2026年の年明け、「渋谷のハチ公が見られない」「新作映画が公開される」
といった情報がSNSで拡散されていますが、結論ははっきりしています。ハチ公像の封鎖はすでに解除済みで、現在は通常通り見学・撮影が可能。
一方、話題の映画『HACHI 2』は生成AIによるフェイク動画です。この記事では、最新の現地状況とデマの真相、
そして改めて知りたいハチ公の本当の歴史を整理して解説します。
2026年、あけましておめでとうございます。
新年早々、GoogleやSNSで「ハチ公」という言葉が飛び交っているのを見て、「えっ、何が起きているの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
「渋谷に行ってもハチ公が見られないって本当?」
「リチャード・ギアが出る新作映画の予告を見たけど、いつ公開なの?」
そんな疑問や期待の声が、私の周りでもたくさん聞こえてきます。
実はこれ、「現実の規制」と「ネット上の噂」という2つの全く別の話が、たまたま同時に重なってしまったことで起きた混乱なんです。
この記事では、今まさに検索して不安になっているあなたのために、現地の最新状況から、ネットを騒がせている映画の噂の真相、そして知ればもっとハチ公が好きになる「本当の物語」まで、プロのライター視点で分かりやすく整理してお伝えしますね。

【緊急確認】渋谷ハチ公像は現在見られるのか?
まず一番気になる、「今、ハチ公に会えるのかどうか」という点から解決しましょう。
ニュースで「白いシートに覆われたハチ公」の映像を見て、ショックを受けた方もいるかもしれません。せっかくの初詣や観光で渋谷に行ったのに、写真が撮れないなんて悲しいですよね。
結論:現在は通常通り見学・撮影が可能です

安心してください。
2026年1月1日の午前1時をもって、ハチ公像周辺の封鎖は解除されています。
今のハチ公は、いつものように渋谷駅前で私たちを待ってくれていますよ。
なぜ「白いシート」で隠されていたの?
「どうしてそんな意地悪なことをするの?」と思った方もいるかもしれませんが、これには近年ならではの事情があるんです。
渋谷区では、ハロウィーンや年末年始に多くの人が集まりすぎて将棋倒しなどの事故が起きないよう、「来街自粛(渋谷に来ないで)」というキャンペーンを強く行っています。
2025年の大晦日から2026年の元旦にかけても、人が一箇所に滞留しないように、シンボルであるハチ公像の周りに仮囲いを作り、像自体も見えないようにシートで覆っていたのです。
ちなみに2025年ハロウィーンの時もハチ公の周りは封鎖されていました。ハロウィーンの記事はこちら
分かりやすく時系列で整理しますね。
| 状況 | 日時 | 内容 |
| 封鎖開始 | 2025年12月31日 06:00 | ハチ公周辺にバリケード設置、像をシートで覆う |
| 封鎖解除 | 2026年1月1日 01:00 | 規制解除。現在は閲覧・撮影OK |
つまり、ニュースで流れている「見られないハチ公」の映像は、過去のものということになります。
今から行く場合の注意点
「じゃあすぐ行こう!」と思ったあなたへ、少しだけアドバイスです。
封鎖は解かれましたが、お正月ということで、明治神宮への初詣客や外国人観光客で渋谷駅周辺は大変混雑しています。
- 人混み対策: 写真を撮るのに順番待ちが発生している可能性があります。
- スリ・紛失に注意: 混雑した場所では手荷物に気を配ってくださいね。
余裕を持ったスケジュールで会いに行くことをおすすめします。

