「来年こそ、年賀状を出すのを終わりにしたいな…」
そう思っているけれど、「失礼にならないかな?」「どう伝えれば角が立たない?」と悩んで、今年もずるずると出し続けている方、多いのではないでしょうか?
年賀状は、日頃会えない大切な方との縁をつないでくれる素敵な文化です。だからこそ、「やめます」と伝えることには、ためらいがありますよね。
でも、安心してください。年賀状じまいは、「人間関係を断つ」ことではありません。「体力や時間を無理せず、これからもずっとご縁を大切にしたい」という、前向きな意思表示なんです。
この記事では、年賀状じまいのマナーやタイミング、そして年代別・関係性別の心が通じる文例を、心を込めてお伝えしますね。このガイドを読めば、きっとスッキリと、そして円満に年賀状じまいができるはずですよ。
そもそも「年賀状じまい」とは?行う人が増えている背景(導入)
「年賀状じまい」という言葉は、まだ新しい言葉ですが、近年、一気に浸透してきました。まずは、その定義と、なぜ今多くの人が選んでいるのかを整理しましょう。
年賀状じまいの定義と目的
年賀状じまいは、「翌年以降の年賀状のやり取りを辞退することを、相手に事前に、かつ丁寧に伝えること」を指します。
よく「年賀状を出すのを辞めること」と混同されがちですが、大切なのは「辞める」という行為そのものではなく、その意思をきちんと相手に伝えるマナーなんです。
主な目的は、次の通りです。
- 体力的な負担の軽減: 特に高齢になると、年賀状の作成や手書き作業が大きな負担になります。
- 経済的な負担の軽減: 年賀状代やインク代など、積み重なると意外と大きな出費になります。
- 「終活」の一環としての整理: 人生を整理し、自分にとって本当に大切な人との関係に集中するための作業です。
なぜ今、年賀状じまいをする人が増えているのか?
「うちの親戚もやめたいって言っていたわ」という声をよく聞きますが、この流れは個人の事情だけではありません。社会全体の流れと深く関わっています。

1. 高齢化による体力的な負担
内閣府の調査によると、日本の65歳以上の人口割合は年々増加しています。年賀状を長年続けてきた世代が、いよいよ「年賀状を書くのがつらい」と感じ始める時期に来ているのです。
特に、数百枚規模でやり取りされてきた方にとって、住所録の管理、手書きでのひと言添え、投函作業などは、年末の大きな重労働となってしまいます。
2. デジタル化への移行
近年、連絡手段はメール、LINE、SNSなどが主流になり、「生存確認」や「近況報告」といった年賀状が果たしてきた役割の多くが、デジタルツールに移行しました。
「普段からLINEで繋がっているのに、改めて年賀状を出す必要性を感じない」という意見も、40代〜50代を中心に増えています。
3. 働き方やライフスタイルの変化
40代〜50代の現役世代は、仕事での付き合いも深く、かつての同僚や上司との年賀状のやり取りも多いでしょう。
- ペーパーレスの推進: 企業全体でペーパーレス化が進み、「会社としては年賀状を控える」という方針も増えています。
- 時間の確保: 忙しい年末に年賀状の準備をするよりも、家族や自分のための時間に充てたい、という価値観の変化もあります。
このように、年賀状じまいは、「自分らしい生き方」「無理のない人間関係の維持」を選択するための、現代的な手段と言えるでしょう。
【いつ伝える?】年賀状じまいを伝えるべきタイミングと方法
「やめる」と決めたら、次に気になるのは「いつ、どうやって」伝えるか、ですよね。年賀状じまいは、「いつ」「誰から届くか」が最大のポイントです。
ベストなタイミングは「寒中見舞い」として

年賀状じまいを伝える最も丁寧でスマートなタイミングは、「今年届いた年賀状へのお返事」として送る方法です。具体的には、「寒中見舞い」の時期に送付します。
| 時期 | 種類 | 理由 |
| 1月7日〜2月4日頃 | 寒中見舞い | 年賀状の返信として自然な流れで伝えられるため、最も丁寧で角が立たない時期です。 |
| 11月〜12月上旬 | 通常の挨拶状 | 年賀状が届く前に伝えられるため、相手に準備をさせないという点で親切です。ただし、**「なぜ今?」**と思われやすい一面もあります。 |
「年賀状が届く前」じゃダメなの?
