一方で海外では解約制限や資金流出への警戒も広がっており、仕組みとリスクを知ることが大切です。
この記事では、ファンド融資の基本から日本への影響まで、初心者にもわかりやすく整理します
最近、ちょっと気になるお金のニュースが飛び込んできました。
「プライベートクレジット」という聞き慣れない言葉が、じわじわと話題になっています。
富裕層のあいだで人気が急上昇しているこの投資信託。なんと残高がたった1年で2.5倍にまで膨らんだというんです。
でも同時に、海外では「解約できない」「損が出た」という声も広がっていて……。
正直、名前を聞いただけでは何のことやらわからない。でも「これ、自分には関係ない話だよね?」と片づけてしまうのは、ちょっと早いかもしれません。
今日はそんなプライベートクレジット投信について、できるだけわかりやすく、一緒に見ていきましょう。

そもそも「プライベートクレジット」って何?
銀行を通さない融資の仕組み
プライベートクレジットとは、ひとことで言うと「銀行を通さない融資」のこと。
通常、中小企業がお金を借りたいとき、まず銀行に頼みますよね。
でも銀行には厳しい審査があって、担保が少ない会社や規模が小さい会社は、なかなか融資してもらえません。
そこに登場するのが、投資ファンドなどのノンバンク(銀行以外の金融機関)です。
銀行の代わりにお金を貸す役割を担うのが「プライベートクレジット」の仕組みで、その資金を多くの投資家から集めるのが「プライベートクレジット投信」というわけです。
なぜ2008年以降に広まったのか
このしくみが普及したきっかけは、2008年のリーマンショックでした。
あの金融危機のあと、銀行に対する規制がぐんと厳しくなりました。
銀行は以前ほど自由にリスクを取れなくなり、中堅・中小企業への融資を絞りはじめたんです。
その「銀行が空けたすき間」に、ファンド勢が入り込んだ。これがプライベートクレジットの出発点です。
IMFのデータによると、2024年時点でプライベートクレジットファンドの運用総資産は約2兆ドルにのぼります。
かなりの規模ですよね。
日本での普及の流れ
日本でも少しずつ広まってきましたが、急拡大したのはここ1〜2年のこと。
5年前の残高はわずか30億円規模でした。それが2025年2月時点では約7500億円。
もはや桁が違います。
なぜここまで増えたのか。そこには「日本ならでは」の事情があります。
国内残高が1年で2.5倍になった理由
低金利時代が生んだ高利回りニーズ
日本は長らく「超低金利」の時代が続いてきました。
普通預金の金利はほぼゼロ。国債もそれほど利回りがよくない。
そんな状況で「もっとお金を増やしたい」と思う富裕層にとって、高い利回りが期待できるプライベートクレジット投信は魅力的な選択肢に映ったのでしょう。
換金しにくい代わりに、上場株などよりも高めの利回りを提供しているのが特徴です。
ブラックストーン・GSが牽引
国内で最も残高が多いのは、アメリカの超大手投資ファンド「ブラックストーン」が手がける投信で、残高は約3100億円。
主に大和証券を通じて販売されています。
2番手はゴールドマン・サックス系の投信で、野村証券が販売。残高は約1900億円。
この上位2本だけで、国内残高の3分の2ほどを占めています。
野村・大和といった大手証券が、富裕層向けの「資産運用の補完商品」として積極的に提案してきた結果でもあります。
富裕層向けの最低数百万円という敷居
とはいえ、気軽に手を出せるものではありません。
最低投資金額は数百万円以上のものがほとんど。
「上場株とは別の運用先を探している」資産家向けの商品です。
解約のルールも独特で、四半期(3ヶ月)に1度しか解約できない仕組みになっています。
いつでも売れる株や投信とは、根本的に異なる商品設計です。
海外では何が起きているの?
ソフトウェア業界への懸念「SaaSの死」
ここからが、少し不安になる話です。
プライベートクレジット投信の主な融資先は、ソフトウェア業界の中堅・中小企業です。
担保が少なく銀行から融資を受けにくいこうした会社に、ファンドがお金を貸してきました。
でも最近、そのソフトウェア業界に大きな不安の影が差しています。
生成AI(人工知能)の急速な普及が、業務ソフトのビジネスモデルを根底から揺るがしているんです。
「SaaSの死」という言葉がじわじわと使われるようになってきました。
SaaSとは、月額課金型のクラウドソフト(代表例はOffice365やSlackなど)のこと。
AIが人間の作業を自動化してしまえば、そういったソフトの必要性が薄れる——そんな懸念が広がっています。
トランプ政権の経済政策をめぐる不透明感も重なり、投資家の心理が揺れています。市場の動きが気になる方は、こちらの記事も参考になりますよ。 → TACOの意味は?トランプ「TACOトレード」から最新タコス(スマッシュ・ビリア)まで一気に解説
大手ファンドが解約制限に踏み切ったワケ

