📌 この記事が30秒でわかる!3行まとめ
- ナフサ自体は米国・アルジェリア・ペルーからの代替調達で年越し分が確保されている
- 問題は「ナフサ→中間材料→製品」という複数段階の工程にある”詰まり”で、原料があっても製品にならない
- 過剰発注・買い占めがさらに混乱を拡大させており、普段どおりの購買が最善の対策

「ナフサの供給は年を越えて確保できる」というニュースを見て、「じゃあもう安心ね」と思った人も多いんじゃないかな。
でも同時に、こんなニュースも流れています。「塗料メーカーが出荷調整を開始」「原材料の調達部隊が毎日深夜まで交渉している」と。
え、確保できてるのに足りないってどういうこと?
その「矛盾に見えるなぞ」を、今日はすっきり解きほぐしてみます。
そもそもナフサって何?私たちの生活とどうつながってる?

原油から生まれる「万能素材」
ナフサは、原油を精製するときに取り出される液体のことです。「粗製ガソリン」とも呼ばれますが、車に入れるガソリンとはちがいます。
このナフサが、石油化学工業の世界では「原料の王様」とも言える存在。
加熱・分解されることで、エチレンやプロピレンといった物質に変わり、そこからさらに加工されて、私たちの日常にある「あらゆるもの」になっていきます。
知らず知らずに「ナフサ由来」を使っている
身の回りにあるナフサ由来の製品を挙げてみると、こんな感じです。
- 食品・野菜を包む包装フィルム
- ペットボトルや容器などのプラスチック製品
- 車や自転車のタイヤ
- 壁や家具を塗る塗料・シンナー
- 衣類や家具などの合成繊維・合成樹脂
つまり、ナフサが滞ると、日常生活のあらゆる場所で影響が出てくるんです。
ホルムズ海峡封鎖が引き金に
日本が輸入するナフサの大部分は、中東を経由するホルムズ海峡を通ってきていました。
米国とイランの軍事衝突によりこの海峡が事実上封鎖され、中東からの輸入量が前年比で4割以上も減少しました。
ホルムズ海峡問題の詳しい背景については、こちらの記事で丁寧にまとめています。 → ホルムズ海峡が機雷で封鎖中!日本のガソリン代・物価への影響はどうなる?
「確保できてる」のに「足りない」ってどういうこと?

「ナフサ」と「製品」のあいだには長い工程がある
ここが今回の記事でいちばん大事なポイントです。
「ナフサを確保できた」=「日用品が棚に並ぶ」ではない、ということ。
原料のナフサがあっても、そこから製品になるまでには、こんなステップが必要です。
- ナフサを分解してエチレン・プロピレンなどに変える(基礎化学品)
- それをさらに加工してポリエチレンや塗料の主成分などに変える(中間材料)
- 中間材料を組み合わせて最終製品にする(完成品)
ナフサが確保できたのは、あくまで「1」のスタート地点。「2」や「3」の工程に必要な材料やパーツがひとつでも欠けると、製造がストップしてしまうんです。
「トルエン」「キシレン」という名前を覚えておこう
たとえば塗料やシンナーには、「トルエン」「キシレン」という化学物質が主要な材料として使われています。
これらはナフサを分解・精製する過程でつくられる中間材料ですが、今回の混乱のなかで流通が詰まってしまっています。
塗料を作るには複数の化学物質を配合する必要があるため、1種類でも入手できないと製造できません。まるでカレーを作るのに、玉ねぎだけ売り切れていたら作れないのと同じ感覚です。
在庫水準が低い品目で「詰まり」が起きている
現時点で1.8カ月分ある中間材料の在庫と合わせると、ナフサ由来の化学品全体は年越し分が確保できるとされています。
ただし、すべての中間材料が均等にストックされているわけではありません。在庫水準が低いものや、流通経路が複雑な製品を中心に、調達不安による「詰まり」が起きています。
「原料はあるのに作れない」「材料があるのに届かない」。そんな状況が、現場では続いているんです。
私たちの暮らしに、何が影響してくる?

まず影響が出やすいのは塗料・シンナー系
現時点で最も影響が出ているのが、塗料・シンナー系です。
主要材料のトルエンやキシレンが逼迫しているため、国内の塗料メーカーの一部で出荷調整が始まっています。
住宅のリフォームやDIY、自動車の板金修理などに使われる塗料・シンナーは、これから入手が難しくなったり、価格が上がったりする可能性があります。
プラスチック製品・包装材への波及
食品の包装フィルム、ペットボトル、プラスチック容器といった製品にも、今後影響が広がる可能性があります。
ただ、これらは比較的在庫が確保されているものも多く、「今すぐ棚から消える」という状況ではありません。中長期的に価格が上がる可能性のほうが現実的です。
タイヤ・合成ゴムは今のところ安定
車のタイヤや合成ゴム製品については、現時点では大きな供給不安は報じられていません。在庫水準が比較的高いためです。
ただし状況は日々変わるので、引き続き情報は追っていく必要があります。
ガソリン価格への影響については、こちらの記事も参考にしてみてください。 → 【速報解説】ホルムズ海峡封鎖でガソリン値上げはいつから?価格反映の時期と家計への影響・備蓄の真実
政府は何をしているの?備蓄と代替調達の実態

