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イコールアース図法とは?メルカトル図法との違いと日本の見え方

イコールアース図法とメルカトル図法についてよくある質問への回答

この記事で30秒でわかること

  • イコールアース図法は「面積の比率」を正確に表す地図で、2018年に発表された比較的新しい図法
  • アフリカ大陸は実はグリーンランドの約14倍、日本の約80倍もの大きさがある
  • メルカトル図法が間違いなのではなく、地図は目的によって使い分けるもの

「ねえ、これ見た? 国連で世界地図の描き方が変わったらしいよ」——そんなニュースを見て、私も最初は「え、地図って変わるものなの?」と驚きました。

2026年9月4日、国連総会で「イコールアース図法」という地図の使用を促す決議案が採択されたことが話題になっています。この記事では、イコールアース図法がそもそも何なのか、これまでおなじみだったメルカトル図法と何が違うのか、そして日本やアフリカがどう見えるようになるのかを、隣で地図を広げながら説明するみたいに、できるだけかみ砕いてお伝えします。

結論を先に言うと、イコールアース図法は「世界の面積の比率を、実際の地球に近い形で正しく表す地図」です。これまでのメルカトル図法では、高緯度にある国ほど実際より大きく描かれてしまうクセがあり、その結果アフリカ大陸が本来よりも小さく見えていました。「正しい・間違い」の話ではなく、「何を見るための地図か」という視点で捉えると、ぐっと理解しやすくなります。

今回の話題の発端は、2026年9月4日に開かれた国連総会で、イコールアース図法など、面積を正確に表す図法の利用を促す決議案が採択されたと報じられたことです。提案を主導したのは西アフリカのトーゴなどアフリカ諸国で、背景には2026年2月にアフリカ連合(AU)がイコールアース図法の採用を正式に決定していたという経緯があります。地図の話が国連の議題になるというだけでも、私にとっては新鮮な驚きでした。

目次

イコールアース図法とは?まず30秒でわかる結論

イコールアース図法とは何かを示す世界地図のイラスト

面積の比率を正しく表す「正積図法」

イコールアース図法は、地球上のどの場所であっても、実際の面積の比率をできるだけ正確に保つように設計された地図です。専門的には「正積図法(せいせきずほう)」と呼ばれるジャンルに属します。

つまり、地図の上でアフリカ大陸が日本の何倍の面積で描かれているかが、現実の面積比とほぼ一致するということです。私はこの仕組みを知ったとき、「地図って、見た目の美しさだけじゃなく、何を正確に保つかで種類が分かれるんだ」と、単純に驚きました。

2018年に作られた比較的新しい世界地図

イコールアース図法は、実は今回の国連決議のために新しく作られたものではありません。2018年に、Bojan Šavrič氏、Tom Patterson氏、Bernhard Jenny氏という3人の研究者によって発表された、比較的新しい図法です。

開発のきっかけも興味深いものでした。2017年、アメリカ・ボストンの公立学校が、面積を正確に表す目的で「ガル=ピーターズ図法」という別の図法を採用したのですが、この図法は大陸の形が縦に間延びしたように歪んでしまい、見た目の不自然さが話題になりました。「面積は正確なのに、見た目が不格好」という不満から、美しさと正確さを両立させる図法として生まれたのがイコールアース図法だったのです。

見た目の部分では、広く親しまれてきた「ロビンソン図法」に似た、丸みを帯びた自然なシルエットを参考にしています。ロビンソン図法は見た目のバランスが良い反面、面積は厳密には正確ではない「妥協図法」でした。イコールアース図法は、そのロビンソン図法のような自然な外観を保ちながら、面積の正確さもきちんと数学的に成立させている、という点が最大の工夫だと私は感じました。

イコールアース図法とメルカトル図法の違い

イコールアース図法とメルカトル図法を並べて比較したイメージ

まずは、2つの図法の違いを表で整理してみます。

比較項目 イコールアース図法 メルカトル図法
面積 実際の面積比を正確に表す 高緯度ほど大きく表示される
形・角度 地域によって歪む 局所的な角度を保つ
距離 正確ではない 正確ではない
得意な用途 面積比較、人口・気候などの分布図 航海、Web地図、経路案内
主な弱点 周辺部などで形が歪む 高緯度地域の面積が誇張される