懸念が広がる中、海外の富裕層を中心に「解約したい」という動きが加速しています。
対応に追われたのは大手ファンドたちです。
ブルー・アウル・キャピタルやアポロ・グローバル・マネジメントなど、名だたる投資会社が解約制限に踏み切りました。
ブラックストーンが運営する個人向けファンド「BCRED」は、2025年3月に四半期の払い戻し上限を通常の5%から引き上げ、過去最高となる約7.9%相当の解約に応じました。
これは「解約したい人がそれだけ多かった」ことの裏返しでもあります。
BDC株価が3割下落した現実
さらに具体的な数字を見ると、状況の深刻さが伝わってきます。
「BDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)」という投資法人の形態があります。
四半期ごとに解約できるタイプで、一部は証券取引所にも上場しています。
KKRが運営する上場BDCの株価は、昨年末比で約3割も下落しました。
3割というのは、かなりのインパクトです。
日本はまだ大丈夫?当局の動きは

今のところ「安定的」という証券会社の声
気になるのは「日本への影響」ですよね。
2025年2月時点では、日本国内で大規模な解約は起きていません。
大和証券は「解約動向に特段の偏りや急激な増加は確認されておらず、全体として安定的に推移している」とコメント。
3月には全購入者を対象に説明会も開催しています。
野村証券も「特段の混乱や著しい解約は発生していない」と説明しています。
今のところは落ち着いているようです。
金融庁が調査を開始した背景
でも、当局が何もしていないわけではありません。
金融庁は、海外での混乱を受けて銀行や生命保険会社への調査を始めました。
国内への影響を早期に把握するためです。
「問題が起きてから動く」ではなく、「問題が広がる前に把握する」という姿勢は、むしろ安心材料と言えるかもしれません。
自民党が「情報不足」と指摘
2025年4月10日、自民党金融調査会がプライベートクレジットに関連する国内状況を金融庁などからヒアリングしました。
金融庁は影響について「限定的」と説明しましたが、議員からは「情報収集が十分でない」との指摘も出ています。
国会レベルでも注目されているということは、決して「他人事」ではない話だということです。
世界経済の大きな出来事が日本に波及する流れは、過去にも何度も繰り返されてきました。最近の出来事をまとめた記事も、ぜひ参考にしてみてください。 → 2025年 10大ニュース|昭和100年の節目を振り返る
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普通の私たちにどう関係する?
投資の透明性という見えにくいリスク
「自分は数百万円も投資できないし、関係ない」と思った方もいるかもしれません。
でも少し待ってください。
プライベートクレジット投信は機関投資家にも広まっていて、たとえば生命保険会社や銀行も運用に組み込んでいることがあります。
そのお金の出どころは……そう、私たちが払っている保険料や預金だったりするわけです。
さらに「投資対象の情報の透明性が低い」というリスクも指摘されています。
株のように毎日価格がわかるわけではなく、中に何がどれくらい入っているか、外からは見えにくい。それがこの商品の特徴であり、リスクでもあります。
高利回りの裏に潜む換金の難しさ
「年利〇%!」という数字はわかりやすく魅力的に映ります。
でも高い利回りには、必ず理由があります。
プライベートクレジット投信の場合、その理由のひとつが「換金しにくさ」です。
急にお金が必要になっても、解約できるのは四半期に1度。
しかも「解約上限5%」というルールがあるため、解約申込が殺到すれば全員分には応じてもらえません。
「いざとなったら売ればいい」という発想が通用しない商品設計になっています。
知っておきたい「解約上限5%」のルール
もう少し具体的に説明しますね。
たとえば残高が3000億円のファンドなら、1四半期に解約できるのは最大で150億円分(5%)です。
それを超える解約申込があった場合、按分(あんぶん)といって、申込金額に応じて按分されます。
全額解約できないケースもあり得るということです。
「宝くじと同じで、当たるかどうかはわからない」とは言いませんが、思ったタイミングで現金化できない点はしっかり理解しておく必要があります。
お金との付き合い方は、常に「知識」が守ってくれます。身近なお金のことを楽しく知りたい方はこちらも読んでみてください。 → 【2026】バレンタインジャンボ当選番号発表結果
知っておきたいニッチな視点

