3行まとめ
- 宮崎駿監督は台湾・九份について「訪れたことはなく、モデルにした事実はない」と公式に否定しています。
- 公式・有力な参考地は道後温泉本館、江戸東京たてもの園(子宝湯・武居三省堂)、渋温泉金具屋、四万温泉積善館など日本国内5箇所です。
- 千と千尋の世界は1箇所のモデルではなく、複数の実在する風景を組み合わせて作られています。
ねえ、聞いて。「千と千尋の神隠しって台湾の九份がモデルなんでしょ?」って、私も長いことそう思い込んでたんだけど、実はこれ、宮崎駿監督本人がはっきり否定してるって知ってた?
最初にこの話を知ったとき、「え、じゃあ今まで九份で写真撮ってた人たちは何だったの」って思わずつぶやいちゃったくらい。でも調べてみたら、単に「デマでした、終わり」では片づけられない、もっと面白い理由が隠れてた。今日はその「本当のところ」を、一次情報ベースで整理していくね。
千と千尋のモデルは台湾・九份じゃない?
結論から言うと、スタジオジブリおよび宮崎駿監督は、九份を『千と千尋の神隠し』のモデルにしたという説を公式に否定している。台湾の観光メディアやガイドブックでは今でも「油屋のモデル」「湯屋通りのモデル」として紹介され続けているけれど、これは制作側の公式見解とは食い違っている。
九份説はどこまで広まっているのか数えてみた
私が驚いたのは、九份説の浸透具合。台湾の主要な観光ガイド・旅行ブログ・SNS投稿では、九份の紹介文に「千と千尋の神隠し」というワードがほぼセットで登場する。私が把握できただけでも、公式・有力な参考地として案内されている候補は日本国内に5箇所(道後温泉本館、江戸東京たてもの園内の子宝湯、同じく武居三省堂、渋温泉の金具屋、四万温泉の積善館)ある。それに対して台湾側の「公式に認められた」候補は0件。数字だけ見ても、九份だけが突出して有名になっている構図が見えてくる。
私が最初にこの否定発言を知ったときの感想
正直、最初は「え、そんなはっきり否定してるの?」と半信半疑だった。有名すぎる話だから、てっきり制作側も黙認しているものだと思っていたから。
宮崎駿は「九份を訪れたことがない」と否定

台湾メディア(TVBS等)の公式インタビューにおいて、宮崎駿監督は「九份を訪れたことはなく、モデルにしたという事実はない」と直接コメントしている。これは噂やファンの又聞きではなく、監督本人の発言として報道されたものだ。
発言の重みを整理してみた
この否定発言が重要なのは、単に「行ったことがない」という事実確認にとどまらないから。ジブリ作品はロケハンを重視する制作スタイルで知られていて、実際に足を運んだ土地を作品に落とし込むことが多い。裏を返せば、「訪れたことがない場所」を意図的にモデルにするというのは、宮崎監督の創作スタイルとしてはむしろ考えにくい。
私はここを読んで、「なるほど、だからこそ公式に否定する意味があったんだ」と腑に落ちた。
それでも九份がモデルと言われるようになった理由

じゃあ、なぜこれほどまでに九份説が広まったのか。宮崎監督が否定しているのに、である。
見た目の類似点を洗い出してみた
私が現地の写真と作中カットを見比べて感じたのは、次のような共通点。
- 山の斜面に沿って重なるように建つ家並みと石段
- 夜になると灯る赤い提灯や軒下の明かり
- 細く曲がりくねった坂道と、入り組んだ路地
- 山と海の両方を見渡せる立地の非日常感
これらは確かに「油屋のある不思議な町」の雰囲気とよく似ている。ただし、これは「似ている」という感覚的な一致であって、宮崎監督が実際に取材した記録とはまったく別の話だ。似ている場所とモデルにした場所は、必ずしもイコールではない。
私なりに考えた「広まった経路」
私の推測だけど、九份説が広まった背景には、1990年代末の台湾での日本統治時代建築の観光地化ブームと、2001年公開の『千と千尋の神隠し』が同時期に世界的ヒットになったタイミングの重なりも影響していそう。「アジアの異国情緒あふれる坂の町」というイメージが先に人々の頭にあり、そこに大ヒット作のビジュアルが重なって、口コミで定着していったのではないかと思う。
千と千尋の本当のモデル・参考地はどこ?