こうして並べてみると、どちらの図法にも「得意なこと」と「苦手なこと」があるのが分かります。イコールアース図法は面積が得意、メルカトル図法は角度が得意。優劣ではなく、役割分担なんですね。

そもそも、球体である地球の表面を、丸めずに平らな1枚の紙やスクリーンに写し取ろうとすると、必ずどこかにひずみが生じてしまいます。これは地図学の世界では古くから知られている数学的な制約で、面積・形・距離・角度のすべてを同時に完璧に保つ地図は存在しません。だからこそ、「何を優先して正確にするか」で図法の種類が分かれているのです。この前提を知っているだけで、ニュースで新しい地図が紹介されるたびに一喜一憂せずに済むようになる気がしています。

アフリカはグリーンランドの約14倍ある

これ、ちょっと驚きませんか? 実際のアフリカ大陸の面積は約3,037万平方キロメートル、一方グリーンランドは約216万平方キロメートルです。単純に計算すると、アフリカはグリーンランドの約14倍もの大きさになります(3,037÷216≈14.06)。

ところが、メルカトル図法の世界地図では、この2つがほぼ同じくらいの大きさに描かれてしまいます。理由は、メルカトル図法が角度を正しく保つために、北極や南極に近い高緯度の地域を実際よりも大きく引き伸ばして描く性質を持っているからです。グリーンランドは高緯度にあるため、この「引き伸ばし効果」を強く受けて、実際より何倍も大きく見えていたというわけです。

つまり、「アフリカが新しい地図で大きくなった」のではなく、「もともとの面積比に近い姿で、ようやく正しく表示されるようになった」というのが正確な言い方になります。

アフリカは日本の約80倍ある

自分の国と比べると、スケール感がもっとつかみやすくなります。日本の国土面積は約37.8万平方キロメートル。これをもとに計算すると、アフリカは日本の約80倍(3,037÷37.8≈80.3)、グリーンランドは日本の約5.7倍(216÷37.8≈5.71)にもなります。

正直、私は「日本の80倍」と聞いて、頭の中の世界地図のイメージがガラッと変わりました。普段見慣れているメルカトル図法の地図では、アフリカがそこまで巨大な大陸だという実感が湧きにくかったんだと思います。

イコールアース図法では日本はどう見える?

イコールアース図法で描かれた日本列島のイメージ

世界地図の中心によって日本の歪み方が変わる

イコールアース図法には、「地図の中心から離れるほど、周辺部で形が斜めに歪みやすい」という特徴があります。これは地球という球体を無理やり平面に広げている以上、避けられない性質です。

一般的なグリニッジ(経度0度)中心の世界地図では、日本は地図の右端(極東)に位置するため、この周辺部特有の歪みの影響を受けやすくなります。一方、日本を中心(東経150度あたり)に据えたイコールアース図法であれば、日本は地図の中央付近に来るため、周辺部特有の斜めの歪みは軽減されます。

私が調べていて面白いと思ったのは、Equal Earthの公式サイトには、あらかじめ日本を中心にした地図も用意されているという点です。地図の「どこを真ん中にするか」だけで、見え方の印象がこんなに変わるとは思っていませんでした。

イコールアース図法の縦横の比率は、1対2.05程度になるように設計されていて、これはロビンソン図法など従来から親しまれてきた世界地図の縦横比に近い数値です。見慣れた地図とかけ離れた形にならないよう、細かく調整されているんですね。専門的にはこうした図法を「擬円筒正積図法」と呼びますが、覚えなくても大丈夫。「面積を正確にしつつ、見た目もできるだけ自然にした地図」というイメージで十分です。

「日本が何%小さくなる」とは単純に言えない

ここで注意したいのが、「イコールアース図法だと日本は何%小さく見える」という単純な言い方はできない、という点です。日本の実際の面積そのものは、図法を変えても当然変わりません。

見え方が変わって感じられるのは、あくまで他の国・地域との相対的なバランスです。高緯度にある国が実際の大きさに近づいて縮んで見えることで、相対的に日本の存在感がより実態に近く感じられる、というのが正確な理解になります。縮尺や地図の条件がそろっていない比較画像をもとに「◯%小さくなった」と断定するのは避けたほうがよさそうです。

メルカトル図法は間違った地図なの?

