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電気代が5〜8割減るAIって何?丸紅×スタートアップが変えるデータセンターの未来

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データセンターを見上げる女性のイラスト

📌 この記事が30秒でわかる!3行まとめ

  • 生成AIの急拡大でデータセンターの電力消費が急増しており、2035年度には需要が10年で10倍になる見通しです
  • 丸紅は米スタートアップ「マルチバース」と組み、AIの処理量を軽くして電力を5〜8割削減できる技術を日本の金融・製薬・自動運転業界などに展開しようとしています
  • AI軽量化技術は省エネだけでなく処理速度の向上や高性能AIの民主化にもつながり、私たちの電気代や環境にも影響しうる注目の技術です

スマホでChatGPTに質問するとき、「こんな便利な技術、どこで動いてるんだろう?」と思ったことはありませんか。

実は、その裏側では巨大なデータセンターが24時間フル稼働していて、想像以上の電力を消費しています。

最近、日本の大手商社・丸紅が、AIの電力使用量を大幅に削減できる技術を持つ米国スタートアップとの協業に動き出したというニュースが話題になっています。

電気代の節約から環境問題まで、実は私たちの日常にもつながってくる話なんです。

電気代が5〜8割減るAIって何?丸紅×スタートアップが変えるデータセンターの未来 インフォグラフ

目次

生成AIがいま「電力問題」を抱えている理由

最新のAIモデルは想像以上にエネルギーを消費する

ChatGPTやGeminiのような生成AIは、「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれる仕組みで動いています。

このモデルの性能を決めるのが「パラメーター」という数値で、最新のモデルでは数千億という途方もない数になっています。

数が増えれば増えるほど賢くなる一方で、処理に必要なコンピューターの負荷も大きくなります。

質問に答えるたびに、強力なGPU(画像処理半導体)が大量の電力を消費して計算しているわけです。

データセンターの電力需要、10年で10倍の衝撃

AIを動かすコンピューターが集まった場所が「データセンター」です。

電力広域的運営推進機関の試算によると、2035年度の国内電力需要は2025年度比で約5.3%増になる見込みです。

なかでも特に目立つのがデータセンター向けの需要で、今後10年で約10倍に拡大するという見通しが出ています。

10倍です。この数字を見て、ちょっと震えませんか。

GPUの発熱と冷却コスト、意外と知らないリアル

GPUはフル稼働すると非常に熱を持ちます。

その熱を冷やすための空調設備にも、膨大な電力が必要です。

つまり、AIを動かすための電力+冷やすための電力という、二重の消費が発生しています。

データセンターの電気代の多くが冷却に使われているというのは、業界ではよく知られた話です。


「AI軽量化」という技術、どういうしくみ?

モデルの重要なパラメーターだけを残してスリム化する

ここで登場するのが「AI軽量化技術」です。

数千億あるパラメーターのうち、計算に本当に関係している重要なものだけを特定して、モデル全体を作り直す。

不要な部分をそぎ落とすことで、精度を保ちながら処理量を大幅に減らすことができます。

ダイエットでいえば、脂肪を落として筋肉だけにする感じ、というとイメージしやすいかもしれません。

軽くなるとGPUへの負担が減り、電力も速度も改善

処理量が減ると、GPUへの負荷が下がります。

すると、使う電力が少なくて済む→発熱が減る→冷却コストも下がる、というプラスの連鎖が生まれます。

さらに、計算量が減るぶん、回答が返ってくるまでの速度も上がります。

「省エネになって、しかも速くなる」というのは、なかなか夢のある技術ですよね。

テレフォニカの実験では電力75%減・速度46%アップ

スペインの大手通信会社テレフォニカが、AIチャットボットにこの軽量化技術を導入した事例があります。

その結果、データセンターの消費電力が75%削減され、回答速度も46%速くなったと報告されています。

「75%減」というのは、4分の3の電気代がカットできるということ。

企業にとっても、社会にとっても、これはかなりのインパクトですよね。


丸紅が注目した米スタートアップ「マルチバース」とは

企業価値10億ドル超えが見込まれる注目企業

今回、丸紅が協業に向けて動き出した相手が、AI軽量化技術を持つ米国のスタートアップ企業「マルチバース」です。

米国メディアの報道によると、2026年中に企業価値が10億ドル(約1600億円)を超える見込みとのこと。

日本ではまだ知名度が低い企業ですが、世界的には注目を集めています。

技術系のニュースに関心がある方なら、チャットGPTの進化をはじめとするAI競争が激しくなっていることはご存知のはず。

AIの最前線がどこへ向かっているかは、こちらの記事でも詳しく触れています。 → 2025年 10大ニュース|昭和100年の節目を振り返る。大阪万博、初女性首相、トランプ関税、チャットGPTの進化など

