2025年11月26日(水)日本経済新聞 朝刊春秋の要約と「寒うなぎ」の魅力
うなぎ好きの街は各地にあるが、鹿児島もそのひとつ。西郷どんは大の好物で、指宿の鰻(うなぎ)温泉にもよく訪れた。少女時代をすごした向田邦子さんは甲突川でウナギをとって遊び、20代の時分、おなかいっぱい食べたかったのもステーキとうなぎだったと振り返っている。
▼30年ほど前だが、鹿児島に住んでいたころ、大隅半島にわたる楽しみも、かば焼きだった。道路わきにぽつんと出された屋台から、うちわであおがれ、ほんのり漂う甘いかおりは、寄り道を誘うのに十分すぎるほど。養鰻(ようまん)県らしい風情である。その稚魚をすくい上げる、志布志湾のシラスウナギ漁が、もうすぐ解禁される。
はじめまして。この記事では、今日の新聞コラムをきっかけに、今の時期だからこそ知っておきたい「うなぎ」のお話をお届けします。
みなさんは「うなぎ」というと、夏の「土用の丑の日」を思い浮かべませんか。でも実は、うなぎの本当の旬は「冬」にあることをご存じでしょうか。
今日の日本経済新聞「春秋」では、うなぎの生産量日本一を誇る鹿児島県の風景と、これからのうなぎを巡る少し心配なニュースが取り上げられていました。
この記事では、コラムに出てきたキーワードを深掘りしながら、なぜ今、冬にうなぎを食べるべきなのか、そして私たちが大切にしたい食文化について、女性ならではの視点でやわらかく紐解いていきます。

おいしい「寒うなぎ」の秘密や、鹿児島への旅のヒント、そして将来もうなぎを食べ続けるために私たちが知っておきたいことをまとめました。読み終わる頃には、きっと温かいお茶と一緒に、ふっくらしたうなぎが恋しくなっているはずです。
西郷隆盛も愛した鹿児島のうなぎ
鹿児島県と聞くと、桜島や黒豚をイメージする方が多いかもしれませんが、実は「うなぎ王国」でもあります。
コラムにも登場した西郷隆盛(西郷どん)は、大のうなぎ好きだったそうです。彼が愛したのは、単に味が良いからという理由だけではありません。精をつけるため、そして心身を癒やすために、指宿(いぶすき)にある「鰻温泉」によく通っていたという逸話が残っています。
また、作家の向田邦子さんも鹿児島ゆかりの人物です。彼女の少女時代の思い出の中には、川でうなぎを獲って遊んだ記憶や、ご馳走としてのうなぎへの憧れがありました。
昔から鹿児島の人々にとって、うなぎは特別な日のご馳走でありながら、日常の風景に溶け込んだ身近な存在だったのですね。
鹿児島のうなぎがおいしい理由
なぜ鹿児島でうなぎ養殖が盛んなのでしょうか。それには3つの大きな理由があります。
- 温暖な気候:うなぎは寒さが苦手ですが、鹿児島は一年を通して暖かく、うなぎがすくすくと育ちます。
- 豊富な湧き水:シラス台地がろ過した清らかでミネラル豊富な地下水が、うなぎの臭みを消し、良質な身を作ります。
- 高い技術力:長年培われてきた養殖技術により、天然に近い環境で育てられています。
「土用の丑の日」だけじゃない!冬こそ「寒うなぎ」
夏に食べるイメージが強いうなぎですが、食通の間では「うなぎは冬に限る」と言われています。これには明確な理由があります。
冬のうなぎがおいしい理由
魚には「旬」がありますよね。うなぎも例外ではありません。
冬眠に備えて栄養を蓄えようとする晩秋から冬にかけてのうなぎは、身に脂が乗ってふっくらとしています。これを「寒(かん)うなぎ」と呼びます。
夏と冬のうなぎの違いを簡単にまとめてみました。
| 季節 | 特徴 | おすすめの食べ方 |
| 夏(土用の丑) | さっぱりとしていて、夏バテ防止に良い | うな丼、ひつまぶし |
| 冬(寒うなぎ) | 脂が乗り、身が厚くふわふわで濃厚 | 白焼き、蒲焼き、鍋 |
今の時期のうなぎは、口に入れた瞬間に脂の甘みが広がり、身の柔らかさに驚かされます。特に、素材の味をダイレクトに楽しめる「白焼き」は、冬のうなぎでこそ試していただきたい逸品です。わさび醤油や柚子胡椒でいただくと、日本酒や白ワインとも相性抜群ですよ。
ニュースで見る「ワシントン条約」と私たちの食卓
今日のコラムで少しドキッとしたのが、「ワシントン条約」の話ではないでしょうか。
「うなぎが食べられなくなるの?」と不安に思った方もいるかもしれません。ここで少し、分かりやすく整理してみましょう。
何が起きているの?
現在、パナマでワシントン条約の会議が開かれています。そこで「ニホンウナギ」を国際的な取引規制の対象にするかどうかが話し合われているのです。
うなぎの赤ちゃんである「シラスウナギ」は、海流に乗って日本沿岸にやってきますが、近年その数が減ってきています。もし規制の対象になると、海外からの輸入が難しくなり、私たちの食卓に並ぶうなぎの価格がさらに高騰したり、食べる機会が減ったりする可能性があります。

