【2025年廃止】健康保険証の有効期限はいつまで？使えなくなる日と「持たない人」への対応策

みなさん、こんにちは。

最近、ニュースや新聞で「健康保険証がなくなる」「マイナンバーカードと一体化する」という話題をよく耳にしますよね。

でも、情報が複雑で、「結局、私の手元にある保険証はいつまで使えるの？」「マイナンバーカードを作らないと病院に行けなくなるの？」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

私も先日、友人から「親が高齢でスマホも持っていないんだけど、これからどうすればいいの？」と相談を受けました。

確かに、制度が変わるときって、どうしても不安になりますよね。

そこで今回は、政府の発表や最新のデータ、そして実際に現場で起きていることなどを踏まえて、みなさんが一番知りたい「期限」と「これからすべきこと」について、わかりやすくまとめてみました。

難しい言葉はできるだけ使わずに、友人に説明するようにお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

【結論】今の健康保険証はいつまで使えるの？

まず一番気になるのが、今お財布に入っているその「健康保険証」がいつまで使えるのか、ということですよね。

ここには、実は「2つの重要な日付」があるんです。ここを混同してしまうと焦ってしまうので、整理しておきましょう。

1. 新しく発行されなくなる日：2024年12月2日

まず一つ目の日付は、2024年12月2日です。

この日以降、従来のプラスチックや紙の健康保険証は、新規発行が停止されます。

つまり、この日を過ぎてから就職したり、転職したり、あるいは扶養に入ったりしても、これまで通りの保険証はもらえなくなります。

また、もしこの日以降に紛失してしまっても、再発行はしてもらえないので注意が必要です。

2. 今持っている保険証が使えなくなる日（最長）：2025年12月1日

「えっ、じゃあ12月2日からすぐに使えなくなるの？」と思った方、安心してください。そうではありません。

ここが一番のポイントです。

政府は「経過措置」という期間を設けています。

現在すでに発行されている健康保険証は、2025年12月1日まで、最長で1年間そのまま使い続けることができます。

ただし、ここで注意が必要なのは、「最長で」という点です。

実は、加入している保険の種類によって、少し状況が異なります。

保険の種類	有効期限の考え方
国民健康保険（自営業・フリーランスなど）	保険証に書いてある「有効期限」が優先されます。多くの自治体では1年ごとの更新なので、2025年の誕生日や7月末などで切れる可能性があります。
社会保険（会社員・公務員など）	原則として、経過措置の2025年12月1日まで使えます。ただし、退職や転職をするとその時点で失効します。
後期高齢者医療制度（75歳以上の方）	国民健康保険と同様、券面に記載された有効期限までとなります。

つまり、まずはご自身の保険証を取り出して、「有効期限」の日付を確認してみてください。

その日付までは、今まで通り病院の窓口に出して受診することができます。

有効期限が切れたらどうなる？あなたに当てはまる3つのパターン

では、いよいよその有効期限が切れてしまった後、私たちはどうやって病院にかかればいいのでしょうか。

これは、みなさんが「マイナンバーカード」をどう扱っているかによって、大きく3つのパターンに分かれます。

ご自身がどれに当てはまるか、シミュレーションしてみましょう。

ケースA：マイナンバーカードを持っていて、保険証の利用登録も済んでいる人

すでにマイナンバーカードを取得し、保険証としての紐付け（利用登録）を済ませている方は、そのまま「マイナ保険証」として利用することになります。

2025年12月以降も、医療機関にあるカードリーダーにマイナンバーカードをかざすだけで受診できます。

この場合のメリットとして、政府は以下のような点を挙げています。

限度額適用認定証が不要になる入院などで医療費が高額になった際、これまでは事前に役所で書類をもらう必要がありましたが、マイナ保険証なら自動で計算してくれます。これは便利ですね。
確定申告が楽になる医療費控除の申請をする際、マイナポータルを通じてデータが自動連携されるため、領収書を一枚一枚計算する手間が省けます。
過去のデータに基づいた診療お薬の履歴や特定健診の結果を医師と共有できるため、より適切な治療が受けられるとされています。

