この記事の3行まとめ
- 2026年11月5日、鳥羽水族館のキラが18歳で死亡し、国内で飼育されるラッコはメイ(22歳)1頭になりました
- メイに目立った変化はなく、展示とライブ配信は中止中で、再開の時期は未定です
- 122頭から減った背景は、海外から迎えにくいこと・繁殖が続かなかったこと・高齢化が重なったためと考えられます
2026年11月5日、鳥羽水族館のラッコ「キラ」が18歳で亡くなり、日本国内で飼育されているラッコは、同じ水族館のメス「メイ」(22歳)1頭になりました。現在、ラッコの展示とライブ配信は中止されています。
ここでいう「1頭」は、水族館などで飼育されているラッコの数です。北海道の海などにいる野生のラッコが1頭になったという意味ではありません。
ニュースでは「国内で1頭になった」という事実が中心に伝えられますが、「なぜここまで減ったのか」までは分かりにくいと感じた方も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。この記事では、鳥羽水族館の公式発表を土台にして、キラの最期とメイの現在、そして1994年の122頭から減ってきた背景を、できるだけ落ち着いて整理します。
日本のラッコがついに1頭に!キラが18歳で死亡

鳥羽水族館の公式発表によると、メスのラッコ「キラ」は2026年11月5日午前10時40分に亡くなりました。これにより、国内で飼育されるラッコは、メイ1頭だけになっています。
2026年11月5日、鳥羽水族館で何が起きた?
公式発表では、キラは18歳で、推定される死因は呼吸不全による心肺停止とされています。詳しい内容は鳥羽水族館の公式発表で確認できます。
報道によると、この日は午前7時ごろにキラにけいれんの症状が出て、治療室で保温や酸素吸入、投薬などの処置が行われました。それでも容体は戻らず、午前10時40分に息を引き取ったと伝えられています。
それ以前の経過も、報道では次のように紹介されています。
- 2026年8月ごろから、足腰の運動機能の低下が見られた
- 秋に入ってからは、体重の減少もはっきりしてきた
- 鳥羽水族館が体調不良を公表し、展示とライブ配信を中止した
キラは2008年に和歌山県のアドベンチャーワールドで生まれ、2021年に鳥羽水族館へ移ってきた個体として紹介されています。
キラの死因は?病理検査の結果はまだ未発表
現時点で公表されている死因は、あくまで「推定」です。呼吸不全による心肺停止というのは、最期の時点で体に何が起きたかを示す言葉であり、「なぜそうなったのか」という根本の原因まで示すものではありません。
詳しい原因は、今後の病理検査などで調べられる予定とされています。検査の結果が公表されるまでは、年齢や足腰の不調との関係も含めて、原因を決めつけることはできません。私も、続報が出るまでは憶測を重ねないようにしたいと思っています。
最後までキラらしく過ごした日々
報道によると、担当の飼育員は、亡くなる前日にも横になった姿勢のままごはんを食べ、いらなくなると首を横に振るような様子を見せていたと話しています。最後までキラらしい姿だった、という趣旨のコメントです。
最期のときは、担当の飼育員と、同じ水槽で暮らしてきたメイが近くにいたと伝えられています。なお、鳥羽水族館は献花や供物を辞退する方針で、哀悼の気持ちを伝える場として、館内にメッセージボードを設ける予定だと報じられています。
国内最後のラッコ「メイ」は今どうしている?

公式発表では、メイに目立った変化は見られず、スタッフによる観察とケアが続けられています。一方で、展示は中止されたままです。
メイは22歳、現在の体調について公式発表は?
