この記事の3行まとめ
- 三井不動産が、神戸市の須磨ベルトコンベヤ跡トンネルを使った地下データセンターを計画していると報じられています。
- 地下は温度変化が小さい一方、火災・浸水・排熱など閉鎖空間ならではの弱点もあり、冷却設備や換気は欠かせません。
- 稼働時期・事業費・コンテナ数は現時点で未公表。分かっていることと推測を分けて整理しました。
神戸の地下に眠っていた巨大トンネルが、AIを動かすデータセンターに生まれ変わる。三井不動産が、神戸市の須磨ベルトコンベヤ跡を使った地下データセンターを計画していると報じられています。かつて山を削った土砂を運び、映画のロケ地にもなった場所です。
「なぜわざわざ地下なの?」「地震や水害で本当に大丈夫?」「そもそも昔は何に使われていたの?」。ニュースを見て、私も真っ先にこの3つが浮かびました。この記事では、分かっていることと、まだ分かっていないことを分けながら、順番にほどいていきます。
三井不動産が神戸の地下にデータセンターを計画|まず分かっていること

何が報じられているのか
報じられているのは、三井不動産が、神戸市が公募した「ベルトコンベア跡トンネル施設貸付」をもとに、使われなくなった地下トンネルをAI向けのデータセンターにする計画です。舞台は、かつて神戸の街づくりを支えた須磨ベルトコンベヤの跡。ゲットワークスや熊谷組といった企業も関わると伝えられています。
神戸市の公式ページによると、貸付の対象は、総延長約14.5kmのうちの約3kmです。面積は約17,000平方メートル。申込の受付は2026年7月27日から7月31日でした。条件には「トンネルの環境を活かした事業であること」と「借りた事業者が自ら管理・運営すること」が入っていて、にぎわい施設のような不特定多数が集まる用途は、安全管理上できないとされています。
場所・規模・方式を表で整理
数字がいくつも出てくるので、まず表にまとめます。出どころの違いも分かるように書きました。
| 項目 | 現時点で分かっていること |
|---|---|
| 場所 | 神戸市西区の須磨ベルトコンベヤ跡トンネル(市の貸付要項では押部谷町木見〜見津が丘) |
| 利用する施設 | 須磨ベルトコンベヤ跡の地下トンネルの一部(全体約14.5kmのうち、市の貸付対象は約3km) |
| 使用面積 | 約17,000平方メートル(神戸市の貸付要項) |
| 地下の深さ | 約40m(報道ベース。区間によって違う可能性あり) |
| 最大受電容量 | 約20MW(報道ベース) |
| 方式 | コンテナ型データセンターを想定(報道ベース) |
| 関係企業 | 三井不動産、熊谷組、ゲットワークス |
| 未公表・確認できない項目 | 正式名称、稼働開始時期、事業費、賃料や契約期間、コンテナの数 |
ここで一つ、注意があります。トンネルの長さについて「約7.2km」「約3km」と、数字が複数出回っています。神戸市の要項で確認できるのは、貸付対象の約3kmです。ほかの数字は、残っている区間全体を指している可能性があります。この記事では、今回使われる範囲を「須磨ベルトコンベヤ跡の一部」と表現します。
三井不動産・熊谷組・ゲットワークスの役割
報じられている役割を整理すると、次のようになります。ただし、細かな分担を公式に確認できたわけではありません。あくまで現時点の整理です。
| 企業 | 伝えられている役割 |
|---|---|
| 三井不動産 | 計画を進める中心。不動産開発・投資の側 |
| 熊谷組 | トンネルの補強、防水、換気などの土木面を担うとされる |
| ゲットワークス | 水冷に対応したコンテナ型データセンターの設計・構築・運用を担うとされる |
建物を建てる会社だと思っていた不動産会社が、データセンターに力を入れている。意外に感じる方もいますよね。ただ、AIの普及で「電気と土地と冷却設備を用意できる場所」そのものが貴重になっています。不動産会社にとっては、新しい種類の「貸せる空間」というわけです。
