最大の特徴は、溶接せず“金属の塊から削り出す”製法で、耐久性と個体差の少なさを両立していること。
スケートだけでなく、焚き火台「HITAKI」や3Dプリンター関連など、暮らしに近い自社製品も展開しています。
こんにちは。
最近、テレビやニュースなどで「山一ハガネ」という会社の名前を耳にしたことはありませんか?
フィギュアスケートの話題でよく出てくるけれど、いったいどんな会社なんだろうと気になっている方も多いと思います。
選手の素晴らしい演技を見ていると、足元を支えている道具にも興味がわいてきますよね。
今回は、この山一ハガネがどんな魅力をもった会社なのか、くわしく調べてみました。
専門的なむずかしい言葉はなるべく使わずに、わかりやすくお伝えしていきますね。
読みおわるころには、日本のものづくりのすごさにきっと感動してしまうはずです。

山一ハガネってどんな会社?愛知が誇る100年企業
特殊鋼をあつかう老舗の専門商社
山一ハガネは、1927年に愛知県名古屋市でうまれた会社です。
なんと、2027年には創業100周年をむかえる、とても歴史のある企業なんです。
もともとは「特殊鋼」という、特別な鉄をあつかう専門の商社としてスタートしました。
特殊鋼というのは、ふつうの鉄にいろいろな成分をまぜて、とても硬くしたり、サビにくくしたりした素材のことです。
愛知県といえば自動車産業が有名ですが、山一ハガネはそのものづくりを材料の面からずっと支えつづけてきた、縁の下の力持ちのような存在です。

商社なのにすごい!自社で完成品をつくる技術力
でも、ただ材料を売るだけの会社ではありません。
自社の工場に、とても高度な加工の技術と、ミリ単位のさらに小さな世界を測る技術をもっています。
材料を知りつくしているからこそ、それをどうやって削り、どうやって形にすれば一番いいのかをわかっているんです。
その知識と技術をいかして、自分たちでデザインから考えて、完成品までつくってしまうところが本当にすごいところです。
世界のトップ選手が愛用!山一ハガネのスケートブレードの秘密
フィギュアスケートの世界で、山一ハガネの名前が一躍有名になったのには理由があります。
それが、彼らがつくりだした画期的なスケートブレードです。
従来のスケートブレードが抱えていた弱点
そもそも、スケート靴のブレードってどうやって作られているかご存知ですか?
これまでの海外製のブレードは、いくつかの別々のパーツを、熱で溶接してくっつけて作られていました。
でも、選手がジャンプして氷に着地するとき、足元には体重の何倍ものものすごい衝撃がかかります。
その繰り返しの衝撃のせいで、つなぎ目である溶接した部分から曲がったり、最悪の場合は折れてしまったりすることがあったんです。
大会の直前にブレードが曲がってしまったら、選手にとっては本当に大ピンチですよね。
1つの金属ブロックから削り出す「圧倒的な耐久性」
そこで山一ハガネは、まったく新しい作り方を考えだしました。
それは、約10キログラムもある大きな金属の塊から、いらない部分を少しずつ削っていくという方法です。
溶接をいっさい使わずに、たった280グラムになるまで、ていねいに削り出して作ります。
複数のパーツをくっつけるのではなく、最初からひとつの塊なので、つなぎ目がありません。
これによって金属のもつ本来の「粘り強さ」がいかされて、ジャンプの激しい衝撃もブレード全体でしっかり吸収できるようになりました。
本当に折れにくく、曲がりにくい、驚きの耐久性が生まれたんです。
ミリ単位の個体差をなくし、選手の負担を軽くする
さらに、この削り出しの技術は「個体差」をなくすことにも成功しました。
手作業で作られる従来のブレードは、どうしても左右のバランスやカーブに少しずつ違いが出てしまいます。
そのため、選手は新しい靴にするたびに、氷をつかむ感覚をあわせるのに何週間も苦労していました。
山一ハガネは、10ミクロン(1ミリの100分の1)というとても厳しい基準で作ることで、まったく同じ形のブレードを何度でも作れるようにしたんです。
靴をかえてもすぐにいつもの感覚で滑れるようになり、選手の精神的、肉体的なストレスがぐっと減りました。
はじまりは小塚崇彦さんとの共同開発
このすごいブレードは、どうやって生まれたのでしょうか。
きっかけは2012年、元フィギュアスケート選手の小塚崇彦さんが、足を測定するために会社を訪れたことでした。
そのとき、曲がってしまったブレードを見た担当者さんが「うちの技術で作れないか」と声をかけたそうです。
選手の悩みを解決したいという熱い思いから、何度も試行錯誤をかさね、約6年もの長い時間をかけてようやく完成させました。
ミラノ五輪の金メダル!りくりゅうペアを足元からサポート

