日本経済新聞 2025年8月18日(月)勇敢明日への話題の要約とジャカルタの未来
はじめに:あの渋滞都市ジャカルタが変わる?
「ジャカルタ」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのが、あの有名な交通渋滞ではないでしょうか。約束の時間に間に合わせるのが一苦労で、移動だけで疲れてしまう…なんて経験がある方もいるかもしれませんね。
そんなジャカルタの日常に、数年前から大きな、そして素敵な変化が訪れています。その主役が、都市高速鉄道、通称「MRT」。
実はこのMRT、日本の技術がたくさん詰まった、まさに「メイド・イン・ジャパン」ならぬ「メイド・ウィズ・ジャパン」なプロジェクトなんです。
この記事では、日本の新聞コラムをきっかけに、ジャカルタMRTが現地の人々の暮らしや心にどんな変化をもたらしているのか、そして、そこに日本の技術がどう関わっているのかを、現地の声も交えながら、分かりやすく紐解いていきたいと思います。
「海外で日本の技術が活躍しているって、なんだか嬉しい!」
「ジャカルタの新しい一面を知りたい!」
そんなあなたに、ぜひ読んでいただきたい物語です。
きっかけとなった新聞コラム:ある日本人女性が見たジャカルタの変化
まずは、今回の記事のきっかけとなった、日本経済新聞のコラムをご紹介します。実際にジャカルタでMRTを利用した際の、素直な驚きと感動が綴られています。
少し前になるが、ジャカルタの都市高速鉄道(MRT)を利用した。日本が支援し2013年に着工、19年3月月に完成したいわゆる地下鉄で、日本の鉄道技術とノウハウがあらゆる局面でいかされている。
人気が高く混雑を心配したが、切符を買う行列もなくスムーズにホームまで行けた。券売機と思ったのは、実はMRT専用の電子マネーカードの発行機。まずは切符を買わなければと思い込んでいたが、ICカードや携帯アプリの時代だと実感した。
(中略)
このコラムの筆者が感じたように、MRTは単なる移動手段ではありません。それは、ジャカルタという巨大都市の「時間」の概念を変え、人々の行動や心にまで影響を与える、大きな社会インフラとなっているのです。
では、具体的にどのような変化が起きているのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
そもそも「ジャカルタMRT」ってどんな鉄道?
まずは基本情報から見ていきましょう。ジャカルタMRTがどんなプロジェクトなのかを知ると、そのすごさがもっとよく分かりますよ。
MRTが生まれる前のジャカルタ
MRTの話をする前に、少しだけ以前のジャカルタの交通事情についてお話しさせてください。
- 世界最悪レベルの交通渋滞
- 公共交通機関が未発達で、多くの人が車やバイクに頼る
- 移動時間が全く読めず、経済的な損失も大きい
こんな状況が、長年ジャカルタの大きな悩みでした。約束の時間に間に合わないのは日常茶飯事。「ゴム時間(Jam Karet)」なんて言葉があるくらい、時間に対しておおらかな文化が根付いていた背景には、こんな交通事情があったのですね。

待望の都市鉄道プロジェクト
そこで立ち上がったのが、大規模な都市高速鉄道を建設する「ジャカルタMRTプロジェクト」です。このプロジェクトには、日本の国際協力機構(JICA)が「円借款」という形で、資金面・技術面で全面的にサポートしています。
円借款というのは、日本が開発途上国に対して、低い金利で長期間にわたってお金を貸し出し、その国の発展をサポートする仕組みのこと。つまり、日本とインドネシアがタッグを組んで実現した、夢のプロジェクトなんです。
現在のMRT路線
2019年3月に開業した最初の路線は、市の中心部を南北に結ぶ「南北線」です。
項目 | 内容 |
路線名 | MRTジャカルタ 南北線(フェーズ1) |
区間 | レバクブルス・グラブ駅 ~ ブンダランHI駅 |
距離 | 約15.7km |
駅数 | 13駅(地下6駅、高架7駅) |
開業年 | 2019年3月 |
この路線の開通によって、これまで車で1時間半以上かかっていた区間が、わずか30分ほどで移動できるようになりました。これはまさに革命的な変化ですよね!