もちろん、11月や12月に「年賀状は辞退します」という挨拶状を送ってもマナー違反ではありません。
しかし、年賀状じまいを検討されている方の多くは、「長年のご縁」を大切にしています。そのご縁に対する感謝の気持ちを伝える絶好の機会が、今年届いた年賀状へのお返事(寒中見舞い)なんです。
相手も「今年も年賀状をくれたんだな」という気持ちが温かいままなので、そこに丁寧な挨拶状が届けば、「長年の心遣いに感謝しています」というメッセージがより深く伝わりますよ。
伝える手段:ハガキが基本、メールは限定的に
年賀状じまいは、ハガキや封書などの「書状」で伝えるのが基本マナーです。
| 伝える手段 | おすすめ度 | 理由と注意点 |
| ハガキ(寒中見舞い) | ★★★★★ | 最も正式で丁寧な方法です。年賀状として届くハガキと形式が似ており、受け入れられやすいです。 |
| 封書 | ★★★★☆ | 目上の方や特に丁寧さを伝えたい場合に適しています。ハガキより改まった印象になります。 |
| メール・SNS | ★☆☆☆☆ | 親しい友人間や普段から連絡を取り合っている方に限定すべきです。正式な年賀状を送ってくれた方へ、メールで「もうやめます」と伝えるのは失礼にあたります。 |
【最も重要】失礼のない「年賀状じまい」の書き方マナー
いよいよ、年賀状じまいの心臓部とも言える「書き方」です。ここを間違えると、「一方的に縁を切られた」と誤解されかねません。
大切なのは、「これからもご縁は大切にしたい」という気持ちを、言葉の端々に込めることです。
基本の構成(3つのポイント)
年賀状じまいの文章は、基本的にこの3つの要素で構成すれば、失礼なく伝わります。
| No. | 要素 | 伝える内容 | 目的 |
| 1 | 感謝の気持ちを伝える | 長年のご厚誼(ごこうぎ:親しい付き合い)や心温まる年賀状への感謝。 | 相手への敬意を示す |
| 2 | 年賀状じまいをする理由を明記 | 体力の衰えや終活、ペーパーレスなど、差し障りのない理由を簡潔に。 | 一方的な通知ではないことを理解してもらう |
| 3 | 今後のお付き合いをお願いする | 年賀状のやり取りは辞退するが、ご縁は引き続き大切にしたい旨。 | 関係の継続を強調する |
心がけてほしい!表現の工夫
文章全体の印象を柔らかく、穏やかにするためには、少しの言い換えが効果的です。
1. 理由の伝え方:「~で心苦しくなった」

「高齢のため」「体調が優れないため」とストレートに伝えても良いのですが、少し優しい表現にすることで、相手も受け止めやすくなります。
| ストレートな表現 | 優しい表現(一例) |
| 「高齢で体力がないため」 | 「近年は筆をとる作業に時間がかかり、心苦しく感じております」 |
| 「終活の一環として」 | 「人生の整理を考える時期を迎え、ご無沙汰の挨拶状に専念したいと考えております」 |
2. 「お返事」を求めない配慮
年賀状じまいのハガキには、「返信は不要です」といった一文を添えましょう。これは相手への配慮です。
相手に「こちらも年賀状じまいをしないと…」と気を遣わせたり、「返事を書く義務がある」と思わせたりするのは避けたいですよね。
【文例】
「まことに勝手ではございますが、どうかお返事などのお気遣いはなさいませんようお願い申し上げます。」
【注意】絶対に避けるべきNG行為
- 「私信」の連絡を要求しない
- 例:「今後はメールでご連絡ください」「私のLINEを知らない方はご連絡を」など。
- →あくまで「辞退」を伝えるのが目的です。連絡先の押し付けはマナー違反です。
- 「今年限りでやめます」と断定的に書かない
- 例:「今年で年賀状を完全にやめます」
- →「辞退させていただきます」という丁寧な婉曲表現を使いましょう。「相手に判断を委ねる」姿勢が大切です。
- 新年の挨拶に「年賀」と書かれたハガキを使用する
- →寒中見舞いを送る場合は、必ず普通のハガキ(または寒中見舞い用ハガキ)を使用し、「年賀」という文字は入れないように注意してください。
【年代別・関係性別】そのまま使える年賀状じまいの文例集