メイは2004年5月9日に鳥羽水族館で生まれた、現在22歳のメスです。体調については、現時点の公式発表の範囲では「目立った変化はない」という説明にとどまります。
ラッコは野生では「ラフト」と呼ばれる群れで休む、社会性の高い動物として知られています。そのため、1頭になった飼育環境がどうなるのかを気にかける声もあります。ただ、メイの気持ちや今後の体調を、外から決めつけることはできません。どんなケアが行われているかは、公式の続報を待つのが確実です。
鳥羽水族館でメイに会える?展示とライブ配信の再開予定
結論から言うと、今はメイに会うことはできず、再開の時期も決まっていません。展示と配信の中止についてのお知らせが公式に出ています。
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| ラッコの展示 | 中止中 |
| ラッコのライブ配信 | 停止中 |
| 再開の時期 | 未定 |
| 問い合わせ | 電話やメールでの直接の問い合わせは控えるよう呼びかけ(11月1日のお知らせ) |
再開の見通しは、公式サイトやSNSで案内されるはずです。お出かけの予定を立てる前に、最新のお知らせを確認してください。
メイとキラの性格や得意技の違い
2頭の人柄ならぬ「ラッコ柄」は、公式のプロフィールで紹介されています。詳しくはメイとキラのプロフィールをご覧ください。
| メイ | キラ | |
|---|---|---|
| 生まれ | 2004年5月9日・鳥羽水族館 | 2008年・アドベンチャーワールド |
| 年齢 | 22歳 | 18歳(2026年11月5日に死亡) |
| イメージ | 好奇心旺盛と紹介されてきた | マイペースな姿が愛されてきた |
| 有名な行動 | イカの切り身を目がけて跳び上がる「イカミミジャンプ」 | 飼育員とのやりとりが話題に |
メイという名前は、母親のポテトにちなんで、ジャガイモの品種「メークイン」から付けられたと紹介されています。
なぜ日本のラッコは122頭から1頭に減ったのか?

減った理由は、ひとつではありません。新しいラッコを海外から迎えにくくなったこと、国内の繁殖が続かなかったこと、そして残った個体が高齢になったことが、重なったと考えられています。
理由① 海外から新しいラッコを迎えにくくなった
日本でのラッコ飼育は、1982年に静岡県の水族館がアメリカ由来の個体を迎えたところから始まったとされています。その後は海外からの導入で頭数が増えましたが、資料によると、アメリカからの導入は1990年代の終わりごろに途絶え、ロシアからの導入も2000年代の初めに終わったとされています。
外から新しい個体が来なくなると、国内にいる個体で数を保つしかありません。この「迎えにくさ」の中身は、次の章で詳しく整理します。
理由② 国内での繁殖が難しかった
1984年には鳥羽水族館で国内初の繁殖に成功し、ラッコ人気が広がるきっかけになりました。ところがその後、世代を重ねるうちに繁殖が続きにくくなったと言われています。
理由として挙げられることがあるのは、次のような点です。
- 血のつながりが近い個体が増え、ペアの組み合わせが限られた
- ラッコは出産後の子育てに、人の手による手厚いケアが必要になることがある
- 個体の移動に伴うストレスが大きく、繁殖どころではなくなるケースがあった
ただし、どれが決定的な原因だったのかを、ひとつに断定できる材料はありません。飼育下で本来の行動が薄れたという指摘もありますが、それが確定した原因だとまでは言えません。
理由③ 高齢化と飼育環境の維持が課題に
迎える個体が減り、繁殖も続かなければ、残った個体は年を重ねていきます。2025年1月4日にはマリンワールド海の中道のオス「リロ」(17歳)が亡くなり、国内で飼育されるラッコはメス2頭になりました。そして今回のキラの死で、メイ1頭になった、という流れです。
また、ラッコは冷たい水温に保った水槽や、毛の状態を守るための水質管理が欠かせず、エサの量も多いため、飼育を続ける施設の負担は大きいという指摘もあります。ただ、費用は施設によって違うため、具体的な金額はここでは触れません。
1994年の122頭から現在までの推移を数字で整理してみた
国内の飼育数が最も多かったのは1994年で、122頭が飼育されていました。報道では、約28の施設に分かれていたとされています。確かな節目をまとめると、次のとおりです。
| 年 | 出来事 | 国内の飼育数 |
|---|---|---|
| 1982年 | 静岡県の水族館で国内初の飼育が始まる | 数頭からスタート |
| 1984年 | 鳥羽水族館で国内初の繁殖に成功 | 増加傾向 |
| 1994年 | 飼育数が最も多かった年 | 122頭 |
| 2025年1月4日 | オスの「リロ」が死亡 | 2頭 |
| 2026年11月5日 | キラが死亡 | 1頭(メイのみ) |
途中の年の頭数は資料によって数え方に幅があるため、この表では確認できる節目だけに絞りました。
私も減少のスケールを実感したくて、計算してみました。
- 減少率:(122頭-1頭)÷122頭=約0.992、つまり約99.2%の減少
- 年平均:121頭÷32年(1994年から2026年)=約3.8頭
平均すると毎年3〜4頭ずつ減ってきた計算ですが、実際の減り方は年によって違います。あくまで規模をつかむための目安として見てください。
ラッコは輸入禁止?海外から連れてこられない本当の理由
「条約で完全に禁止されているから、もう連れてこられない」と言われることがありますが、そこまで言い切れるものではありません。実際には、輸出する側の国の法律や方針、受け入れの条件が大きな壁になっていると指摘されています。
ワシントン条約とアメリカの海洋哺乳類保護法の違い
よく混同される2つの決まりを、違いで整理します。
| ワシントン条約(CITES) | アメリカの海洋哺乳類保護法(MMPA) | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 絶滅のおそれがある野生生物の国際取引を規制する条約 | 1972年に作られたアメリカの国内法 |
| ラッコの扱い | 種としては附属書II、一部の亜種は附属書Iとされる | 海洋哺乳類の捕獲や輸出入などを厳しく規制 |
| 取引の可否 | 附属書IIは、輸出国の許可など手続きを踏めば取引できる仕組み | 展示目的で他国に移すハードルが高いとされる |
つまり、ワシントン条約だけで「完全輸入禁止」になっているわけではありません。ただ、アメリカ側の法律や運用が厳しく、実務上は迎えにくい状況が続いていると考えられます。
保護されたラッコを日本で飼育することはできる?