ここがすごい!MRTに詰まった日本の技術力
コラムにもあったように、ジャカルタMRTには日本の素晴らしい技術が惜しみなく投入されています。私たちが普段日本で当たり前のように利用している鉄道の「快適さ」や「安心感」が、遠く離れたジャカルタでも実現されているのです。
具体的にどんな技術が使われているのか、いくつかご紹介しますね。

1. 静かで快適な車両
MRTで走っている車両は、日本の「日本車輌製造」という会社が作っています。
- 揺れが少なく、乗り心地が良い
- 走行音がとても静か
- 省エネ性能が高く、環境にも優しい
日本の鉄道車両は、世界でもトップクラスの品質を誇ります。その技術が、ジャカルタの皆さんの快適な移動を支えているんですね。
2. 世界一正確な「定時運行」を支えるシステム
コラムの知人の方が最も驚いていたのが、「時間通りに次々と電車が来ること」。これを実現しているのが、日本の信号・運行管理システムです。
日本の技術 | どんなことができる? |
信号システム | 電車同士が安全な距離を保って、効率よく走れるようにコントロールします。 |
通信システム | 運転指令所と各電車がリアルタイムで情報をやり取りし、正確な運行を可能にします。 |
自動列車防護装置(ATP) | もしもの時に自動でブレーキをかけるなど、安全を守るための重要なシステムです。 |
これらのシステムが組み合わさることで、数分単位で正確に電車がやってくる、日本の都市部ではおなじみの光景がジャカルタでも見られるようになりました。
3. 安全第一の線路と駅
地震が多いインドネシアの土地でも安心して使えるように、日本の耐震基準に基づいた頑丈な線路や駅が作られています。
また、ホームには「ホームドア」が設置されています。これは、乗客が線路に落ちるのを防ぐための安全対策。こうした細やかな配慮も、日本の鉄道ならではの「おもてなし」の心と言えるかもしれません。
MRTがもたらした3つの素敵な変化
さて、日本の技術が詰まったMRTは、ジャカルタの街と人々の心にどんな変化をもたらしたのでしょうか。コラムの内容をさらに深掘りしながら、3つのポイントで見ていきましょう。
変化1:「時間」の価値観が変わった

これが、何よりも大きな変化かもしれません。
- 「ゴム時間」からの卒業これまで移動時間が読めなかったため、時間にルーズにならざるを得なかった人々が、「MRTなら〇分で着く」という計算ができるようになりました。これにより、ビジネスでもプライベートでも、時間を守ることの重要性が再認識され始めています。
- 新しいライフスタイルの誕生通勤時間が大幅に短縮されたことで、朝の時間を家族と過ごしたり、仕事帰りに趣味の時間を楽しんだりする人が増えました。MRTは、人々に「ゆとり」という新しい時間をもたらしたのです。
変化2:人々の「行動」が変わった
コラムの中で「人が整列して乗車を待つようになった」というエピソードが印象的でしたよね。これは、MRTがもたらした行動の変化のほんの一例です。
MRTがもたらした行動の変化 | 具体的には… |
整列乗車 | 「電車は時間通りに来る」という信頼感が、人々を規律ある行動へと導きました。降りる人を先に通す、といったマナーも自然と広まっています。 |
駅や車内でのマナー向上 | 清潔で快適な空間をきれいに保とうという意識が働き、ゴミのポイ捨てなどが減りました。車内での飲食禁止といったルールも、多くの人に守られています。 |
キャッシュレス化の促進 | コラム筆者も驚いていたように、MRTの支払いはICカードやスマートフォンのアプリが主流です。MRTの利用をきっかけに、キャッシュレス決済を始めたという人も少なくありません。 |
インフラが整うことで、人々の意識やマナーまで向上していく。これは本当に素晴らしいことですよね。まるで、きれいな公園ではゴミを捨てにくい、と感じる心理に似ているのかもしれません。
変化3:「街」の姿が変わった
MRTは、ジャカルタの街の風景そのものも変えつつあります。
- 駅周辺の再開発MRTの駅ができたことで、その周辺エリアがとても便利になりました。新しい商業施設やオフィスビル、マンションなどが次々と建設され、街が活性化しています。
- 環境への貢献多くの人が車やバイクからMRTに乗り換えることで、交通渋滞が少しずつ緩和され、大気汚染の原因となる排気ガスの削減にも繋がっています。MRTは、人と地球に優しい交通手段なのです。