SNSで話題の映画『HACHI 2(ハチ公2)』は実在する?
さて、もう一つの大きな話題。「ハチ公の新作映画」についてです。
YouTubeやTikTokで、「2026年1月公開!」「リチャード・ギア再登場!」なんていう予告編(トレーラー)が流れてきて、胸を踊らせた方もいるのではないでしょうか。
「あの感動がまた見られるの?」「予告編だけで泣いちゃった」
そんな声も聞こえてきますが、ここで残念なお知らせをしなくてはなりません。
結論:新作映画の情報は「フェイク(デマ)」です
本当にごめんなさい。でも、はっきりとお伝えします。
『HACHI 2』という映画は存在しませんし、制作もされていません。
現在出回っている動画は、生成AI(人工知能)を使って作られた、ファンによる創作動画(フェイク動画)なんです。
なぜ「本物」だと思ってしまうの?
私自身もその動画を見てみましたが、今のAI技術って本当にすごいですよね。騙されてしまうのも無理はありません。
なぜこれほど多くの人が信じてしまったのか、その理由は主に3つあります。
- 映像がリアルすぎる以前のAI動画は顔が歪んだりして違和感がありましたが、最新の技術ではリチャード・ギアさんの現在の姿や、娘役のアマンダ・セイフライドさんの表情がとても自然に合成されています。
- ストーリーが「ありそう」「亡くなったパーカー教授(リチャード・ギア)の娘が成長し、新しい秋田犬と出会う」というストーリーは、続編として非常に魅力的で、ファンの「見たい!」という心理を突いています。
- 公開日が具体的「2026年1月1日公開」「1月6日公開」など、具体的な日付が入っているため、「もうすぐ見られるんだ!」という焦りと期待を煽られてしまいます。
公式情報は一切ありません
ソニー・ピクチャーズやNetflixなどの公式サイトを確認しましたが、ハチ公の続編に関する情報は一切ありませんでした。
もし「ここから映画が見られます」という怪しいリンクを見かけても、絶対にクリックしないようにしてください。 フィッシング詐欺やウイルス感染のリスクがあります。
「なんだ、嘘だったのか…」とがっかりされた方もいると思います。
でも、それだけ世界中の人が「ハチ公の物語」に飢えていて、感動を求めているという証拠でもありますよね。
もしその感動を味わいたいなら、2009年のリチャード・ギア主演『HACHI 約束の犬』や、1987年の日本映画『ハチ公物語』を、正規の配信サービスで見直すのが一番です。きっと、AIには作れない本物の涙が待っていますよ。
映画よりも泣ける?「忠犬ハチ公」の真実の物語(史実)
フェイク動画の話で少し寂しい気持ちにさせてしまったかもしれません。
そこでここからは、作り物ではない、史実に基づいた「ハチ公の本当のエピソード」をご紹介します。改めて知ると、映画以上にドラマチックで、胸が熱くなりますよ。
運命の出会いと、あまりに短い幸福

ハチが生まれたのは、今から約100年前の1923年(大正12年)。秋田県大館市の生まれです。
生後間もなく、東京帝国大学(現在の東京大学)の教授だった上野英三郎博士のもとへやってきました。
上野博士は大変な愛犬家で、ハチを我が子のように可愛がりました。
ハチも博士が大好きで、毎日渋谷駅まで博士を送り迎えするのが日課でした。朝は改札口で見送り、夕方は改札口で出迎える。
そんな幸せな日々は、ハチにとって世界のすべてだったのかもしれません。
しかし、その幸せはわずか1年半ほどで突然終わりを迎えます。
1925年5月、上野博士は大学での講義中に脳溢血で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。
10年間の「待ちぼうけ」
ハチの悲劇はここから始まります。
博士が亡くなったことなど理解できないハチは、その日の夕方も、翌日も、雨の日も雪の日も、渋谷駅に通い続けました。
最初は、事情を知らない人々から邪険に扱われたり、駅員さんに水をかけられたりすることもあったそうです。野犬狩りに遭いそうになったことも一度や二度ではありません。
それでもハチは、必ず博士が帰ってくると信じて、改札口を見つめ続けました。
その期間、なんと約10年間。
犬の寿命を考えれば、生涯のほとんどを「待ち続けること」に捧げたことになります。
「忠犬」として愛されるまで
転機が訪れたのは1932年。
ある新聞記事で「けなげな老犬」としてハチのことが紹介されると、人々の態度は一変しました。「なんて忠義の厚い犬なんだ」と感動の輪が広がり、ハチは一躍人気者になったのです。
世界中からおやつや激励の手紙が届くようになりましたが、ハチが本当に欲しかったのは、そんな名声ではなく、大好きな博士の「ただいま」という声と、頭を撫でてくれる手のぬくもりだけだったのかもしれません。
実は「2代目」だった!ハチ公像の知られざる歴史
今、渋谷駅前にある銅像。
実はあれが「2代目」だってご存知でしたか?ここにもまた、戦争という悲しい歴史が関わっているんです。
初代ハチ公像の悲劇
最初のハチ公像が建てられたのは1934年。なんと、ハチがまだ生きている間に建てられました。除幕式にはハチ自身も参加したという、微笑ましい写真も残っています。
しかし、日本はその後、激しい戦争(太平洋戦争)へと突入します。
武器を作るための金属が不足し、国中の銅像やお寺の鐘が回収されました(金属供出)。そして1944年、平和と忠義の象徴だったハチ公像もまた、撤去され、溶かされてしまったのです。
機関車の部品になったとも言われていますが、なんともやるせない話ですよね。
奇跡の復活と「2代目」
戦後、平和な世の中になってから「もう一度ハチ公を!」という声が高まりました。
そして1948年、初代の像を作った安藤照(てる)さんの息子である、安藤士(たけし)さんの手によって、現在の「2代目ハチ公像」が再建されたのです。
親子二代によって紡がれたハチ公の姿。
そう思うと、あの銅像がただの待ち合わせ場所ではなく、平和への願いや、親子の絆の結晶のように見えてきませんか?
アートとしてのハチ公
ハチ公は今や、アーティストたちにとってもインスピレーションの源です。
現代アーティストの西野達さんが、ハチ公像を丸ごと部屋の中に取り込んで「ハチ公の部屋」という作品を発表したこともありました。「雨風にさらされて待っているハチに、ゆっくり休める部屋をあげたい」という発想だったそうです。
こんな風に、時代を超えて愛され、形を変えて表現され続けているんですね。
渋谷だけじゃない!ハチ公に会える「聖地」マップ
「渋谷のハチ公は人が多すぎてゆっくり見られない…」
そんな方におすすめなのが、渋谷以外にある「ハチ公ゆかりの像」たちです。実は、もっと表情豊かで、物語性のある像が日本各地にあるんですよ。
週末のちょっとしたお出かけや、旅行のプランに加えてみてはいかがでしょうか?
1. 感動の再会!【東京大学弥生キャンパス】(東京都文京区)

