こんにちは。
最近、街を歩いていると「シャトレーゼ」の看板を見かけることが本当に増えましたよね。
休日の駐車場なんて、警備員さんが出るほど行列ができていることも珍しくありません。
私も先日、ふらっと立ち寄ったのですが、カゴいっぱいにアイスやケーキを買っているお客さんたちの笑顔を見て、なんだか幸せな気持ちになりました。
「どうしてこんなに安いの?」
「安すぎて、逆に品質は大丈夫なの?」
「最近すごく増えているけど、経営はどうなっているの?」
そんなふうに不思議に思ったことはありませんか?
実は私も、あのダブルシュークリーム(なんと税込み129円!)を頬張りながら、ずっと気になっていたんです。
ニュースを見れば、原材料費の高騰や円安といった暗い話題ばかり。
値上げラッシュで私たちのお財布の紐も固くなりがちなのに、シャトレーゼだけはまるで別世界のように成長を続けています。
店舗数はなんと国内外で1,000店舗を突破し、売上高は1,700億円を超えているというから驚きですよね。
今回は、そんなシャトレーゼの強さの秘密を、ちょっと真面目に、でも分かりやすく深掘りしてみました。
調べてみると、そこには単なる「安売り」ではない、驚くべき仕組みがあったんです。
これを読めば、次にシャトレーゼに行ったとき、並んでいるお菓子がちょっと違って見えるかもしれませんよ。
シャトレーゼの成長戦略10の秘訣

1. 原材料から自社管理するファームファクトリー戦略
まず最初に、一番の疑問である「なぜあんなに安いのに、おいしいのか?」という謎を解き明かしていきましょう。
その答えを一言で言うと、「ファームファクトリー」という独自の仕組みにあります。
「安い=素材が悪い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
でも、シャトレーゼの場合は逆なんです。
自社ですべてを管理しているからこそ、素材の調達(ファーム)にもとことんこだわることができるんです。
ここで、シャトレーゼが特にこだわっている「3つの素材」について表にまとめてみました。
| 素材 | こだわりポイント | 私たちへのメリット |
| 牛乳 | 契約牧場から直送し、65度で30分の「低温殺菌」を実施。 | 牛乳本来の甘みやコクがそのまま!生クリームの風味が格別です。 |
| 水 | 南アルプスの「白州名水」を自社工場で汲み上げ。 | 雑味のない水が、餡やアイスの素材の味を引き立てます。 |
| 卵 | 提携養鶏場の「うみたて卵」を使用し、工場で割卵。 | 鮮度抜群なので、卵の生臭さがなく濃厚な味わいに。 |
特に牛乳の話はすごいですよ。
普通の牛乳は高温で一瞬で殺菌するのですが、シャトレーゼは「低温殺菌」といって、手間と時間をかけてゆっくり殺菌します。
こうすることで、タンパク質が変性せず、牧場で飲むような生乳の風味が残るんです。
しかも、工場の中にパイプラインが通っていて、搾りたての牛乳がそのまま製造ラインに送られる仕組みまであるとか。
「安かろう悪かろう」どころか、専門店顔負けのこだわりようですよね。
また、和菓子の命である「餡(あん)」も、実は工場で自分たちで炊いています。
なんと80種類もの餡を使い分けているそうで、最中用はねっとりと、どら焼き用はみずみずしく、といった調整をしているんです。
これを外注せずにやっているからこそ、あのおいしさが保たれているんですね。
2. 中間業者を排除した圧倒的コスト構造
普通、私たちがスーパーやコンビニでお菓子を買うとき、その商品は長い旅をして手元に届きます。
メーカーが作ったお菓子は、まず「問屋(卸売業者)」に運ばれ、そこから各小売店へと配送されます。
当然、そこに関わる人たちの人件費やトラックの輸送費、会社の利益などが上乗せされていくので、最終的な価格はどうしても高くなってしまいます。
ところが、シャトレーゼはこの常識を覆しました。
「自分たちの工場で作ったものを、自分たちのトラックで、自分たちのお店に直接運ぶ」
これを徹底しているんです。
問屋を通さない、いわゆる「中抜き」です。
これにより、一般的な流通ルートで発生する中間マージンをカットすることに成功しました。
その結果、他社製品と比べておよそ30パーセントから50パーセントも安い価格を実現できているのです。
この浮いたコストを、利益にするのではなく「価格の安さ」や「材料の質」に還元しているからこそ、あのコスパが生まれるんですね。
3. ロイヤリティ不要のフランチャイズモデル
コンビニエンスストアなどのフランチャイズ経営でよく聞くのが、「ロイヤリティ(上納金)が高い」という悩み。
売り上げの何パーセントかを本部に支払わなければならない契約が多いのですが、シャトレーゼはこのロイヤリティが「ゼロ」なんです。
「えっ、じゃあ本部はどこで儲けているの?」と心配になりますよね。
実は、工場からお店に商品を卸すときの「卸値」に利益が含まれているんです。
お店側からすれば、売れた分だけ利益になり、売れなければ仕入れを調整すればいいので、やる気が出ますよね。
これを専門用語で「製造小売業(SPA)」と呼びますが、ユニクロやニトリと同じような高効率なモデルを、お菓子業界でやっているのがシャトレーゼなんです。
4. 都市型高付加価値ブランド「YATSUDOKI」の展開
今までお店がなかったエリア、特に「都心部」や「駅ナカ」への進出が進んでいます。
銀座や青山、表参道といった一等地に、「YATSUDOKI(ヤツドキ)」というブランドのお店を見たことはありませんか?
