この記事でわかること
- 東京23区の民泊が本当に全面禁止になるのか
- 新宿区・大田区の規制と予約済みの宿への影響
- 民泊を予約するときに確認したいポイント
「東京23区で民泊が禁止されるらしい」というニュースを見て、予約した宿は大丈夫かなと不安になった人もいると思います。私も見出しだけ見たときは、ちょっと驚きました。でも実際は、東京中の民泊が一斉に使えなくなるという話ではありません。この記事では、いま起きていることと、予約済みの人がまず確認したいポイントを、旅行者目線で整理します。
東京23区で民泊禁止は本当?

まず結論からお伝えします。東京23区の全域で民泊が一律に禁止される、という事実はありません。 いま動いているのは、新宿区や大田区など一部の区が、住宅地や学校の周りといった特定のエリアで規制を強める方針を出した、という話です。
「全面禁止」ではなく「エリアを絞った規制」
ニュースやSNSの短い見出しだけを見ると、東京中の民泊がアウトになったように読めますよね。でも中身はかなり違います。
規制の中心にあるのは「住宅ばかりが並ぶ地域」や「学校のすぐそば」です。繁華街や駅前のような、もともとお店やオフィスが多いエリアは、今回の方針の直接の対象ではありません。
私が公式の情報を追ってみた範囲でも、対象になっているのは、あくまで一部の区の、一部の区域でした。「東京イコール全滅」ではないので、そこは切り分けて考えて大丈夫です。
「ゼロ日規制」ってどういう意味?
今回のニュースでよく出てくる「ゼロ日規制」という言葉。これは、指定された区域では、年間の営業できる日数を0日にする(=新しく開けない・営業できないようにする)仕組みのことです。
国(観光庁)は2026年7月15日に、自治体がこの仕組みを条例で使えるという通知(技術的助言)を出しました。ただしこれは「自治体が判断するときの参考」であって、国が東京全域の禁止を決めた、という意味ではありません。
いま予約している宿に、すぐ影響する話ではない
条例の改正は、これから区議会で話し合っていく段階です。新宿区は2027年夏の施行を目指すとしていますが、これも「目指す」段階で、日付が確定したわけではありません。
だから、きちんと届け出をして運営されている予約済みの宿が、今回の報道だけを理由にすぐ営業停止になる、とは限りません。まずは落ち着いて、予約内容の確認から始めれば十分です。
なぜ東京で民泊規制が強化されているの?

「急にどうして?」と思いますよね。背景には、住んでいる人たちからの困りごとが、少しずつ積み重なってきた事情があります。
施設が一気に増えた
訪日客の回復とともに、東京の民泊はここ数年で大きく増えました。新宿区は、届け出のある民泊が全国の市区町村でいちばん多い区です。
数が増えれば、そのぶん住宅地の中に旅行者が出入りする部屋も増えます。悪気がなくても、生活のリズムが違う人どうしが同じ建物にいると、すれ違いは起きやすくなります。
実際に多い困りごと
区に寄せられる相談として多いのは、次のようなものです。
- 深夜の話し声や、キャリーケースを引く音
- ごみ出しのルールが守られない
- 何かあったときに管理者と連絡がつかない
- オートロックの前で、見知らぬ人が中に入ろうと待っている
一つひとつは小さくても、毎日続くと生活のストレスになります。とくに学校の近くだと、保護者の心配も大きくなります。こうした声が、規制を後押ししている形です。
国が「エリアを絞った規制」を認めた
こうした状況を受けて、国は2026年7月15日、自治体が条例で営業日数をゼロにできる(ゼロ日規制)という通知を出しました(観光庁の報道発表)。
ただし、これは「どの区でも、区内全域を自由に禁止していい」という意味ではありません。生活環境を守る必要がある区域にしぼって、合理的な範囲で、という前提がついています。ここは誤解されやすいところなので、覚えておくと安心です。
新宿区と大田区の民泊規制はどうなる?

