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箱根駅伝の往路優勝トロフィーはなぜ寄木細工?値段・製作者・見られる場所を徹底解説

記事の概要

  • 箱根駅伝の往路優勝トロフィーは、実は市販の寄木細工とはまったく違う「無垢(むく)」技法で作られた一点物のアート作品です。
  • なぜ寄木細工なのか、値段はいくらなのか、誰が作っているのか──テレビでは語られない秘密を徹底解説。
  • 展示される場所や、同じ技法で購入できる工芸品まで、初めて知る箱根駅伝の裏側が分かります。

お正月の風物詩といえば、やっぱり「箱根駅伝」ですよね。

家族みんなでコタツに入って、懸命にタスキをつなぐ選手たちを応援する……そんな時間を過ごされた方も多いのではないでしょうか。

ところで、往路優勝のゴールシーンを見ていて、こんなふうに思ったことはありませんか?

「あれ? 優勝したのにもらうのは銀色のカップじゃないんだ」

「あの木でできたトロフィー、すごく綺麗だけどなんだろう?」

「もしかして、お土産屋さんで見る寄木細工……? でもなんだか高級そう」

実はあのトロフィー、私たちがよく知るお土産の寄木細工とは、作り方も価値も全く違う「別モノ」なんです。

今回は、テレビを見ているだけでは分からない、箱根駅伝の「寄木細工トロフィー」の秘密について、女性ならではの視点で分かりやすく深掘りしていきます。

知れば知るほど、あのトロフィーの重み(物理的にも、意味的にも!)を感じて、来年の駅伝がもっと楽しみになるはずですよ。

目次

箱根駅伝のトロフィーは「世界に一つだけ」のアート

まずは、あのトロフィーが一体どういうものなのか、その正体から見ていきましょう。

1997年から始まった「伝統」の贈り物

往路優勝校に寄木細工のトロフィーが贈られるようになったのは、1997年の第73回大会からのこと。

それまでは一般的なカップだったかもしれませんが、舞台となる「箱根町」ならではの伝統工芸品を贈ろう、ということで始まりました。

これ、単なる記念品ではないんです。

毎年デザインが新しく書き起こされ、その年のためだけに作られる「世界に一つだけ」の完全オリジナル作品なんですよ。

製作者は伝統工芸士・金指勝悦さん

この特別なトロフィーをたった一人で作り続けているのが、箱根・畑宿(はたじゅく)出身の伝統工芸士、金指勝悦(かなざし かつえつ)さんです。

金指さんは、ただ伝統を守るだけではなく、「木」という素材の可能性を追求し続けている職人さん。「木は生きている」という信念のもと、機械的な大量生産では出せない温もりや重厚感を大切にされています。

近年では、箱根の山並みや芦ノ湖、そしてランナーが風を切って走るスピード感をイメージしたような、彫刻のように複雑で美しいデザインが増えていますよね。あれはすべて、金指さんの頭の中で構想され、形にされているんです。

「お土産」とはココが違う!驚きの「無垢」技法

「でも、寄木細工って箱根に行けば売ってるし、そんなに凄いの?」

そう思う方もいるかもしれません。

実はここが一番のポイント。

金指さんが作るトロフィーは、「無垢(むく)」という特別な技法で作られています。これは、一般的によく目にする「ズク(貼り)」とは全く別次元のものなんです。

一般的な「ズク(貼り)」技法

私たちが観光地のお土産屋さんで見かける「秘密箱」や手頃な価格の小物は、多くがこの技法です。

模様のついた木のブロック(種板)を、カンナで紙のようにうすーく削り(これを「ズク」と呼びます)、それを箱などの表面に「貼って」作ります。

この方法は、一つのブロックからたくさんの製品が作れるので、手頃な価格で多くの人に届けることができます。

トロフィーに使われる「無垢(むく)」技法

一方で、駅伝のトロフィーに使われる「無垢」技法は、木のブロックそのものを「削り出して」形を作ります。

つまり、表面だけでなく中身までずっと同じ木の模様が続いているんです。金太郎飴をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

  • 重さが違う: 中まで詰まった木材の塊なので、持った時にずっしりとした重厚感があります。
  • 質感が違う: 貼ったものとは違い、木そのものの滑らかな手触りや温もりがダイレクトに伝わります。
  • 曲線が出せる: 削り出して作るので、トロフィーのような美しい流線型や立体的な形を作ることができます。

大量の木材を使い、加工も非常に難しいため、これはまさに「選ばれた作品」にしか使えない贅沢な技法なんです。

着色は一切なし!箱根の森の色だけで描く模様

あのトロフィーのカラフルな幾何学模様、ペンキや染料で塗っていると思っていませんか?

実はあれ、すべて木材そのものの「天然の色」なんです。

金指さんは、箱根山系をはじめとする様々な種類の木を組み合わせることで、絵の具のように色を表現しています。

使われている主な木材とその色をまとめてみました。

トロフィーを彩る「木の色」図鑑

色の系統使われている樹種(木の名前)特徴
白色系ミズキ(水木)、アオハダ全体を明るく引き締める色。加工しやすく優しい白さです。
黄色系ニガキ(苦木)、ウルシ鮮やかな黄色。ニガキはその名の通り苦い木ですが、発色がとても美しいんです。
赤・褐色系ケヤキ、ウォールナット温かみや重厚感を出す色。ケヤキは木目がハッキリしていて強さも感じさせます。
黒・灰色系神代(じんだい)ケヤキこれがすごい!数百年以上土の中に埋もれていた木で、自然に渋いグレーや黒色になった貴重な素材です。
緑色系ホオノキ(朴の木)少し灰色がかった落ち着いた緑色で、深みを与えてくれます。

SDGsな側面も:端材を「個性」に

金指さんの作品作りで素敵なのが、普通なら「傷」や「シミ」として捨てられてしまうような黒ずんだ部分も、あえてデザインのアクセントとして使っているところ。

「木を無駄にしない」

「自然のありのままの姿を生かす」

これは今でいうSDGs(持続可能な開発目標)の考え方そのものですよね。トロフィーには、勝者の栄誉だけでなく、箱根の自然への敬意も込められているんです。

気になるお値段は?同じものは買えるの?