この素晴らしいブレードは、現在多くのトップスケーターの足元を支えています。
スピードの同調性をうみだす「翔(Sho)」モデル
2026年のミラノオリンピックで、素晴らしい演技をみせて大逆転の金メダルにかがやいた「りくりゅうペア」。
おふたりは、山一ハガネの「翔(Sho)」というモデルを愛用しています。
ペアの競技でいちばん大切なのは、ふたりの動きやスピードをぴったりあわせる「同調性」です。
山一ハガネのブレードは、氷との摩擦が少なく、ふたりのブレードの形が完全に一致しているため、この同調性をうみだすのにとても役立っているそうです。
鍵山優真選手など、日本のトップスケーターたちも愛用
りくりゅうペアだけではありません。
鍵山優真選手や佐藤駿選手など、日本を代表する多くのスケーターが愛用し、メダルの獲得に貢献しています。
それぞれの選手の滑り方の特徴にあわせて、「SORA」などいくつかのモデルが用意されているのも魅力のひとつです。
選手ひとりひとりに寄り添う姿勢が、素晴らしい結果につながっているんですね。
スケートだけじゃない!山一ハガネの魅力的な製品たち
山一ハガネのすごいところは、スケートブレードだけにとどまらないところです。
私たちの身近なところにも、その高い技術がいかされています。
一生モノの頑丈な焚き火台「HITAKI(ヒタキ)」
キャンプが好きな方の間でひそかに話題になっているのが、「HITAKI(ヒタキ)」という焚き火台です。
とても太くて頑丈なステンレスを使っていて、高い熱でも変形したりサビたりしにくいのが特徴です。
組み立ても簡単で、火の粉が落ちる部分にはチクチクしない特別な布を使うなど、使う人のことを考えた細やかな気配りがつまっています。
安価なものを何度も買いかえるよりも、良いものを長く大切に使いたいという方にぴったりの、まさに一生モノとして使えるキャンプギアです。
最先端の3Dプリンター事業
次世代のものづくりとして、3Dプリンターの事業にもとても力をいれています。
プラスチックのような樹脂だけでなく、金属をそのまま形にする3Dプリンターもあつかっています。
自社で専用の材料を開発したり、はやく綺麗に形をつくれる機械を開発したりと、常に新しいことに挑戦しつづけています。
工具ブランドやこだわりの音響スピーカーまで
さらに、金属を削る現場の声をいかした「RIDGELINE TOOL」という工具のブランドもあります。
驚くことに、「Co/SonUs」という名前の高音質なスピーカーまで自社で開発しているんです。
金属の特性を知りつくしているからこそ作れる、クリアで美しい音が楽しめるそうです。
商社という枠をこえて、本当にいろいろなものを生み出しているんですね。
よくある質問(Q&A)
ここでは、山一ハガネについて疑問に思いやすいポイントをいくつかまとめてみました。
Q. 山一ハガネのブレードは一般の人でも買えますか?
A. はい、購入可能です。トップ選手が使うものと同じ品質のブレードを、スケート用品店などを通じて手に入れることができます。趣味でスケートを楽しむ方にも愛用されています。
Q. 金属の塊から削り出すと、ブレードが重くならないのですか?
A. 最初は約10キログラムの金属の塊ですが、いらない部分をていねいに削り落としていくため、最終的には約280グラムという軽さになります。従来のブレードと比べても重すぎるということはなく、むしろバランスが良く滑りやすいと評判です。
Q. 焚き火台のHITAKIはどこで買えますか?
A. 山一ハガネの公式オンラインショップなどで購入することができます。こだわりのキャンプ用品を探している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、フィギュアスケートのブレードで有名な「山一ハガネ」についてご紹介しました。
愛知県にある歴史ある商社でありながら、金属の性質を知りつくした高い技術力で、スポーツから私たちの暮らしまでを豊かにしてくれる素晴らしい企業です。
約10キログラムの塊から少しずつ削り出して、ミリ単位の精度で作られるブレードには、ものづくりへの深い愛情と情熱が感じられますね。
これからも、どんな驚くような製品をうみだしてくれるのか、ますます目が離せません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
削り出し技術が生んだ、焚き火のあるご褒美時間
山一ハガネのすごさは、フィギュアスケートの世界だけにとどまりません。
あの精密な金属加工技術は、実は私たちの「好きな時間」にも活かされているんです。
たとえば、静かな夜にゆらゆら揺れる焚き火の時間。
火の音を聞きながら、あたたかい飲み物を片手に深呼吸する――
そんな大人のご褒美みたいなひとときを、もっと心地よくしてくれるのがこの焚き火台。
金属を知り尽くした企業だからこそ実現できた、
無骨なのに美しくて、凛としていて、でもどこかやさしい佇まい。
「長く大切に使えるものが好き」そんな気持ちに、すっと寄り添ってくれます。
忙しい毎日のスイッチを、そっとオフにしたい夜に。
自分をいたわる時間の相棒として、選びたくなる一台です。











