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デジタル遺言はいつから?スマホで作れる新制度と今できること

デジタル遺言はいつから使える?スマホで遺言を書く女性のイメージ

📌 この記事が30秒でわかる!3行まとめ

  • 新しい「デジタル遺言(保管証書遺言)」は2026年6月に成立したけど、まだ利用開始されていない
  • スマホのメモやAIで作った文章だけでは、今も将来も正式な遺言にはならない
  • 急ぎで遺言を残したい人は、自筆証書遺言書保管制度や公正証書遺言など今の制度から選ぶのが安心

2026年8月現在、「保管証書遺言」という新しいデジタル遺言はまだ利用開始されていません。法律が成立しただけで、施行はこれからです。スマホのメモやLINE、AIで作った文章も、それだけでは正式な遺言にはなりません。この記事では「今もう使えること」と「まだ使えないこと」を、わたし目線で整理します。

目次

デジタル遺言はいつから使える?

デジタル遺言 いつから使えるか法改正のスケジュールを確認する様子

結論から言うと、2026年6月に成立した「保管証書遺言」は、公布から最長3年以内(つまり遅くとも2029年6月ごろまで)に施行される予定です。でも、まだ具体的な日付は決まっていません。私、最初にニュースを見たとき「もう始まったのかな?」って早合点しちゃったんですけど、実は「国会で決まったこと」と「実際に使えること」って全然違うんですよね。

今できること・まだできないこと一覧

頭を整理するために、私なりに表にしてみました。

制度 状況(2026年8月現在) 利用可否
自筆証書遺言(手書き) 現行法のまま ⭕利用できる
自筆証書遺言書保管制度 2020年7月〜運用中 ⭕利用できる
公正証書遺言(対面・条件付きリモート) 現行法のまま/2025年10月〜リモート方式も条件付きで利用可 ⭕利用できる
自筆証書遺言の押印廃止 成立・未施行 ❌今は押印必須
保管証書遺言(デジタル遺言) 成立・未施行 ❌未利用
死亡危急時遺言の録音・録画 成立・未施行 ❌未利用

こうして並べると、「もう使える制度」と「これから使える制度」がはっきり分かれるのが一目瞭然です。

「成立」と「施行」を混同しない

法律の世界では、①法案が国会を通る「成立」、②官報に載る「公布」、③実際に効力を持つ「施行」の3段階があります。今回の改正民法(令和8年法律第45号)は2026年6月17日成立・6月24日公布ですが、内容ごとに施行時期がバラバラなんです。

  • 自筆証書遺言の押印廃止:公布から1年以内→未施行
  • 保管証書遺言(デジタル遺言):公布から3年以内→未施行
  • 死亡危急時遺言の録音・録画:公布から1年以内→未施行

私は「1つの改正だから一斉に始まる」と思い込んでいたんですが、実際は制度ごとに準備期間が違うと知って驚きました。

私も実際に施行スケジュールを整理してみた

「最長3年以内」と言われてもピンと来なかったので、公布日を起点に自分で数えてみました。

公布日:2026年6月24日

押印廃止・録音録画の施行期限:公布から1年 → 2027年6月24日まで

保管証書遺言の施行期限:公布から3年 → 2029年6月24日まで

つまり、押印廃止は遅くとも1年以内、保管証書遺言はそこからさらに2年先まで幅がある計算です。私はてっきり同じタイミングで全部始まると思っていたので、「押印廃止の方が先に来る可能性が高いんだ」と分かって少し安心しました(ハンコを押す作業がなくなるだけでも、家族が代筆を疑われるリスクは減りそうですし)。逆に言えば、保管証書遺言についてはまだ3年近く待つ可能性もある、ということです。

スマホでの手続きイメージ

新しい保管証書遺言は、パソコンやスマホで遺言内容をテキスト入力し、法務局へ送信。その後、法務局の遺言書保管官と対面またはウェブ会議で本人確認・口述を行うことで成立する見込みです。手書き作業がまるごとなくなるのは大きな変化だなと感じます。

2026年8月現在、スマホだけで遺言は作れない

スマホ 遺言のメモ画面を見て困った表情を浮かべる女性

結論、今スマホだけで作った文章は、いかなる形でも法律上の遺言にはなりません。私も最初は「メモアプリに書いておけば十分じゃない?」と思っていたので、これは強く伝えたいポイントです。

スマホのメモは遺言になる?