あれもシャトレーゼが運営しているんです。
「YATSUDOKI」は、いつものシャトレーゼより少し高級路線。
八ヶ岳の自然をテーマにしていて、自分へのご褒美や、ちょっとした手土産にぴったりな商品を揃えています。
これにより、「安い店」というイメージだけでなく、「おしゃれで高品質」という新しいブランド価値を作ろうとしているんですね。
JRの駅構内にも出店が増えているので、仕事帰りにサクッとスイーツを買えるようになったのは嬉しい変化です。
5. 急速冷凍技術による品質と輸出競争力
シャトレーゼの海外展開を支えている大きな要素が、独自の急速冷凍技術です。
製造後すぐに急速冷凍することで、ケーキやアイス、和菓子の食感や風味をほとんど損なわずに保存できます。
一般的な冷凍では、解凍時に水っぽくなったり、食感が崩れたりしがちです。
しかし急速冷凍を使うことで、氷の結晶が大きくなるのを防ぎ、日本国内で食べるのと近い品質を保ったまま提供できます。
この仕組みによって、
- 日本で製造した商品をそのまま海外に届けられる
- 現地生産に比べて品質のばらつきが出にくい
- 「日本品質」をそのまま価値として売れる
といった輸出競争力が生まれています。
価格だけで勝負するのではなく、品質そのものを強みにできている点が大きな特徴です
6. 国内外1,000店舗を支える物流ネットワーク
1,000店舗規模の展開を可能にしている背景には、製造から物流、店舗運営までを一体で考えた仕組みがあります。
工場の立地も、単に作りやすい場所ではなく、配送効率まで含めて設計されています。
また、冷凍・冷蔵・常温といった複数の温度帯の商品を、まとめて管理・配送できる体制を整えている点も強みです。
これにより、店舗側は発注や在庫管理の負担を抑えながら、安定して商品を受け取れます。
海外でも、日本からの冷凍輸送と現地配送を組み合わせることで、急速に店舗数が増えても供給が乱れにくくなっています。
表には出にくい部分ですが、この物流ネットワークが成長を下支えしています。
7. データを活用した商品開発と在庫管理
商品づくりや在庫管理では、感覚だけに頼らず、販売データをしっかり活用しています。
売上の推移や季節ごとの動き、地域差を分析し、商品の入れ替えや数量調整に反映しています。
その結果、
- 売れ残りによる廃棄を減らせる
- 人気商品の欠品を防ぎやすい
- 店舗ごとの需要に合わせた品ぞろえができる
といったメリットが生まれています。
新商品についても、いきなり大量投入するのではなく、小規模で試しながら反応を見て広げていく方法を取っています。
このやり方が、低価格を維持しながらも安定した運営につながっています。
8. 価格ではなく「信頼」で選ばれるブランド設計
一見すると「安いお菓子屋さん」という印象を持たれがちですが、実際には価格以上に信頼で選ばれているブランドです。
原材料の情報開示や製造工程へのこだわりが、安心感につながっています。
「この値段で、ここまできちんとしている」という体験が積み重なることで、
- 比較されにくくなる
- 値上げ局面でも離れにくい
- 家族で繰り返し利用されやすい
といった強い関係性が生まれています。
結果として、短期的な値引き競争に巻き込まれにくく、長く支持されるブランドとして成長を続けています。
9. 無人店舗・DXによる次世代店舗モデル

そして今、最も注目されているのが「無人店舗」です。
少子高齢化で人手不足が深刻な日本において、24時間お店を開け続けるのは至難の業。
そこで導入されたのが、最新テクノロジーを使った無人決済システムです。
例えば、東京都内にある西麻布店などでは、深夜や早朝の時間帯を無人で営業しています。
店内にはたくさんのカメラやセンサーがあって、私たちが商品を手に取ると自動で認識してくれます。
レジに行くと、バーコードを読み込まなくても勝手に合計金額が表示されるんです。これ、体験すると未来感があって感動しますよ。
お店側にとっては、人件費をかけずに24時間営業ができ、私たちにとっては深夜に急に甘いものが食べたくなった時に便利。
まさにWin-Winな取り組みです。
10. 意思決定を速める「プレジデント制度」。
シャトレーゼには「プレジデント」と呼ばれる責任者がたくさんいます。
製造ラインや部門ごとに社長のような権限を持つ人を置き、数億円規模の決裁権を持たせているんです。
普通の大企業なら、「課長の承認をもらって、部長のハンコをもらって、役員会議にかけて…」と時間がかかるところを、現場のプレジデントが「よし、やろう!」と即決できる。
このスピード感が、変化の激しい今の時代にマッチしているんですね。
シャトレーゼの成長戦略は、日常のお菓子づくりだけでなく、
クリスマスや年末年始といった繁忙期の商品展開にもはっきり表れています。
実際の売り場や商品ラインナップから、その強さを具体的に知りたい方は、