航海図やナビゲーションで使われる地図のイメージ

航海やナビでは今も合理的な図法

ここまで読むと、「じゃあメルカトル図法って、もう時代遅れなの?」と思うかもしれません。でも、それは違います。

メルカトル図法は1569年、ゲラルドゥス・メルカトルによって、航海士のために作られた地図です。この図法の最大の特徴は、地図上の任意の2点を結ぶ直線が、実際の一定の方位(コンパスの向き)と一致すること。これは「等角航路」と呼ばれ、航海士が「北から何度の方向にまっすぐ進めばいい」と判断するうえで、非常に実用的な性質でした。

現在のスマホの地図アプリでも、経路案内や詳細な表示ではメルカトル図法に近い図法(Webメルカトル図法)が使われ続けています。曲がり角を直角に正しく表示できる性質が、道案内には欠かせないからです。実際、Googleマップを広域表示までズームアウトすると、平面の地図から3Dの地球儀のような表示に切り替わる機能があります。これは2018年から導入されている機能で、面積の歪みが気になる広域の見え方については、Google自身がすでに一つの答えを用意していたとも言えそうです。

地図は目的に合わせて使い分けるもの

つまり、メルカトル図法自体が「間違い」なのではなく、「面積を比較したいのに、角度を保つための地図を使ってしまう」という用途のミスマッチが、誤解の正体だったと言えます。

地球という球体を平面の地図にする以上、面積・形・距離・角度のすべてを同時に完璧に正確にすることは、数学的に不可能です。だからこそ、目的に応じて複数の図法が使い分けられてきました。航海やナビには角度に強いメルカトル図法、面積の比較には正積図法、というように。これまでの世界地図が丸ごと間違いだったわけではなく、「使う場面」がそれぞれ違っただけなんですね。

イコールアース図法にも欠点はある

世界地図のさまざまな図法を比べているイメージ

面積以外の形・距離・角度には歪みが残る

イコールアース図法も、決して万能な地図ではありません。面積の比率は正確に保たれる一方で、形・距離・角度には歪みが生じます。特に地図の周辺部や高緯度に近い地域では、陸地の形が斜めに引き伸ばされたように見えることがあります。

地球儀以外に「すべて正確な地図」は存在しない

これは地図学における大前提なのですが、球体の地球を平面の紙やスクリーンに写し取る以上、面積・形・距離・角度のすべてを同時に正確に保つことは不可能です。地球儀だけが、この4つすべてを正確に保てる唯一の存在です。

ちなみに、イコールアース図法は今回の国連決議のために作られたわけではなく、科学分野ではすでに実績があります。アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターは、世界の月間平均気温の異常値を示す分布図に、以前からイコールアース図法を採用していました。気候変動のように「地域ごとの面積の重み」が結果の見え方を左右する分野では、面積の正確さが科学的に欠かせない条件になる、ということがよく分かる事例だと思います。

実際に面積比を計算してみた

私も実際に手を動かして、面積比を計算してみました。使ったのは、アフリカ大陸(約3,037万km²)、グリーンランド(約216万km²)、日本(約37.8万km²)というよく紹介される数値です。

  • アフリカ÷グリーンランド=3,037÷216≈14.06倍
  • アフリカ÷日本=3,037÷37.8≈80.3倍
  • グリーンランド÷日本=216÷37.8≈5.71倍

こうして電卓を叩いてみると、「アフリカは日本80個分」という数字の重みが、文章で読むだけよりずっと実感として伝わってきました。日常生活で「日本の80倍」という単位に出会うことはほとんどないので、私は正直、計算しながら少し鳥肌が立ちました。

イコールアース図法の実物を無料で見る方法

Equal Earth公式サイトで日本中心版も確認できる

イコールアース図法の実物は、開発者が公開しているEqual Earthの公式サイト(equal-earth.com)で確認できます。日本を中心にした地図データも用意されているようです。世界地図全体をグリニッジ中心で見るのと、日本を中心に据えて見るのとでは、印象がまったく違って見えるので、私は両方見比べてみることをおすすめします。