複数のAIモデルに対応できるのが強み

マルチバースの技術の大きな特徴は、特定のAIモデルに縛られないことです。

米国の主要テック企業をはじめ、複数の会社が公開しているAIモデルの軽量化に対応しています。

一方、国内では富士通も独自の軽量化技術を開発していますが、現時点では自社製LLMへの特化が中心です。

複数のモデルを使い分けたい企業にとっては、汎用性の高さが大きな選択肢になりそうです。

機密性を保ちたい金融・製薬・自動運転業界へのアプローチ

丸紅がマルチバースとの協業で目指しているのは、特に機密性を必要とする企業へのサービス展開です。

具体的には、金融・製薬・自動運転開発など、外部のクラウドサービスにデータを預けにくい業種が対象です。

自社のサーバーでAIを安全に動かしながら、コストと電力の両方を削減できるというのは、大企業には刺さるポイントですね。


富士通とどう違う?軽量化技術の最前線

富士通は自社LLMに特化した独自アプローチ

国内でのAI軽量化技術といえば、富士通も積極的に取り組んでいます。

富士通が開発した技術では、LLMのメモリー消費量を最大94%削減し、処理速度を約3倍にすることに成功したと発表されています。

独自開発のLLM「タカネ」に特化した形で進めており、自社システムとの親和性を高めながら精度と効率を追求しています。

マルチバースは「汎用性」で差別化

富士通が自社モデルに深く特化しているのに対し、マルチバースは複数メーカーのAIモデルに幅広く対応できる点で方向性が異なります。

丸紅のような総合商社が組む相手としては、「どのメーカーとも組める汎用性」は大きな武器になります。

メーカー・IT企業・製造業など、幅広い業種を顧客に持つ商社の強みが活かしやすい構造です。

宇宙や素粒子物理学の世界でも「複数のアプローチが並走することで技術が飛躍する」という話がありますが、AI軽量化も同じ構図になってきているのかもしれません。 → 宇宙最大の謎、ダークマター(暗黒物質)とは?証拠から最新の検出実験、正体の有力候補まで徹底解説

課題もある——オープンソースモデル限定という壁

一方で、マルチバースの技術には現時点での課題もあります。

軽量化を施すためには、AIモデルの内部構造が公開されている(いわゆるオープンソース)必要があります。

ChatGPTのような、各社が継続的に学習を重ねる最新モデルには現時点では対応できません。

また、各AIメーカー自身も軽量化モデルの開発に力を入れていて、競合の動向によって状況が変わる可能性もあります。


私たちの生活にどう関係してくるの?

