家賃を月2〜3万円抑えながら、投資や趣味にお金を回す暮らしとは?
狭くても豊かに暮らす“狭小賢者”のリアルをわかりやすく解説します。
東京で部屋探しをしたことがある人なら、一度はこう思ったことがあるはず。
「この広さで、この家賃…ちょっときついかも」
駅から遠い、日当たりが悪い、築年数もそこそこ。
それでも都内の家賃はじわじわ上がり続けています。
そんな中で今、あえて小さな部屋を選び、
むしろ満足度の高い暮らしをしている人たちが増えているんです。
彼らは「狭小賢者」とも呼ばれています。
この記事では、そのリアルな暮らしをのぞきながら、
「住まい・お金・豊かさ」の関係を、ちょっと一緒に考えてみましょう。

東京の家賃、正直しんどくなってきた
23区の平均賃料、5年で12%上昇
数字で見ると、じわっと重たくなる。
不動産情報サービスのLIFULL HOME’Sによると、東京23区の2025年における1平方メートルあたりの平均賃料(1Rと1K)は、2020年比で12%高い4,215円だった。
パーセンテージだけ見るとそこまで大きく感じないかもしれないけれど、たとえば20平米の部屋だったら、5年前と比べて月に約1万円近く上がっていることになる。
じわじわ、でも確実に、家賃の重さは増している。
「10万円以下の物件を探すのは至難の業」
「都内で10万円以下の物件を探すのは至難の業」
これ、都内に住んでいる人なら「そうだよね……」と頷ける話だと思う。
少し広い部屋を、駅から近いところで借りようとすると、気づけば10万円をゆうに超える。でも、家賃に月10万以上かけていたら、他のことにお金を回す余裕なんてなかなか生まれない。
そんな中で注目される”9平米という選択”
そこで最近、じわじわ注目を集めているのが「狭小ワンルーム」という選択肢だ。
都内を中心に狭小ワンルーム賃貸を展開するスピリタス(東京・港)という会社は、約9平方メートルの部屋を月平均6万4,909円で提供している。エリア相場と比べて2〜3万円安い水準で、2026年3月時点で約1,500戸を供給。入居率はなんと99%を超えている。
「小さい部屋なんて住めない」という感覚は、もしかしたら少し古くなっているのかもしれない。

9平米ってどんな感じ?リアルな暮らしをのぞいてみた

ドラム式洗濯機がある9平米の部屋
東京・品川区の戸越駅から徒歩10分以内、家賃は管理費込みで月6万8,000円。
そこに暮らす29歳の会社員の男性の部屋は、9平方メートルのロフト付きワンルームだ。
玄関横に台所、正面にはトイレとシャワー室。手を伸ばせばすぐ届く距離に、生活に必要なものが凝縮されている。
でも部屋に入って一番目を引くのは、少し大きめのドラム式洗濯機だ。
「洗濯は絶対ドラム式じゃないと」
その言葉に、なんだかじわっとくるものがある。部屋は小さくても、こだわるところにはしっかりこだわる。そのメリハリが、この暮らしの芯になっている。
高い天井と駅近で、思ったより快適
9平米と聞くと、息苦しそうなイメージを持つ人も多いかもしれない。
でもこの物件、天井高が約4メートルある。縦に空間があると、視覚的な圧迫感がぐっと和らぐ。取材日は快晴で、日光も差し込んでいたといい、想像以上に開放的な雰囲気だったそうだ。
さらに、駅から徒歩10分圏内という立地も大きなポイント。通勤に使う時間が短くなれば、その分だけ自分の時間が増える。「生活が全部手元で収まる」という男性の言葉は、狭さへの諦めではなく、選択への満足感のように聞こえる。
食費は最小限、こだわりは洗濯と投資
男性の生活スタイルは、かなりシンプルだ。
自炊はオートミール・納豆・卵だけ。IHクッキングヒーターはほとんど使わず、普段は食器置きになっているという。
その分、節約できたお金は株などの投資へ。旅行や飲み会にも積極的に出かけて、「余裕を持って生活できている」と話している。
費用を抑えるところは抑え、使うところには使う。そのメリハリが、狭い部屋での暮らしをむしろ豊かに見せている。
なぜ小さな家が選ばれるのか
家賃の差は月2〜3万円、年間にすると大きい
スピリタスの物件は、エリア相場より月2〜3万円安い。
2万円の差なら年間24万円。3万円の差なら年間36万円。
これだけあれば、旅行に何度か行けるし、積み立て投資を始められるし、好きなことに少し余裕を持ってお金を使える。住居費をコンパクトにすることで、生活全体の自由度が上がるという感覚、なんとなくわかる気がする。
しかも、スピリタスの全物件の平均家賃は、3年前と比べて1.3%増にとどまっている。一般的な民営家賃が前年比2%ペースで上昇しているのと比べると、その安定感は際立っている。
「家の機能」が外に出ていっている時代
スピリタスの仲摩恵佑代表は、こんなことを話している。
「今までは家の中に必要だった機能も、外のサービスで代替できるようになり、生活空間がコンパクトでもよくなった」
たしかに、そうかもしれない。
コインランドリー、カフェでのリモートワーク、宅配トランクルーム、フィットネスジム。以前なら「家の中」にあることが当たり前だったものが、少しずつ「外のサービス」に移っている。
家は眠る場所・整える場所・ほっとする場所。そう割り切ったとき、9平米でも十分という感覚は、そこまで遠くない話になってくる。
入居率99%が示す本当の人気
入居率99%という数字は、なかなかすごい。
一般的な賃貸物件の入居率が90%台前半であることを考えると、この数字は「人気があるから埋まっている」ではなく、「ニーズにぴったりはまっているから埋まっている」という感じがする。
しかも入居者のほとんどが30代前半までの若い世代。家賃高騰の影響を受けながらも、工夫して豊かに暮らそうとしている人たちが、この選択に行き着いているんだと思う。