いちばん動きが大きいのが、新宿区と大田区です。ただ、「もう決まったこと」と「これから決める方針」が混ざって報道されているので、分けて見ていきます。
| 比較項目 | 新宿区 | 大田区 |
|---|---|---|
| 現在確認できる規制 | 居住専用地域は平日(月曜正午〜金曜正午)の営業が不可=実質、週末のみ。その他の地域は年180日まで | 家主不在型は、低層・中高層の住居専用地域などで実施が制限。2026年4月にごみ回収や駆けつけ体制などの管理ルールを強化 |
| 新たに検討されている内容 | 住宅地や学校周辺での営業を原則禁止する方針。新規だけでなく既存の施設も対象とする方針 | 住居専用地域などでの新規開設を禁止する方向で検討(家主が同居するタイプも対象とする案) |
| 主な対象区域 | 住居専用地域・文教地区など、住宅が中心のエリア | 住居専用地域など、住宅が中心のエリア |
| 既存施設への影響 | 既存も対象とする方針だが、猶予期間の有無や長さは、条例案の議論待ち | 新規開設の制限が中心。既存の扱いは、条例案の議論待ち |
| 施行予定 | 2027年夏の施行を「目指す」。10月ごろに意見公募、2027年2月の議会に改正案を提出する見通し | 2027年度の施行を目指すとの報道。条例案はこれから |
| 旅行者が注意すること | 2027年以降に泊まる予定なら、宿に営業を続ける予定か確認 | 同上。とくに住宅街の一戸建てタイプは、今後の動向に注意 |
まだ「決まっていない」ことに注意
報道では具体的な数字も飛び交っていますが、区の公式ページ(新宿区の民泊ページ、大田区の民泊ページ)では、まだ新しいルールとして反映されていません。
たとえば「既存の約2,000施設が営業できなくなる」「商業地域の上限が120日になる」「学校から100メートル以内は禁止」といった話は、いまのところ報道ベースの見込みで、条例として確定したものではありません。
私はこういうときこそ、まとめ記事より先に、区の公式ページを直接見るようにしています。
共通しているのは「住宅地と学校の近く」
区ごとに書き方は違いますが、狙いは共通しています。「人が暮らすためのエリア」と「子どもが通う場所のそば」を静かに保ちたい、ということです。
逆に言えば、駅前や繁華街の商業エリアで営業している宿は、今回の方針の主な対象ではありません。自分の宿がどのタイプのエリアにあるかは、住所を地図で見るとだいたい見当がつきます。
新宿区の民泊がどれくらい増えているか計算してみた
規制が強まる背景をつかむために、公表されている数字だけで増え方を出してみました。
新宿区の届け出住宅数は、2026年7月15日時点で3,775件、8月末の時点で3,928件。差は153件です。
この間はおよそ47日なので、1日あたり約3.3件のペースになります。単純に30日で計算し直すと1か月で約98件、1年に置き換えると約1,200件ずつ増える計算です。
もちろん、このペースがずっと続くとは限りません。それでも、区が「対応が追いつかない」と感じるのは無理もない数字だな、と私は思いました。
予約済みの民泊はキャンセルされる?

