PC高騰は2026年も続く？「今買うか待つか」失敗しない判断基準

結論から言うと、PCは「今すぐ買ったほうがいい人」と「2026年まで待ってもいい人」がはっきり分かれます。 PC価格は高止まりしているものの、すべての人が待つべき状況ではありません。実際、仕事や学業で日常的にPCを使う人や、5年以上同じPCを使っている人は、価格が下がるのを待つより、今買い替えたほうがトータルで得になるケースも多いです。この記事では、なぜPC価格はここ数年下がらないのか、2026年まで待つメリット・デメリット、そして今買うべき人／待ってもいい人の判断基準を、できるだけわかりやすく整理します。

最近、パソコンが高くて驚いていませんか？

「そろそろ買い替えなきゃ」と思っているのに、どのメーカーも値段が上がってしまって、購入に踏み切れない……。そう悩んでいる方は、きっと多いと思います。

つい先日も、国内大手のマウスコンピューターさんが実質的な値上げを発表して、その波紋が広がっていますよね。

「待てば安くなるんじゃないか」「ボーナスまで待とうかな」

もしあなたが今、そう考えているとしたら、ハッキリとお伝えしなければなりません。

残念ながら、パソコンの価格は今後、「下がる要素ゼロ」の状態が続きます。

むしろ、待てば待つほど、同じ予算ではスペックが下がり、価格は上がる「悪夢」が2026年に待っているんです。

この記事では、パソコンの価格が上がっている「本当の理由」を専門的なレポート（※）に基づき、分かりやすく解説します。WindowsやMacBookの購入時期で迷っている人が、今すぐ「買うべき」と判断できるための最終結論をお届けしますね。

（※）当ブログが参照した2025年後半から2026年の市場調査レポートの内容を元に解説しています。

ニュースは本当だった！「パソコン高騰」が止まらない現実

「パソコンが値上げ」と聞いても、「またいつものことじゃない？」と感じるかもしれません。でも、今回は過去数年とは全く性質が異なります。

今回の値上げは、円安や一時的な部材不足といった単発の理由ではなく、業界全体の構造が変わってしまったことによる、決定的な価格上昇なのです。

マウスコンピューターの発表が示す「氷山の一角」

今回、国内のBTO（Build To Order）メーカー大手であるマウスコンピューターさんが、実質的な価格改定やパーツ変更を示唆しました。

これは、国内PCメーカーが直面している危機感を象徴しています。

BTOメーカーはギリギリの利益率で勝負しているため、部材コスト（パーツの原価）が少しでも上がると、すぐに販売価格に転嫁せざるを得ません。

プレミアムブランド「MacBook」にも容赦ない値上げの波

もちろん、AppleのMacBookも例外ではありません。

Appleは高性能な自社製チップ「Mシリーズ」を使っているから安心、と思われがちですが、チップを製造するコスト自体が高騰しており、さらに販売価格が「円安」に直撃されています。

たとえば、最新の高性能なMacBook Proは、前モデルと比べて数万円単位で価格が引き上げられていますが、これはすべて「部品コストの上昇」と「為替レートの悪化」が原因です。