電力使用量が減れば電気代・環境負荷も変わる

「AIの話でしょ、自分には関係ないかな」と思った方、ちょっと待ってください。

データセンターの電力消費が増えれば、国全体の電力需要が上がります。

電力需要が増えれば、電気料金に影響が出る可能性もありますし、発電のための二酸化炭素排出量も増えます。

逆に、AI軽量化が広まれば、その圧力を少し和らげることができます。

身近な話に聞こえないかもしれませんが、じわじわと電気代に関係してくる話なんです。

高性能AIが「最先端GPUなし」で使える時代へ

もうひとつの変化として、AIの民主化という側面もあります。

AIモデルが軽くなれば、最先端の高価なGPUがなくても高性能なAIを動かせるようになります。

中小企業や新興国の企業でも、高度なAI活用ができる環境が整ってきます。

「最新のGPUを持つ大企業だけが得をする」という構図が、少しずつ変わっていくかもしれません。

日本の電力需要2035年問題と私たちの選択

先ほど触れた2035年の電力需要増という問題は、他人事ではありません。

再生可能エネルギーの拡大や省エネ技術の普及と並んで、「AIそのものを効率化する」というアプローチも、解決策のひとつとして注目されています。

丸紅とマルチバースの取り組みは、そうした流れの中のひとつの動きとして見ると、意味がより深く感じられます。

普段の生活の中でも、自分が使うサービスの「裏側の電力」に少し思いをはせてみると、ものの見方が変わってくるかもしれませんね。


AI時代に知っておきたい「省エネ」キーワード

「パラメーター」って何?3分でわかる解説

よくニュースで「パラメーター数1000億」などと出てきますが、難しく考えなくて大丈夫です。

AIが学習するとき、「こういうときはこう答える」という判断基準を無数に積み上げていきます。

その判断基準のひとつひとつがパラメーターです。

数が多いほど細かい判断ができる=賢くなる、でも計算量も増える、というシンプルな関係です。

「データセンター」がどこにあるか知ってる?

AIが動く場所、つまりデータセンターは、電力が安定して確保できる場所に集中しています。

日本では関東・関西に多く、最近は北海道や九州への分散も進んでいます。

再生可能エネルギーが豊富な地域に誘致しようという動きも世界的に広がっています。

大量の電力を必要とするだけに、立地の選択がそのまま環境負荷に直結します。

身近なAIツールも、裏側では大量の電力を消費している

スマホのAI翻訳、メールの自動返信候補、音声アシスタント——。

これらはすべて、どこかのデータセンターで計算されています。

一度の検索でも、それを処理するために小さな電力が積み重なっています。

「便利さ」と「エネルギー」のバランスを考えていくことが、これからの私たちに問われているのかもしれません。

ちなみに、米国発の新しいビジネスや経済用語が日本に入ってくるスピードも上がっています。最近だと「TACOトレード」という言葉も話題になりました。気になる方はこちらもどうぞ。 → TACOの意味は?トランプ「TACOトレード」から最新タコス(スマッシュ・ビリア)まで一気に解説


よくある質問

Q. AI軽量化技術とは何ですか? A. AIモデルの中から計算に重要なパラメーターだけを残し、全体を作り直すことで処理量を削減する技術です。精度を保ちながらエネルギー消費と処理速度を大幅に改善できます。

Q. マルチバースという会社はどんな企業ですか? A. AI軽量化技術を持つ米国のスタートアップ企業です。複数のAIモデルに対応できる汎用性が特徴で、企業価値は2026年中に10億ドルを超える見込みと報じられています。

Q. なぜ丸紅がAI軽量化に注目しているの? A. 金融・製薬・自動運転などの機密性が高い業種は、外部クラウドでなく自社サーバーでAIを運用したいニーズがあります。丸紅はそういった企業への展開を見込み、アジア市場も含めてサービス提案を検討しています。

Q. データセンターの電力問題は私たちの生活に影響しますか? A. 国全体の電力需要増につながるため、長期的には電気料金や環境負荷に影響する可能性があります。AI軽量化の普及は、そうした負荷を抑えるひとつの手段として注目されています。

Q. この技術はすべてのAIに使えますか? A. 現時点では、内部構造が公開されているオープンソース型のAIモデルにしか適用できません。ChatGPTのような学習を継続更新するクローズドなモデルには対応していないのが課題です。


まとめ

生成AIは急速に賢くなっている反面、その裏側では大量の電力が消費されています。

AIモデルを「軽量化」することで処理に必要な電力を削減する技術が注目を集めており、丸紅が米スタートアップのマルチバースと組んでその技術を日本市場へ展開しようとしています。

データセンターの消費電力を5〜8割削減できるという数字は、企業にとっても社会にとっても大きなインパクトです。

富士通など国内勢も独自の軽量化技術を開発しており、AI効率化の競争は今後さらに熱くなりそうです。

「AIは便利だけど電気を食う」という矛盾を解消する技術が広まることで、私たちが使うAIサービスの持続可能性も少しずつ改善されていくかもしれません。

テクノロジーの話は難しく感じることも多いけれど、電気代や環境問題という形で、確実に日常生活ともつながっています。

こうした動向をゆるやかに追いかけていくと、ニュースの見え方が少し変わってくると思いますよ。



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