いちばん気になるところですよね。順番に整理します。
すぐに取り消す必要はない(でも確認はする)
- 規制強化の報道が出ただけでは、予約をすぐキャンセルする必要はありません。
- ただし届け出のある施設でも、将来の施行日や「営業できる曜日」の変更によっては、先の日程で影響が出る可能性はあります。
- 宿泊日が規制の施行後に当たりそうな場合は、ホストか予約サイトに「その日も営業する予定か」を確認しておくと安心です。
施設側からキャンセルされたときの動き
- もし施設側の都合でキャンセルになったら、まず予約サイトの返金や、代わりの宿の案内があるかを確認します。
- 反対に、自分から先にキャンセルすると、通常のキャンセル料がかかることがあります。あわてて動くと損をしやすいので、ここは慎重にいきましょう。
予約サイトごとの対応は「規約次第」
Airbnbには、ホスト都合のキャンセル時に返金や再予約のサポートを受けられる仕組み(ゲスト向けのAirCover)があります。Booking.comやAgodaでも、施設都合のときはサポートが代わりの宿を案内する形が一般的です。
ただし、「必ず全額返金」「必ず差額を補償」と決まっているわけではありません。 予約したプランの条件、キャンセルの理由、申請の期限によって対応は変わります。予約時の規約を、いま一度見ておいてください。
楽天トラベルやじゃらんのように、掲載に許可や届け出を必須にしているサイトもあります。こうしたサイトは、そもそも違法な物件が混ざりにくい仕組みになっています。
予約のタイミングやキャンセルの規定は、旅行のジャンルが変わっても考え方は同じです。予約の取り方で迷ったときは、こちらも参考にしてみてね。
予約した民泊が適法か確認する方法
「そもそも、この宿は大丈夫なの?」という不安には、チェックリストで答えます。
予約ページで見るポイント
- 届出番号・認定番号・許可番号のどれかが書かれているか
- その番号が、住所や施設名とちゃんと結びついているか
- 運営者や管理者の連絡先が、はっきり書かれているか
- 宿泊者名簿の記入や、本人確認について案内があるか
住宅宿泊事業(いわゆる民泊新法)の届け出には「M」で始まる番号が使われます。特区民泊は自治体の認定番号、旅館・簡易宿所は許可番号です。番号の形式は観光庁の民泊制度ポータルサイトでも確認できます。
現地でできる確認
- 玄関や入口に、届け出の標識(プレート)が掲示されているか
- チェックインのときに、本人確認の手続きがあるか
標識が見当たらない、番号がどこにも出てこない、という場合は、少し慎重になったほうがいいサインです。
「番号がない=すぐ違法」ではない
とはいえ、予約サイトによっては番号の表示場所が分かりにくいこともあります。すぐ違法と決めつけず、まずは運営者に「届け出番号を教えてください」と聞いてみましょう。
それでもはっきりしないときは、予約サイトのサポートや、施設のある区の保健所に問い合わせると確認できます。私も気になったときは、運営者への質問、次にサポート、という順で連絡するようにしています。
今から旅行者がしておきたいこと

やることを「予約済みの人」と「これから予約する人」に分けて整理します。
予約済みの人がすること
- 予約ページと予約確認メールを、スクショなどで保存しておく
- 許可・届け出番号を確認する
- 宿泊日が規制の施行後に当たらないか確認する
- ホストに「その日も営業する予定か」を問い合わせる
- 自己都合で先にキャンセルせず、予約サイトの規約を読む
- 念のため、代わりになりそうなホテルの価格と空きだけ見ておく
これから予約する人がすること
- 極端に安い、というだけで決めない
- 許可・届け出番号と、口コミの両方を確認する
- 管理者にすぐ連絡できる施設を選ぶ
- キャンセル無料の期間があるプランを優先する
- 深夜到着・子連れ・大人数のときは、ホテルや正規の一棟貸しも比べる
迷ったら「宿のタイプ」を分散して考える
旅の全部を民泊で固める必要はありません。前泊はホテル、連泊は民泊、というふうに分けておくと、もし何かあってもリスクを分散できます。
宿が決まったら、次は持ち物の準備ですね。短い旅ほど「何を持っていくか」で快適さが変わるので、こちらも見てみてね。
→ 2泊3日女子旅の持ち物完全版!忘れ物ゼロで最高に楽しむ準備ガイド
東京の民泊規制についてよくある質問

Q. 東京23区の民泊はすべて禁止になりますか?
いいえ。23区の全域で一律に禁止される、という事実はありません。新宿区や大田区など一部の区が、住宅地や学校周辺といった特定のエリアで規制を強める方針を出している段階です。
Q. 予約済みのAirbnbはキャンセルした方がよいですか?
今回の報道だけを理由に、あわてて取り消す必要はありません。宿泊日が先で不安な場合は、ホストや予約サイトに営業を続ける予定か確認しましょう。自分から先にキャンセルすると、キャンセル料がかかることがあります。