アメリカには、けがや親とのはぐれで保護され、野生に戻すのが難しいと判断された個体が施設で暮らしている例があります。理屈の上では、こうした個体を日本が受け入れる道もあり得ます。
ただし、移す際に繁殖を制限する条件が付くと指摘されることがあり、日本側では動物福祉をめぐる考え方の違いも課題になるとされています。これがすべてのケースに当てはまるわけではなく、個別の審査や調整が必要です。さらに、長距離の輸送による動物への負担や、受け入れる施設の設備も考えなければなりません。
私が調べた範囲では、2026年11月時点で、輸入が再開に向けて動いているという具体的な公表は確認できませんでした。
実は北海道に野生のラッコがいる!水族館との違いは?

水族館で1頭になった一方で、北海道東部の海では野生のラッコが確認されています。飼育数の話と野生の話は、分けて考える必要があります。
霧多布岬などで確認されている野生ラッコ
野生のラッコが確認されているのは、道東の浜中町・霧多布岬や根室半島の周辺などです。千島列島の方面から来たと考えられ、2016年ごろから霧多布岬に定着し、子どもを含めて10頭前後が確認されたと報じられています。年や調査によって数字は異なります。
観察に行く場合は、双眼鏡などで距離を保って静かに見守るのが基本です。浜中町では鑑賞のための自主ルールが案内されているので、出かける前に確認してください。
野生のラッコを捕獲して飼育することはできる?
結論として、できません。野生のラッコは、鳥獣保護管理法や、ラッコとオットセイの猟を取り締まる法律(臘虎膃肭獣猟獲取締法)によって守られており、許可なく捕まえることは認められていません。
加えて、地元ではウニやカニなどの漁業との間で摩擦も報じられていて、保護と共存のバランスは簡単ではありません。野生の個体を水族館へ移すという考え方は、現実的ではないと言えます。
ラッコの飼育はなぜ難しい?食事量と毛皮の秘密
ラッコは、体の仕組みそのものが寒い海で暮らすために特化しています。そのぶん、水族館で飼うには、食事と水質に細かい配慮が必要になります。飼育についての基本的な疑問は、鳥羽水族館のラッコFAQにも載っています。
毎日体重の20〜25%ものエサを食べる理由
ラッコは、厚い皮下脂肪を持つアザラシなどと違い、体を温め続けるために大きなエネルギーを使います。そのため、一般に1日に体重の20〜25%ほどのエサを食べると言われています。
たとえば体重20kgの個体なら、20kg×0.2〜0.25で、1日に4〜5kgほどという計算になります(あくまで計算例です)。2021年に発表された研究では、筋肉の細胞が熱を作り出す仕組みを持つことも報告されており、高い代謝を支えていると考えられています。
寒い海で生きるための驚くべき仕組み
ラッコの毛はとても密で、1平方センチメートルあたり約10万本と紹介されることがあります。毛と毛の間に空気をため込むことで、冷たい水から体を守っています。
この空気の層は、汚れや油分がつくと弱まってしまいます。だからこそ、水質をきれいに保つことや、ラッコ自身の毛づくろいが欠かせません。飼育の難しさは、この毛を守る環境づくりとも深く結びついています。
日本の水族館からラッコがいなくなる可能性は?