私たちができること
「食べるのをやめるべき?」と思うかもしれませんが、日本政府は「資源管理をしっかり行えば大丈夫」という立場をとっています。
私たち消費者にできることは、単に食べるのを我慢することではなく、「大切にいただく」という姿勢ではないでしょうか。
- 食品ロスをなくす:残さずきれいに食べる。
- 産地を意識する:鹿児島産など、トレーサビリティ(生産履歴)がしっかりした国産のものを選ぶ。
- 感謝していただく:命をいただいていることへの感謝を忘れない。
日本の食文化として、うなぎを守り、次世代につないでいくためにも、正しい知識を持って向き合うことが大切ですね。
次の旅行は鹿児島へ!うなぎと癒やしの旅プラン
ここまで読んで「おいしいうなぎが食べたい!」と思った方へ。次の休暇は、本場・鹿児島へ出かけてみませんか。
女性の一人旅や、ご夫婦での旅行にもおすすめのスポットをご紹介します。
大隅半島で「うなぎの駅」体験
コラムにもあった大隅半島(おおすみはんとう)は、日本一のうなぎの産地です。
ここには、なんと「うなぎの駅」というユニークな施設があります。
- うなぎの駅(志布志市):養殖から加工まで行う会社が運営しており、レストランではリーズナブルに極上のうなぎが食べられます。お土産コーナーも充実していて、見ているだけでワクワクします。
指宿で「西郷どん」気分
西郷隆盛が愛した指宿エリアも外せません。
- 鰻温泉(うなぎおんせん):名前の通り、うなぎに関連した温泉地です。硫黄の香りが漂う素朴な温泉街で、西郷さんの銅像も出迎えてくれます。
- スメ(天然蒸気かまど):温泉の蒸気を使って野菜や卵を蒸す「スメ」料理も有名です。ヘルシーで女性に大人気です。

お家で楽しむ「寒うなぎ」のすすめ
旅行に行く時間がなかなか取れないという方は、お取り寄せやふるさと納税を活用して、お家で「寒うなぎ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最近は冷凍技術が進化しており、湯煎するだけでお店のようなふっくらとした蒲焼きが再現できます。
おいしい温め方のコツ
- 湯煎で温める:沸騰したお湯でパックごと数分温めます。
- フライパンでひと手間:パックから取り出し、フライパンにアルミホイルを敷いて、お酒を少し振ってから蒸し焼きにします。
- トースターで香ばしく:最後にトースターで1分ほど焼くと、皮目がパリッとして香ばしさがアップします。
このひと手間で、スーパーで買ったうなぎも高級店の味に近づきます。
炊きたての白いご飯に、熱々のうなぎ。それだけで、冬の寒い日が特別な一日に変わりますよね。
鹿児島を応援しながら、極上の「ご褒美」を受け取る
ここまで記事を読んでくださって、もうすっかり「うなぎの口」になってしまっているのではないでしょうか。(実は書いている私も、想像だけでお腹が空いてきてしまいました)
「でも、国産の冬うなぎなんて、高くてなかなか手が出ないかも……」
そんなふうに迷っている方にこそ、心からおすすめしたいのが「ふるさと納税」という選択肢です。
今日のコラムにもあったように、鹿児島のうなぎ生産者さんたちは、厳しい環境の変化の中で一生懸命、伝統の味を守り続けています。ふるさと納税なら、そんな生産者さんたちを直接「寄付」という形で応援できて、そのお礼として、現地に行かなければ味わえないような「極上の寒うなぎ」をお家で受け取ることができるんです。
特に、名産地である「志布志市(しぶしし)」や「大崎町(おおさきちょう)」の返礼品は、ふっくらとした肉厚さと、香ばしいタレの香りが格別で、毎年ランキングの上位に入るほどの人気ぶりです。
「うなぎを守りたい」という気持ちと、「美味しいものが食べたい」という願い。 その両方を叶えられるなんて、とても素敵な仕組みだと思いませんか?
今年一年頑張ったご自身へのご褒美に、そして鹿児島へのエールとして。 ぜひ一度、どんな美味しそうなうなぎがあるのか、覗いてみてください。見ているだけでも、幸せな気持ちになれますよ。
まとめ:旬の味わいを未来へつなぐ

今日のコラムから、鹿児島のうなぎの歴史、冬のうなぎのおいしさ、そして資源の問題まで一緒に見てきました。
- うなぎは西郷隆盛や向田邦子にも愛された、鹿児島のソウルフードです。
- 冬の「寒うなぎ」は脂が乗って一番おいしい季節です。
- 資源を守るために、私たちも感謝の気持ちを持っていただくことが大切です。
あたたかい部屋で、家族や大切な人と一緒に、旬のうなぎを囲む。
そんな幸せな時間が、これからもずっと続いていきますように。
今年の冬は、ぜひ鹿児島の「寒うなぎ」を味わってみてくださいね