「SaaS」ってそもそも何?なぜ危ないの?
プライベートクレジットの融資先として名前が挙がった「SaaS」。
Software as a Serviceの略で、インターネット経由で使うサブスク型のソフトウェアのことです。
Googleドライブ、Zoom、Slack、Notionなど、日常的に使っているものも多いですよね。
これらのサービスは「月額○○円払えばずっと使えます」というビジネスモデルで安定した収益を上げてきました。
でも生成AIが進化すると、「それ、AIにやってもらえばよくない?」となる業務がどんどん増えてきます。
結果として、SaaS企業の収益が落ち込む——という懸念が「SaaSの死」という言葉に込められているんです。
日本とアメリカの温度差はなぜ?
海外では解約ラッシュが起きているのに、なぜ日本は落ち着いているのでしょう。
いくつか理由が考えられます。
- 販売チャネルが証券会社に限られている:日本では大和・野村など限られた証券会社が窓口。個人投資家への直接販売が少なく、情報が届きにくい
- まだ歴史が浅い:日本での普及は最近のこと。長期保有を前提にした投資家が多い
- リテラシーの問題:プライベートクレジットの詳細を理解している投資家がまだ少ない
良くも悪くも「知らないから動かない」という面があるかもしれません。

Q&A
Q. プライベートクレジット投信は誰でも買えるの?
A. 基本的には富裕層向けの商品で、最低投資金額は数百万円以上のものがほとんどです。野村証券や大和証券の口座が必要で、一般的な少額投資向けではありません。
Q. 損することはあるの?
A. あります。融資先の企業が経営破綻したり、業績が悪化した場合、元本割れのリスクがあります。高利回りの商品はリスクも高いと覚えておきましょう。
Q. 私の保険や預金は大丈夫?
A. 現時点では金融庁が「影響は限定的」としています。ただし生命保険会社や銀行の一部がこうした商品に投資している可能性はあります。気になる方は各社のIR情報などを確認してみてください。
Q. 「SaaSの死」って本当に起きるの?
A. 専門家の見方は分かれています。AIに代替されやすい業務は確かに増えていますが、SaaSビジネス全体が消えるわけではないという意見もあります。ただ、融資先の業績に影響が出る可能性は否定できません。
Q. 日本でも解約ラッシュは起きる?
A. 今のところは安定していますが、海外の動向次第では日本にも波及する可能性はゼロではありません。金融庁が調査を進めており、今後の情報に注目です。
まとめ

プライベートクレジット投信について、改めて整理しておきます。
- 何か:銀行を通さない融資をまとめた投資信託
- なぜ増えた:低金利時代に高利回りを求める富裕層のニーズ
- 海外の状況:ソフトウェア業界への懸念から解約ラッシュが発生
- 日本の状況:今のところ安定。金融庁が調査中
- 一般への影響:直接関係ない人も、保険・銀行を通じた間接的な関わりがある可能性
「関係ない」と思っていたお金の話が、じつは身近なところとつながっていることって、けっこう多いですよね。
知識があるだけで「なんとなく不安」から「状況を見守る」に変わる。
それだけでも、少し心が楽になれる気がします。
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正直なところ、プライベートクレジット投信みたいな話って、
「なんとなく難しそう」「ちょっと怖いかも…」って感じるよね。
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