ただ、実際の利用率はまだ低いのが現状です。

2024年のデータでは、マイナ保険証の利用率は約15.67％、国家公務員に限っても4％台という報告もありました。

「作ったけど、結局いつもの保険証を出している」という方がまだまだ多いのが実情のようですね。

ケースB：マイナンバーカードを持っていない、または登録していない人

ここが一番不安を感じている方が多い部分かと思います。

「マイナンバーカードを作りたくない」「紛失が怖くて持ち歩きたくない」という方もいらっしゃいますよね。

また、高齢のご家族がいらっしゃる場合、暗証番号の管理などが難しいという声もよく聞きます。

安心してください。マイナンバーカードを持っていなくても、日本の国民皆保険制度から外れることはありません。

この場合、「資格確認書」という新しい書類が発行されます。

入手方法： 原則として、申請をしなくても自動的に郵送されてきます（プッシュ型交付）。
有効期限： 4年から5年（自治体や保険組合によって異なります）。
使い方： これまでの健康保険証と同じように、病院の窓口で提示するだけでOKです。

つまり、形は変わりますが、実質的には「今までの保険証と同じように使えるカード（または紙）」が届くと思っていただいて大丈夫です。

「デジタルは苦手」という方は、この資格確認書を利用するのが一番安心かもしれませんね。

ケース C：マイナンバーカードを作ったけど、やっぱりやめたい人

「ポイントにつられて作ったけれど、やっぱり保険証と紐付けるのは不安」「セキュリティが心配だから解除したい」

最近、こういった声も増えてきています。

実際、制度への不信感などから、利用登録の解除申請を行う人が、1ヶ月で1.3万件を超えたというニュースもありました。

一度登録してしまったら戻れないの？と心配される方もいますが、大丈夫です。

「利用登録の解除申請」を行うことができます。

お住まいの自治体や加入している健康保険組合に申請を出すことで、マイナ保険証の登録を解除し、代わりに先ほど説明した「資格確認書」を発行してもらうことが可能です。

無理をして使い続ける必要はありませんので、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて選んでみてくださいね。

マイナ保険証への切り替え方法と、知っておきたい現場のリアル

「やっぱり便利そうだからマイナ保険証を使ってみようかな」と思った方のために、登録方法と、実際に使うときに気をつけておきたいポイントをお伝えします。

カンタン！利用登録のやり方 3選

登録はとても簡単で、以下の3つの場所で行えます。

医療機関・薬局の窓口病院の受付にある「顔認証付きカードリーダー」で、その場で登録手続きができます。受診のついでにできるので一番手軽ですね。
セブン銀行ATMお買い物のついでに、ATMで手続きが可能です。画面の案内に従えばすぐに終わります。
マイナポータル（スマホアプリ）ご自宅にいながら、スマホで登録できます。マイナンバーカードをスマホにかざして読み取ります。

現場で起きていること：念のため現金を持っておこう

制度としては進んでいますが、医療の現場ではまだ混乱も見られます。

マインドマップの資料によると、医療機関の7割から9割が現行の保険証の存続を要望していたというデータもあります。

現場のスタッフさんも、新しいシステムへの対応に追われているのが現状です。

実際に、以下のようなトラブルが報告されています。

カードリーダーのエラー：機械がカードを読み取れない、通信エラーが起きるなどのトラブルがあり、スムーズに受付できないことがあります。
システム未導入の病院：小さなクリニックなどでは、まだカードリーダーが導入されていない、あるいは故障中というケースもあります。