国内で飼育されているのがメス1頭である以上、将来的に国内でラッコを見られなくなる可能性は否定できません。ただし、「飼育数がゼロになる」と決まっているわけではなく、公式な見通しも示されていません。
今後、新たに飼育が始まる可能性
新たにラッコを迎えるには、海外から個体を受け入れられるかどうか、受け入れる施設の設備や体制が整うか、関係する国や機関との調整がつくか、といった条件が重なる必要があります。
日本動物園水族館協会や鳥羽水族館が、今後の飼育の方針を示したという情報は、私が調べた範囲では見当たりませんでした。見通しは、いまは誰にも断言できない状態です。
私たちにできること
悲しいニュースだからこそ、落ち着いてできることを選びたいと思います。たとえば、次のような行動です。
- 鳥羽水族館の公式サイトとSNSで、最新のお知らせを確認する
- 電話やメールでの問い合わせ、献花や贈り物は控え、設置予定のメッセージボードを待つ
- 展示が再開したときは、観覧のルールに従って静かに見守る
- 野生のラッコに会いに行くときは、距離を保つなどの自主ルールを守る
- 確認できていない話を、事実のように広めない
まとめ|国内最後の1頭となったメイを見守るために
2026年11月5日、鳥羽水族館のキラが18歳で亡くなり、国内で飼育されるラッコはメイ(22歳)1頭になりました。展示とライブ配信は中止されていて、再開の時期は決まっていません。
122頭から減った背景には、海外から迎えにくくなったこと、繁殖が続かなかったこと、高齢化といった事情が重なっていました。輸入できない理由も、「条約で完全禁止」というより、国ごとの法律や受け入れの条件が絡み合っていると考えられます。
大切なのは、公式の発表を待ちながら、メイを静かに見守ることだと私は思います。続報が出たら、この記事も更新していきます。
よくある質問

Q. キラの死因は何ですか?
公式発表での推定死因は、呼吸不全による心肺停止です。詳しい原因は、今後の病理検査などで調べられる予定で、結果はまだ公表されていません。
Q. 日本のラッコは本当に1頭だけですか?
はい、国内で飼育されているラッコは、鳥羽水族館のメス「メイ」(22歳)1頭です。北海道などにいる野生のラッコの数とは別の話です。
Q. メイの体調は大丈夫ですか?
公式発表では、現時点で目立った変化は見られず、スタッフが観察とケアを続けているとされています。今後の様子は公式の発表を確認してください。
Q. 鳥羽水族館でメイにはいつ会えますか?
ラッコの展示は中止されていて、再開の時期は未定です。お出かけ前に公式サイトで最新のお知らせを確認してください。
Q. ラッコのライブ配信は再開しますか?
配信も停止中で、再開の時期は決まっていません。再開が決まれば、公式から案内があるはずです。
Q. なぜ日本のラッコは122頭から減ったのですか?
新しい個体を海外から迎えにくくなったこと、国内の繁殖が続かなかったこと、残った個体が高齢になったことなどが重なったと考えられています。ひとつの原因に絞ることはできません。
Q. ラッコは輸入禁止なのですか?
「完全に禁止」と言い切れるものではありません。ただ、輸出する国の法律や運用、受け入れの条件が厳しく、実際には迎えにくい状況だと指摘されています。
Q. ワシントン条約でラッコの輸入が禁止されているのですか?
ワシントン条約は国際取引を規制する条約ですが、ラッコは種として附属書IIとされ、手続きを踏めば取引できる仕組みです。条約だけで輸入が完全に禁止されているとは言えません。
Q. 北海道の野生ラッコを水族館に連れてこられませんか?
できません。野生のラッコは鳥獣保護管理法や臘虎膃肭獣猟獲取締法で守られており、許可なく捕獲することは認められていません。
Q. 日本からラッコの飼育がなくなるのですか?
国内の飼育がメイ1頭である以上、将来的に見られなくなる可能性は否定できませんが、ゼロになると決まっているわけではありません。今後の方針は公式発表を待つ必要があります。
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参考・出典
- 鳥羽水族館「ラッコ「キラ」について(公式発表)」
https://aquarium.co.jp/261105.html - 鳥羽水族館「ラッコの展示とライブ配信の中止について」
https://aquarium.co.jp/topics/261103/ - 鳥羽水族館「メイとキラのプロフィール」
https://aquarium.co.jp/seaotter/may-kira-profile.html - 鳥羽水族館「ラッコのよくある質問」
https://aquarium.co.jp/seaotter/pages/faq/ - 毎日新聞・読売新聞・産経新聞ほか、2026年11月の報道各社の記事
※本記事の情報は2026年11月5日時点の公式発表と報道に基づく内容です。今後の発表により変わることがあります。