現地の人はどう感じてる?リアルな声を集めてみました
コラムの知人の方以外にも、多くのジャカルタ市民がMRTの登場を歓迎しています。SNSや現地のニュースから、いくつかリアルな声をご紹介しますね。
「まるで東京にいるみたい!MRTは清潔で、速くて、本当に快適。もうバイク通勤には戻れないわ。」(30代・会社員女性)
「以前は子供を連れて市中心部に出かけるのは大変だったけど、MRTができてからは気軽に行けるようになりました。週末の楽しみが増えたわ。」(40代・主婦)
「時間通りに来るのが信じられない。日本の技術は本当にすごい。このクオリティをずっと維持してほしいと心から願っているよ。」(20代・学生男性)
日本の技術が、遠い国の人々の暮らしを豊かにし、笑顔を生んでいる。そう思うと、私たちまで嬉しく、誇らしい気持ちになりますね。
ジャカルタの未来と、私たちが思うこと
ジャカルタMRTの物語は、まだ始まったばかりです。

これからのMRT
現在、コラムにもあったように、市の東西を結ぶ「東西線」の建設プロジェクトが進められています。この路線が完成すれば、ジャカルタの交通ネットワークはさらに便利になり、より多くの人々の暮らしを支えることになるでしょう。
日本の技術支援も、この東西線プロジェクトで継続される予定です。
便利さの先にあるもの
コラムの筆者は最後に、こんな風に結んでいます。
(前略)日本の技術力に誇りを感じるが、ゆっくりとした時間の中で生活を営んできたインドネシアの人たちも次第に時間に追われる生活になるのかと思うと、ちょっと寂しい気持ちになる。
これは、とても大切な視点だと感じます。
効率や便利さを追求することは、私たちの生活を豊かにしてくれます。でもその一方で、失われてしまうものもあるのかもしれません。
ジャカルタの人々が大切にしてきた、時間に寛容で、人と人との繋がりを重んじる温かい文化。
MRTという新しいインフラが、そうした素敵な文化と上手く融合しながら、ジャカルタの未来をより良い方向へ導いてくれることを、心から願わずにはいられません。
日本の技術が、ただの「ハコモノ」を作るだけでなく、その国の文化や人々の心に寄り添いながら、未来を一緒に作っていく。そんな温かい国際協力の形が、このジャカルタMRTプロジェクトには詰まっているように思えます。
これからも、ジャカルタの街と人々の素敵な変化を、応援していきたいですね。
ジャカルタ旅行の前に準備したい!楽天市場で揃う旅の便利グッズ
この記事を読んで「ジャカルタに行ってみたい!」と思ってくださった方へ。 東南アジアならではの気候や街歩きを快適に楽しむために、私がいつも旅行に持っていく「三種の神器」ならぬ「五種の神器」を、楽天市場で揃えられるものの中から厳選してご紹介しますね。
1. 街歩きの相棒「軽量ショルダーバッグ」
ジャカルタのMRTに乗ったり、市場を散策したりする時、大きなリュックは少し不便。両手が空いて、防犯面でも安心なボディバッグが一つあると、フットワークがぐっと軽くなります。パスポートやスマホ、少しの現金が入るくらいのコンパクトなものがおすすめです。また、スキミング防止機能やファスナーロック機能がついたバッグは旅先でもとても安全で安心ですよね
2. 突然のスコールも平気!「晴雨兼用の軽量折りたたみ傘」
熱帯のジャカルタでは、晴れていたかと思うと急にスコールが降ることがあります。また、日差しも日本よりずっと強いです。軽くてコンパクトな晴雨兼用の折りたたみ傘は、お守りのようにバッグに入れておくと本当に役立ちますよ。
コラムにもあったように、ジャカルタは熱気あふれるエネルギッシュな街。MRTの駅や車内は快適ですが、一歩外に出た時のために、この携帯扇風機が一つあると体感温度が全然違います。特に電車を待つホームや、屋外のカフェで大活躍しますよ。
衛生観念は日本と少し違う場面もあります。屋台で食事をする前や、少し手が汚れた時に、除菌ができるウェットティッシュは必須アイテム。また、汗を拭くための速乾性タオルは、湿度の高い気候でもすぐに乾くので、ハンカチよりずっと快適です。
5. スマホの命綱「大容量モバイルバッテリー」
地図アプリを使ったり、素敵な風景を写真に撮ったり…旅行中のスマホはまさに命綱。コンセントが少ない場所もあるので、フル充電2〜3回分くらいできる大容量のモバイルバッテリーがあると、充電切れの心配なく一日中楽しめます。