では公式に近い、実際の参考地はどこなのか。ここからは日本国内の候補を見ていこう。
候補地を全部リストアップしてみた
私が調べた範囲で、公式または有力な参考地として名前が挙がっているのは以下の場所。
| 候補地 | 都道府県 | 関連する作中要素 |
|---|---|---|
| 道後温泉本館 | 愛媛県 | 油屋の重層的な木造建築 |
| 子宝湯(江戸東京たてもの園) | 東京都 | 銭湯建築の意匠 |
| 武居三省堂(江戸東京たてもの園) | 東京都 | 釜爺の部屋の薬棚のモデル |
| 渋温泉 金具屋 | 長野県 | 温泉旅館の構造・赤い橋 |
| 四万温泉 積善館 | 群馬県 | 温泉旅館の構造・赤い橋 |
数えてみると、公式・有力候補地は合計5箇所、都道府県にして4つ(愛媛・東京・長野・群馬)にまたがっている。そのうち実際に中に入って見学・体験できる場所は3箇所(道後温泉本館、子宝湯、武居三省堂)で、残り2箇所(金具屋・積善館)は宿泊すれば内部を体感できる。九份のような単一の観光地に集約できる話ではなく、複数の土地の記憶がミックスされているというのが実態に近い。
モデル地巡りのルートを組んでみた
もし実際に「モデル地巡り」をするなら、地理的な離れ具合も知っておいたほうがいい。愛媛県の道後温泉、東京都の江戸東京たてもの園、長野県の渋温泉、群馬県の四万温泉は、いずれも新幹線や飛行機を使っても1日で回りきれる距離ではない。私が調べた限りでは、4県すべてを効率よく巡ろうとすると、最低でも2〜3泊は見ておいたほうが現実的だ。九份のように「1エリアに全部詰まっている」わけではないからこそ、旅程を組む楽しさもあると思う。
道後温泉は油屋のモデルなの?
道後温泉本館は、油屋の重層的な木造建築構造の参考地として、もっとも頻繁に言及される場所のひとつだ。
建物の特徴を照らし合わせてみた
道後温泉本館は明治27年(1894年)建築の、3階建ての木造建築。増改築を繰り返しながら複雑に入り組んだ構造になっていて、この「継ぎ足されてきた複雑さ」が、油屋の増築された巨大建築のイメージと重なるとされている。
ただし、ここで注意したいのは「モデルにした」という表現の強さ。公式資料でも「参考にした」「イメージソースの一つ」という表現にとどまっており、「道後温泉=油屋そのもの」と断定できるほどの一次資料は確認できていない。私はこのあたりの表現の温度差は、記事を読むときにも意識しておくべきだと感じている。
実際に入浴できる現役の温泉施設という点も見逃せない
道後温泉本館は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも登場したことで知られる、日本でも屈指の歴史を持つ共同浴場だ。映画のセットのように「見るだけ」の場所ではなく、今も現役の入浴施設として営業を続けている。私が調べていて意外だったのは、油屋のモデル候補とされる建物の中で、実際に体験として「中に入って湯につかれる」場所はここくらいしかないということ。展示物として保存されている江戸東京たてもの園とは、体験できる中身がまったく違う点も押さえておきたい。
江戸東京たてもの園には「あの世界」のヒントがある

東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」は、歴史的建造物を移築・保存した野外博物館で、ここに保存されている建物が公式に参考地として言及されている。
園内の具体的なモデル建築を確認してみた
- 銭湯「子宝湯」…油屋を思わせる湯屋建築の意匠
- 「武居三省堂」(文房具店)…釜爺の部屋にある薬棚のモデルとされる
この2棟については、道後温泉よりも「モデル」という表現に近い形で紹介されることが多い。宮崎駿監督が実際にこの博物館を訪れ、スケッチをしたという経緯も伝えられている。私としては、九份よりもこちらのほうがずっと「答え合わせ」に近い場所だと感じた。
移築保存という成り立ちが面白い
江戸東京たてもの園がユニークなのは、建物そのものが「元々そこにあった」わけではなく、都内各所から解体・移築されて集められている点。子宝湯はもともと足立区にあった銭湯で、武居三省堂も別の場所にあった文房具店だ。バラバラの場所から集められた建物が1つの敷地に並ぶことで、結果的に「いろんな時代・いろんな場所の記憶が1箇所に凝縮された空間」になっている。これは私の感想だけど、この成り立ち自体が、複数の風景をコラージュして1つの町を作るジブリの手法とどこか重なって見える。
金具屋や積善館はモデルなの?
長野県の「渋温泉 金具屋」と群馬県の「四万温泉 積善館」も、千と千尋のイメージソースとしてよく名前が挙がる温泉旅館だ。
「公式認定」と「有力説」の違いを整理してみた
ここは誤解しやすいポイントなので、私なりに整理しておきたい。
- 「公式に制作側が言及した参考地」…道後温泉本館、江戸東京たてもの園(子宝湯・武居三省堂)
- 「イメージソースとして言及・紹介されている場所」…渋温泉 金具屋、四万温泉 積善館
金具屋や積善館は、独特の木造建築や赤い橋など、作中の雰囲気と共通する要素を持つ旅館として広く知られているけれど、「公式モデル地」と「イメージが似ている場所」を同じ強さで語ってしまうと、情報として不正確になる。私が今回一番気をつけたのはこの部分だった。
今も宿泊できる旅館だからこそ体験に強い
金具屋も積善館も、いずれも現役で営業している温泉旅館。展示施設ではなく実際に宿泊できるという点は、道後温泉本館と同じく「体験できるモデル候補地」の強みだと思う。私は、もし九份よりもこちらを目的地に選ぶ人が増えたら、それはそれで作品の楽しみ方として理にかなっていると感じている。実際に泊まって朝晩の建物の表情を見比べてみると、赤い橋や重なり合う屋根のシルエットが、写真で見るよりも印象に残るはずだ。
実はジブリの世界に「唯一のモデル」はない