自筆証書遺言は「全文・日付・氏名を自書し、押印する」ことが要件です。スマホのメモ帳に「全財産を妻に」と打っても、手書きではないので現行法では無効。将来、保管証書遺言が施行されれば法務局を通した正式な手続きとして有効になりますが、それまでは単なるメモに過ぎません。

LINE・Word・PDFならどう?

LINEでのメッセージ送信、Wordで作った文書を印刷しただけのもの、PDF化した文章も同じく無効です。唯一の例外は、自筆証書遺言に添付する「財産目録」だけはパソコン作成や通帳コピーの添付が2019年の改正から認められています。本文はあくまで手書きが必要です。私、この財産目録の例外を知らずに「え、じゃあ全部パソコンでいけるんじゃないの?」と勘違いしていました。

公正証書遺言なら今すぐオンライン相談もできる

「じゃあ完全にオンラインでは何もできないの?」というと、そうでもありません。公正証書遺言は2025年10月から、要件を満たし公証人が相当と認めた場合にWeb会議(リモート方式)で作成できるようになっています。誰でも無条件に使える方式ではありませんが、足腰が弱くて公証役場に行きづらい方には心強い選択肢です。ただし条件や必要な機材はけっこう細かいので、検討する場合は事前に公証役場へ問い合わせるのが確実です。

新しい「保管証書遺言」とは?

保管証書遺言の新制度をパソコンで調べる女性の様子

読んで字のごとく、法務局に「保管される証書」としての遺言です。名称が似ている既存の「自筆証書遺言書保管制度」とは中身がまったく違います。

パソコン・スマホ入力が可能になる

利用者はパソコンやスマホでテキストを入力し、法務局のシステムへ送信。マイナンバーカード等での本人認証を経て、遺言書保管官の前で口述確認をすることで完成します。全文手書きの負担がゼロになるのが最大のメリットです。

今ある自筆証書遺言書保管制度との違い

現行の自筆証書遺言書保管制度(2020年7月〜運用中)は、あくまで「紙に手書きした遺言書」を法務局が預かってデータ化する仕組み。遺言書そのものは手書きが必須です。一方、新しい保管証書遺言は入力の時点からデジタルで完結します。手数料は現行制度が3,900円ですが、新制度の金額はまだ未定です。

自筆証書遺言書保管制度(現行) 保管証書遺言(新制度・未施行)
作成方法 紙に手書き PC・スマホ入力
保管 法務局 法務局
手数料 3,900円 未定
利用開始 2020年7月〜 最長2029年6月まで未定

AIで遺言書を作れば有効になる?

AI 遺言書アプリの画面をスマホで確認する女性

私が一番「へえ!」と思ったのがここ。AIアプリで作った文章そのものには、法的効力が一切ないんです。

AIユイゴンWell-Bは草案作成ツール

「AIユイゴンWell-B」のようなアプリは、AIとの対話で財産や家族構成を整理し、遺言の「草案(下書き)」を作ってくれるサービスです。あくまで下書きなので、これを自筆証書遺言にするなら全文を手書きで写す必要がありますし、公正証書にするなら公証人のチェックを経る必要があります。

ChatGPTやGeminiで作った文章はそのまま使える?

そのままでは使えません。私も試しにAIに「妻に50%、長男と長女に25%ずつ相続させる遺言文を作って」と頼んでみたことがあるのですが、AIは弁護士法72条(非弁行為の禁止)に触れないよう、断定的な法的アドバイスを避けて出力するように設計されています。そのため「遺留分を侵害しているのでは」といった具体的な指摘まではしてくれないことが多いです。財産の書き方も「自宅を妻に」のような曖昧な表現になりがちで、実際の登記手続きには地番や口座番号までの特定が必要になります。AIの文章は下書きとして使い、最終チェックは専門家に任せるのが安心です。

AIが間違えやすいポイントを整理してみた

私が気になって調べた範囲では、AIが遺言の草案作成でつまずきやすいポイントは主に3つありました。

  1. 不動産の特定:「自宅を妻に」ではなく「〇〇市〇〇町1丁目2番の土地(地番・家屋番号)」まで書かないと登記できない
  2. 預貯金の特定:「〇〇銀行の預金」ではなく「〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇」まで必要
  3. 遺留分への配慮:割合を決めるだけで、他の相続人が請求してくるリスクまでは踏み込んで警告してくれないことがある

こうして並べてみると、AIは「文章を整える」のは得意でも、「登記や相続の実務に耐える精度」まではカバーしきれていないんだなと感じました。デジタル資産(ネット銀行や暗号資産)を持っている方は特に、口座情報の書き方を専門家と一緒に確認した方が安心です。パスワードそのものを遺言書に直接書くのはセキュリティ上おすすめできないので、口座情報だけ遺言に残し、パスワードは別の場所で管理するのが基本です。

デジタル遺言を待つべき?今作るならどの方法?

