海外旅行、楽しみですね!
ガイドブックを眺めながら「あそこに行こう」「これを食べよう」と計画を立てている時間って、本当に幸せなひとときです。
でも、同時に心のどこかで「スリにあったらどうしよう」「治安が心配だな」という不安を感じていませんか?
実は、その不安はとても正しい感覚なんです。
日本は世界でもトップクラスに治安が良い国。私たちが普段無意識にしている「荷物を置いて席を取る」といった行動は、海外では「どうぞ盗ってください」と言っているようなもの。
特に観光客は、プロのスリ集団からすれば格好のターゲットです。
せっかくの楽しい旅行が、パスポートやお財布を盗まれた瞬間に「最悪の思い出」に変わってしまう……そんな悲しい事態だけは、絶対に避けなければなりません。
そこで今回は、「自分の身と荷物は自分で守る」ための最強のパートナー、「街歩き用ショルダーバッグ」の選び方について、徹底的に解説します。
これまで数多くの海外渡航を経験し、失敗も成功も重ねてきた私の経験と、最新の防犯トレンドを交えて、友人にアドバイスするような気持ちで書きました。
この記事を読めば、あなたの旅のスタイルに合った「安全で使いやすいバッグ」が必ず見つかりますよ。
なぜ海外旅行の街歩きには「ショルダーバッグ」が最適なのか?
旅行用のバッグといえば、リュックサックやトートバッグ、ウエストポーチなど選択肢はたくさんあります。
でも、街歩き、特に治安に不安があるエリアを歩くなら、私は断然「斜めがけできるショルダーバッグ」をおすすめします。
その理由は、単なる好みではなく、防犯上の明確な根拠があるからです。

常に視界に入る「安心感」と防犯性
ショルダーバッグ(斜めがけ)の最大のメリットは、「荷物を常に自分の視界に入れておける」ということです。
バッグを体の前に持ってくれば、ファスナーが開けられそうになってもすぐに気づくことができます。
自分の目が届く範囲に貴重品があるという状態は、物理的な防御になるだけでなく、精神的な安心感にもつながります。
「あ、今バッグ大丈夫かな?」と背後を気にしながら歩くのと、目の前でしっかり抱えながら景色を楽しむのとでは、旅行の充実度がまったく違ってきますよね。
また、両手が自由に使えるのも大きなポイントです。
素敵な風景を写真に撮ったり、屋台でジェラートを買ったり、お土産を手に取って選んだり。
そんな時、バッグが邪魔にならず、かつ安全な位置にあるというのは、街歩きにおいて最強の武器になります。
リュックとショルダー、どっちがいい?
よく聞かれるのが「リュックじゃダメですか?」という質問です。
結論から言うと、「貴重品を入れるならリュックは避けるべき」です。
リュックはたくさんの荷物が入って重さを分散できるので、移動には便利です。
しかし、体の後ろにあるリュックは、自分からは完全な「死角」になります。
混雑した地下鉄やバスの中、観光地の行列などで、背後からそっとファスナーを開けられ、財布を抜かれる……というのは、スリの常套手段なんです。
「私は敏感だから気づくはず」と思っていませんか?
プロのスリは、わざとぶつかってきたり、仲間が話しかけてきたりして、あなたの注意をそらします。その一瞬の隙に仕事を終えるので、気づいた時にはもう遅いのです。
最適なのは「2個持ち」スタイル
そこでおすすめしたいのが、用途に分けた「2個持ち」です。
- ショルダーバッグ(体の前): 財布、パスポート、スマホ、カメラなど、絶対に盗まれたくない貴重品。
- リュック(背中): 水、上着、雨具、買ったお土産など、最悪盗まれても諦めがつくもの、かさばるもの。
このスタイルなら、重い荷物は背負って楽をしつつ、貴重品は鉄壁の守りで管理できます。
現地の状況に合わせて、人混みではリュックを前に抱えるなどの工夫をすれば、さらに安全性は高まりますよ。
失敗しない!海外旅行用ショルダーバッグ選び「5つの絶対条件」
では、具体的にどのようなショルダーバッグを選べばよいのでしょうか?
デザインだけで選んでしまうと、現地に行ってから「使いにくい」「重い」と後悔することになりかねません。
私が長年の経験から導き出した、絶対に外せない5つの条件をご紹介します。

1. 【最重要】「防犯機能」はついているか?
