便利な方法があります。
マイナンバーカードを持っているひとなら、「マイナポータル」という国が作っているサイトやアプリから確認できることがあります。
スマホでサクッとログインするだけで、自分のワクチンの記録が見られるのです。
わざわざ出かける必要もなくて、とても便利ですよね。
ただ、すべての自治体がこのシステムに対応しているわけではありません。
お住まいの地域によってはまだ見られないこともあるので、まずは一度ログインしてチェックしてみてください。
自治体窓口での照会手続き
もしマイナポータルで確認できなかった場合は、お住まいの市区町村の役所にお願いすることになります。
役所の窓口に行ったり、郵送で申請したりして、昔の予防接種の記録を探してもらえます。
手続きには運転免許証などの本人確認書類が必要です。
自治体によってやり方が少しずつ違うので、まずは役所のホームページで「予防接種 履歴 確認」などと検索して、手順を調べてみてくださいね。
大人の抗体検査・ワクチン接種の費用と注意点
履歴を確認して「ワクチンを打ったほうがいいかも」と思ったとき、気になるのがお金のことですよね。
大人がはしかのワクチンを打つ場合、費用はどうなるのか、そして気を付けるべきポイントをお話しします。
基本は自己負担(費用の目安)
大人が自分の希望で抗体検査(免疫があるか調べる検査)を受けたり、ワクチンを打ったりする場合、基本的には健康保険が使えません。
全額が自己負担になってしまいます。
病院によって値段は違いますが、目安としては以下のような感じです。
・抗体検査:約5,000円から7,000円くらい
・ワクチン接種:約7,000円から1万円くらい
両方受けると、それなりにお金がかかってしまいますよね。
お住まいの自治体の「助成金」をチェックしよう
「ちょっと高いな」と思ったひとに、朗報です。
実は、市区町村によっては、大人の風疹やはしかの検査やワクチン費用を助成してくれる制度があります。
条件に当てはまれば、無料になったり、費用の一部を負担してくれたりします。
お住まいの地域の役所のホームページで「〇〇市 はしか 助成金」などで検索すると、お得な情報が見つかるかもしれません。
受診する前に、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
【重要】いまは全国的にMRワクチンが不足しています
ここでお伝えしなければならない、とても大切なことがあります。
実は現在、全国的に「MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)」の数が大きく不足しています。
ワクチンは、まずは小さな子どもたちへの定期接種が最優先されています。
そのため、私たち大人が「打ちたい」と思って病院に電話しても、いまは予約が取れないことが非常に多いのです。
もし予約ができなくても、焦らないでくださいね。
手洗いなどの基本的な対策を続けながら、ワクチンの供給が落ち着くのを待ちましょう。
はしかの初期症状と「ただの風邪」との見分け方
いくら気を付けていても、もしかして感染してしまったらどうしようと不安になりますよね。
はしかを早く見つけるためには、初期症状を知っておくことがとても大切です。
でも、最初のうちはただの風邪と本当にそっくりなのです。
どんな症状が出るのか、一緒に見ていきましょう。
最初の2日から3日は風邪そっくり(カタル期)
はしかのウイルスが体に入ってから、だいたい10日から12日くらいは何も症状が出ない「潜伏期間」です。
その後、急に38度以上の熱が出ます。
それと一緒に、咳がゴホゴホ出たり、鼻水が出たり、目が赤く充血したりします。
この時期をカタル期と呼びますが、症状だけを見ると普通の風邪とまったく見分けがつきません。
でも実は、この「風邪みたいな時期」が、一番周りのひとにうつしやすい、とても危険なタイミングなのです。
口の中の白い斑点(コプリック斑)と赤い発疹
風邪みたいな症状が数日続いたあと、熱が少し下がる瞬間があります。
そのとき、口の中(ほっぺたの裏側あたり)に、小さな白いブツブツが現れることがあります。
これを「コプリック斑」と呼んでいて、はしか特有のサインです。
ただ、自分ではなかなか気づきにくいかもしれません。
その後、再び高い熱が出て、耳の裏や首のあたりから、少しずつ全身に赤い発疹が広がっていきます。
熱が長く続いて、体に赤いブツブツが出てきたら、はしかの可能性を強く疑う必要があります。
【絶対ルール】はしかが疑われるときの正しい受診行動
もし「これってただの風邪じゃないかも」「はしかかもしれない」と思ったら。
ここで絶対に守ってほしいルールが2つあります。
周りのひとを守るためにも、このルールだけは必ず覚えておいてくださいね。
直接病院に行くのはNG!必ず事前に電話連絡を
熱があって辛いと、すぐに近所の病院に駆け込みたくなりますよね。
でも、はしかが疑われるときは、いきなり病院へ行くのは絶対にやめてください。
さきほどお話ししたように、はしかは空気感染します。
もし感染した状態で待合室に座っていると、そこにいる他の患者さんたちにあっという間にうつしてしまいます。
病院へ行く前に、必ずかかりつけの病院や保健所に電話をしてください。
「はしかかもしれないのですが、どうすればいいですか?」と相談して、病院の指示に従うのが正しいルールです。
公共交通機関(電車・バスなど)の利用は厳禁