なぜデータセンターを地下に作るの?メリットと「冷える」の誤解

AIサーバーは、とにかく電気を使い、とにかく熱くなる
ここがこの記事でいちばん知ってほしいところです。
生成AIを動かすサーバーには、GPUという計算専用の部品がたくさん入っています。このGPUが、ものすごく電気を使います。そして使った電気は、ほぼ熱になります。ホットプレートを何百台も並べて、ずっと付けっぱなしにしているところを想像してみてください。部屋はあっという間に暑くなりますよね。
データセンターは、この熱を冷やし続けないと、機械が止まったり壊れたりします。だから「電気を使う」と「冷やすのにも電気を使う」の二重で電力がかかります。これが、AIの時代にデータセンターが電力不足の話と一緒に語られる理由です。
地下だと何が良いのか
では、地下に置くと何が変わるのでしょうか。一般的に挙げられるメリットを整理します。
| メリット | 中身 |
|---|---|
| 温度変化が小さい | 地中は季節による温度の振れ幅が地上より小さく、冷却の負担を抑えやすい |
| 土地の確保が不要 | 広い平地に建屋を建てなくても、既存のトンネルを使える |
| 景観・騒音への影響が小さい | 建物や設備が地上に出にくく、近隣の反対が起きにくい可能性がある |
| 物理的なセキュリティ | 出入口が限られ、侵入を管理しやすい |
| 地震時の揺れ | 地下構造物は周囲の地盤と一緒に動くため、地上の高層階ほど揺れが増幅されにくいとされる |
最近は、データセンターの建設に対して、騒音や景観、水や電気の使い方を心配する地域の声が各地で出ています。地下に隠れる形は、そうした「迷惑施設」のイメージを和らげる狙いもありそうです。
「地下だから何もしなくても冷える」わけではない
ここは誤解しやすいところなので、はっきり書いておきます。
地下は涼しいから、そのまま機械を置けば冷える。そうではありません。地下の閉じた空間は、風通しが悪く、熱が逃げにくい場所でもあります。GPUが出す大量の熱を放っておけば、トンネルの中はどんどん温度が上がります。
だから、水を使った冷却(水冷・液冷)の設備や、熱を地上へ運び出す機械換気が欠かせません。報じられているゲットワークスの強みも、まさに高発熱のGPUを水冷で冷やすコンテナ型の技術です。地下の安定した環境は、あくまで「冷却の出発点を有利にしてくれるもの」と捉えるのが正確だと思います。
なお、地下水を使った冷却が検討されているという話もあります。ただ、今回の施設で正式に採用されると確認できたわけではありません。一般的には、地下水そのものをサーバーにかけるのではなく、熱交換器を通して熱だけを移す形がとられます。「こういう方式も考えられる」という位置づけで読んでください。
20MWを家庭の電気に引き直してみた
「最大受電容量約20MW」と言われても、ピンときませんよね。私もそうでした。そこで、生活の数字に引き直して計算してみました。
前提は、20MWを1年間ずっと使い続けた、という極端な場合です。
- 20MW=20,000kW
- 1年は24時間×365日=8,760時間
- 20,000kW×8,760時間=175,200,000kWh(1億7,520万kWh)
一般家庭の1年間の電気使用量を4,000〜4,500kWh程度とすると、世帯数は次のとおりです。
| 家庭の年間使用量の仮定 | 世帯数の目安 |
|---|---|
| 4,000kWh | 約43,800世帯 |
| 4,200kWh | 約41,700世帯 |
| 4,500kWh | 約38,900世帯 |
つまり、約4万世帯分の電気を、止めずに使い続けるイメージです。ただし、この換算は家庭の使用量の仮定で大きく変わります。しかも、20MWのすべてがGPUの計算に使えるわけではありません。冷却設備や変電・配電の損失などにも電気を使うからです。