利用条件は必ず最新情報を自分で確認する

ただし、地図データの利用条件(商用利用の可否や再配布のルールなど)は、サイトごと・バージョンごとに変わる可能性があります。ブログ記事や資料に使いたい場合は、「著作権フリーだから自由に使える」と決めつけず、必ず公式サイトに掲載されている最新の利用規約を自分の目で確認してから使うようにしてください。

イコールアース図法についてよくある質問

イコールアース図法とメルカトル図法についてよくある質問への回答

Q. イコールアース図法は誰が作った?

2018年に、Bojan Šavrič氏、Tom Patterson氏、Bernhard Jenny氏という3人の研究者によって発表されました。国連決議のために新しく作られたものではありません。

Q. アフリカはなぜ大きく見える?

大きくなったのではなく、実際の面積比に近づいて正しく表示されるようになったからです。従来のメルカトル図法では高緯度の地域が拡大される性質があり、赤道付近にあるアフリカは相対的に小さく見えていました。

Q. 日本の大きさは変わる?

日本の実際の面積は変わりません。ただし、高緯度の国が実際の大きさに近づいて縮んで見えることで、地図全体の中での日本の相対的な存在感は、より実態に近い印象になります。

Q. メルカトル図法は間違い?

間違いではありません。角度を正しく保つ性質があり、航海やナビゲーションには今も適した図法です。用途に合わない使い方をすると誤解を招きやすい、というのが正確な理解です。

Q. イコールアース図法に欠点はある?

あります。面積の比率は正確ですが、形・距離・角度には歪みが生じます。特に地図の周辺部や高緯度に近い地域で、形の歪みが目立ちやすくなります。

Q. Googleマップにも使われている?

現時点で、Googleマップが投影法を変更したという発表は確認されていません。経路案内など詳細な表示では、角度を保つ性質を持つWebメルカトル図法が使われ続けています。

Q. 無料で見ることはできる?

Equal Earthの公式サイトで地図データを確認できます。ただし利用条件はサイトの最新情報を必ず確認してください。

Q. イコールアース図法という名前の意味は?

「Equal(等しい)」と「Earth(地球)」を組み合わせた名前で、地球上のあらゆる場所の面積を等しい比率で表すという設計思想を表しています。

Q. ロビンソン図法とは違うの?

イコールアース図法は、広く親しまれているロビンソン図法に似た自然な見た目を意識して設計されていますが、ロビンソン図法自体は面積を厳密には正確に保たない「妥協図法」です。イコールアース図法は、その自然な外観を保ちながら、面積の正確さも両立させています。

Q. 国連決議とイコールアース図法の関係は?

2026年9月4日、国連総会でイコールアース図法など正積図法の採用を加盟国に促す決議案が採択されたと報じられています。ただしこの決議に法的拘束力はなく、メルカトル図法を禁止するものでもありません。

まとめ|正しい・間違いではなく目的で地図を選ぼう

イコールアース図法は、面積の比率を実際の地球に近い形で表す地図です。これまでのメルカトル図法が「間違い」だったわけではなく、それぞれ得意なことが違うだけ。面積を比較したいならイコールアース図法、航海やナビゲーションにはメルカトル図法、というように、目的に合わせて地図を選ぶ視点を持てると、ニュースの見方も少し変わってくるのではないでしょうか。

私自身、「アフリカは日本の80倍」という数字を計算してみて、これまで自分が持っていた世界地図のイメージが、実はかなり偏っていたのだと気づかされました。次に世界地図を見るときは、ぜひ「これは何を正確に表そうとしている地図なのか」を意識してみてください。

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参考・出典

  • Reuters「U.N. approves resolution in support of map that shows Africa’s true size」
    https://www.reuters.com/world/africa/un-approves-resolution-support-map-that-shows-africas-true-size-2026-09-04/
  • AFPBB News「アフリカが大きく・米国は小さく 国連総会、地図移行促す決議案採択」
    https://www.afpbb.com/articles/-/3651548
  • Equal Earth公式サイト「Equal Earth Projection」
    https://equal-earth.com/equal-earth-projection.html
  • Esri「Equal Earth Map Projection Meets Cartographic Needs and Desires」
    https://www.esri.com/about/newsroom/arcuser/equal-earth
  • Correct The Map(運動公式サイト)
    https://correctthemap.org/

※本記事の情報は執筆時点(2026年9月5日)のものです。内容は今後の公式発表により変更される可能性があります。

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