・日銀が保有するETFの含み益は約20兆円。その正体と仕組みを初心者向けに解説
・もし売却された場合、NISAや株価にどんな影響があるのかがわかる
・「結局どう備えればいい?」個人投資家が取るべき現実的な対策も整理
最近、ニュースで「日銀」や「ETF」という言葉をよく耳にしませんか?
なんだか難しそうだな、と思って聞き流してしまいがちですよね。
でも実は、これって私たちの生活や、将来のための貯金に直結するすごく大きな話なんです。
日銀は今、日本の株をものすごい金額分、持っています。
その利益は、なんと20兆円とも言われているんです。
「そんなにお金があるなら、税金を安くしたり、私たちに配ったりしてよ!」
って思いますよね。私も最初はそう思いました。
でも、調べてみるとそう単純な話ではないようなんです。
もしこのお金を不用意に動かすと、私たちのNISA(ニーサ)の資産が減ってしまったり、物価が上がってしまったりするかもしれません。
今日は、このちょっと複雑だけど知っておきたい「日銀のETF」の話を、専門用語を使わずに分かりやすく紐解いていきますね。
コーヒーでも飲みながら、リラックスして読んでみてください。

実は日本最大の株主?日銀が持っている「ETF」の正体
まず、「ETF(イーティーエフ)」って何?というところから始めましょう。
簡単に言うと、「いろいろな会社の株が入った福袋」みたいなものです。
日銀は、特定の一つの会社の株を買うのではなく、市場全体を丸ごと買うような形で、この福袋(ETF)を買い続けてきました。
いつの間に?買い集めた株の総額と「20兆円」の含み益
日銀がこの「爆買い」を始めたのは、もう10年以上も前のことです。
その目的は、日本の景気を良くするためでした。
株を買って株価を支えれば、みんなの気分が明るくなって、経済が回るだろうと考えたんです。
その結果、どうなったと思いますか?
なんと現在、日銀が持っている株の時価(今の価値)は、推定で60兆円から70兆円にもなると言われています。
買った時の金額から差し引くと、利益(含み益)だけで約20兆円です。
20兆円と言われても、ピンとこないですよね。
日本の国家予算(一般会計)がだいたい110兆円くらいですから、その2割から3割に当たる金額です。
もしこれが臨時ボーナスだとしたら、ものすごい額ですよね。
これだけの株を持っているということは、実質的に日銀は「日本最大の株主」のような存在になっているんです。

元手はどこから?私たちの税金が使われているの?
ここで一つ、気になることがありますよね。
「その株を買うお金、もしかして私たちの税金?」
という疑問です。
安心してください。これは税金ではありません。
じゃあどこから来たのかというと、日銀が自分で作り出したお金なんです。
日銀は中央銀行なので、お金を発行することができます。
正確には「日銀当座預金」という口座の数字を増やすことで、お金を作り出しています。
ちょっと魔法みたいですが、
「お金を新しく刷って、そのお金で株を買った」
というイメージが一番近いです。
自分の懐を痛めずに、巨額の利益を生み出したわけですから、なんだかすごい錬金術のように見えますよね。
でも、だからこそ「出口」が難しいんです。
もし日銀がETFを売ったらどうなる?私たちへの「影響」
さて、ここからが本題です。
「そんなに儲かってるなら、早く売って利益を確定させればいいのに」
と思いますよね。
でも、日銀が「よし、売ろう!」と決めたら、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか。
いくつかのシナリオを考えてみましょう。