たとえば、設備全体の電力が計算用の電力の1.5倍かかる施設なら、計算に使える分は20÷1.5=約13.3MWです。1.2倍で済むなら20÷1.2=約16.7MW。どちらも、あくまで仮の数字です。神戸の計画で実際にこうなる、という意味ではありません。
大規模な都市型データセンターと比べると中規模ですが、AI向けの高密度なサーバーを動かす拠点としては、十分に意味のある大きさです。
須磨ベルトコンベヤとは?神戸を作った巨大地下施設

「山、海へ行く」と呼ばれた神戸の大事業
須磨ベルトコンベヤは、1960年代から神戸の街づくりを支えた施設です。「山、海へ行く」という言葉で知られる都市開発のために、1963年に設置が始まり、1964年に運転を開始しました。
仕組みはシンプルで、六甲山系の山を削って出た土砂を、ベルトコンベヤで海側まで運びます。その土砂で海を埋め立て、新しい土地を作りました。ポートアイランド、六甲アイランド、そして神戸空港など、現在の神戸の姿は、この仕組みなしには語れません。
当初の長さは約1.4kmでした。それが採土場が山の奥へ移るにつれて延びていき、最終的に総延長は約14.5kmに達します。運んだ土砂は、約3億2,000万立方メートル。2005年まで、約40年にわたって動き続けました。
注意したいのは、この「約14.5km」は施設全体の長さだということです。今回貸し出される範囲は、神戸市の要項で約3km。全体のおよそ2割にあたります。計算すると3÷14.5=約20.7%です。
今の須磨ベルトコンベヤ跡はどうなっているのか
役目を終えたあと、南側の一部は埋め戻され、北側のトンネルは神戸市が管理するかたちで残っています。普段は非公開の施設で、気軽に中へ入れる場所ではありません。「須磨ベルトコンベヤ 跡地 地図」で検索しても、入口の位置が分かりやすく出てこないのは、そのためだと思います。
トンネルは、高さ約10m、幅約15mといった巨大なコンクリートの空間として紹介されています。ここにデータセンター用のコンテナを並べる、というのが今回の発想です。
映画のロケ地だった地下空間が、AIの心臓部へ
この空間、実は映像の世界ではちょっと有名です。
Netflix映画『シティーハンター』のクライマックスは、この地下トンネルで撮影されました。神戸市の公式noteや観光情報サイトによると、撮影に使われたのは「D3機械室」と呼ばれていた場所で、幅約15m、床から天井まで約11m、奥行き約90mの巨大な空間です。大規模なセットを組んで、約2週間かけて撮影されたと紹介されています。
ほかにも、映画『デスノート Light up the NEW world』や『鋼の錬金術師』など、複数の作品のロケ地として挙げる記事があります。無機質で、どこか神殿のようにも見える地下空間。映画の舞台だった場所が、今度はAIを動かす拠点になる。この時間の流れの変化が、私にはとてもおもしろく感じられました。
地下データセンターは地震・火災・浸水に強い?弱点と対策

地震:揺れには強い可能性。でも「絶対安全」ではない
読者の方がいちばん気になるのは、地震ではないでしょうか。
地下の構造物は、周りの地盤と一体になって動きます。地上の高いビルのように、上の階ほど大きく揺れる現象が起きにくいため、機器にかかる揺れが小さくなる可能性があるとされています。
ただし、「だから絶対安全」とは言えません。地下には地下の弱点があります。たとえば、断層のずれのように地盤そのものが動く場合。設備の損傷や、外からの電力・通信回線が途切れる場合。こうした別のリスクは残ります。事前の地質調査や、回線を複数ルートにする備えが大切になります。
舞台は神戸です。阪神・淡路大震災を経験した地域に、新しい重要インフラが作られる。そこには、揺れ方や被害の教訓を設計に生かしてほしい、という期待が重なります。ただ、具体的にどんな耐震設計になるのかは、現時点では確認できません。
火災・煙・避難:閉じた空間ならではの難しさ
地下トンネルで特に気をつけなければいけないのが、火災です。
