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取適法(とりてきほう)とは?2026年から何が変わる|従業員基準の追加・罰則リスク・実務チェックリスト

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2026年1月1日、下請法は通称「取適法」へ。**従業員基準(300人/100人)**が加わり対象が広がります。 元請(委託事業者)には4つの義務、そして11の禁止行為が明確化・強化。知らないと一発で信用を落とします。 この記事は、実務で揉めやすい「60日」「書面」「価格協議」「特定運送委託」を、チェックリストで迷子にさせず整理します

2026年1月から、下請法が新しく「取適法(とりてきほう)」として生まれ変わります。

従業員数による新しい基準が加わったことで、今まで対象外だった取引もルールの対象になり、義務や罰則がより厳格になりました。

知らぬ間に違反して会社の信頼を失わないために、元請企業が今すぐ見直すべきポイントをわかりやすく解説します。

仕事の現場で、2026年から始まる「取適法(とりてきほう)」が話題になっていますね。

これまでは「下請法」として親しまれてきましたが、時代に合わせてルールが大幅にアップデートされました。

正式な名前は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」といいます。

少し長くて難しい名前ですが、一般的には「中小受託取引適正化法」という略称や、「取適法」という通称で呼ばれています。

「法律の名前が変わるだけでしょ?」と思っている方もいるかもしれませんが、中身はかなり変わっています。

特に、これまで対象外だった小さな会社との取引が新しく対象に含まれるようになった点は、見逃せない大きな変化です。

発注する側も、受ける側も、新しい時代のビジネスマナーとしてしっかり中身を確認しておきましょう。

目次

そもそも「取適法(とりてきほう)」ってなに?

取適法とは、一言でいえば「仕事を発注する側と受ける側が、対等でフェアな関係を築くための法律」です。

これまでの中核だった下請法をベースに、今の経済状況や働き方に合わせてさらに厳格なルールへと進化しました。

最近は、原材料費の上昇や人手不足による労務費の高騰など、ビジネスを取り巻く環境が厳しくなっていますよね。

そんな中で、立場が強くなりがちな「元請企業」が、無理な要求を押しつけないように国がしっかりとルールを定めたのです。

いわば、サプライチェーン全体で適正なコストを分担し、みんなが健康的に働ける環境を作るための土台といえます。

この法律を知っておくことは、単なる法令遵守だけでなく、大切なパートナーとの信頼関係を長く続けるための秘訣でもあるんですよ。

うちの会社も対象になるの?基準がぐっと広がりました

ここで一番注意してほしいのが、法律が適用される「対象」の広がりです。

これまでの下請法は、主に「資本金がいくらか」というお金の面だけで対象が決まっていました。

しかし、新しい取適法では、新しく「従業員数」という基準が加わったのです。

たとえば、次のようなケースが新しく対象となります。

・資本金は少ないけれど、従業員を一定数以上雇っている会社

・物流業界で、荷物の配送を依頼する「特定運送委託」のケース

「うちは資本金が1000万円以下だから大丈夫」と考えていた会社も、従業員の数によってはルールの対象になる可能性が高いです。

特に物流関係では、トラックGメンなどの監視体制も強化されており、配送の依頼に関するルールが非常に厳格になっています。

まずは自分たちの取引相手が、新しい基準のどこに当てはまるのかを再確認することから始めましょう。

元請企業が絶対に守るべき「4つの義務」

仕事を発注する側が、最低限守らなければならない約束事は4つあります。

どれも取引の基本ですが、改めて内容を確認しておきましょう。

内容を書面で渡す(3条書面)

仕事をお願いするとき、メールやチャットだけで曖昧に済ませていませんか?

取適法では、発注のタイミングで「いつまでに」「何を」「いくらで」といった条件を記載した書面を渡すことが義務づけられています。

今はデジタル化が進んでいますが、システム上でこれらの項目が確実に記録され、相手が確認できる状態にしておく必要があります。

「詳細は後で決めるから」という口約束は、トラブルの種になるだけでなく、法律違反の対象にもなるので気をつけたいですね。

支払いの期限をしっかり守る(60日ルール)

これは取引相手にとって、最も関心の高いポイントです。

代金の支払期限は、品物を受け取った日(またはサービスが終わった日)から数えて、60日以内に設定しなければなりません。

よくある間違いが、「請求書が届いた日から60日」と考えてしまうことです。

法律では、あくまで「物やサービスを受け取った日」がスタート地点になります。

もし経理の処理が遅れて請求書の発行が遅れたとしても、この「60日以内」という期限は動かせません。

早め早めの支払いフローを整えておくことが大切です。

書類を捨てずに取っておく(5条書類)