シナリオA:市場で売却した場合(株価への影響)
一番単純な方法は、株式市場で普通に売ることです。
でも、これは一番危険な方法でもあります。
想像してみてください。
日本最大の株主である日銀が、「株を売ります!」と宣言したらどうなるでしょうか。
市場は大パニックになります。
「日銀が売るなら、これから株価は下がるぞ!今のうちに逃げろ!」
と、世界中の投資家が一斉に株を売り始めるでしょう。
#PIC4
その結果、株価は大暴落します。これを「日銀ショック」なんて呼ぶ人もいます。
こうなると、私たちにも直接的な被害が出ます。
たとえば、将来のためにコツコツ積み立てている「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」。
これらの資産価値が、ガクンと減ってしまう可能性があります。
せっかく増えていた運用益が、一瞬でマイナスになってしまうかもしれません。
だから、日銀は簡単に「売ります」とは言えないんです。
シナリオB:国民に配る?「株の配布」案のメリット・デメリット
じゃあ、売らずに国民に配るのはどうでしょうか?
「国民一人あたり〇〇万円分のETFをプレゼントします!」
なんて言われたら、最初は嬉しいですよね。
一部の専門家からは、そんなアイデアも出ています。
でも、これにも落とし穴があります。
もしETFをもらったら、あなたならどうしますか?
「やった!すぐ売って現金にして、美味しいものでも食べよう!」
と考える人が多いのではないでしょうか。
もし多くの人が一斉に売って現金化しようとすると、結局はシナリオAと同じことになります。
売り注文が殺到して、株価が大暴落してしまうんです。
結局、まわりまわって経済が悪くなり、私たちの給料が上がらなくなったりするリスクがあります。
このまま持ち続けるとどうなる?(インフレ・税金)
「売るのがダメなら、ずっと持っていればいいじゃない」
という考え方もあります。
実は、これが今のところ一番現実的な選択肢かもしれません。
でも、リスクがゼロというわけではないんです。
もし日銀が利益を確定させて、そのお金を政府に渡すとします。
政府がそのお金を予算として使うと、世の中に出回るお金の量が急激に増えます。
お金の量が増えすぎると、モノの値段が上がる「インフレ」が進んでしまう恐れがあります。
最近、スーパーでの買い物が少し高いなと感じませんか?
あのような値上げが、もっと激しくなるかもしれないんです。
また、逆にこれから株価が大きく下がってしまった場合のリスクもあります。
もし株価が暴落して、日銀が持っているETFが「赤字」になってしまったらどうなるでしょうか。
日銀の金庫が空っぽになってしまったら、最悪の場合、その穴埋めに私たちの税金が使われる可能性もゼロではありません。
持っているだけでも、爆弾を抱えているような状態なんですね。
儲かったお金は誰のもの?「国庫納付金」の仕組み
ここで、少し法律の話をしましょう。
「もし上手く売れたとして、その利益は誰のものになるの?」
という疑問です。
日銀の利益は政府の収入になるルール
実は、日銀法という法律で決まっています。
日銀が得た利益から、必要な経費などを引いた残りは、「国庫納付金」として政府に納めなければなりません。
つまり、最終的には「国の収入」になります。
国の収入になれば、それは国民のために使われるお金になるはずですよね。
社会保障に使われたり、借金の返済に使われたりするかもしれません。
そう考えると、私たちにもメリットがありそうです。
海外の事例(スイス)から見る「あてにする怖さ」
でも、このお金をあてにしすぎるのは危険です。
海外には、ちょっと怖い事例があります。
スイスの中央銀行も、日本と同じように株をたくさん持っています。
スイスでは、中央銀行からの利益配分をあてにして予算を組んでいた自治体がいくつもありました。
「今年も中央銀行からお金がもらえるから、新しい施設を作ろう」
と計画していたんですね。
ところが、ある年、株価が下がって中央銀行が赤字になってしまいました。
当然、自治体へのお金はゼロになります。
あてにしていたお金が入らなくなった自治体は、大慌てで予算を削ったり、計画を中止したりすることになりました。
