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サントリー学芸賞から見える文化支援の系譜と新浪剛史氏の会長辞任の波紋

日本経済新聞 2025年9月4日(木)朝刊春秋の要約とサントリーの文化支援、そして新浪氏の会長辞任

日本経済新聞のコラム「春秋」では、サントリーホールディングスの文化支援活動と、新浪剛史氏の会長辞任について触れられています。このコラムを読んで、サントリーの企業としての姿勢や、最近の出来事に対する世間の関心について、色々なキーワードで検索している方がいるのではないかと思い、この記事を作成しました。


目次

コラムについて

日銀総裁の植田和男氏が著書「国際マクロ経済学と日本経済」で受賞したのは30代はじめのことだった。大塚英志氏による戦後まんが評論集や生命の本質に切りこんだ福岡伸一氏の「生物と無生物のあいだ」。いずれも気鋭の研究成果で、サントリー学芸賞の受賞作だ。

▼政治・経済など4部門から毎年選ばれ、1979年の第1回からの受賞者はおよそ400人に及ぶ。同じく会社の名を冠した音楽ホールでは一流楽団の公演や未就学児向けのイベントまで行い、美術館で国宝を含む美術品を収集。60年代からつづく芸術文化のパトロンとしての存在感は、社員たちの誇りでもあったはずだ。

(有料版日経新聞より引用)


この記事でわかること

この記事では、日経新聞のコラム「春秋」の内容をきっかけに、以下のキーワードについて掘り下げていきます。

  • サントリー学芸賞とはどんな賞?
  • サントリーが長年続けている文化支援活動の歴史
  • 創業者・鳥井信治郎氏が掲げた「利益三分主義」って何?
  • 今回の新浪剛史氏の会長辞任をどう捉えたらいいの?

サントリー学芸賞ってどんな賞?

日経新聞のコラムにも登場した「サントリー学芸賞」。これは、サントリー文化財団が主催する、人文科学や社会科学の分野で優れた研究を称える歴史ある賞です。

どんな分野が対象なの?

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サントリー学芸賞は、以下の4つの部門で構成されています。

  • 政治・経済部門: 政治や経済に関する研究
  • 社会・風俗部門: 社会の出来事や人々の暮らし、文化に関する研究
  • 思想・歴史部門: 哲学や歴史に関する研究
  • 芸術・文学部門: 芸術や文学に関する研究

毎年、それぞれの分野で特に優れた成果を挙げた研究者に贈られます。日銀総裁の植田和男氏や、生物学者の福岡伸一氏など、各界の第一線で活躍されている方々が受賞していることからも、その権威の高さがうかがえますよね。

サントリーの文化支援は「利益三分主義」から

サントリーがこうした文化支援を熱心に行っている背景には、創業者の鳥井信治郎氏が掲げた「利益三分主義」という考え方があります。

利益三分主義って?

利益三分主義」とは、会社の利益を3つの視点に分けて考えるというものです。

  • 会社のため: 会社の成長や社員の生活を豊かにするために使う
  • 株主のため: 投資してくれた株主に還元する
  • 社会のため: 社会に貢献するために使う

この考え方に基づき、サントリーは創業以来、収益の一部を社会に還元することを大切にしてきました。サントリー学芸賞だけでなく、美術館や音楽ホール、スポーツ振興など、多岐にわたる文化活動への支援は、この「利益三分主義」という精神が今もなお、会社に根付いている証拠なんですね。


🎵サントリーの文化支援の歴史と活動内容

サントリーの文化支援は、単なるPR活動ではなく、創業以来の「社会との共生」という理念に基づいて行われています。

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主な文化支援活動

サントリーがこれまでに手掛けてきた文化支援活動には、以下のようなものがあります。

  • サントリー美術館: 日本の古美術を中心に、国宝を含む美術品を収集・公開しています。
  • サントリーホール: 世界トップレベルの音響を誇る音楽ホールとして知られ、国内外の著名なオーケストラが公演を行っています。
  • サントリー学芸賞: 学術分野の発展に貢献しています。
  • サントリー・ミステリー大賞: 日本のエンターテインメント小説の発展に貢献しました。

これらの活動は、企業としての社会的責任を果たすだけでなく、社員の方々の誇りにもつながっていると、コラムにも書かれていました。自分が働く会社が社会に良いことをしているという実感は、働く上でとても大切なモチベーションになりますよね。


新浪剛史氏の会長辞任の波紋

日経新聞のコラムで、最も多くの人が関心を寄せたキーワードは、この新浪剛史氏の会長辞任ではないでしょうか。サプリメントをめぐる疑惑については「潔白」と主張しつつも、「会社に迷惑をかけないため」の辞任とされました。

なぜ辞任?

今回、新浪氏が会長を辞任した背景には、サプリメントの入手方法をめぐる問題があったと報じられています。本人は「潔白」を主張していますが、この問題が会社のブランドイメージに影響を与えることを懸念しての決断だと考えられます。

「陰徳」と「公徳」

コラムでは、創業者・鳥井信治郎氏の教えである「陰徳」という言葉も紹介されています。

「陰徳」とは、「人知れず徳を積む」こと。

人に知られなくても、良い行いをすることの大切さを示しています。

今回の件は、サントリーが長年築き上げてきた企業倫理や、創業者の教えとどう向き合っていくのか、という大きな問いを投げかけているのかもしれません。

辞任がもたらす影響

今回の辞任は、サントリーという企業のブランドイメージに大きな影響を与える可能性があります。

影響を受ける側面具体的な内容
企業イメージ創業以来築き上げてきた「社会貢献」や「透明性」といったイメージに傷がつく可能性
社員の士気会社への誇りや信頼が揺らぎ、社員のモチベーションに影響を与える可能性
顧客やファン長年のサントリーファンが、企業の姿勢を疑問視する可能性

新浪氏の辞任は、「潔白」であると主張する一方で、企業トップとして「会社に迷惑をかけない」という判断をした結果です。しかし、その言葉が、創業の精神を大切にしてきた社員や、長年の顧客の心にどう響いたのか、今後のサントリーの動向が注目されます。


まとめ:企業文化と倫理観の重要性

今回の出来事は、企業にとって、創業の精神や倫理観をいかに大切にしていくかが重要であると改めて教えてくれています。

サントリーは、長年「利益三分主義」という創業の精神に基づいて、社会貢献を続けてきました。しかし、ひとつの問題が、その積み重ねを揺るがす可能性があるということを、今回の件は示しています。

私たちが、商品を手に取る時、その企業がどのような考え方を持っているのか、どんな活動をしているのか、少しでも関心を持つことが、より良い社会づくりにつながるのかもしれませんね。


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