ここからは、皆さんが一番知りたい具体的な文例をご紹介します。自分の年代や、送る相手との関係性に合う文例を選んで、自分の言葉を少し付け足してみてくださいね。

1. 40代〜50代(仕事・友人関係が中心)向けの文例
この年代は「ペーパーレス」や「デジタルへの移行」を理由にすると、スマートに伝わります。
| 相手 | 文例の切り口 | 具体的な文例(3つ) |
| 会社関係・取引先 | ペーパーレス化の推進 | 「働き方改革の一環でペーパーレス化を進めるため、誠に勝手ながら来年より新年のご挨拶を控えさせていただきます。」 「長年のご厚情に心より感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」 |
| 友人・知人 | SNSなどでの挨拶への移行 | 「今後はメールやLINEなどを活用し、変わらずご挨拶させていただきます。今後ともどうぞよろしくね。」 「年賀状でのご挨拶は辞退しますが、連絡はいつでも大歓迎ですので、また近いうちにお会いしましょう。」 |
| 恩師・目上 | 簡潔な理由と丁寧な感謝 | 「誠に恐縮ながら、今後は書中をもって新年のご挨拶とさせていただきます。今後ともご無沙汰の折はお許しくださいませ。」 「〇〇様からの温かいお便りに長年励まされてきました。心より御礼申し上げます。」 |
2. 60代〜70代(体力・終活が理由)向けの文例

体力的な負担や終活を理由にするのが自然です。長年の感謝と、今後もご縁を大切にしたいという気持ちを丁寧に伝えましょう。
| 相手 | 文例の切り口 | 具体的な文例(3つ) |
| 親戚・友人 | 終活・心身の整理 | 「終活の一環として、心身ともに無理のない生活を送りたいと考え、勝手ながら年賀状の交換を辞退させていただきます。」 「今後は季節の便りや電話などで、皆様とのご縁を大切にしたいと思っております。」 |
| 昔の友人・知人 | 体力の負担軽減 | 「近年、筆をとる作業が難しくなり、ご無沙汰を詫びる形で年賀状を続けるのが心苦しくなりました。誠に申し訳ございません。」 「長年の温かいお便りに感謝申し上げます。どうかお返事にはお気遣いなさいませんよう。」 |
| 全体向け | 今後のお付き合いの継続を強調 | 「今後も、変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」 「失礼ながら、どなた様への新年のご挨拶も控えさせていただきます。ご理解いただけますと幸いです。」 |
3. 特殊な状況(喪中・相手へ贈る時)の文例
相手が喪中の場合:「喪中見舞い」に添えて
- 相手が喪中の場合、寒中見舞いではなく「喪中見舞い」として年内に送るのが基本です。
- この喪中見舞いの文面に、年賀状じまいの意思を付け加えて伝えます。
【文例】
「この度の年賀状のご辞退は、終活の一環として検討を重ねてきた結論です。ご服喪中にもかかわらず、大変恐縮ではございますが、ご理解いただけますと幸いです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。」
自分が病気や怪我の場合:事情を察してもらう

病気や怪我は、年賀状じまいをする最も正当な理由の一つです。事情を正直に、でも簡潔に伝えます。
【文例】
「昨年より体調を崩しがちで、筆を持つことが難しくなりました。長年のご厚意に心より感謝申し上げます。来年からはご挨拶を控えさせていただきますが、今後もご縁を大切にしたいと願っております。」
年賀状じまい後のコミュニケーション方法(代わりの挨拶)
「年賀状をやめたら、もう連絡手段がなくなってしまうのでは?」
そんな心配もご無用です。年賀状じまいをした後も、季節の節目などに「代わりの挨拶」をすることで、温かいご縁を維持することができます。これが、年賀状じまいの完成形です。
ハガキで伝える季節の挨拶
年賀状の代わりとして、ハガキで季節の挨拶をするのはとても素敵で丁寧な方法です。
| 種類 | 送る時期 | ポイント |
| 寒中見舞い | 1月7日〜2月4日頃 | 年賀状じまいを伝えた後の最初の挨拶として最適です。 |