データセンターには、電気設備やバッテリーがたくさんあります。そこから火が出ると、トンネルのような細長い閉鎖空間では煙が逃げにくく、人が入って消火するのも難しくなります。避難経路をどう確保するかも大きな課題です。
水をかけると、サーバーが水浸しになって全滅してしまいます。そのため、酸素を減らして火を抑える窒素などのガスを使う消火設備が使われる例があります。ただ、今回の施設でどの方式を採るのかは、確認できていません。
浸水・地下水・結露・排熱:水と熱との付き合い方
地下には、もう一つ大きな敵があります。水です。
大雨のとき、地上の水が出入口から流れ込むかもしれません。地下水位が上がれば、漏水の心配も出てきます。対策としては、出入口の止水板、かさ上げ、排水ポンプの複数配置などが考えられます。国土交通省も、地下空間の浸水対策のガイドラインを公表しています。
水害への備えといえば、家庭用の止水板があります。大規模な施設とは規模が全く違いますが、「水の入口を先にふさぐ」という考え方は共通していると感じました。
この考え方に興味が出てきたら、家庭向けの水害対策もまとめているので、こちらも読んでみてくださいね。
→ 止水板で安心の水害対策!備えあれ板の効果と使い方を徹底解説
さらに、湿度の高い空間では結露も起きます。サーバーの大敵です。そして先ほど触れた排熱。地下は温度が安定している分、自然な空気の流れが少なく、熱がこもりやすいのです。強力な換気設備で熱を外へ逃がし続けなければ、かえって熱暴走につながります。
そのほか、巨大なコンテナや機器をトンネルの中へ搬入すること、運用開始後に点検・修理をしやすくすることも課題です。メリットが大きい分、設計に求められる水準も高い計画だと言えます。
「地下だから安くなる」とは限らない
もう一つ、見落としやすい点があります。既存のトンネルを使えば、建物を新しく建てる費用は減らせます。けれど、防水、換気、排煙、防災設備、大容量の電力や通信回線の引き込みといった特殊な改修費がかかります。
つまり、「地下なので大幅に安くなる」と言い切ることはできません。事業費が公表されていない以上、費用面の評価は保留にしておくのが誠実だと思います。
コンテナ型データセンターとAI需要|廃トンネルが日本のAIインフラになる?

コンテナ型データセンターとは
今回の方式として報じられているのが、コンテナ型データセンターです。
イメージとしては、サーバー、冷却装置、停電時の予備電源などを、ひとまとめにした箱です。それを地下へ並べて使います。メリットは次のとおりです。
- 工場などで、あらかじめ組み立てておける
- 現場での設置期間を短くしやすい
- 必要に応じて、あとから増やせる
- トンネルのように、特殊な形の空間でも導入しやすい
ゲットワークスは、高発熱のGPU向けの水冷・液冷に対応したコンテナ型データセンターに取り組んでいる会社として紹介されています。ただし、コンテナを何基置くのかは公表されていません。受電容量から「数十基くらいかも」と推測する声もありますが、これは推測です。
なぜ今、AIデータセンターが足りないのか
今回のニュースは、単独の話ではありません。生成AIが広がり、データセンターの需要が急速に高まっています。足りなくなっているのは、主に次のものです。
| 足りなくなっているもの | 理由 |
|---|---|
| GPU(計算用の部品) | AIの学習や動作に大量に必要 |
| 電力 | 1か所で使う電気が桁違いに増えている |
| 冷却設備 | 高発熱のGPUに対応した水冷などが必要 |
| 土地 | 大きな建屋を建てられる場所が限られる |
| 送電網 | 電気を送る線の容量に限りがある |
このため、東京や大阪などの都市部に巨大な施設を集めるだけでは、限界が見えてきました。そこで注目されているのが、電気を確保しやすい地方へデータセンターを分散させる流れです。電力不足の問題を、場所を変えて解こうというわけです。
IOWNやワット・ビット連携との相性は?