公正証書遺言と自筆証書遺言の資料を見比べる女性

「じゃあ新制度が始まるまで待った方がいいの?」と聞かれたら、私は「今すぐ必要な人は待たなくていい」と答えます。保管証書遺言の施行は最長2029年6月まで見込まれていて、その間に何かあったら遺言そのものが残せません。

方式 特徴 向いている人
自筆証書遺言 手書き必須・費用ゼロ 財産がシンプルで急ぎたい人
自筆証書遺言書保管制度 手書き+法務局保管(3,900円) 紛失・改ざんが心配な人
公正証書遺言 公証人が関与し最も確実 家族がもめそう・高額財産がある人

私が調べていて意外だったこと

正直に言うと、私は「公正証書は敷居が高い」という先入観を持っていました。でも実際には、2024年(令和6年)の遺言公正証書作成件数は過去最高の128,378件だったそうです。思っていたよりずっと多くの人が利用していると知り、印象が変わりました。一方で、日本の遺言作成率自体は推計約9%にとどまっていて、アメリカ(40〜50%)やイギリス(50〜60%)と比べるとまだまだ低いというデータもあります。「遺言=資産家だけのもの」というイメージが、意外と作成のハードルを上げてしまっているのかもしれません。

費用感も並べてみた

「結局いくらかかるの?」が気になったので、費用だけを横に並べ直してみました。

  • 自筆証書遺言:紙代・封筒代程度でほぼ無料。ただし紛失・改ざんのリスクは自分で管理する必要あり
  • 自筆証書遺言書保管制度:3,900円。法務局が原本を預かってくれるので紛失の心配が減る
  • 公正証書遺言:財産額によるが数万円〜十数万円程度。公証人が関与するため形式ミスによる無効リスクがほぼない

私は最初「公正証書は高いから避けたい」と思っていたのですが、無効になるリスクや家族の負担を考えると、財産が多い人ほど公正証書の方が結果的に安心につながりそうだと感じました。

遺言を書けば家族は絶対にもめない?

正直に言うと、遺言書があってももめるときはもめます。私がリサーチしていて驚いたのは、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割トラブルのうち、遺産5,000万円以下のケースが全体の約76%を占めているというデータです(うち1,000万円以下だけでも33.1%)。「うちは財産が少ないから大丈夫」とは言い切れないんですよね。

遺留分(法律で最低限保障された相続分)を無視した内容にすると、死後に他の相続人から請求される可能性があります。そこで役立つのが「付言事項」。法的な効力はありませんが、「なぜこの配分にしたのか」という気持ちを書き添えることで、残された家族が納得しやすくなります。私だったら、感謝の言葉を添えるだけでも全然違うだろうなと思いました。

遺言がない場合はどうなるのか

もし遺言を残さないまま亡くなると、相続人全員で「遺産分割協議」を行う必要があります。一人でも反対する人や連絡が取れない人がいると、預金口座の凍結が解除できず、不動産の名義変更も進められません。私はこれを知って、「うちは家族の仲がいいから大丈夫」と思っていても、手続き上のハードル自体はゼロにならないんだなと実感しました。

認知症の家族がいる場合も注意が必要です。認知症と診断されていても遺言が直ちに無効になるわけではなく、作成した時点での「事理弁識能力(遺言能力)」があるかどうかが判断基準になります。体調のいい時間帯を選んだり、医師の診断書を用意したりすることで、有効な遺言として認められる可能性があります。

デジタル資産も忘れずに整理を

ネット銀行や証券口座、暗号資産を持っている方が増えていますが、これらは家族が存在に気づかないと、そのまま引き出せず塩漬けになってしまう可能性があります。相続税の申告義務は資産の存在自体にかかるため、パスワードが分からず口座にアクセスできなくても、税金だけは発生してしまうケースがあるのだそうです。私はこれを知って、「お金があるのに家族が困る」という状況が一番もったいないなと思いました。口座の存在だけでもエンディングノートや財産目録にまとめておくと安心です。