世界を見ても、DellやHPといった巨大メーカーもすでに価格引き上げを警告しています。日本の私たちだけが、この価格上昇の波から逃れることは不可能なんです。

なぜこれほど高い？PC価格を押し上げる「3つの巨大な波」

なぜ「今回は違う」と言い切れるのか？ それは、パソコンの価格を押し上げる3つの巨大な要因が、よりにもよって「同時に」「長期的に」発生しているからです。

この3つの波は、お互いに影響し合いながら、パソコンの価格を構造的に押し上げています。これを私たちは「パーフェクト・ストーム（完全なる嵐）」と呼んでいます。

生成AIブームによる「半導体の共食い」の深刻さ

まず、今の価格高騰の最大の原因が「AI」です。

ChatGPTのような生成AIの爆発的な普及により、データを処理するための「データセンター」向け半導体の需要が、とんでもない規模で急増しています。

知っておきたい「シリコン・カニバリズム」

PCに使われる部品と、AIサーバーに使われる部品は、同じ工場で作られることが少なくありません。

特に以下の2つのパーツは、AIサーバーに優先的に供給されるため、一般のPC用が不足し、価格が上がっています。

メーカーは利益率が高いAIサーバー向けを優先します。

その結果、私たちのPC用パーツは「数が足りない」「工場稼働が後回しになる」という状況になり、結果として価格が上がってしまうのです。これを業界では「シリコン・カニバリズム（共食い）」と呼びます。

円安と物流コストのダブルパンチで「輸入原価」が爆上がり

PCパーツは、CPU（IntelやAMD）、GPU（NVIDIA）、メモリ、SSDなど、ほとんどすべてを海外からの輸入に頼っています。

為替の「円安」がもたらす致命的な影響

2025年後半から続く円安基調は、日本国内のPC価格にとって致命的です。

例として、1ドル＝130円だった頃と、現在の1ドル＝150円（仮定）で、2,000ドルのPCパーツを仕入れる場合で比較してみましょう。

この4万円のコスト増は、最終的にPCの販売価格に上乗せされます。

さらに、海外工場からの輸送費（物流コスト）も、世界情勢の影響で高止まりしています。パーツ原価と物流費の「ダブルパンチ」が、私たちの手元に届くPCの価格を押し上げているのです。

「Windows 10特需」の次は「GIGAスクールの大量更新」

Windows 10のサポート終了（EOS）は2025年10月で終わりましたが、「法人PCの入れ替え需要」と「教育機関の大量更新」は、その後もPC市場に大きな影響を与え続けます。

GIGAスクール端末の更新は2026年まで続く

2020年頃、全国の小中学校向けに配備された「GIGAスクール端末」は、いよいよ更新時期を迎えています。

市場調査レポートによると、この教育用端末の大量更新需要は、2025年度から2026年度にかけてピークを迎え、数百万台規模のPCが市場から調達される見込みです。

• 影響1：在庫の枯渇
  • 大量発注は、一般消費者向けの在庫を圧迫します。特に安価なエントリーモデルやミドルクラスのPCが影響を受けやすくなります。
• 影響2：物流の逼迫
  • 学校への納品作業が集中するため、メーカーや販売店の物流ラインがパンク状態になり、一般向けのPCの納期が遅れる原因にもなります。

Windows 10特需が一息ついたと思ったら、今度は教育現場の大量購入が始まる。この特殊な需要の連続こそが、2026年までPC価格の「底値」をなくしてしまう最大の理由です。

Windows（BTO）パソコンはいくら上がる？購入シミュレーション

具体的に、Windows搭載のBTO（自作）パソコンを買う場合、どれくらい値上がりするのでしょうか。

これは、あなたが選ぶパーツによって大きく変わりますが、最も影響が大きいのは「メモリ（DRAM）」と「SSD（NAND）」です。

主要パーツの値上がり予測（ミドルレンジPCの場合）

たとえば、多くの人が購入するミドルレンジ（25万円前後）のゲーミングPCを例に、2025年初頭と比較した価格上昇をシミュレーションしてみましょう。

※上記はパーツの原価に近いイメージです。販売価格にはメーカーの利益、人件費、送料などが上乗せされます。

このシミュレーションからわかることは、PC単体で「約3万円」の値上がりは避けられないということです。もしあなたがハイスペックなPC（40万円以上）を検討しているなら、値上げ幅はさらに大きくなり、5万円〜8万円の上昇も現実的です。

「ステルス値上げ」にご用心！価格維持の裏側

「うちのメーカーは値上げしません！」というアナウンスを見かけても、安心してはいけません。価格を維持するために、メーカーは「ステルス値上げ」を行う可能性があります。