個人的に一番おすすめなのが、ここです!
渋谷の像はずっと「待っている」姿で少し切ないのですが、東大農学部のキャンパスにある像は違います。
上野博士に飛びついて喜んでいるハチの姿が銅像になっているんです。
博士のカバンが放り出されていて、ハチの嬉しそうな表情といったら…。
「やっと会えたね、よかったね」と、見るたびに涙腺が緩んでしまいます。ここではハチはもう、ひとりぼっちではありません。
2. 若き日の姿【JR大館駅前】(秋田県大館市)
ハチの故郷、秋田県大館市にある像です。
渋谷のハチ公は左耳が垂れていますが、これは野犬に噛まれた怪我の後遺症だと言われています。
でも、大館のハチ公像は両耳がピンと立っています。若くて元気いっぱいだった頃のハチを表現しているんですね。
「秋田犬の里」という観光施設もあり、本物の秋田犬と触れ合うこともできますよ。
3. 博士との絆【久居駅前】(三重県津市)
上野博士の出身地である三重県津市の久居駅前には、上野博士とハチが並んで立っている「上野英三郎博士とハチ公の像」があります。
こちらは、博士とハチが見つめ合っているような、とても穏やかで優しい雰囲気の像です。
Q&A
最後に、ここまでのお話で触れられなかった細かい疑問について、Q&A形式でお答えしますね。

Q1. ハチ公のお墓はどこにあるの?
A. 東京都港区の青山霊園にあります。
実は、上野博士のお墓のすぐ隣に、小さな祠のような形で作られているんです。死後、博士のそばに埋葬してほしいという人々の願いによって実現しました。今でも多くの方がお花を手向けに訪れています。
Q2. ハチ公の剥製があるって本当?
A. はい、本当です。
東京・上野にある国立科学博物館に展示されています。「秋田犬(ハチ)」として常設展示されており、生前のハチの毛並みや大きさをリアルに感じることができます。映画でイメージするより、意外と大きいことに驚くかもしれません。
Q3. 渋谷のハチ公前広場に電車があった記憶があるんですが…
A. 「青ガエル」のことですね!
かつてハチ公前には、緑色の古い電車(元東急5000系)が観光案内所として置かれていました。しかし、再開発に伴い、現在は生まれ故郷である秋田県大館市の観光施設「秋田犬の里」へお引越ししています。
まとめ
今回は、2026年の年明けに話題となった「ハチ公トレンド」の裏側と、ハチ公の真実の物語についてご紹介しました。
- 渋谷の封鎖は解除済み(今はもう会えます!)
- 新作映画はAIによる幻(騙されないで!)
- ハチ公の愛は本物(史実や他の像にも触れてみて)
物理的にバリケードで囲まれたり、デジタル空間で偽物が作られたり。
今のハチ公はなんだか騒がしい場所にいますが、そうやって話題になり続けること自体が、「無償の愛」や「変わらぬ絆」を求める私たちの心の表れなのかもしれません。
もし渋谷に行く機会があったら、ただの待ち合わせ場所として通り過ぎるのではなく、一度立ち止まって、あの銅像を見上げてみてください。
そして心の中で「よかったね、やっと博士に会えたんだね」と声をかけてあげてください。
きっと、優しい気持ちになれるはずですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。









