2025年、金需要は史上初の「5000トン超」へ。なのに2026年初めに金価格が急落して、びっくりした人も多いはず。
実はこの下げは“需要が消えた”というより、FRB人事(Kevin Warsh指名)と市場の機械的な売りが重なった面が大きいんです。
この記事では、暴落の背景と、いま買い時を見極めるための視点をやさしく整理します
はじめに:金市場を襲った奇妙な矛盾の正体
最近、金(ゴールド)のニュースを見ていて、なんだかモヤモヤすることはありませんか。
一方では「金が史上最高の需要を記録した」と景気のいい話が聞こえてきます。
それなのに、実際の価格を見ると「えっ、こんなに下がっているの」と驚くような暴落が起きているからです。
せっかく金を持とうと思っていたのに、これでは不安になってしまいますよね。

2025年、世界の金需要は、歴史上はじめて5000トンという途方もない数字を突破しました。
これは、世界中の人が「やっぱり金は持っておかないと」と強く感じた証拠です。
それなのに、2026年に入ると、わずか数日で価格が20パーセントも急落するという事態が起きました。
「需要があるのに価格が下がる」なんて、少し不思議な気がしませんか。
実は、この矛盾の中身を紐解いていくと、私たちが今、金を売るべきなのか、それともチャンスとして買うべきなのかが見えてきます。
なぜ過去最高の需要が生まれたのでしょうか
まず、なぜこれほどまでに金が求められているのか、その背景を見ていきましょう。
今の市場では、昔とは少し違う「新しい動き」が起きています。

高くても買わなければならない構造の変化
これまでは「金が高くなれば、みんな買い控える」というのが当たり前のルールでした。
ところが、2025年は少し様子が違ったのです。
金の平均価格が44パーセントも上昇したにもかかわらず、需要は減るどころか増え続けました。
つまり、「高くても、それでも買わなければならない」という切実な理由があったのです。
私たちの身の回りでいえば、ガソリンや食料品の値上げと同じような感覚かもしれません。
高くても、生活に必要だから買わざるを得ない。
そんな投資家たちの心理が、今の金市場を支えているのですね。
市場を支える3つの巨大な買い手
具体的に、どのような人たちが金を買っているのでしょうか。
大きく分けて、3つのグループがあります。
・機関投資家
「資産の中に金を組み込んでいないこと」自体がリスクだと考えるようになりました。
・個人投資家
お札の価値が下がる不安(インフレ)に備えて、地金やコインを買う人が12年ぶりの多さになりました。
・各国の中央銀行
ポーランドや中国、インドなどの国々が、国を守るための資産として金を蓄えています。
このように、世界中が「最後は金が頼り」と動いているのが今の状況です。
ウォルシュ・ショックの真相:暴落の引き金を読み解く
では、これほど強い需要があるのに、なぜ2026年2月に価格がガクンと下がってしまったのでしょうか。
そこには「ウォルシュ・ショック」と呼ばれる、ある出来事がありました。

きっかけは次期議長の指名でした
きっかけは、米国の大統領がケビン・ウォルシュさんという人を、次期FRB(連邦準備制度理事会)の議長に選んだことでした。
FRBの議長は、いわば世界のお金の流れを決める司令塔のような存在です。
このウォルシュさんが「金利をしっかりと引き上げ、ドルを強くしていく」という方針に見えたため、市場がパニックになりました。
「ドルが強くなるなら、利息がつかない金を持っていなくてもいいかも」
そんな心理が、一気に売りの連鎖を招いてしまったのです。
価格を押し下げた機械的な売りの正体
今回の下落が激しかった理由の一つに、コンピューターによる自動的な取引があります。
金を買っていた多くの人が、ある一定の価格を下回ったときに「自動で売る」という設定をしていました。
それが雪だるま式に売りの注文を呼んでしまい、20パーセントという極端な数字になってしまったのです。
つまり、金の価値がなくなったから下がったのではなく、仕組み上の問題で一気に価格が動いただけ、とも言えるのです。
ビットコインも同時に急落した理由
「金がダメならビットコインがあるじゃない」と思われるかもしれません。
ですが、面白いことに、このときはビットコインも一緒に急落しました。
これは、投資家たちが「とにかく今すぐ現金が必要だ」と焦って、持っているものを手当たり次第に売ったからです。
これを流動性危機と呼びますが、要するに「大掃除で何でもかんでも捨ててしまった」ような状態ですね。