おひとりさまや子どもがいない夫婦も要注意

子どもがいない場合、相続人が「配偶者だけ」になるとは限りません。親や兄弟姉妹にも相続権があるため、配偶者が全財産を受け取れず、疎遠な親族との遺産分割協議が必要になるケースがあります。私はこれを知って、「子どもがいないから遺言はいらない」どころか、むしろ子どもがいない世帯こそ遺言の必要性が高いんだと考えを改めました。甥や姪との関係、寄付や友人への遺贈を考えている場合も、遺言がなければ実現できません。

まとめ|デジタル遺言は「始まった」ではなく「これから始まる」

2026年8月現在、「保管証書遺言」はまだ利用できません。法律が成立したことと、実際に使えることは別物です。スマホのメモやAIで作った文章そのものには法的効力がなく、あくまで下書きとして使うのが正解。今すぐ遺言が必要な人は、自筆証書遺言書保管制度や公正証書遺言といった現行の方法から選ぶのが安心です。制度の進捗はこれからも変わっていくので、法務省や日本公証人連合会の公式発表を定期的にチェックしていきたいですね。

よくある質問

デジタル遺言はいつから使える?スマホで遺言を書く女性のイメージ

Q. デジタル遺言はいつから使えるようになりますか?

2026年6月に成立した「保管証書遺言」は、法律上は公布から最長3年以内(遅くとも2029年6月ごろまで)に施行される見込みですが、具体的な開始日はまだ決まっていません。

Q. スマホのメモ帳に書いた遺言は有効ですか?

無効です。現行法の自筆証書遺言は全文の手書きが必須で、メモアプリの入力はこの要件を満たしません。

Q. LINEで送った遺言のメッセージは効力がありますか?

ありません。LINEのメッセージやWord・PDFファイルも、手書き要件を満たさないため現行法では無効です。

Q. AIユイゴンWell-Bのようなアプリで作った遺言はそのまま使えますか?

使えません。AIが作るのはあくまで草案(下書き)で、自筆証書遺言にするなら手書きで清書し、公正証書にするなら公証人のチェックを経る必要があります。

Q. ChatGPTやGeminiで遺言の文章を作ってもらってもいいですか?

下書き作りには活用できますが、そのまま清書して提出すると財産の特定不足や遺留分への配慮不足で無効・トラブルの原因になり得ます。最終的なチェックは専門家に依頼するのが安心です。

Q. 新しい保管証書遺言と今の自筆証書遺言書保管制度は何が違いますか?

現行の保管制度は「紙に手書きした遺言書」を法務局が預かる仕組みです。新しい保管証書遺言は、入力そのものをパソコンやスマホで行い、手書きが一切不要になる点が大きく違います。

Q. デジタル遺言の施行を待つべきですか?

急ぎで遺言を残したい方は待つ必要はありません。施行は最長2029年6月ごろまで見込まれており、その間の空白期間に備えて自筆証書遺言書保管制度や公正証書遺言を今のうちに検討するのがおすすめです。

Q. 遺言書があれば家族は絶対にもめませんか?

もめないとは言い切れません。遺産5,000万円以下のケースでもトラブルは全体の約76%を占めています。遺留分に配慮し、付言事項で気持ちを伝えることが争いを防ぐ助けになります。

Q. 死亡時通知(指定者通知)とはどんな仕組みですか?

自筆証書遺言書保管制度を使うと、遺言者が亡くなった際に指定した最大3名へ法務局から自動で通知が届く無料の仕組みです。発見漏れを防げるので安心材料になります。

Q. 今すぐ遺言を作るなら、どの方法がいちばんおすすめですか?

急ぎでシンプルな内容なら自筆証書遺言書保管制度、家族がもめそう・財産が多い場合は公正証書遺言がより確実です。将来の保管証書遺言はまだ利用できないため、現行制度から選ぶ必要があります。

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参考・出典

  • 日本公証人連合会「Web会議を利用した公正証書の作成の流れについて」
    https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250922.html
  • 日本公証人連合会「2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!」
    https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250908-2.html
  • 日本公証人連合会「Q7.公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?」
    https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02/2-q13
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
  • 法務省「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)関連資料
  • 最高裁判所「令和6年 司法統計年報(家事編)」

※本記事の情報は執筆時点(2026年8月15日)のものです。制度の詳細は今後変更される場合があるため、実際の手続きにあたっては公証役場・法務局・専門家にご確認ください。

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