| 暑中見舞い | 7月上旬〜8月7日頃 | 夏の暑さ見舞いは、相手の健康を気遣う気持ちを伝えるのに適しています。 |
| 残暑見舞い | 8月7日〜8月末頃 | 暑中見舞いの時期を過ぎた場合の代替挨拶です。 |
| 季節の挨拶状 | 年中 | 特に決まった時期はありません。紅葉の季節や春の訪れなど、美しい風景のポストカードにひと言添えるだけでも心は通じます。 |
デジタルでの温かい交流
親しい方とは、積極的にデジタルツールも活用しましょう。
| 手段 | 活用例 | 年賀状に代わる役割 |
| メール・LINE | お誕生日のメッセージ、旅行先からの写真送付 | **「個別」**の近況報告や生存確認 |
| ビデオ通話 | 遠方に住む親戚や友人との顔合わせ | **「声」や「顔」**を見る温かい交流 |
| SNS | 日常の出来事や趣味の写真を公開 | 「全体」への近況報告(相手への負担なし) |
デジタルツールは、「書く手間」と「送る時間」が大幅に短縮されるため、無理なく、頻繁に連絡を取り合えるというメリットがあります。
年賀状じまいは、アナログな繋がりを断つことではなく、デジタルも活用して、より負担の少ない形でご縁を継続させるための賢い選択なんですよ。
まとめ:年賀状じまいを円満に行うためのチェックリスト
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。年賀状じまいは、勇気がいるけれど、一度済ませてしまえば心が軽くなるものですよ。
最後に、年賀状じまいを円満に終えるための、確認リストをご用意しました。これをチェックしながら、ぜひ準備を進めてくださいね。
| 項目 | 確認内容 | 完了 |
| 時期 | 伝えるタイミングは、今年届いた年賀状への返信(1月7日以降の寒中見舞い)であることを確認したか。 | ☐ |
| 手段 | 伝える手段は、メールではなく、ハガキや封書であることを確認したか。 | ☐ |
| 文面:感謝 | 長年のご厚誼(ごこうぎ)への心からの感謝を盛り込んだか。 | ☐ |
| 文面:理由 | 体力的な負担や終活など、差し障りのない理由を簡潔に明記したか。 | ☐ |
| 文面:継続 | 「年賀状は辞退するが、今後もご縁を大切にしたい」という気持ちを伝えたか。 | ☐ |
| 文面:配慮 | 相手に返信の手間を取らせないよう、「お気遣いは無用です」などの一文を添えたか。 | ☐ |
| 対応 | 年賀状じまいを伝えた後に年賀状が届いても、翌年までは必ず返事を出すと決めたか。 | ☐ |
「年賀状を辞める」のではなく、「お付き合いのスタイルを変える」と考えれば、気が楽になるはずです。大切な人とのご縁を大切にするために、無理のない形で年末年始を迎えましょう。
🎁 最後に:手間をかけずに、心を込めた「年賀状じまい」を
年賀状じまいをすると決めても、「何百枚も手書きするのは大変…」「印刷サービスを使うほど枚数はないけれど、一枚一枚書くのは面倒だな」と思う方もいるのではないでしょうか。特に、ご紹介した「寒中見舞い」や「喪中見舞い」として年賀状じまいを伝える場合、通常の年賀状とはデザインもマナーも異なるため、準備に頭を悩ませてしまいますよね。もし、あなたが「マナーは完璧にしたいけど、手間は限界まで減らしたい!」とお考えなら、こんな便利なアイテムはいかがでしょうか?
迷った時の強い味方!貼るだけでOKな「年賀状じまいシール」
実は、今から投函する年賀状に、シールを貼るだけで年賀状じまいを伝えられるアイテムがあるのをご存知でしたか?このシールには、長年の感謝と「来年からは辞退します」という丁寧な文章が、あらかじめ印刷されています。
手間いらず: 年賀状の余白に貼るだけで、面倒な文章作成は一切不要!マナーも安心: プロが監修した、失礼のない上品な文面を選べます。デザインも豊富: 上品で和風なデザインから、可愛らしいデザインまで、相手に合わせて選べます。
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