さて、ここで主婦目線としてどうしても気になっちゃうのが「お値段」ですよね(笑)。

あんなに立派な無垢の寄木細工、一体いくらするのでしょうか?

トロフィーの価格は「プライスレス」

結論から言うと、往路優勝トロフィーは「非売品」です。

毎年デザインが異なり、鋳型もない一点物のアート作品。そして何より、選手の汗と涙、大学の歴史が詰まったものですから、お金で価値をつけられるものではありません。まさにプライスレスですね。

職人さんの作品なら購入可能です!

「トロフィーは買えなくても、あの美しい技術を我が家にも迎えたい!」

そう思った方、朗報です。

製作者である金指勝悦さんの工房「金指ウッドクラフト」では、トロフィーと同じ「無垢」の技法で作られた製品を購入することができます。

日常使いできるアイテムとして、以下のようなものが人気だそうですよ。

  • 無垢のぐい呑み:約5,500円~
  • ナッツボウル:約9,350円~

決して「激安」ではありませんが、職人さんが手作業で削り出した「一生モノ」の工芸品として考えると、十分に手が届く価格帯ではないでしょうか?

お酒が好きな旦那様へのプレゼントや、自分へのご褒美に、箱根の思い出として購入するのも素敵ですよね。

また、企業や団体の表彰盾などのオーダーメイドも受け付けているそうなので、「特別な記念品を作りたい」という場合は相談してみるのもいいかもしれません。

実物はどこで見られる?「里帰り」展示を狙おう

「せっかくだから、テレビじゃなくて本物のトロフィーを見てみたい!」

そんな方は、ぜひ箱根に足を運んでみてください。

1. 箱根駅伝ミュージアム(往路ゴール地点近く)

芦ノ湖のほとりにある「箱根駅伝ミュージアム」は、駅伝ファンならずとも訪れたい聖地。

ここでは、歴代の優勝校からトロフィーをお借りして展示する企画展が行われることがあります。

特に第100回記念大会の時は、神奈川大学、東洋大学、創価大学などが所持している歴代のトロフィーが一堂に会する「往路優勝記念トロフィー展」が開催されました。

木の色は時間が経つにつれて深み(経年変化)が出てくるので、新しいものと古いものを見比べるのも面白いですよ。

2. 箱根町役場などの公共施設

大会直前の12月頃になると、完成したばかりの最新トロフィーが、箱根町役場のロビーや物産コーナーなどで一般公開されることがあります。

誰よりも早く、ピカピカのトロフィーを見られるチャンスです!

読者の疑問を解決!Q&Aコーナー

記事を読んでいて、ふと疑問に思ったことはありませんか? ここではよくある質問にお答えします。

Q1. トロフィーはずっと優勝した大学にあるの?

A. 基本的には優勝した大学に寄贈されます。

持ち回り(優勝カップのように返すもの)ではなく「贈呈」なので、その大学の資産になります。大学の博物館やキャンパス内に飾られていることが多いので、オープンキャンパスや学園祭の時に見られるかもしれませんね。

Q2. 木だと腐ったりしないの?

A. しっかり乾燥させた木材を使用し、塗装(ウレタン塗装など)で保護されているため、簡単には腐りません。

むしろ、神奈川大学が所持している初期(1997年頃)のトロフィーのように、時間が経つことで色が馴染み、独特の「味」が出てくるのが木製品の魅力です。

Q3. トロフィーは重いの?

A. はい、見た目以上にずっしりと重いです。

中が空洞ではない「無垢(木の塊)」であるため、かなりの重量感があります。表彰式で選手が受け取る時、少し「おっと」となる瞬間があるかもしれませんが、それは物質的な重さと、勝利の重みの両方を感じているからかもしれませんね。

まとめ:トロフィーを知れば、箱根駅伝はもっと感動できる

今回は、箱根駅伝の往路優勝トロフィーについて、その裏側に隠された「寄木細工」のストーリーをご紹介しました。

  • ただの工芸品じゃない:職人・金指勝悦さんが削り出す「無垢」の芸術品。
  • 色の秘密:着色はゼロ。箱根の森の木々たちが織りなす天然の色彩。
  • 手の届く伝統:トロフィーは買えないけれど、同じ技術の器は購入可能。

お正月のテレビ中継、往路のゴールテープが切られた後、選手が掲げるその手に注目してみてください。

そこには、箱根の自然と、職人のこだわり、そして選手たちの汗が詰まった、世界でたった一つの木の輝きがあるはずです。

「綺麗なトロフィーだね」から一歩進んで、「あれはね、中まで詰まった無垢の木なんだよ」なんて、家族に話したくなっちゃいますよね。

次の箱根駅伝は、ぜひそんな「木の物語」にも思いを馳せながら、応援を楽しんでみてはいかがでしょうか。


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