ここは未来の話です。
「ワット・ビット連携」は、電気(ワット)と通信(ビット)の整備を一緒に考える取り組みです。電気が豊富な地方にコンピューターを置き、高速な通信で都市とつなぐ、という発想です。NTTが進めるIOWNという次世代通信は、光を使って遠くの拠点どうしを低い遅延でつなぐ技術で、こうした地方分散型のデータセンターと相性が良いとされています。
大事な注意点があります。今回の神戸の計画で、IOWNの採用が正式に決まったと確認できたわけではありません。ですので、「神戸と東京がIOWNでつながる」と断定することはできません。あくまで、地方分散型データセンターと相性の良い技術の一つ、という位置づけです。
停電や通信障害が起きたとき、私たちの暮らしでは決済が止まることもあります。データセンターの分散は、そうした備えにもつながる話です。生活側の備えとして、現金をどれくらい持っておくかもまとめているので、こちらも参考にしてください。
→ 災害時の現金はいくら必要?目安は3〜5万円。金種の内訳とキャッシュレス併用の正解
海外にはすでに地下データセンターがある
実は、地下のデータセンターは海外にすでにあります。神戸の計画を理解するための比較として、3つだけ紹介します。
| 施設 | 元の姿 | 特徴 |
|---|---|---|
| Lefdal Mine(ノルウェー) | 鉱山跡 | 近くのフィヨルドの冷たい水を冷却に活用。電力は水力中心 |
| Pionen(スウェーデン) | 冷戦期の核シェルター | ストックホルムの地下にあり、高い防護性を持つ施設として知られる |
| WPA-1(米国ペンシルベニア州) | 石灰岩の鉱山跡 | 地下の広い空間と水を使った冷却を活用 |
共通しているのは、頑丈で広い地下空間が、高いセキュリティと冷却のしやすさを両立しやすい点です。ただし、これらの施設の性能を、そのまま神戸の計画に当てはめることはできません。立地も、冷却の水源も、電力の種類も違うからです。「地下ならこの省エネ性能になる」と断定するのも避けたいところです。
廃トンネルは日本のAIインフラになるのか
神戸の計画が注目される大きな理由は、全国に似た空間が眠っているからです。
廃線になった鉄道のトンネル、閉山した鉱山の跡、旧軍事施設、そのほかの地下空間。三井不動産は、神戸に続いて、関東・北陸・九州などで同じような場所を検討すると報じられています。使われなくなったインフラが、AI時代の資産に変わるかもしれません。
ただし、「古いトンネルなら何でもデータセンターにできる」わけではありません。少なくとも、次の条件が必要です。
- 構造が安全であること
- 大容量の電力を引き込めること
- 光回線を引き込めること
- 浸水への対策ができること
- 機材の搬入経路があること
- 換気ができること
- 消防の基準を満たせること
- 長く維持管理できること
条件が厳しい分、うまくいく場所は限られるはずです。それでも、維持費ばかりかかっていた「負の遺産」が、収入を生む資産に変わる可能性は、地方にとって魅力的です。
まとめ:20世紀の都市開発のインフラが、AIの拠点として再利用される
今回のニュースの本質
今回のニュースは、「データセンターを地下に作る」というだけの話ではありません。山を削って海を埋め、神戸の街を作った20世紀のインフラが、21世紀のAIインフラとして再び使われようとしている。その時間のつながりこそが、いちばんの見どころだと私は思います。
一方で、稼働時期、事業費、コンテナの数など、分かっていないことも多くあります。メリットだけでなく、火災、浸水、排熱といった弱点も確かにあります。わくわくしながらも、冷静に続報を待ちたいところです。
これから注目したいこと
神戸でこのモデルが成り立てば、全国の遊休インフラの活用に影響する可能性があります。注目したいのは次の3点です。
- 正式な発表で、稼働時期や事業規模が明らかになるか
- 火災や浸水への対策が、どこまで具体的に示されるか
- ほかの地域のトンネルや鉱山跡へ広がるか
ニュースが出るたびに、また整理していきますね。
よくある質問