普通のバッグと、旅行用の防犯バッグの決定的な違いはここにあります。
日本の平和な環境で作られたバッグは「開けやすさ」を重視していますが、海外用は「開けられにくさ」が重要です。
以下の機能があるかをチェックしてみてください。
- ロック機能付きファスナー:簡単にファスナーが開かないよう、引き手をフックに掛けたり、簡易的なロックができたりする機能です。スリは「手間取る」ことを嫌います。開けるのに数秒余計にかかるだけで、ターゲットから外れる確率がぐっと上がります。
- 切り裂き防止素材(スラッシュガード):刃物でバッグの底や側面を切り裂き、中身を抜き取るという荒っぽい手口もあります。生地の中にステンレスメッシュなどが埋め込まれているバッグなら、カッターの刃が通らないので安心です。
- ワイヤー入りストラップ:ひったくり対策です。ストラップ(肩紐)を切ってバッグごと持ち去られるのを防ぐため、ストラップの中に金属ワイヤーが入っているものがあります。
- スキミング防止(RFID)機能:最近増えているのが、クレジットカードやパスポートの情報を無線で盗み取る「スキミング」被害です。RFIDブロッキング機能がついたポケットがあれば、特殊な電波を遮断して大切なデータを守ってくれます。
2. 長時間歩いても疲れない「素材と軽さ」
旅行中は、普段の生活とは比べ物にならないほど長い距離を歩きます。
1日2万歩以上歩くことも珍しくありません。
そんな時、バッグ自体が重いと、夕方には肩がパンパンに凝ってしまい、楽しさが半減してしまいます。
本革のバッグはおしゃれですが、重くて雨に弱いので、街歩き用としては避けたほうが無難です。
- 重さの目安は500g以下:500mlのペットボトル1本分より軽いものを選びましょう。
- 素材はナイロンやポリエステル:軽くて丈夫な化学繊維がベストです。特に「コーデュラナイロン」などは耐久性が高くおすすめです。
- 撥水・防水加工:海外では急なスコールや、傘をさすほどでもない小雨に遭うことが多いです。サッと拭けば水が染み込まない素材なら、中のパスポートや電子機器が濡れる心配がありません。
3. 必要なものが収まる「サイズと収納力」
「大は小を兼ねる」と言いますが、街歩きバッグに関しては「大きすぎず、小さすぎず」が正解です。
大きすぎると邪魔になりますし、小さすぎると必要なものが入らず、結局サブバッグを持つ羽目になります。
私が考える「黄金比サイズ」は以下の通りです。
- B5サイズ程度: A4だと少し大きく感じることが多いですが、ガイドブック(地球の歩き方サイズ)や500mlペットボトル、折りたたみ傘がすっぽり入るサイズ感が理想です。
- ポケットの数と配置:バッグの中がごちゃごちゃしていると、支払い時にお財布を探してもたついたりして、隙が生まれます。「スマホはここ」「切符はここ」と定位置を決められるよう、ポケットが充実しているものが便利です。
- シークレットポケット:バッグの背面(体側)にあるファスナーポケットは、貴重品入れに最適です。ここに入れておけば、体に密着しているのでスリも手出しできません。
4. 体への負担を減らす「フィット感とデザイン」
長時間身につけるものなので、着け心地も重要です。
- 太めのストラップ:細い紐のようなストラップは、荷物が重くなると肩に食い込んで痛くなります。ある程度幅があり、クッション性があるものが疲れにくいです。
- 体にフィットする形状:四角い箱型よりも、三日月型や体に沿うようなデザインのほうが、歩行時の揺れが少なく快適です。
- デザインの注意点:ハイブランドのロゴが大きく入ったバッグは、「私はお金を持っています」と宣伝して歩いているようなもの。ターゲットになりやすいので避けましょう。現地に馴染む、シンプルで目立たないデザインが一番の防犯です。
5. 機内持ち込みルールへの対応
これは意外と見落としがちなポイントです。
飛行機に乗る際、身の回り品を入れるバッグとして機内に持ち込むことになります。
特にLCC(格安航空会社)や一部の厳しい航空会社では、手荷物のサイズ規定が厳格です。
「前の座席の下に収納できるサイズ」であれば、離着陸時も手元(足元)に置いておけるので安心ですし、必要なものをすぐに取り出せます。
【徹底比較】海外旅行におすすめの防犯ショルダーバッグ・ブランド
ここからは、先ほどの条件を満たすおすすめのブランドを、タイプ別にご紹介します。
あなたの旅行スタイルに合わせて選んでみてください。
鉄壁の守り!防犯機能特化型ブランド
「とにかく安全第一!」「初めての海外で不安」という方には、防犯機能を徹底的に追求した専門ブランドがおすすめです。
- Pacsafe(パックセーフ):防犯バッグの代名詞とも言えるブランドです。バッグ全体がステンレスメッシュで覆われており、切り裂き防止機能は最強クラス。フックを固定できるロックシステムなど、スリが「これは無理だ」と諦める仕掛けが満載です。少し重さがあるのが欠点ですが、安心感はピカイチです。