▶ シャトレーゼのクリスマス・年末年始商品と人気の理由をまとめたこちらの記事も参考になります。
海外戦略と日本品質輸出の勝算
シャトレーゼの視線は、すでに国内だけに向いているわけではありません。
アジアを中心に、海外展開もすごいスピードで進んでいます。

現地生産ではなく「輸出」にこだわる理由
日本の食品メーカーが海外に進出するとき、現地に工場を作って生産することが多いのですが、シャトレーゼは違います。
「日本で作ったお菓子を、そのまま海外へ送る」
というスタイルを貫いています。
なぜなら、シャトレーゼの最大の武器は「日本の素材(水、牛乳、卵)」だからです。
現地の水や材料を使ってしまうと、あのシャトレーゼの味が出せないんですね。
山梨県の工場で作ったケーキやアイスを、特殊な技術で急速冷凍し、冷凍コンテナで海を渡ります。
これを現地で解凍して並べることで、日本と全く同じクオリティ(Japan Quality)を提供できるんです。
海外のお客様にとって、「日本の水と卵で作ったケーキ」というのは、それだけですごい付加価値になります。
だから多少輸送費がかかっても、高く売れるし、人気が出るんですね。
アジア展開のハブ「シンガポール」と今後の市場
海外戦略の中心となっているのがシンガポールです。
すでに多くの店舗があり、日本と同じように無人店舗の実験も大学のキャンパス内で行われています。
また、インドネシアやベトナムといった成長著しい国々にも進出しており、現地の高級ショッピングモールなどにお店を構えています。
日本の「おいしい」が世界で認められていると思うと、なんだか誇らしい気持ちになりますよね。
顧客を囲い込む「カシポ」経済圏(エコシステム)

シャトレーゼによく行く方なら、ポイントカード「カシポ(Cashipo)」をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実はこのポイントカード、ただの割引カードだと思っていると損をしますよ。
お菓子だけではない「コングロマリット経営」
シャトレーゼグループは、お菓子屋さんだけでなく、ホテルやゴルフ場、スキー場、ワイナリーなども運営しています。
経営が難しくなったリゾート施設を買い取って、シャトレーゼの力で再生させる事業も行っているんです。
ポイント制度「カシポ」がつなぐ循環モデル
ここで登場するのが「カシポ」です。
貯まったポイントは、お菓子の値引きに使うこともできますが、実は「ホテル宿泊券」や「ゴルフ場利用券」と交換するのが一番お得なんです。
例えば、ある時期には1,000ポイント(10万円分のお買い物相当)で、ペア宿泊券と交換できるキャンペーンをやっていたこともあります。
還元率で考えるとものすごいことになっていますよね。
「お菓子を買ってポイントを貯めて、家族で旅行に行こう!」という目標ができると、ついついシャトレーゼに通ってしまいます。
そして、そのホテルに泊まると「ウェルカムスイーツ」としてシャトレーゼのお菓子が部屋に置いてあったり、アイスが食べ放題だったりします。
そこで食べたお菓子が美味しかったら、家に帰ってからまたお店に買いに行きたくなりますよね。
この「お菓子」と「体験」がぐるぐると回る仕組み、本当によく考えられているなぁと感心してしまいます。
急成長の裏にある「課題」と「リスク」
ここまでシャトレーゼのすごいところばかりを見てきましたが、光が強ければ影もあります。
急激な成長の裏で、いくつかの課題も見え隠れしています。

ポスト創業者時代のガバナンス
シャトレーゼを一代でここまでの企業に育て上げたカリスマ創業者、齊藤寛氏が2024年に90歳で亡くなられました。
「現場主義」を徹底し、強烈なリーダーシップで会社を引っ張ってきた方だっただけに、その存在がいなくなった影響は小さくありません。
新しい経営体制のもと、創業者に頼りきりだった組織から、社員全員で自律的に動ける組織へと変われるかどうかが、今の大きな正念場と言えるでしょう。
コンプライアンスと労働環境の整備
また、残念ながら法令違反に関するニュースもいくつか報じられました。
下請け業者さんへの支払いを巡る問題や、外国人労働者の方への対応などです。
「安くておいしい」を追求するあまり、それを作ってくれている取引先や従業員の方々に無理なしわ寄せがいってしまっては、元も子もありません。
私たち消費者も、ただ安ければいいというわけではなく、「作っている人も幸せな商品」を選びたいという意識が高まっています。
これからは、コンプライアンス(法令順守)はもちろん、働く人の環境を守る姿勢が、ブランドの信頼を左右することになりそうです。
シャトレーゼには、ぜひこの課題を乗り越えて、もっと愛される企業になってほしいですね。
Q&Aコーナー
記事を読んでいて、「あれ?これはどうなの?」と思った疑問について、Q&A形式でまとめてみました。
Q1:本当にこの価格で利益が出ているの?安すぎて不安です。
A1:はい、大丈夫です!