そのため、マイナ保険証を使う場合でも、「お財布には念のため現金を入れておく」「有効期限内であれば従来の保険証も一緒に持っていく」ことを強くおすすめします。

システムトラブルで保険資格が確認できない場合、一時的に10割負担（全額自己負担）を求められる可能性があるからです。

知っておきたい「トラブル」と「対処法」

不安を煽るつもりはありませんが、「もしも」の時に慌てないよう、実際に起きているトラブル事例と、その対処法を知っておくことは自分を守るためにとても大切です。

ここでは、いくつかの代表的なトラブルとその対策をご紹介します。

1. 窓口で「資格なし」「無効」と出てしまったら？

ごく稀にですが、転職直後やシステムのエラーで、正しい保険に入っているはずなのに「資格なし」と表示されてしまうことがあります。

実際に753件以上の事例で、患者さんが一時的に医療費の全額（10割）を支払うことになったという報告があります。

【対策】

もし10割負担になってしまっても、後日、加入している健康保険組合に申請すれば、払いすぎた分（7割または8割分）は返金されます。

この時、絶対に忘れてはいけないのが「領収書を必ず保管しておくこと」です。

領収書がないと返金手続きが難しくなるので、大切に取っておいてくださいね。

2. 別人の情報が登録されている？（紐付けミス）

非常に怖い話ですが、別人の医療データが自分のマイナンバーカードに紐付けられていたというミスが、過去に約9200件超確認されています。

また、薬剤情報の漏洩や、負担割合（1割か3割かなど）の間違いといった事例もありました。

【対策】

自分の情報は自分で守りましょう。

スマホをお持ちの方は、「マイナポータル」アプリにログインして、自分の健康保険証情報が正しく登録されているか、一度確認してみてください。

もし間違いを見つけたら、すぐに自治体の窓口やマイナンバー総合フリーダイヤルに相談してください。

3. マイナンバーカードを無くしてしまったら？

従来の保険証と違い、マイナンバーカードには個人情報がたくさん詰まっています。

万が一紛失してしまった場合のリスクは、やはり従来の保険証より高くなります。

【対策】

紛失に気づいたら、すぐに「マイナンバー総合フリーダイヤル（0120-95-0178）」に電話をして、カード機能の一時停止手続きを行ってください。24時間365日対応しています。

その後、警察に遺失届を出し、役所で再発行の手続きを行います。

再発行までの間は、役所に相談して「資格確認書」を早めに発行してもらうようにしましょう。

政府の狙いと、私たちの選択

そもそも、なぜこんなに急いでシステムを変える必要があるのでしょうか？

少し難しい話になりますが、背景を知っておくと納得できる部分もあるかもしれません。

政府は「医療DX（デジタルトランスフォーメーション）」を推進しています。

全国の医療機関でデータを共有することで、重複した検査を防いだり、災害時にお薬手帳がなくても服用中の薬がわかったりと、質の高い医療を提供することを目指しています。

また、医療事務の負担軽減や、不正利用の防止といった狙いもあります。

一方で、導入コストの大きさや、セキュリティへの懸念、そして何より「使い慣れた保険証がなくなる」ことへの国民の抵抗感も根強くあります。

実際に、医師や歯科医師による行政訴訟が起きたり、立憲民主党などから廃止延期法案が提出されたりと、議論はまだ続いています。

ただ、私たち生活者にとって大切なのは、「制度が変わっても、必要な医療を安心して受けられること」です。

マイナ保険証を選ぶもよし、資格確認書を選ぶもよし。

政府も「申請に基づき交付」と言いつつ、「当面は申請なしで資格確認書を送る」という運用で、未取得者への配慮（プッシュ型支援）を行っています。

無理に焦ってカードを作る必要はありません。ご自身が一番安心できる方法を選んでください。

まとめ：有効期限が切れる前に確認すべきことリスト

長くなってしまいましたが、最後にこれだけはやっておいてほしいチェックリストをまとめました。

これを機に、ご家族とも話し合ってみてくださいね。

保険証の「有効期限」をチェックする
- まずは手元の保険証を見て、いつまで使えるか日付を確認しましょう。
自分のスタイルを決める
- 「マイナ保険証」にするか、「資格確認書」でいくか。どちらでも医療は受けられます。
マイナポータルで情報を確認する（マイナ保険証の方）
- 正しく情報が登録されているか、一度見ておくと安心です。
高齢のご家族の状況を確認する
- ご両親やおじいちゃん、おばあちゃんは、マイナンバーカードの管理ができそうですか？
- 難しそうなら、「資格確認書が届くから大丈夫だよ」と伝えて安心させてあげてください。

制度の変わり目はどうしても混乱しがちですが、正しい情報を知っていれば怖くありません。

この記事が、少しでもみなさんの不安解消に役立てば嬉しいです。

期限ギリギリになって慌てないよう、今のうちに一度、お財布の中身を確認してみてくださいね。