Q. 新宿区と大田区では何が変わるのですか?
新宿区は住宅地・学校周辺での営業を原則禁止する方針で、既存の施設も対象とするとしています。大田区は住居専用地域などでの新規開設を禁止する方向で検討中です。どちらも条例改正はこれからで、内容は変わる可能性があります。
Q. 規制はいつから始まりますか?
新宿区は2027年夏の施行を「目指す」としていますが、確定した日付ではありません。意見公募や議会での審議を経てから決まります。大田区も2027年度の施行を目指すとの報道段階です。
Q. 「ゼロ日規制」とは何ですか?
指定された区域で、年間の営業できる日数を0日にする仕組みです。実質的に、その区域では新しく民泊を開けない・営業できないことになります。国が2026年7月に、自治体が条例で使えると認めました。
Q. 民泊の届出番号はどこで確認できますか?
多くの予約サイトでは、施設紹介ページのどこかに記載されています。住宅宿泊事業なら「M」で始まる番号です。見当たらない場合は運営者に直接聞くか、施設のある区の保健所に問い合わせて確認できます。
Q. 予約している施設が違法かどうか、自分で見分けられますか?
届け出番号の有無、住所と番号の対応、管理者の連絡先、本人確認の案内、現地の標識の掲示などが手がかりになります。番号の表示が分かりにくいだけのこともあるので、まずは運営者に確認しましょう。
Q. 条例改正でキャンセルされたら返金されますか?
予約サイトや予約プランの条件によって対応が異なります。ホスト都合のキャンセルなら返金や代わりの宿の案内を受けられる場合が多いですが、「必ず全額返金」と決まっているわけではありません。予約時の規約を確認してください。
Q. ホテルに取り直した方が安心ですか?
深夜到着や大人数など、条件によってはホテルの方が確実な場合があります。ただ、届け出のある民泊の予約を、いますぐ全部変える必要はありません。宿泊日と施設の状況を確認してから判断しましょう。
Q. 東京旅行そのものを控えた方がよいですか?
その必要はありません。今回の話は「一部の区の、一部エリアの民泊」の規制です。旅行の計画そのものに影響する話ではないので、宿の予約内容だけ落ち着いて確認すれば大丈夫です。
Q. 家主が同居しているタイプの民泊なら影響は少ないですか?
ホストが同居するタイプは、これまでも比較的ゆるやかに扱われてきました。ただ大田区の検討案では同居タイプも対象に含める案が報じられており、区によって扱いが分かれます。現時点では「区の公式発表を待つ」が正解です。
まとめ|東京の民泊予約は慌てず公式情報を確認しよう
- 東京23区の全域で民泊が禁止されるわけではありません。
- 新宿区・大田区などが、住宅地や学校周辺を対象に規制を強める方針を出している段階です。
- 「すでに決まった制度」と「これから議論する方針」を混同しないことが大切です。
- 予約済みの人は、許可・届け出番号、宿泊日、ホストからの案内を確認しましょう。
- 自分からあわててキャンセルする前に、予約サイトの規約を読んでおきましょう。
今すぐ全部を取り直さなければならない状況ではないので、まずは予約内容を一つずつ確認してみてくださいね。
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参考・出典
- 観光庁「地方公共団体に対して民泊に関する通知を行いました(住宅宿泊事業法に規定する届出住宅に係るゼロ日規制等について(技術的助言)の発出について)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_00067.html - 観光庁「民泊制度ポータルサイト(minpaku)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/ - 新宿区「住宅宿泊事業と新宿区のルールについて」
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kenkou/eisei03_002086.html - 大田区「住宅宿泊事業について」
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/eisei/riyoubiyou/minpaku_shinpou.html - 日本経済新聞「東京都新宿区、住宅地や学校周辺で民泊営業を禁止へ 既存施設も対象」(2026年9月7日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC043YF0U6A900C2000000/ - 時事ドットコム「住宅地や学校周辺で民泊禁止へ 既存施設も対象に―東京都新宿区」(2026年9月7日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026090700616&g=eco
※本記事の情報は執筆時点(2026年9月)のものです。条例案の内容や施行時期は今後変更されることがあります。予約や宿泊の判断にあたっては、各区の公式ページと予約サイトの最新の規約を必ずご確認ください。