2026年末に向けたこれからのシナリオ
今の暴落を見て「金はもう終わりかな」と悲観する必要はあるのでしょうか。
多くの分析結果を見ると、意外にも未来は明るいようです。
大手金融機関は目標価格を上方修正しています
世界的に有名な金融機関(J.P.モルガンやUBSなど)は、この暴落の後でも、強気の姿勢を変えていません。
むしろ「年内には1オンスあたり6000ドルを超える」という予測を立てているところもあります。
今の価格が4600ドル付近だとすると、ここからさらに値上がりする余地があると考えているわけです。
一時的な嵐は過ぎ去り、また需要が価格を押し上げる時期が来ると見ているのですね。
誰が議長でも変わらない米国の借金と地政学リスク
なぜ、彼らはそんなに強気なのでしょうか。
それは、どれだけ立派な人が議長になっても解決できない「大きな問題」が残っているからです。
・米国の公的な借金が膨らみ続けていること
・世界中で戦争や対立が続いていて、安心できないこと
こうした不安がある限り、消えてなくなることのない「現物資産」である金の価値は、これからも重宝され続けます。
私たちが、いま取るべき3つのアクション
では、このような市場の変化の中で、私たちはどのように行動すればいいのでしょうか。
大切にしたい3つのポイントをまとめました。

① パニック売りを避け、実需の強さを確認する
価格が急に下がると、つい怖くなって売ってしまいたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。
5000トンという歴史的な需要は、嘘ではありません。
中央銀行が金を買い支えているという事実も変わっていません。
今の下げは、一時的な「売りが売りを呼んだ状態」だと冷静に捉えることが大切です。
② 戦略的な押し目買いの検討
もし、これから金を新しく買おうと思っているなら、今はチャンスかもしれません。
4400ドルから4800ドルの間は、過去のデータから見ても「安値の目安」になりやすい場所です。
一気にたくさん買うのではなく、少しずつ分けて買う「積立」のような形であれば、心の平穏を保ちながら資産を増やしていけるはずです。
③ 日本特有の円安メリットを活用する
私たち日本に住む投資家にとって、忘れてはいけないのが「円安」の影響です。
ドルの価格が下がったとしても、もし円安が進めば、私たちが持っている金の価値はそれほど下がらないこともあります。
金を持つことは、日本円の価値が下がったときのための「お守り」にもなります。
価格の上下に一喜一憂せず、資産を守るという本来の目的を思い出してみましょう。
あなたの疑問を解決するQ&Aコーナー
ここまでのお話で、気になったところを整理してみましょう。
質問:暴落した直後に買うのは怖くないですか?
回答:確かに勇気がいりますよね。ですが、過去の暴落時も、実需(実際に使われる需要)が強いときは、数ヶ月から1年で価格が戻る傾向にあります。
質問:金は利息がつかないから損ではないですか?
回答:銀行に預けても利息がほとんどつかない今の時代、金は利息以上に「価値の保存」として役立ちます。預金の一部を金に換えるのは、分散投資としてとても賢い選択です。
質問:中央銀行が金を売ることはないのですか?
回答:最近のデータでは、中央銀行は金を売るよりも、買う量の方が圧倒的に多いです。特に新興国はドルへの依存を減らそうとしているので、しばらくこの傾向は続くでしょう。
質問:ビットコインと金、どちらがいいのでしょうか?
回答:ビットコインは値動きが激しく、金は比較的どっしりとしています。どちらか一方に絞るのではなく、両方を少しずつ持つことで、リスクを分散させるのがおすすめです。
質問:金を買うなら何がいいですか?
回答:初心者の方なら、少額から始められる「純金積立」や、証券会社で買える「金ETF」が手軽です。実物を手元に置きたいなら、コイン(金貨)も素敵ですね。
まとめ
金市場は今、歴史的な転換点にいます。
史上最高の需要と、一時的なショックによる価格の低下。
この二つのバランスをどう見るかが、将来の資産を左右します。
大切なのは、目先の数字に惑わされず、なぜ世界中が金を欲しがっているのかという「本質」を見つめることです。
あなたの資産を守り、未来を明るくするための手段として、金との上手な付き合い方を考えてみてくださいね。
「金って気になるけど、いきなり大金はちょっと怖い…」って人は、まず“買い方”を1冊で整理してから動くのがいちばん安心。
私も不安なときほど、知識でメンタルを守るタイプです。まずはここからチェックしてみてね。
【最後に大切なことをお伝えします】
この記事は、私自身の学びや過去のデータに基づいて、現在の投資に対する考え方をお伝えしたものです。投資は未来を予測するものではなく、常に価格変動のリスクが伴います。
どんなに統計的に可能性が高くても、資産が減ってしまう可能性はゼロではありません。
最終的な投資の判断、商品の選択、金額の決定については、必ずご自身の判断と責任において行ってくださいね。
投資は、あくまでも自己責任で。
この情報が、あなたの賢明な投資判断の一助となれば幸いです。