- Travelon(トラベロン):こちらもアメリカ発の防犯バッグブランド。5つの盗難防止機能(ロック付きファスナー、切り裂き防止、スキミング防止など)を標準装備しています。Pacsafeに比べるとデザインのバリエーションが豊富で、女性らしいデザインも多いのが特徴です。
- Beside-U(ビサイユ):後ほど詳しく紹介しますが、カリフォルニア生まれのブランドで、非常に軽量かつ多機能です。スキミング防止ポケットはもちろん、撥水加工や隠しポケットなど、旅行者が欲しい機能が詰め込まれています。エレガントなデザインが多く、大人の女性に人気です。
機能的で使いやすい!旅行用品・国産ブランド
日本人の視点で作られた、使い勝手の良いブランドです。
- Kanana project(カナナプロジェクト):「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、竹内海南江さんがプロデュースしたブランド。旅の達人ならではの「あったらいいな」が凝縮されています。背負った時に美しく見えるデザインや、セキュリティロックなど、女性に寄り添った作りが魅力です。
- SOLO-TOURIST(ソロツーリスト):バックパッカー向けの旅行用品メーカー。デザインはシンプルで質実剛健ですが、YKKのロックスライダー(鍵がかけられるファスナー)を採用するなど、防犯性はしっかり考慮されています。価格も手頃でコスパが良いのが特徴です。
普段使いもOK!アウトドア・カジュアルブランド
「旅行専用のバッグを買うのはちょっと…」という方は、アウトドアブランドを選ぶのも一つの手です。ただし、防犯専用のロック機能などはついていないことが多いので、南京錠を自分でつけるなどの工夫が必要です。
- GREGORY(グレゴリー) / THE NORTH FACE(ノースフェイス):耐久性は文句なし。体にフィットするデザインも得意です。ただし、ブランドロゴが目立つものは避け、黒などのシンプルなモデルを選びましょう。
- 無印良品 / ワークマン:最近は撥水加工がされた軽量なショルダーバッグが安価で手に入ります。特にワークマンのコーデュラ素材のバッグは、耐久性が高く、汚れても気にならないので、タフな旅には意外と重宝します。
バッグだけでは不十分!現地で身を守る「正しい持ち方」と「振る舞い」
最高に安全なバッグを手に入れても、持ち方が間違っていては意味がありません。
ここでは、現地でスリに狙われないための「立ち振る舞い」と「持ち方」のコツを伝授します。

スリに狙われないバッグの持ち方
基本中の基本は、「バッグは必ず体の前」です。
- ストラップは短めに:ストラップを長くして、バッグがお尻のあたりにある状態はNGです。ストラップは短めに調整し、バッグ本体をお腹や脇腹あたりに密着させましょう。こうすることで、バッグの揺れを防ぎ、手で押さえやすくなります。
- 手を添える癖をつける:人混みを歩くとき、信号待ちをしているときなどは、無意識にバッグの上に手を添えるようにしましょう。これだけで「私は警戒していますよ」というアピールになり、スリは寄り付きにくくなります。
- 冬場はコートの下に:薄手のサコッシュやセキュリティポーチなら、コートやジャケットの中に掛けてしまうのが最も安全です。
レストラン・カフェでの注意点
食事中は気が緩みやすい魔の時間帯です。
- 椅子に掛けない、床に置かない:椅子の背もたれにバッグを掛けるのは、「盗ってください」と言っているようなもの。背中合わせに座ったスリが、ジャケット越しに財布を抜き取る手口があります。
- 膝の上か、足元に固定:バッグは膝の上に置くか、ストラップを自分の体や椅子の脚に通して、簡単に持ち去られないようにしましょう。
- スマホをテーブルに置かない:日本人がやりがちなのが、スマホをテーブルの上に置いて食事をすること。これは本当に危険です。物乞いをするふりをして近づいてきた子供が、テーブルに地図や新聞紙を広げ、その下にあるスマホを抜き取るという手口が横行しています。スマホは必ずバッグにしまいましょう。
もしものための「貴重品分散管理」術
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、旅行の貴重品管理も同じです。
万が一バッグごと盗難に遭っても、ホテルに帰れるだけの現金やパスポートの予備があれば、最悪の事態は免れます。
- メインのショルダーバッグ: その日使う分の現金、スマホ、カメラ。
- セキュリティポーチ(服の下): パスポート原本、予備のクレジットカード、高額紙幣。
- ホテルのセーフティボックス: 日本円の財布、パスポートのコピー、予備のカード。
このように3箇所に分散させるのが、リスク管理の基本です。
よくある質問(Q&A)
