皆さん、こんにちは。
今朝、ニュースを見ていて「またNVIDIA(エヌビディア)か!」と驚いた方も多いのではないでしょうか?
投資の世界でも、そして私たちの未来のテクノロジーにとっても、非常に重要な発表がありました。
2025年11月20日、米国の半導体大手NVIDIAが2026年度第3四半期(8〜10月)の決算を発表しました。
結論から言うと、市場の期待をまたしても大きく上回る、素晴らしい結果でした。
「NVIDIAって最近よく聞くけど、実は何をしている会社なのかよく分からない」
「株価が上がっているのは知っているけど、今から投資しても大丈夫なの?」
「AIバブルって弾けるんじゃないの?」
そんな疑問や不安をお持ちの方も多いと思います。
今回の記事では、発表されたばかりの決算内容を、専門用語をなるべく使わずに、友人とおしゃべりするような感覚で分かりやすく紐解いていきますね。
さらに、私たち日本の投資家にとって気になる「ソフトバンクグループの動き」や「日本の関連企業への影響」についても詳しく解説します。
コーヒーでも飲みながら、リラックスして読んでみてください。
30秒でわかる!今回の決算サマリー
まずは、忙しい皆さんのために、今回の決算のポイントをギュッと凝縮してお伝えしますね。
- 結果は花丸満点:売上高・利益ともに市場の予想をクリアし、過去最高を更新しました。
- 株価の反応:発表直後の時間外取引で、株価は一時6%ほど上昇。「やっぱり強い!」と市場が安堵した形です。
- 次世代チップ「Blackwell」:これが今回の主役。CEOいわく、需要は「桁違い」で、作ったそばから売れていく完売状態です。
- 日本の話題:ソフトバンクグループがNVIDIA株を売って利益を確定させましたが、これはネガティブな話ではなく、次のAI投資への布石のようです。

数字で見る驚きの成長スピード
どれくらい凄かったのか、数字で見ると一目瞭然です。
日本円に換算してみると、その規模感に改めて驚かされます(1ドル=157円で計算)。
| 項目 | 今回の実績(2024年8-10月) | 前年同期比 | 市場予想 | 結果 |
| 売上高 | 570億ドル(約8兆9500億円) | +62% | 551.9億ドル | 予想超え |
| 純利益 | 319億ドル(約5兆円) | +65% | – | 大幅増益 |
| 1株利益(EPS) | 1.30ドル | +65% | 1.26ドル | 予想超え |
売上高が1年で6割以上も増えているんです。これだけ巨大な企業になっても、成長スピードがベンチャー企業並みというのは、歴史的に見ても稀なことなんですよ。
そもそも「NVIDIA」ってどんな会社?
ここで少し立ち止まって、「NVIDIAってそもそも何?」という基本をおさらいしておきましょう。
名前は聞くけれど、具体的なイメージが湧かないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
昔はゲーム、今は「AIの頭脳」
一言で表現するなら、NVIDIAは「世界中のAIを動かすための頭脳(チップ)を作っている、唯一無二の会社」です。
もともとは、パソコンで3Dゲームを綺麗に映し出すための「GPU(画像処理半導体)」を作っている会社でした。ゲーム好きな人の間では昔から有名だったんです。
ところが、この「映像を処理する能力」が、実は「AIの計算」にものすごく相性が良いことが分かりました。
ChatGPTのような生成AIは、膨大なデータを一気に学習・計算する必要があります。この計算処理において、NVIDIAのチップは他社の追随を許さない圧倒的な性能を持っていたのです。
ゴールドラッシュの「ツルハシ」
よく例えられるのが、19世紀のゴールドラッシュです。
金を掘り当てようと多くの人が山に殺到しましたが、一番確実に儲けたのは「金を掘るための丈夫なツルハシやジーンズを売った人」でした。
今のAIブームにおける「ツルハシ」こそが、NVIDIAのチップです。
Googleも、Amazonも、Meta(Facebook)も、AIを開発するためにはNVIDIAからチップを買わなければなりません。だからこそ、世界のマネーがこの会社に集中しているんですね。
2025年10月には、時価総額がなんと5兆ドル(約750兆円)を突破しました。これは日本のGDP(国内総生産)をも上回るような規模感です。世界経済そのものを左右する存在になったと言っても過言ではありません。