「半年分」から「年越し」へアップデート
4月30日、首相官邸で開かれた中東情勢に関する関係閣僚会議で、高市首相はナフサ供給の見通しについて説明しました。
当初「半年以上」としていた供給めどを、「年を越えて継続できる」と上方修正。中東以外からの代替調達がうまく機能しはじめているのが理由です。
代替調達先は「米国・アルジェリア・ペルー」
日本が新たに調達先として確保したのは、米国・アルジェリア・ペルーなどの非中東産ナフサです。
代替調達の量は、情勢が緊迫化する前の水準と比べておよそ3倍に増える見込みとのこと。また、備蓄原油を使った国内精製も組み合わせて対応しています。
気になる品質の差については、「問題なく製造できる」(東ソー)という大手化学メーカーのコメントも出ており、代替品でも製品への影響は少ないとされています。
「過剰発注はやめて」という異例の呼びかけ
会議では、首相が関係閣僚に対して「前年同月同量を基本とした調達をしてもらうよう、徹底的な周知・広報を進めてほしい」と指示する場面もありました。
これは、一部の事業者が供給不安から必要以上に多く発注し、流通が詰まっている問題に対応したものです。
政府レベルで「過剰発注をやめて」と呼びかけるのは異例のこと。それだけ現場の混乱が深刻だということの裏返しでもあります。
「パニック発注」がさらに状況を悪化させる仕組み

コロナ禍のトイレットペーパー騒動と同じ構造
「足りなくなるかもしれない」という不安が広がると、本来必要な量より多く買おうとする動きが起きます。これは心理的にはとても自然なことです。
でも、全員が同じことをすると、本当に足りなくなる。コロナ禍のトイレットペーパー騒動と、まったく同じ構造です。
今回のナフサ問題でも、一部の事業者が過剰発注・買い集めを進めた結果、品薄状態が加速してしまっています。
「目詰まり」という言葉が示すもの
この問題で政府や業界がよく使う「目詰まり」という言葉。水道管のなかに詰まりが生じると、水は存在しているのに出てこない状態になりますよね。
ナフサの問題もそれと同じで、原料やある程度の在庫はあるのに、流通の工程で詰まって届かない状態が起きているんです。
誰かが「念のため多めに」と動くたびに、その詰まりはどんどん大きくなっていきます。
私たちにできること:「普段どおり」が最善策
個人レベルで今すぐできる一番の対策は、「普段どおりの購買を続ける」ことです。
今すぐ塗料を大量に買い込んだり、プラスチック容器をまとめ買いしたりする必要はありません。
ニュースを冷静に追いながら、本当に必要な量だけを必要なタイミングで買う。それが、状況の悪化を防ぐためにも、自分の家計のためにも、いちばん賢い選択です。
ガソリン・電気代など家計全般への影響と防衛策については、こちらもどうぞ。 → 【速報解説】ホルムズ海峡封鎖でガソリン値上げはいつから?価格反映の時期と家計への影響・備蓄の真実
Q&A よくある疑問に答えます
Q. ナフサは確保できているのに、なぜ日用品が足りなくなるの?
A. ナフサが確保できるのは「原料の入口」の話です。そこから製品になるまでには複数の工程があり、途中の「中間材料」の流通が詰まっていると、原料があっても最終製品が作れません。今回はトルエン・キシレンなどの中間材料の調達が滞っているのが根本原因です。
Q. 塗料はもう買えなくなるの?
A. 現時点では「買えない」状況ではなく、「一部メーカーが出荷調整中」という段階です。価格の上昇や入手しにくくなる可能性はありますが、今すぐパニックになって大量購入する必要はありません。
Q. 食品の包装に影響はある?
A. 可能性としてはゼロではありませんが、現時点で食品包装への直接的な深刻な影響は出ていません。中長期的に価格が上がる可能性のほうが現実的です。
Q. 代替調達のナフサは品質が劣るの?
A. 大手化学メーカーは「問題なく製造できる」としています。ナフサは産地によって成分に差がありますが、製造工程で調整が可能とされており、品質への影響は少ないとされています。
Q. 個人でできる備えはある?
A. 日常的なリフォームや作業で塗料・シンナーを使う予定があるなら、必要な量を早めに揃えておくのは合理的です。ただし「不安だから大量に」は逆効果なので、必要量の範囲内で計画的に動くのがおすすめです。
まとめ
「ナフサが確保できているのに足りない」という矛盾の答えは、製造工程の複雑さと中間材料の流通詰まりにありました。
原料の入口が開いていても、途中の工程で詰まれば出口は開かない。水道管と同じ構造です。
政府は代替調達先を3倍に拡大し、年越し分のナフサ確保にめどをつけました。でも製造現場では、まだ毎日深夜まで材料を探し続けているという現実もあります。
私たちが今できることは、冷静に情報を見極めて、パニック購買に加担しないこと。「普段どおり」が、実はいちばん強い対策なんです。
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