ステルス値上げとは、販売価格は変えずに、部品のグレードを落とすことです。

• メモリの速度を下げる: 性能の低いDDR4メモリを使い続ける、またはDDR5メモリでも速度の遅いものを採用する。
• SSDの容量や種類を落とす: 2TBだったSSDが1TBに減らされる、または安価だが耐久性の低いモデルに変更される。
• 電源ユニットをダウングレード: 信頼性の高い「ゴールド認証」だった電源が、ワンランク下の「ブロンズ認証」に変更される。

これらの変更は、PCに詳しくない人には気づきにくい点です。しかし、実際にPCの寿命や動作の快適さに影響が出ます。

「価格が変わらないからラッキー！」と思ったら、実は中身が劣化している……という状況に陥らないよう、購入前にはスペック表を細部まで確認することが大切です。

MacBookは待つべき？ 円安と「廉価版」の噂の真偽

Windowsユーザーだけでなく、Macユーザーも購入時期に悩んでいますよね。

「新しいM4チップ搭載のMacBookが出るまで待つべき？」

「2026年に安価なMacBookが出るらしいけど？」

現行モデル（Air/Pro）は「円安」の直撃を避けられない

Apple製品の日本国内価格は、為替レートの変動に非常に敏感です。

円安が続く限り、Appleが日本市場だけ価格を下げることは、残念ながら考えられません。もし価格が変わらないとしても、それは「部品コストが少し下がった分を、円安による輸入コストの増大で相殺した」というだけに過ぎません。

Macユーザーが待つことのリスク

• M6チップ待ち: 待てば待つほど高性能なM6チップは手に入りますが、価格は必ず高くなります。コストパフォーマンスで見れば、現行のM5チップ搭載機を、在庫があるうちに購入するのが最も賢明な選択です。
• 値上げの可能性: Appleは予告なく価格改定を行うことがあります。円安がさらに進行すれば、今のM3モデルの価格も突然引き上げられるリスクがあります。

2026年の「廉価版MacBook」はメイン機には向かない

アマゾンでMAC BOOK PRO を購入する＞

「2026年初頭に、教育市場やライトユーザー向けの安価なMacBookが発売される」という噂があります。

しかし、この廉価版モデルは、「低価格」を実現するために、以下の点で妥協されている可能性が高いです。

• 性能: Mシリーズの中でも、コア数が少ない、あるいはメモリやストレージが最小構成になる。
• デザイン: MacBook Airのようなスリムさや軽さが損なわれ、分厚くなる。
• ディスプレイ: ProMotion（可変リフレッシュレート）や高輝度ではない、標準的な液晶になる。

もしあなたが、動画編集やプログラミング、デザインなどの仕事でMacBookを使う予定なら、この廉価版は「性能不足」になる可能性が非常に高いです。

結論として、メイン機として長く使う予定なら、価格が上がりきる前に、今出ているM3モデルを確保するのがベストです。

周辺機器も値上げラッシュ！ロジクールなども追随

PC本体だけでなく、周辺機器も値上げの波に巻き込まれていることをご存知でしょうか。

マウスやキーボード、Webカメラといった周辺機器メーカー（ロジクールなど）も、材料費や輸送コストの上昇を理由に、すでに価格を引き上げています。

「PC本体は買ったけど、マウスやキーボードは後でいいや」と考えていると、後から買い足す周辺機器だけで、合計予算が大きくオーバーしてしまう可能性があります。

PCの買い替えと同時に、必要な周辺機器もまとめて購入することが、結果的にトータルコストを抑える賢い方法となります。

結論：買うなら「2026年3月」までがラストチャンス

ここまでの価格高騰の原因を踏まえて、パソコンの最適な購入時期を断言します。

「今すぐ、そして遅くとも2026年3月までに買う」のが、最も安く、最も高性能なPCを手に入れられるラストチャンスです。

なぜ2026年3月がデッドラインなのか？

2026年3月は、日本の企業の会計年度末にあたることが多い時期です。この時期を境に、以下の2つの大きな変化が予想されます。

「新しいグラボ（RTX 50シリーズ）待ち」は危険

新しいグラフィックボード（RTX 50シリーズなど）を待っている方もいるかもしれません。しかし、待っている間に、PC全体のパーツ（メモリやSSD、CPU）の価格が上昇してしまっては意味がありません。