決算詳細:市場の期待をさらに超えてきた「強さ」
さて、ここからは今回の決算の中身をもう少し詳しく見ていきましょう。
投資家の方々が特に注目していたポイントを、Q&A形式で解説します。
Q. どの部門が稼いでいるの?
A. 「データセンター部門」が圧倒的です。
売上全体の約9割を占めるのが、データセンター向けの売上です。
今回は512億ドル(前年同期比 +66%)という記録的な数字を叩き出しました。
データセンターとは、インターネット上のサーバーが集まっている巨大な倉庫のような場所のことです。
今、世界中の企業や国が、「AIファクトリー(AI工場)」を作ろうと必死になっています。その工場の中に敷き詰めるための高性能なコンピューターセットが、飛ぶように売れているんです。
また、複数のコンピューターを繋ぐ「ネットワーキング」という分野も、前年比で2倍以上の売上成長を見せています。AIは単体のチップだけでなく、それらを繋ぐ通信速度も重要だからです。
Q. 次世代製品「Blackwell」はどうなの?
A. まさに「争奪戦」の状態です。
ジェンスン・フアンCEOは、今回の決算会見で次世代チップ「Blackwell(ブラックウェル)」について、非常に力強い言葉を残しました。
「Blackwellの需要は桁違い(Insatiable)だ」
「Insatiable」というのは、「飽くことを知らない」「貪欲な」という意味です。つまり、いくら作っても足りないくらい、お客さんが欲しがっているということです。
実は、製造過程での技術的な微調整により出荷が少し遅れるのではないかという心配もあったのですが、今回の発表で「順調に出荷が進んでおり、今後1年は供給が需要に追いつかない状態が続く」と説明されました。
すでに、マイクロソフトやオラクル、OpenAIといった主要な顧客の手元には届き始めています。
さらに驚くべきは、Blackwellだけでなく、その次の世代の「Rubin(ルービン)」というチップまで含めて、すでに計5000億ドル(約78兆円)分もの受注残があるそうです。
これだけの「予約」が入っているわけですから、来年以降の売上もある程度約束されているようなものです。これが、投資家が安心感を抱いた大きな理由の一つですね。

死角はないの? 投資家が気にする3つの懸念点
「良いことばかりで逆に怖い」
そう感じるのが人間の心理ですし、投資の世界では健全な感覚です。
今回の決算発表で見えてきた「課題」や「懸念点」についても、公平な目線で確認しておきましょう。
懸念1:中国ビジネスの苦戦
これが今回、唯一の「シミ」と言えるかもしれません。
NVIDIAのCFO(最高財務責任者)であるコレット・クレス氏は、中国市場について正直にこう語りました。
「地政学的な問題によって大規模な受注は実現しなかった。もっと競争力のある製品を中国に出荷できない現状には失望している」
アメリカ政府は、AI技術が軍事転用されることを防ぐため、中国への高性能チップの輸出を厳しく規制しています。NVIDIAは規制に対応した性能を落としたチップ「H20」を販売していますが、その売上は期待ほど伸びていません。
ただ、逆に言えば「中国でほとんど売れなくても、過去最高益が出せた」とも捉えられます。中国以外の国々(アメリカ、中東、そして日本など)の需要が、中国の穴を埋めて余りあるほど巨大だという証明でもあります。
懸念2:利益率のわずかな低下
細かい数字の話になりますが、売上高総利益率(粗利益率)が73.4%となり、前の年に比べて1.2ポイントほど低下しました。
これは、新製品であるBlackwellの量産を始めるにあたって、初期費用や設備投資がかさんだためです。
会社側は「量産が軌道に乗れば、来年には75%台に戻る」と説明していますので、そこまで深刻に心配する必要はなさそうですが、今後もチェックが必要なポイントです。
懸念3:「AIバブル」ではないのか?
「AI投資は過熱しすぎだ」「いつか弾ける」という声は常にあります。
これに対して、フアンCEOは明確に反論しました。
「AIバブル論は多くの議論がなされているが、私たちの視点から見ると、全く異なるものが見えている」
彼の主張はこうです。
「今は、従来のプログラミングで作られたソフトウェアが、AIによる学習ベースのソフトウェアに置き換わっている歴史的な転換点(Software 2.0)である。これは一過性のブームではなく、産業革命のような構造的な変化なのだ」
つまり、単に「便利なチャットボットが流行っている」レベルの話ではなく、企業のシステム開発や、創薬、物理シミュレーションなど、あらゆる産業の土台がAIベースに書き換わっている最中だから、需要はなくならない、というわけです。

