フィギュアスケートの全日本選手権を見て、島田麻央選手の圧巻の演技に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。
でも、表彰台で笑顔を見せる彼女が、2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出られないという事実を知って、驚きや悲しさを感じているかもしれませんね。
今回は、なぜ世界トップクラスの実力を持つ島田選手が五輪に出られないのか、その理由と背景にあるルールについて、わかりやすくお伝えします。

ミラノのリンクに彼女がいない理由
全日本選手権で見せたあの素晴らしい演技。
ショートプログラムでは世界女王の坂本花織選手にわずか0.10点差まで迫り、フリーでは4回転ジャンプとトリプルアクセルを完璧に決めました。
実力だけを見れば、間違いなく五輪のメダル候補です。
怪我をしているわけでも、不調なわけでもありません。
彼女の夢を阻んだのは、たった「4ヶ月」という時間の壁でした。
実は、彼女の誕生日がもう少し早ければ、ミラノ五輪に出場することができたのです。

徹底解説:なぜ17歳にならないと五輪に出られないのか?
以前は「15歳」からシニアの大会に出場できていましたが、現在はルールが大きく変わっています。
歴史を変えた2022年6月の決断
国際スケート連盟(ISU)は、2022年の総会でシニア大会に出場できる年齢制限を引き上げることを決定しました。
この背景には、北京五輪で起きたドーピング騒動など、幼い選手たちが過酷な競争や精神的プレッシャーにさらされる問題がありました。
「幼い選手たちの心と体を守ろう」という動きが世界中で強まったのです。
段階的に引き上げられる年齢制限
年齢制限はいきなり上がったわけではなく、以下のように段階を踏んで実施されました。
- 2022年度まで:15歳
- 2023年度:16歳
- 2024年度以降:17歳
この「17歳」という基準は、大会が行われるシーズンの前、つまり「7月1日」時点での年齢を指します。
運命を分けた7月1日の境界線
島田麻央選手の誕生日は10月30日です。
ミラノ五輪の選考基準となる2025年7月1日の時点で、彼女はまだ16歳。
あと120日ほど早く生まれていれば、17歳として認められていたことになります。
このわずかな差が、彼女の運命を分けてしまったのですね。

繰り返される悲劇?浅田真央との数奇な共通点
「実力はあるのに年齢で出られない」という状況に、かつてのスター、浅田真央さんを思い出す方もいるのではないでしょうか。
実は、島田選手と浅田さんには驚くほど似た境遇があります。
| 項目 | 浅田真央(2006年) | 島田麻央(2026年) |
| 出場を逃した大会 | トリノ五輪 | ミラノ五輪 |
| 当時の年齢 | 15歳 | 17歳(新ルール) |
| 不足していた日数 | 87日 | 約120日 |
| 直前の実績 | グランプリファイナル優勝 | 全日本選手権2位 |
20年前の浅田さんのときは「15歳」という基準に87日足りず、世界中がその不在を惜しみました。
そして今、名前も同じ「麻央」という天才少女が、再び年齢制限の壁に直面しています。
しかし、今回のルール改定には「選手を長く守る」という、当時とは異なる強い意図が込められています。
#PIC4
親世代の視点:4年という時間の重さと成長期との戦い
10代の選手にとって、五輪までの4年間は果てしなく長い道のりです。
特に女子選手には、避けては通れない「体の変化」という大きな壁があります。
女子フィギュア選手の体型の変化
フィギュアスケート、特にジャンプを武器にする選手にとって、成長期に伴う身長の伸びや体重の増加は死活問題です。
- 重心が変わることでジャンプの感覚が狂う。
- 関節への負担が増え、怪我のリスクが高まる。
- これまでの練習方法が通用しなくなる。
実際に、15歳前後で4回転を跳んでいた選手が、10代後半になって跳べなくなるケースは少なくありません。
「今、この瞬間の輝き」を五輪にぶつけられないもどかしさは、本人だけでなく支えるご家族にとっても辛いことでしょう。
島田選手のご家族も、彼女の練習環境のために東京から京都へ移住するなど、並大抵ではないサポートを続けてこられました。
だからこそ、この「待ち時間」の重みは計り知れません。

ルールの光:坂本花織選手が示す大人のスケートという理想
一方で、このルール改定には「光」の部分もあります。
それは、選手たちが「使い捨て」にされることなく、長く競技を続けられる環境を作ることです。
現在のトップ、坂本花織選手を見てみてください。
彼女は20代になっても進化を続け、大人の女性らしい力強く美しいスケーティングで世界を魅了しています。
年齢制限が上がったことで、以下のようなメリットが期待されています。
- 過度な減量や怪我のリスクを減らす。
- 10代で燃え尽きることなく、長く活躍できる。
- 技術だけでなく、表現力豊かな演技を育てる。
島田選手がミラノ五輪に出られないのは残念ですが、それは彼女のスケート人生が20歳、25歳と長く続いていくための「準備期間」になるかもしれません。
読者の疑問に答えるQ&A
ここで、みなさんが気になっているかもしれないポイントを整理してみましょう。
Q. 特例で出場できる可能性はないの?
残念ながら、ISU(国際スケート連盟)のルールは厳格で、実力があるからといって特例が認められることはありません。過去の浅田真央さんのときも、世界中から署名が集まりましたが、ルールは覆りませんでした。
Q. なぜ17歳なんですか?中途半端な気がします。
医学的な観点から、骨の成長が安定し、精神的にも「大人」としての自立が始まる時期として17歳が選ばれました。15歳や16歳では、まだ大人の指導者に対して自分の意見を言いにくい「保護されるべき存在」とみなされるためです。
Q. 島田選手はモチベーションを保てるでしょうか?
彼女自身はインタビューで「ジュニアの期間を大切にしたい」と前向きな言葉を残しています。また、五輪には出られなくても、世界選手権などの大きな大会で実力を証明する機会はたくさんあります。
2030年、彼女が真のレジェンドになる日を信じて

島田麻央選手は、今の状況を「運命」として受け入れ、前を向いています。
ミラノ五輪のとき、彼女は17歳。
そしてその次の2030年大会では、21歳という、フィギュアスケーターとして心身ともに最も充実した時期を迎えます。
かつての浅田真央さんがトリノを逃した悔しさをバネに、バンクーバーで伝説を作ったように。
島田選手もまた、この空白の時間を力に変えてくれるはずです。
私たちは、彼女がミラノで見せるはずだった輝きを、2030年のリンクでさらに大きな光として見られる日を楽しみに待ちましょう。
彼女の物語は、まだ始まったばかりなのですから。
ミラノオリンピックについての詳細はこちらでも紹介しています▶【2026年ミラノ・コルティナ五輪】開催地・日程・日本への影響をわかりやすく解説

🫶 TV観戦をもっと心地よく。応援時間も“自分を大切にする時間”に
息をのむ演技が続くと、気づかないうちに肩や首に力が入ってしまいますよね。
感動の瞬間を見逃したくなくて、つい同じ姿勢のまま画面に釘付けになってしまうことも。
そんなときこそ、少しだけ自分を甘やかしてあげませんか。
首や背中をやさしく支えてくれるクッションやネックピローがあるだけで、
観戦時間は「我慢の時間」から「ととのう時間」に変わります。
お気に入りの飲み物を用意して、体をゆるめて、心はリンクの上へ。
大好きな選手を応援しながら、同時に自分の体もいたわる――
それも、大人女子の上手な楽しみ方です。