先ほど説明した「ファームファクトリー」で中間マージンをカットしていることや、広告宣伝費をあまりかけないこと(テレビCMより口コミ重視)、そして工場の稼働率を上げる工夫などで利益を出しています。
決して「悪い材料を使っているから安い」わけではないので安心してくださいね。
Q2:添加物などは入っていますか?子供に食べさせても平気?
A2:シャトレーゼは「無添加」の商品開発にも力を入れています。
賞味期限が短い商品が多いのも、保存料を極力使わずに、鮮度の良さで勝負している証拠です。
小さなお子様向けの無添加プリンやパンなども充実しているので、裏面のラベルを見て選んでみてください。
Q3:カシポのポイント、一番お得な使い道は?
A3:ズバリ、「リゾートホテルの宿泊券」や「フルーツ狩りなどの体験」への交換です!
1ポイントあたりの価値が、お買い物での値引き(1ポイント=1円)よりも格段に跳ね上がります。
特に北海道や長野のリゾートホテルは人気なので、これを目標にポイントを貯めるのがおすすめです。
Q4:海外の店舗でも、日本と同じ味が楽しめるの?
A4:楽しめます!
日本で作ったものを急速冷凍して輸出しているので、味のクオリティは日本国内と変わりません。
シンガポールやインドネシアに旅行に行った際、現地のシャトレーゼを覗いてみるのも面白いかもしれませんね(お値段は日本より少し高めですが!)。
シャトレーゼの成長戦略から学べること
シャトレーゼの成長戦略から学べるのは、「安さ」だけに頼らない仕組みづくりの重要性です。
原材料の調達から製造、物流、販売までを一体で考え、ムダを減らした分を品質に回す。この積み重ねが、価格以上の価値を生み出しています。
また、海外展開や店舗拡大においても、スピードより「同じ品質を安定して届けられるか」を重視している点が特徴です。
この姿勢が、国内外での信頼につながり、長く選ばれ続けるブランドを支えています。
シャトレーゼの事例は、規模の大小に関わらず、
コスト削減・品質維持・信頼構築を同時に進めることが、持続的な成長につながる
という実践的なヒントを示しています。
シャトレーゼが長年にわたって成長を続けてきた背景には、商品開発の多様化や地域ニーズに応える戦略があります。なかでも、近年注目を集めるのが「成人祝い」など人生の節目を彩るスイーツ展開です。2026年版の成人ケーキのラインナップや特徴については、こちらのページで詳しくご紹介しています。
まとめ:シャトレーゼは「町のケーキ屋」から「グローバル・フードテック企業」へ

いかがでしたでしょうか。
普段何気なく食べている100円のシュークリームの裏側に、これほど壮大な戦略が隠されていたなんて驚きですよね。
シャトレーゼは、もはや単なる「安いお菓子屋さん」ではありません。
農業から製造、物流、販売、そしてITまでを駆使する、最先端の「フードテック企業」へと進化しています。
都心への出店や海外展開、無人店舗など、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢は、見ていてワクワクします。
一方で、急成長に伴う「成長痛」とも言える課題があるのも事実。
これからのシャトレーゼには、安さやおいしさだけでなく、「誠実さ」や「透明性」が一層求められていくでしょう。
次にシャトレーゼのお店に行ったときは、
「この牛乳はパイプラインで運ばれてきたのかな?」
「これは工場直送だから安いんだな」
なんて思い出しながら、お菓子を選んでみてください。
きっと、いつもよりちょっとだけ味わい深く感じられるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!