ソフトバンクGの動きと日本への影響
さて、ここからは私たち日本に住む投資家にとって身近な話題です。
今回のNVIDIA決算に関連して、ソフトバンクグループ(SBG)の動きが見逃せません。
なぜソフトバンクはNVIDIA株を売ったの?
報道によると、ソフトバンクグループは保有していたNVIDIA株の一部を売却し、約58億ドル(約9000億円)の利益を確定させました。
「えっ、これから上がるのになぜ売っちゃうの?」と思いますよね。
でも、これは「NVIDIAを見限った」わけではなさそうです。
- 資金の確保:一度利益を確定させて現金化し、財務体質を良くする狙いがあります。
- 次の投資へ:孫正義会長は今、AI革命のために「Stargate(スターゲート)」と呼ばれる超巨大なAIスーパーコンピューター計画(最大5000億ドル規模!)を構想していると言われています。また、OpenAIへの追加出資なども噂されています。
つまり、「単に株を持って値上がりを待つ」フェーズから、「自らがプレイヤーとして巨大なAIインフラを作る」フェーズへ移行するための資金作りと考えられます。
日本の半導体メーカーには追い風
NVIDIAの好決算は、日本の企業にとっても朗報です。
NVIDIAのチップを作るためには、日本の高度な技術が不可欠だからです。
- アドバンテスト:半導体が正しく動くか検査する装置で世界トップシェア。
- ディスコ:半導体の材料を「切る・削る・磨く」装置で圧倒的シェア。
- 東京エレクトロン:半導体製造装置の国内最大手。
NVIDIAが「もっとチップを作りたい!」と言えば言うほど、これらの日本企業の機械も必要になります。
「NVIDIAの株は高くて買えない(1株でも2万円以上しますし、為替リスクもあります)」という方は、こうした日本の関連企業に注目してみるのも面白いかもしれませんね。
私たちの生活はどう変わる?
最後に、投資の話から少し離れて、私たちの生活への影響を考えてみましょう。
NVIDIAのチップがこれだけ普及するということは、AIがより身近になるということです。
「エージェントAI」の時代へ
これまでのAIは「質問したら答えてくれる」ものでした。
これからは「目的を伝えたら、勝手に考えて行動してくれる」エージェント(代理人)型AIに進化していきます。
例えば、「来週の旅行の計画を立てて」と言うだけで、
- おすすめの観光地をピックアップ
- 飛行機とホテルを予約
- 現地のレストランも予約
- 天気に合わせた服装のアドバイス
これらを全て自動でやってくれるようになるでしょう。
フアンCEOも、今回の決算で「企業の中にデジタル社員(AIエージェント)が増えていく」と予言しています。

「物理AI」=ロボットの進化
もう一つ注目なのが、ロボット分野です。
NVIDIAは今、工場で働くロボットや、人型ロボットの開発環境にも力を入れています。
少子高齢化が進む日本にとって、介護や物流を助けてくれる賢いロボットの登場は、切実な希望でもあります。NVIDIAの進化は、間接的に日本の社会課題解決にも繋がっているんですね。
まとめ:NVIDIAの成長ストーリーは第2章へ
長くなりましたが、今回の記事のポイントをまとめます。
- 決算は文句なし:売上・利益ともに過去最高。成長力は衰えていません。
- 需要は本物:次世代チップ「Blackwell」は完売状態で、AI投資はまだまだ続きます。
- 日本への影響:ソフトバンクGの新たな動きや、日本の製造装置メーカーへの恩恵に注目です。
今回の決算を見て感じたのは、NVIDIAという会社が単なる「半導体メーカー」から、「未来のインフラを作る会社」へと完全に脱皮したということです。
株価は短期的には上がったり下がったりします。特にこれだけ注目されている銘柄は、些細なニュースで大きく動くこともあります。
ですが、「AIが社会の基盤になっていく」という大きな流れは、もう誰にも止められません。
「バブルかな?」と怖がるのも大切ですが、しっかりと実需(実際の売上や利益)が伴っていることを確認できたのが、今回の最大の収穫だったのではないでしょうか。
これからも、NVIDIAの動向、そしてAIが変えていく私たちの未来から目が離せませんね。
また新しいニュースが入ったら、分かりやすく解説したいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!