Q. 三井不動産の地下データセンターはどこにできますか?
神戸市西区にある須磨ベルトコンベヤ跡のトンネルが舞台です。神戸市の貸付要項では、西区押部谷町木見から西区見津が丘にかけての区間のうち、約3kmが貸付の対象とされています。
Q. 須磨ベルトコンベヤとは何ですか?
1960年代から、神戸の埋め立て用の土砂を運んだ巨大なベルトコンベヤです。山を削った土砂を海側へ運び、ポートアイランドや六甲アイランド、神戸空港などの造成を支えました。総延長は約14.5kmで、2005年まで使われました。
Q. なぜデータセンターを地下に作るのですか?
地下は温度変化が小さく、冷却の負担を抑えやすいとされるためです。さらに、広い土地を新しく確保しなくてよいこと、景観や騒音への影響を抑えやすいこと、出入口を管理しやすく安全面でも有利なことが挙げられます。ただし、何もしなくても冷えるわけではなく、水冷設備や換気は必要です。
Q. 地下データセンターは地震に強いのですか?
地下構造物は地盤と一緒に動くため、地上の高層階ほど揺れが増幅されにくいとされます。一方で、断層のずれや設備の損傷、電力・通信回線の断絶といったリスクは残ります。「絶対安全」とは言えません。
Q. 地下データセンターは浸水しないのですか?
浸水の危険はあります。大雨時の出入口からの流入や、地下水の影響が心配されます。止水板、かさ上げ、排水ポンプなどの対策が一般的に検討されますが、今回の具体的な対策は現時点で確認できません。
Q. 地下でスマホの電波は入るのですか?
一般の携帯電話の電波は、地下深くには届きにくいです。ただ、データセンターは専用の光ファイバーを引き込んで通信するため、スマホの電波とは別の話です。
Q. いつから稼働する予定ですか?
現時点では、具体的な稼働開始時期は確認できません。
Q. 20MWはどれくらいの電力ですか?
最大の受電容量が約20MWという意味です。1年間ずっと使い切ったと仮定して、家庭の年間使用量を4,200kWhとすると、約4万1,700世帯分に相当します。ただし、これは仮定による試算です。冷却などにも電気を使うため、20MWすべてがGPUに使えるわけではありません。
Q. 地下データセンターは火災のときに危険ではありませんか?
閉鎖空間では煙が逃げにくく、消火や避難が難しくなる点が弱点とされます。水を使わないガス系の消火設備を使う例などがありますが、今回の施設の具体的な方式は確認できていません。
Q. 古いトンネルなら、どこでもデータセンターにできますか?
できません。構造の安全性、大容量の電力、光回線、浸水対策、搬入経路、換気、消防、維持管理といった条件がそろう必要があります。
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参考・出典
- 神戸市「ベルトコンベア跡トンネル施設貸付の実施」
https://www.city.kobe.lg.jp/a26136/business/recruit/kobe_beltconveyor.html - 神戸市公式note「シティーハンターを撮った巨大な地下空間は神戸発展の礎だった!」
https://kobe-note.jp/n/nf0bff1e61ed3 - Feel KOBE「神戸ロケの舞台裏!Netflix映画『シティーハンター』クライマックスシーンをご紹介」
https://www.feel-kobe.jp/column/city_hunter/ - 神戸ジャーナル「地下に眠る巨大トンネルの謎!映画のロケ地にもなった幻の「産業遺産」を探索してきた」
https://kobe-journal.com/archives/8664887868.html - 国土交通省「地下空間における浸水対策ガイドライン 同解説<本編>」
https://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/saigai/tisiki/chika/pdf/honpen.pdf - 内閣官房「ワット・ビット連携に関する総務省の取組について」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/sangyoritchi_wg/dai6/shiryo3.pdf - ゲットワークス・三井不動産に関する各社の発表および報道各社のニュース(計画の詳細は報道ベースのため、正式発表をご確認ください)
※本記事の情報は執筆時点のものです。内容は予告なく変更されることがあります。防災・設備に関する判断は、専門家や自治体の公式情報をご確認ください。