株の利益というのは「水物(みずもの)」です。
いつ無くなるか分からない「あぶく銭」を前提に、国の運営や私たちの生活を設計するのは、とても危ないことなんですね。
【結論】結局、出口はあるの?今後の見通し
ここまで見てきて、日銀のETF問題がいかに複雑か、なんとなく分かっていただけたでしょうか。
最後に、これからの見通しについて整理しておきましょう。
現実的には「売れない」?半永久的に持ち続ける可能性
いろいろな意見がありますが、今のところ「すぐに売る」という選択肢はなさそうです。
市場へのショックが大きすぎるからです。
一番ありえるシナリオは、
「売らずに持ち続けて、毎年入ってくる配当金だけを受け取る」
という現状維持の形です。
これなら株価を暴落させることなく、少しずつ利益を国に納めることができます。
気の遠くなるような長い時間をかけて、少しずつ少しずつ解決していくしかなさそうです。
私たち投資家が意識しておきたいこと
私たち個人ができることは何でしょうか。
まずは、「日銀が支えてくれているから安心」と油断しすぎないことです。
株価はいつどうなるか分かりません。
- 特定の資産に集中させない(分散投資)
- 長く持ち続けるつもりで投資する(長期投資)
こういった投資の基本を忘れないようにしましょう。
日銀の動きは、天気予報のようなものです。
「今日は雨が降りそうだな」と知っていれば、傘を持って出かけることができますよね。
ニュースを見て、「あ、日銀が動くかも」と感じたら、自分の資産配分を見直してみる。
そんなふうに、冷静に対応していけば大丈夫です。
読者の疑問にお答え!Q&Aコーナー
ここで、よくある疑問をQ&A形式でまとめてみました。
Q1. 私のNISA、これからどうなるの?
A. すぐに暴落する心配は少ないですが、長い目で見守りましょう。
日銀が急にすべての株を売ることは考えにくいです。ただ、株価は上がったり下がったりを繰り返すもの。日銀のニュースが出たときは少し値動きが荒くなるかもしれないので、一喜一憂せずにコツコツ続けるのが一番です。
Q2. 20兆円の利益、私たちに現金給付されないの?
A. 現金で配られる可能性は、今のところ低いです。
もし配るとしても、インフレ(物価上昇)を招くリスクがあるため、政府も慎重になっています。直接現金をもらうよりも、国の借金返済などに充てられる可能性の方が高いでしょう。
Q3. この問題、いつ解決するの?
A. 数十年単位の長い話になりそうです。
あまりに金額が大きすぎるため、数年で解決できる問題ではありません。もしかしたら、私たちが年金をもらう歳になっても、まだ日銀は株を持っているかもしれませんね。
金利がある世界に戻ってきています。そんな金利なおある生き方についてまとめてます▶2026年「金利ある世界」の歩き方:日銀利上げで変わる私たちの暮らしと、今すぐやるべき資産防衛術

まとめ

日銀のETF問題について、ざっくりとお話ししてきました。
- 日銀は20兆円もの利益を持っているけど、簡単には現金化できない。
- 無理に売ると、株価暴落やインフレのリスクがある。
- 「あぶく銭」をあてにせず、私たちは自分のペースで資産を守ろう。
「20兆円」という数字だけ聞くと夢がありますが、現実はなかなかシビアですね。
でも、仕組みを知ってしまえば、必要以上に怖がることはありません。
これからも、日銀のニュースを見かけたら、
「あ、あの埋蔵金の話ね、どうやって出口を探すのかな?」
と、ちょっと違った視点で見てみてください。
経済のニュースが、今までよりも少し身近に感じられるはずです。
日銀や株価、NISAのニュースを見ていると、
「私の選択、これで合ってるのかな…?」って、ふと不安になることありませんか。
そんなときに心を落ち着かせてくれるのが、お金の仕組みを“やさしい言葉”で整理してくれる一冊です。
難しい専門用語に振り回されず、
「私は私のペースで大丈夫」と思わせてくれる安心感。
不安を我慢するより、
知ることで、未来をやさしく守る。
そんな“お守りみたいな一冊”として、手元に置いておきたい本です。