新しい高性能パーツが出ても、PC全体の価格が上がっていれば、結局コスパは悪化します。

現行モデル（RTX 40シリーズなど）を搭載したPCが、まだ旧価格の在庫として残っている「今」こそ、最もコストパフォーマンスの高い選択だと言えるでしょう。

今すぐ行動すべき具体的なステップ

• 予算と用途を再確認: 「何をしたいか（ゲーム、動画編集、仕事）」を決める。
• メーカー在庫をチェック: 予算内で在庫があるメーカーを絞る（BTOメーカー、Apple公式、Amazonなど）。
• セールを逃さない: 年末年始や新生活前のセールを活用し、価格が上がる前に滑り込む。

【Q&A】購入を迷っている人が抱く素朴な疑問

最後に、あなたが購入を迷っているときに抱きやすい、いくつかの疑問に先回りしてお答えしますね。

Q1. 「中古PC」や「整備済み品」なら安く買える？

A. 確かに一時的に安く手に入りますが、注意が必要です。

中古PCは、Windows 10サポート終了間際に大量に市場に出回った古いモデルが多いです。

• 懸念点:
  • Windows 11へのアップデートに対応していない。
  • 高性能なグラフィックボード（GPU）が入っていないため、AI機能（Copilotなど）の恩恵を受けにくい。
  • 購入後の故障リスクが高い。

あくまで緊急用やサブ機としての利用にとどめ、メイン機は高騰する前に新品で購入するのが安全です。

Q2. 会社の古いPCを使い続けるために「ESU（有償サポート）」を使えば大丈夫？

A. 企業向けには、Windows 10のサポートが切れた後も、セキュリティ更新プログラムを有償で受けられる「ESU（拡張セキュリティ更新プログラム）」という制度があります。

しかし、ESUは1年単位の契約が必須で、しかも年々価格が上がっていきます。これはあくまで一時的な延命措置です。

Q3. 「自作PC」ならパーツごとに少しずつ買っても大丈夫？

A. 今は絶対にやめた方がいいです。

DRAMやSSDといった主要パーツの価格は、今この瞬間にも上昇しています。

パーツを少しずつ揃えている間に、最初に買ったパーツの値段よりも、後から買うパーツの値段が上がってしまい、「結局、完成させる頃にはBTOメーカーの完成品より高くなった！」という事態になりかねません。

自作PCを検討している方も、欲しいパーツをすべてリストアップし、一気に購入することをおすすめします。

まとめ：あなたのPC購入は「最速」が「最安」です

パソコンの高騰は、生成AI、円安、そして国内の大量更新需要という、複数の巨大な波が同時に引き起こした、構造的な変化です。

「欲しい時が買い時」という言葉がありますが、今は「今買わないと損をする」という異常事態なのです。

この先、価格が下がる見込みは非常に低く、特に2026年春以降は、在庫の逼迫と価格上昇がさらに深刻化するでしょう。

あなたの仕事や趣味を支える大切な相棒であるパソコン。

ノートパソコン AMD Ryzen 7 5825U メモリ 16GB SSD 1… 楽天で購入

最後にチェック｜あなたは「今買う？それとも待つ？」

ここまで読んで、「結局自分は今買うべきなのか、それとも2026年まで待ってもいいのか」と迷っている人も多いと思います。
PC価格の動向は分かりづらく、不安になりがちですが、判断の軸は意外とシンプルです。
以下の表で、いまのあなたの状況に一番近いものをチェックしてみてください。

「迷っている＝困っていない」なら待つ選択も正解ですが、
日常的にストレスを感じているなら“今買う”ことが結果的に安くつくケースも多いです。