狭小賢者たちの”外部化”という発想
宅配トランクルームで部屋に空間をつくる
埼玉県川口市に住む23歳の女性は、パートナーと2人で26平方メートルの部屋に暮らしながら、宅配型トランクルームサービス「minikura(ミニクラ)」を活用している。
minikuraは、荷物を段ボールに詰めて送ると、倉庫で預かってくれるサービス。月額は1箱320円からと、財布に優しい価格帯だ。
女性が預けているのは、バッグ、冬物の服、ディズニーのカチューシャなど推し活グッズ、計7箱分。シーズンオフのものを外部に出すことで、限られた収納スペースを有効に使っている。
「シーズンごとにいるものといらないものが切り替わるので、気に入ったら継続したい」
これ、すごくスマートな発想だと思う。収納を広げるために家賃を上げるのではなく、必要な分だけ外に出す。固定費を最小限に保ちながら、持ちたいものは持てる。
minikuraは2025年、20〜30代の利用者が前年比8%増えているそうで、この「外部化」という発想は着実に広まっている。
ディズニーもゲームも諦めない暮らし
この女性が家賃を抑えている理由は、明確だ。
「東京ディズニーランドに行ったり、2人でゲームをしたり、一緒に楽しめる時間にお金を使いたい」
部屋には旧型のゲーム機があり、今シーズンすでにバッグを2点購入しているという。狭い暮らしをしているからといって、欲しいものを我慢しているわけじゃない。むしろ「何にお金を使いたいか」をはっきりさせているから、家賃という固定費を賢くコントロールできている。
住まいを小さくすることは、暮らしを小さくすることじゃない。そのことが、この女性の言葉からはっきり伝わってくる。
変形・多機能家具で1台に何役も
狭い部屋を快適にするための工夫は、家具にも広がっている。
家具ブランド「LOWYA(ロウヤ)」では、変形や伸縮ができる多機能家具が人気を集めている。たとえば「伸縮式ラック」は幅80cmから140cmまで自在に変えられ、L字型に展開すれば部屋の隅にも対応できる。「くつろぎ3WAYソファベッド」は、ソファ・カウチ・ベッドの3通りで使える優れものだ。
ロウヤを運営するベガコーポレーションの取締役は、こんなことを指摘している。
「3LDKのマンションでも70平米に満たないと、5畳や6畳の部屋が多くなる。家具の機能は1つだけではなく、複数必要になる」
狭小化は、ひとり暮らしの話だけじゃない。ファミリー向け物件でも同じ課題が生まれていて、それがロウヤ事業の売上高を前年同期比14%増に押し上げている。

「最低居住面積」がなくなった時代の住まい方
国交省が26年度から面積水準を明記しない理由
少し驚いたのが、国土交通省の話だ。
これまで国交省は「健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積水準」として、2人暮らしなら最低30平方メートルという具体的な数字を住生活基本計画に明示していた。
でも26年度からは、その面積水準を計画に明記しないことになった。
理由のひとつは、中古住宅の供給拡大やライフスタイルの多様化が進み、「一概に狭小を定義するのが難しくなってきた」という実情がある。
面積が小さいから不幸、広いから幸せ——そういうシンプルな図式が通じなくなってきているということだと思う。
狭さを「不便」ではなく「選択」にする視点
ただ、専門家からは慎重な声もある。
LIFULL HOME’S総研の中山氏は「とがった物件は借り手が不在になる可能性もある。5〜10年後にマーケットが変化したときのニーズの方向性を調整するのは難しい」と話している。
浴槽なし・キッチンなしといった「○○レス物件」も出てきているが、それがすべての人に合うわけじゃない。
大切なのは「狭い部屋に住むべき」「広い家こそ豊か」という思い込みを手放して、自分の暮らし方に合った選択をすること。そのための情報と選択肢が、今は確実に広がってきている
よくある質問
Q. 9平米の部屋って、実際どのくらいの広さ?
A. 一般的なユニットバス付きのビジネスホテルの客室が13〜16平米ほど。9平米はそれより少し小さいイメージ。ただ天井が高い物件だと圧迫感がかなり軽減されます。
Q. 狭小物件はどんな人に向いている?
A. 外出が多くて家で過ごす時間が短い人、通勤時間を削りたい人、家賃を抑えて投資や趣味にお金を回したい人に向いています。逆に、家でリラックスしたい・在宅ワークが多い・荷物が多い人には向かないこともあります。
Q. 宅配型トランクルームの費用はどのくらい?
A. minikuraの場合、月額1箱320円から。たとえば5箱預けると月1,600円。季節外れの衣類やアウトドア用品などをまとめて預ければ、部屋の収納がかなりすっきりします。
まとめ
家賃が上がり続ける東京で、「小さな部屋」という選択は、我慢でも妥協でもなく、ひとつのライフスタイルになってきている。
月2〜3万円の家賃差を旅行に、投資に、好きなことに。収納は外部サービスに任せ、家具は多機能なものを選ぶ。そんな工夫を重ねることで、9平米の部屋でも豊かな暮らしは十分につくれる。
「どこに住むか」よりも「どう暮らすか」を先に考える。それが、狭小賢者たちの共通点なのかもしれない。
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