日本経済新聞 今日の日付（2025年8月23日、土曜日）朝刊春秋の要約とSNS型投資詐欺の教訓
今日の日本経済新聞朝刊の「春秋」は、昔から変わらない投資の世界の危うさについて語っています。
兜町は、溶鉱炉のように白熱化していた」。高木彬光の推理小説「黒白の虹」に、そんな描写がある。ある証券会社の社員はこう語る。「有望株なんか、骨を折って捜すことはないさ。眼をつぶって、新聞の証券欄を鉛筆の先でおさえ、その株をすすめておけばいい」
時は朝鮮戦争の特需でわく好景気の頃。かばんに札束を詰め農村から上京する客もいる。道端には「上がる株」を指南する「罫線（けいせん）屋」の姿も。主人公は実現性の乏しい新商品開発などを軸に株価操縦を企てる。作者は現実の事件を参考に本作を書いたそうだ。モデルとなった企業は社史に事件を記載し、教訓を今に伝える。
この記事は、時代が変わっても投資の世界には危険が潜んでいると警鐘を鳴らし、特に最近増えているSNSを舞台にした投資詐欺について触れています。テレビでおなじみの有名人になりすました偽の動画など、巧妙な手口で「必ず儲かる」と誘い、高額な被害が出ている状況が伝えられています。
ネットの投資詐欺広告って、どんな手口？
昔から「うまい話には裏がある」と言いますが、今の時代はネットの普及で詐欺の手口もより巧妙になっています。特に最近よく目にするのが、有名人になりすました「SNS型投資詐欺」です。
皆さんも、SNSや動画サイトを見ているときに、こんな広告を見かけたことはありませんか？
- 「必ず儲かる株を教えます！」
- 「この情報を見ないと損します！」
- 「私の投資術で億万長者に！」
これらの広告は、一見すると本人が語っているように見えますが、実は最新のAI技術を使って作られた偽物なんです。話している内容も、あたかもその有名人が実際に投資で成功したかのように聞こえるので、うっかり信じてしまいそうになりますよね。
有名人になりすます「ディープフェイク」とは？
「ディープフェイク」という言葉を聞いたことはありますか？これは、AIを使って本物そっくりの偽動画や偽画像を作る技術です。この技術が悪用され、投資詐欺に使われているのが現状です。
- 声や話し方までそっくり: 普段テレビで聞いている声や話し方を真似ているので、本物と区別がつきにくいです。
- 表情や動きもリアル: 画面の中で微笑んだり、身振り手振りを交えたりするので、あたかも本人が話しているかのように見えます。
なぜ、今「SNS型投資詐欺」が急増しているの？
警察庁の統計によると、この手の詐欺被害が年々増えています。なぜこんなに被害が拡大しているのでしょうか？それにはいくつかの理由が考えられます。
1. 誰もが気軽に投資を始める時代になったから
NISA（少額投資非課税制度）の拡充などで、以前よりも投資が身近なものになりました。多くの人が「私も投資を始めてみたい！」と考えている一方で、投資の知識がまだ十分ではない人も多いのが現実です。
詐欺師たちは、そうした投資初心者の「早く儲けたい」「失敗したくない」という心理につけこんでくるんです。
2. 物価高で将来に不安を感じる人が増えたから
最近、スーパーに行くと「また値上がりしてる…」と感じることはありませんか？物価がどんどん上がっているのに、お給料はなかなか増えない。そんな状況で「このままじゃいけない」「将来のためにお金を増やさなきゃ」という焦りが生まれます。
そうした不安な気持ちにつけこみ、「絶対に儲かる方法がありますよ！」と甘い言葉で誘ってくるのです。
3. SNSの浸透で詐欺広告が目に触れる機会が増えたから
今や多くの人がSNSを利用しています。詐欺師たちは、ターゲットの年齢層や興味のあることを分析して、その人に合った詐欺広告をピンポイントで表示させることができてしまいます。
たとえば、普段から料理や旅行の動画を見ている人には、さりげなく「副業で稼いだお金で世界一周！」といった広告を見せてきたりします。
投資詐欺に遭わないために、私たちができること
詐欺師の手口は巧妙で、誰もが被害者になる可能性があります。しかし、正しい知識と心構えがあれば、被害を防ぐことができます。
1. 「必ず儲かる」「絶対安全」は信じない！
投資の世界に「絶対」はありません。たとえプロの投資家でも、常に成功するとは限りません。もし「元本保証」「必ず儲かる」といった言葉を見かけたら、それは詐欺だと疑ってください。
2. 有名人の広告でも、必ず裏付けを！
SNSで有名人が話しているのを見ても、すぐに信じ込まずに、一度立ち止まって考えてみましょう。
- 本当に本人の公式アカウント？: 有名人の名前を騙った偽アカウントではありませんか？
- 公式サイトで確認: 有名人の公式サイトや所属事務所のホームページに、その投資案件について記載があるか確認しましょう。もし、どこにも情報がなければ、偽物である可能性が高いです。
3. 連絡先は「LINE」や「Telegram」ではない！
詐欺グループは、やり取りに「LINE」や「Telegram」といったメッセージアプリを使うことがほとんどです。なぜなら、万が一詐欺だとバレたときに、すぐにアカウントを削除して痕跡を消すことができるからです。
投資詐欺かも？と思ったら、すぐに相談を！
「もしかして詐欺かも？」と不安になったら、一人で悩まずにすぐに誰かに相談することが大切です。
どこに相談すればいいの？
以下のような相談窓口があります。
| 相談先 | 連絡先・内容 |
| 警察 | 警察相談専用電話「#9110」 または最寄りの警察署 |
| 国民生活センター | 消費者ホットライン「188（いやや！）」 |
| 証券・金融商品あっせん相談センター | 投資トラブルに関する相談 |
まとめ：投資は、自分の目で確かめることが大事
投資は、私たちの未来を豊かにしてくれる可能性を秘めています。しかし、その一方でリスクがあることも忘れてはいけません。
大切なのは、「楽して儲けたい」という気持ちを一旦横に置いて、自分の目で情報を確かめることです。怪しいと思ったら近づかない勇気を持つことが、あなたの資産を守る一番の防衛策になります。
投資について学ぶことは、自分自身の将来に対する投資です。焦らず、一歩ずつ、正しい知識を身につけていきましょう。
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- 詐欺の手口を見抜く力がつく: 知識を身につけることで、「うまい話」に潜む危険性を嗅ぎ分けられるようになります。
- 賢いお金の使い方が身につく: 無駄な出費を減らし、将来の資産を増やすための具体的な行動が分かります。
投資は、正しい知識があれば怖いものではありません。両学長の『お金の大学』を読んで、焦らず、着実に資産を築いていくための第一歩を踏み出してみませんか？