病院へ向かうときの移動手段にも、気を付けなければいけません。
電車やバス、タクシーなどの公共交通機関を使うのは厳禁です。
密室空間でたくさんのひとと一緒にいると、そこで感染を広げてしまう大きな原因になります。
移動するときは、自家用車を使うか、家族に車を出してもらうようにしてください。
そして、移動中も必ずマスクをしっかり着けてくださいね。
読者のギモンを解決!はしかに関するQ&A
ここまでお話ししてきて、まだ少し疑問に思うことがあるかもしれません。
よくある質問をまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
Q. 子どものころにはしかにかかった記憶があいまいで分かりません。抗体検査を受けたほうがいいですか?
A. 記憶があいまいな場合は、一度病院で抗体検査を受けることをおすすめします。血液検査で簡単に、自分に免疫があるかどうかが分かりますよ。結果を見てからワクチンの相談ができるので安心です。
Q. ワクチンを打ちたいけれど予約が取れません。どうやって予防すればいいですか?
A. いまは全国的にワクチンが不足しているので、予約が取れなくても焦らないでくださいね。まずは、人混みをできるだけ避けること、そして帰宅後の手洗いやうがいをしっかり続けることが大切です。基礎体力を落とさないように、しっかり寝て食べることも予防につながりますよ。
Q. 妊娠中に自分がはしかにかかったら、お腹の赤ちゃんに影響はありますか?
A. 妊娠中はしかにかかると、お母さん自身が重症化しやすくなるだけでなく、流産や早産のリスクが高まると言われています。妊娠中はワクチンを打つことができないので、これから妊娠を考えているひとは、早めに抗体検査やワクチン接種を済ませておくことがとても大切です。

まとめ:正しい知識で自分と周りのひとを守ろう

今回は、大人が気を付けたい「はしか(麻疹)」についてお話ししました。
空気感染という強い感染力を持つウイルスだからこそ、正しい知識を持って行動することが何よりも大切です。
まずは自分の世代のワクチン接種回数を確認して、必要があれば抗体検査などを検討してみてください。
そして、もし「はしかかも」と思ったときは、絶対にそのまま病院へ行かず、まずは電話で相談するというルールを徹底しましょう。
不安になるニュースが続きますが、慌てず冷静に、できる対策からひとつずつ始めていきましょうね。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげるお守り代わりになれば嬉しいです。
もしものときのために、バッグにそっと忍ばせておきたい
はしかは空気感染が中心なので、
アルコールだけで完全に防げるわけではありません。
それでも、
外出先で手すりやドアノブに触れたあと、
食事の前やスマホを触る前に、
「自分でできることを、きちんとしている」という安心感は大切ですよね。
バッグの中に、
さっと取り出せる携帯用のアルコール除菌シートがあるだけで、
不安な気持ちが少しやわらぐ瞬間があります。
手を清潔に保つことは、
自分のためだけでなく、周りの人への思いやりにもつながります。