ここでは、読者の方からよく寄せられる質問に先回りしてお答えします。
Q. ファスナーに南京錠はつけたほうがいいですか?
A. つけたほうが安心ですが、「いかにも貴重品が入っています」とアピールすることにもなる、という意見もあります。
私は、移動中(電車やバス)はつけますが、頻繁に出し入れする街歩き中は邪魔になるので、簡易的なカラビナや、バッグにもともと付いている簡易ロック機能を使っています。ダイヤル式の小さな南京錠を一つ持っておくと便利ですよ。
Q. ウエストポーチ(ボディバッグ)はどうですか?
A. 最近は斜めがけにしてボディバッグとして使うのが流行っていますね。体に密着するので防犯性は高いですが、背中側に回してしまうとリュックと同じで死角になります。必ず「体の前」に来るように着用してください。また、カジュアルすぎるデザインだと、高級レストランや美術館などで浮いてしまうこともあるので、TPOに注意が必要です。
Q. 男性(メンズ)におすすめのバッグはありますか?
A. 男性の場合、ポケットに財布を入れて手ぶらで歩く方が多いですが、海外ではスリの格好の餌食です。男性も小さめのショルダーバッグやボディバッグを持つことを強くおすすめします。PacsafeやGREGORYなどは男性が持っても違和感のないデザインが多いですよ。

海外旅行に一押し!Beside-U(ビサイユ)のショルダーバッグ「BCS-140」
最後に、私が今一番おすすめしたい街歩き用バッグをご紹介します。
それが、Beside-U(ビサイユ)の「BCS-140」(および同シリーズ)です。
なぜこのバッグを推すのか、その理由はこれまでの「失敗しない選び方」をすべて高いレベルで満たしているからです。
1. とにかく軽くて、水に強い
ビサイユのバッグの最大の特徴は、その軽さ。
上質なナイロン素材を使用しており、見た目の高級感からは想像できないほど軽量です。
さらに、超撥水加工が施されているので、旅行中の突然の雨でも中身が濡れる心配がありません。また、汚れがつきにくいので、明るい色を選んでも安心です。
2. 安心のスキミング防止機能搭載
大切なカード情報を守る「スキミング防止機能付きポケット」が装備されています。
別途スキミング防止のカードケースを買わなくても、このポケットにお財布やパスポートを入れておけば安心。見えないデジタル犯罪からあなたを守ってくれます。
3. 驚きの収納力とポケットの数
「ここにポケットがあったらいいのに」と思う場所に、必ずポケットがあります。
スマホ、リップクリーム、ハンカチ、チケット…小物が多くなりがちな女性の荷物を、定位置ですっきり収納できます。
特に、背面のシークレットポケットは、体に密着する部分なので、パスポートや高額紙幣を入れるのに最適です。
4. 上品でエレガントなデザイン
機能性重視のバッグは、どうしても「いかにも防犯用」という野暮ったいデザインになりがち。
でも、ビサイユは違います。エレガントなモノグラム柄や、金具のゴールド使いなど、大人の女性が持つのにふさわしい上品さがあります。
カジュアルな服装はもちろん、少しきれいめなワンピースでディナーに行くときでも違和感なく持てるのが嬉しいポイントです。
実際に使っている方からも、
「ポケットがたくさんあって整理しやすい!」
「雨の日に使ったけど、本当に水が染み込まなくて助かった」
「軽いから一日中歩いても肩が痛くならなかった」
という声が多く寄せられています。
次の旅行の相棒として、ぜひ検討してみてください。
あなたの旅を、より安全で、より快適なものにしてくれるはずです。
まとめ
海外旅行における「バッグ選び」は、単なるファッションではなく、「安全を買う」ことと同じです。

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、スリや盗難のトラブルに遭うと、それまでの楽しい思い出が一瞬で吹き飛んでしまいますし、警察での手続きなどで貴重な1日を無駄にしてしまいます。
- 常に視界に入る「ショルダーバッグ」を選ぶ
- 防犯機能、軽さ、収納力のバランスを見る
- 現地では「体の前」で持ち、気を抜かない
この3つを意識するだけで、トラブルに遭う確率は劇的に下がります。
不安な気持ちを「準備」で解消して、現地では思いっきり旅を楽しんでくださいね。
準備万端なあなたなら、きっと素敵な思い出をたくさん持ち帰ることができるはずです。
それでは、良い旅を!Bon Voyage!