取引が終わった後も、しっかりとした管理が必要です。

発注書や支払いの記録などの書類は、取引が終わってから2年間、保存しておく義務があります。

最近は電子保存も一般的ですが、いつでもすぐに内容を確認できるように整理しておきましょう。

後から調査が入ったときに、証拠となる書類が揃っていないと、適切な取引が行われていたことを証明できなくなってしまいます。

遅れたら利息を払う

もし、万が一支払期限を過ぎてしまった場合。

単に代金を払うだけでなく、「遅延利息」を上乗せして支払わなければなりません。

その利率は、年率14.6%と法律で決められています。

計算してみると、その重みがよくわかります。

たとえば、100万円の支払いが30日遅れた場合の計算式はこうなります。

1,000,000 × 0.146 ÷ 365 × 30 = 12,000円

遅れれば遅れるほど金額が膨らみますし、何より取引先からの信頼を大きく損なってしまいます。

期日管理は、ビジネスの基本中の基本として徹底したいですね。

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これをやったらアウト!「11の禁止行為」

義務を守るだけでなく、やってはいけない「禁止行為」も11項目定められています。

その中でも、実務で特に関連が深いものをピックアップしました。

買いたたき

これが今、最も厳しくチェックされているポイントです。

相手の言い値を無視して、相場より著しく低い金額を無理やり押しつけることです。

最近はエネルギー価格や人件費が上がっていますよね。

相手から「コストが上がったので価格を相談したい」と言われたときに、正当な理由なく話し合いを拒むことも、買いたたきとみなされる恐れがあります。

お互いに納得できるまで、誠実に話し合う姿勢が求められています。

支払いの減額

一度決まった金額を、後から理由をつけて減らすことは一切禁止されています。

「今月は目標に届かなかったから、少し協力してよ」といった、いわゆる協力金のような名目で代金をカットするのもNGです。

たとえ相手がしぶしぶ承諾したとしても、法律違反になることに変わりはありません。

返品ややり直し

注文通りに納品されたものを、「やっぱりいらなくなったから」と返品することはできません。

また、不当に何度もやり直しをさせたり、本来の範囲を超えたサービス作業を無償で強要したりすることも禁止されています。

特に物流の現場での、契約にない荷積みや荷下ろし作業などは、厳格に禁止される対象となっています。

手形での支払いに注意

代金を現金ではなく「手形」で払うときも、新しいルールがあります。

原則として、60日以内に現金化できるものでなければなりません。

換金に時間がかかる手形を渡すことは、相手の資金繰りを悪化させることになるため、制限されています。

もし違反してしまったら?想像以上の大きなリスク

「少しのルール違反くらいなら大丈夫だろう」という考えは、今の時代には非常に危険です。

違反が見つかったときのダメージは、お金の問題だけではありません。

企業名の公表という社会的制裁

重大な違反や勧告が行われた場合、その企業名が公に発表されます。

インターネットが普及した今、一度名前が公表されると、その情報はデジタルタトゥーとして長く残ってしまいます。

「あそこは取引先を大切にしない会社だ」というレッテルを貼られてしまうと、どうなるでしょうか。

新しい人材が採用できなくなったり、他社から取引を敬遠されたり、銀行の評価が下がったりと、ビジネスに深刻な影響を与えます。

失った信頼を取り戻すには、膨大な時間と労力がかかります。

行政による厳しい監視網

今、政府は「価格転嫁の円滑化」を国全体の課題として取り組んでいます。

公正取引委員会や中小企業庁だけでなく、物流分野では国土交通省なども連携して、非常に厳しいチェックを行っています。

以前よりも調査の頻度が上がり、小さな兆候も見逃さないような体制が整っているのです。

「今まで指摘されなかったから」という言い訳は通用しないと考えたほうがいいでしょう。

今すぐ取り組むべき「実務対応チェックリスト」

2026年のスタートに向けて、私たちが今からできる準備をまとめました。

直前になって慌てないよう、少しずつ進めていきましょう。

・取引先の情報を整理し直す

現在の取引先の「資本金」だけでなく「従業員数」も確認し、新しいルールの対象になるかリスト化しましょう。

・発注書や契約書のフォーマットを確認する

法律で必要な項目(3条書面の項目)が漏れなく入っているか、今のうちにテンプレートを修正しておきます。

・支払いサイクルの見直し

「納品から60日以内」に確実に振り込めるよう、社内の経理フローに無理がないか確認しましょう。

・価格交渉の窓口と手順を決める

相手から値上げの相談があった際、誰がどのように対応するのか、社内ルールを明確にしておきます。

・社内での正しい知識の共有

現場の担当者が「何がNGなのか」を知らないことが、一番のリスクです。短い時間でも勉強会を開くのが効果的です。

みんなの疑問 Q&A

新しい制度について、よく聞かれる疑問にお答えします。

Q:小さなフリーランスの方にお願いするときも、この法律は関係ありますか?

A:はい、大いに関係があります。今回の取適法では、相手が一人で働いているフリーランスであっても、条件を満たせば義務や禁止事項が適用されます。

Q:相手が「書面はいらない」と言ってくれています。それでも作成が必要ですか?

A:必要です。書面の交付は法律で決まった義務なので、相手の意思に関わらず、発注側は必ず渡さなければなりません。

Q:支払期限が土日や祝日の場合はどうなりますか?

A:その場合でも「60日」のカウントは変わりません。休み明けに支払うと期限を過ぎてしまうので、休みの前の日までに支払うよう調整が必要です。

Q:原材料費が高騰しているのに、相手が値上げを言い出しにくいようです。

A:発注側から積極的に「最近のコスト状況はどうですか?」と声をかけることが推奨されています。こうした姿勢が、いいパートナーシップに繋がります。

まとめ:公正な取引が、あなたの会社の価値を高める

取適法(とりてきほう)へのアップデートは、最初は少し大変に感じるかもしれません。

でも、この法律の目的は、単に規制を強めることではなく、持続可能なビジネス環境を作ることです。

正当な対価を支払い、フェアな条件で取引をすることは、回り回って自社のサプライチェーンを安定させることになります。

「ルールだから守る」という受動的な考え方から、一歩進んで。

「誠実な取引を通じて、社会から信頼される企業になる」というポジティブな姿勢で取り組んでいきたいですね。

新しいルールを味方につけて、より強固なビジネスの基盤を築いていきましょう。

もし具体的にどうすればいいか迷ったときは、専門家や公的な相談窓口を上手に活用してくださいね。

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