ここまで見てきてわかるのは、千と千尋の世界は「ここが正解」という単一のモデル地を持つ作品ではないということだ。
ジブリの制作スタイルを振り返ってみた
宮崎駿監督や高畑勲監督の制作スタイルとして知られているのは、特定の1箇所をそのまま描き写すのではなく、複数の実在する風景や建築、記憶の断片を組み合わせて、ひとつの架空の世界を再構成する手法。今回調べた千と千尋の舞台も、まさにこのパターンに当てはまる。
道後温泉の重層建築、江戸東京たてもの園の銭湯、いくつかの温泉旅館の意匠——それぞれが部分的に油屋という架空の建物を形づくるパーツになっている、と考えるとしっくりくる。私は最初「モデル地はどこか1つに絞られるはず」と思っていたけど、この記事を書きながら、その前提自体が違っていたことに気づかされた。
まとめ|九份はモデルではない。でも似て見えるのも納得
まとめると、宮崎駿監督本人が「九份を訪れたことはなく、モデルにした事実はない」と公式に否定している一方で、九份には作中の雰囲気と似た要素(山肌の家並み、赤い提灯、坂道)が確かに存在する。
つまり「九份はデマ」と切り捨てるのも違うし、「九份が正解」と信じ込むのも違う。実際の参考地は道後温泉本館や江戸東京たてもの園、複数の温泉旅館など、日本国内の複数の場所にまたがっている。もし次に旅行先を考えるなら、「モデル地巡り」として道後温泉や江戸東京たてもの園を訪ねてみるのも面白いと思う。私はこの記事を書き終えて、今度は九份じゃなくて道後温泉に行ってみたくなった。
よくある質問

Q. 千と千尋の神隠しのモデルは台湾の九份で合っていますか?
いいえ、宮崎駿監督本人が公式インタビューで「九份を訪れたことはなく、モデルにした事実はない」と否定しています。似ている点はありますが、公式なモデルではありません。
Q. なぜ九份が千と千尋のモデルだと言われるようになったのですか?
山肌に沿った家並みや赤い提灯、坂道の雰囲気が作中の油屋の情景と似ていたため、口コミやガイドブックを通じて広まったと考えられています。
Q. 千と千尋の本当のモデル地はどこですか?
愛媛県の道後温泉本館、東京都の江戸東京たてもの園(子宝湯・武居三省堂)が公式に近い形で言及されている参考地です。
Q. 道後温泉本館は油屋そのもののモデルですか?
「参考にした」「イメージソースの一つ」とされていますが、「道後温泉=油屋」と断定できるほどの資料はありません。重層的な木造建築という構造の共通点が指摘されています。
Q. 江戸東京たてもの園には何があるのですか?
銭湯建築の「子宝湯」と、釜爺の部屋の薬棚のモデルとされる文房具店「武居三省堂」が移築・保存されています。
Q. 渋温泉の金具屋や四万温泉の積善館も公式モデルですか?
これらは「イメージソースとして言及されている場所」であり、道後温泉や江戸東京たてもの園ほど「公式モデル」と強く言い切られているわけではありません。
Q. 千と千尋にはモデル地が1箇所だけあるのですか?
いいえ、複数の実在する建築や風景を組み合わせて架空の世界を作るのがジブリ作品の制作スタイルとされています。1箇所に絞り込める話ではありません。
Q. 九份に行くのは意味がないのでしょうか?
そんなことはありません。公式モデル地ではなくても、独特の雰囲気を持つ魅力的な観光地であることに変わりはありません。
Q. 宮崎駿監督はいつ九份を否定したのですか?
台湾メディア(TVBS等)のインタビューで発言したと報じられています。具体的な放送・掲載年月日については本記事では確認できた範囲での紹介にとどめます。
Q. モデル地を実際に旅行で回ることはできますか?
道後温泉本館は入浴可能な温泉施設として、江戸東京たてもの園は入場料を払えば見学できる野外博物館として、それぞれ一般に公開されています。
おすすめアイテム
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参考・出典
- スタジオジブリ公式サイト(場面写真提供ページ)
- 台湾メディア各社報道(宮崎駿監督インタビュー関連)
- 江戸東京たてもの園 公式情報(子宝湯・武居三省堂)
- 道後温泉本館 公式情報
※本記事の情報は執筆時点のものです。内容は予告なく変更されることがあります。
