日本経済新聞 今日の日付(2025年8月22日、金曜日)朝刊春秋の要約と、そこから考える日本の食料事情
この夏、みなさんの家の水道からぬるま湯が出てくるのを感じた方、いらっしゃるのではないでしょうか?お米を研ぐとき、野菜を洗うとき、生ぬるい水に触れると、なんとも言えない不快感がありますよね。
日本経済新聞のコラム「春秋」でも、そんな日常のささいな違和感が、実は私たちの食卓を脅かす大きな問題とつながっているのでは、と問いかけています。
このところマンションの蛇口をひねって出る水がぬるま湯のようだ。こう炎暑続きでは致し方ないとは思うものの、お米をとぐのも生あたたかい水というのはどうにも落ち着かない。幼い時分、いなかのキンキンの井戸水で野菜の泥を洗った手の感触を思い返している。
強烈な日差しは田んぼにも容赦がない。張った水の温度が上がりすぎないよう、田に水を流しっぱなしにするのを「かけ流し」と呼ぶ。この夏は水不足で思うようにかけ流しができていない例があると聞く。ゆだるような水に必死に耐える稲を想像する。かと思えば全てを押し流す豪雨も襲い来る。やりきれぬ思いがする。
この記事では、このコラムの内容を手がかりに、私たちが直面している気候変動と、それが私たちの食生活にどう影響しているのか、そしてこれからどう向き合っていくべきかについて考えていきたいと思います。
検索キーワードから読み解く日本の食料事情
コラムを読んで、多くの方が気になったであろうキーワードをいくつかピックアップしてみました。
- 水道水 ぬるい
- お米 値段 高い
- 早場米とは
- かけ流し 稲
- 食料安全保障
これらのキーワードについて、それぞれの情報と、私たちの生活への影響を詳しく見ていきましょう。
なぜ水道水はぬるい?意外な原因と生活への影響

夏の暑い日に水道をひねると、冷たい水ではなく、ぬるま湯が出てくることがありますよね。これはなぜなのでしょうか?
原因は「給水管」と「日差し」
水道水がぬるくなる主な原因は、給水管が太陽の熱で温められることです。特にマンションなどでは、給水管が屋上を通っていたり、日当たりの良い場所に設置されていたりすることがあります。日中の強い日差しで給水管が温められると、その中の水も一緒に温められてしまうのです。
解決策はあるの?
一度温まってしまった水は、しばらく流しっぱなしにしないと冷たくなりません。
ですが、お米を研ぐ時や野菜を洗う時、毎度水を出しっぱなしにするのはもったいないですよね。そんな時は、少しだけ水を流して、溜めてから使うなど工夫してみましょう。
また、水の出しっぱなしは**「水不足」**の要因にもつながります。コラムにもあったように、今年は猛暑の影響で水不足が懸念されています。私たちのちょっとした工夫が、貴重な水を守ることにつながります。
お米の価格が高騰!その理由と今後の見通し
コラムにもあったように、最近お米の値段が上がっています。
価格高騰の要因は複合的
お米の価格が高騰している背景には、さまざまな要因が絡み合っています。
- 気候変動による影響: 異常な高温や豪雨、そして水不足は、お米の生育に大きなダメージを与えます。
- 高温障害: 高温が続くと、お米の粒がうまく育たず、白く濁った「乳白米」や、割れやすい「胴割米」が増えてしまいます。これらは食味も悪く、収穫量も減ってしまうため、お米全体の品質と収量が低下します。
- 水不足: コラムでも触れられていた「かけ流し」ができなくなると、田んぼの水温が上がり、稲が暑さに耐えきれなくなります。
- 豪雨: 逆に豪雨が続くと、稲が倒れてしまったり、病気が発生しやすくなったりして、収穫量が減る原因になります。
- 海外情勢の変化: ロシアのウクライナ侵攻やインドのコメ輸出規制など、世界的な食料情勢も影響しています。
- 円安: 輸入に頼る肥料や燃料の価格が高騰し、生産コストが上がっています。これも、最終的にお米の値段に上乗せされる要因です。
今後の見通し
これらの要因が重なり、今年の秋以降の新米も価格が高止まりするのではないか、と懸念されています。
「5キロ5千円超」という価格は、私たち消費者の家計に直結する大きな問題です。
「かけ流し」ってなに?稲を守るための昔ながらの知恵
コラムにもあった「かけ流し」という言葉。聞き慣れない方も多いかもしれません。
稲作に欠かせない「水の管理」
「かけ流し」とは、田んぼに水を絶えず流し続けることで、水の温度が上がりすぎるのを防ぐ方法です。
- なぜ水温を気にするの?: 稲は高温に弱く、水温が40℃を超えると枯れてしまうことがあります。特に、稲の穂が出る時期に水温が上がりすぎると、お米の粒がうまく実らず、品質が下がってしまいます。
- なぜ「かけ流し」ができないの?: 猛暑による水不足が深刻化すると、田んぼに十分な水を供給できなくなり、「かけ流し」が難しくなります。
「早場米」ってなに?新米が早く食べられる理由
「早場米」という言葉、スーパーなどで見かけることも増えましたね。
「早場米」と「新米」の違い
項目 | 早場米 | 新米 |
収穫時期 | 夏〜初秋(7月〜8月) | 秋(9月〜10月) |
主な産地 | 温暖な気候の地域(九州、四国など) | 全国 |
特徴 | 収穫が早いぶん、暑さの影響を受けやすく、品質が安定しない場合がある | 一般的な新米で、品種も豊富 |
「早場米」は、温暖な気候を利用して、早く収穫できるように品種改良されたお米です。この時期に「新米」として出回ることもありますが、一般的な新米とは少し違います。
私たち一人ひとりにできること:食料安全保障を守るために
今回のコラムは、私たちの身近な違和感から、日本の「食料安全保障」という大きな問題にまで話が広がっています。
食料安全保障ってなに?
「食料安全保障」とは、いつでも、だれでも、安心して十分な食料を手に入れることができる状態を指します。
これまで日本は、世界中から食料を輸入することで、豊かな食生活を維持してきました。しかし、世界の情勢や気候変動によって、いつ、何が起こるかわからない時代になっています。
私たちにできること

「なんだか大きな話で、私には関係ないわ」と思うかもしれません。でも、実は私たち一人ひとりにできることがあります。
- 地元の食材を意識する: 地元の農産物を買うことは、地域農業の応援につながります。また、輸送コストも抑えられるため、環境にも優しい選択です。
- 食べ残しをなくす: 食品ロスを減らすことも、食料安全保障につながる大切な行動です。
- 家庭菜園に挑戦してみる: 小さなベランダでも、ネギやハーブなど簡単な野菜を育てることから始めてみませんか?食べ物の大切さを改めて実感できます。
最後に

今日のコラムは、私たちに「生ぬるさとの決別」を求めているように感じます。それは、ぬるい水道水だけでなく、食料安全保障という、これまで当たり前だと思っていたことへの「生ぬるい」意識からの脱却なのかもしれません。
この夏の暑さや、高くなったお米の値段をきっかけに、私たちが毎日口にする食べ物のこと、そして日本の未来について、少しだけ考えてみませんか?