📌 この記事が30秒でわかる!3行まとめ
- 花火の直後、鳥が一斉に飛び立つ現象は気象レーダーでも確認されていて、ブルガリアでは1000羽以上の死骸が見つかった例もあるよ
- ハイイロガンの研究では、花火で心拍数が63→124bpm(約96%上昇)になり、元に戻るまで約5時間かかったんだって
- 日本での大量死の直接証明は乏しいけど、夢洲のコアジサシ事例など国内でも配慮が必要になったケースはあるよ
夏の夜、ドーンと花火が上がると、つい空を見上げちゃうよね。「わあ、きれい」って、隣の人と顔を見合わせたりして。
でもその瞬間、私たちとは正反対に「ここから逃げなきゃ」って空へ飛び出している生き物がいるとしたら――ちょっと想像したことなかったなって、今回リサーチしてて思ったの。
実は、花火の直後に大量の鳥が一斉に飛び立つ現象、気象レーダーでもちゃんと観測されてるんだって。私たちが花火を見上げているまさにその時間、空の上では全然違う出来事が起きてるかもしれない。今日はそのギャップを、研究データと一緒に見ていくね。
花火で鳥が死ぬことは本当にある?

結論から言うね。「あります」。でも誤解しないでほしいのが、花火の火花や破片が鳥に直接当たって死んじゃう、みたいな話じゃないってこと。
ブルガリアで1000羽以上が死亡した事例
2025年1月、ブルガリアのスレドナ・ゴラ山脈という場所で、アトリという渡り鳥を中心に1000羽以上の死骸が翌朝発見されたの。私、この数字を最初に見たとき「1000羽って一体どういうこと」って二度見しちゃった。
研究者たちは死骸をきちんと解剖して、鳥インフルエンザなどのウイルスは陰性だったことを確認してる。その代わりに見つかったのが、翼の骨折・内出血・重度の挫傷。つまり、何かにぶつかった痕跡なんだよね。
胃の中身にも異常はなく、研究者は「近くで行われた大みそかの花火に驚いてパニック飛翔し、暗闇の中で建物や木にぶつかった可能性が高い」と考えている。ただし正直に言うと、鳥が実際に飛び立って衝突する瞬間そのものを誰かが目撃・記録したわけじゃない。解剖結果からの推測、というのは私も知っておきたいポイントだと思った。
花火の瞬間、鳥たちに何が起きている?

じゃあ実際、花火が上がった瞬間、鳥の世界では何が起きているんだろう。ここが今回の記事で一番伝えたいところ。
爆音で夜中に一斉に飛び立つ
多くの野鳥は、フクロウのような一部の夜行性の鳥を除いて、夜の視力があまり良くないの。真っ暗な中で眠っているところに突然の爆音が響くと、パニック状態のまま一斉に飛び立ってしまう。
暗闇の中を手探り状態で飛ぶわけだから、建物のガラス面や送電線、樹木の枝、あるいは群れの中の他の鳥にぶつかってしまうことがある。これが「花火の翌朝、鳥が落ちていた」という話につながっているみたい。
気象レーダーに映った「鳥の雲」
これ、私が一番びっくりした事実なんだけど。オランダ全域を対象にした研究で、大みそかの深夜0時、花火の打ち上げが始まった直後に、気象レーダーの画面に巨大なエコー(反射)の塊がいくつも映ったの。
正体は、数十万〜数百万羽規模の鳥が一斉に飛び立った姿。地上では人々が「今年もきれいだったね」って花火を見上げていたまさにその瞬間、レーダーの中では大量の鳥が空へ飛び出す様子が映し出されていた――この対比を知ってから、私は花火の見方が少し変わった気がする。
驚くだけじゃない?鳥の心拍数は約2倍になった

「まあ、驚いて逃げるくらいならすぐ元通りになるでしょ」って思う人もいるかもしれない。でも実際に体の中で起きていることを数字で見ると、そう単純じゃないみたい。
ハイイロガンの心拍数63bpm→124bpm
オーストリアのアルム湖で、ハイイロガン20羽に発信機を付けて心拍数と体温を測定した研究があるの(学術誌Conservation Physiologyに掲載)。
花火が始まった直後の1時間で、心拍数は63bpmから124bpmへと急上昇。約96%の上昇だから、ほぼ2倍だよね。体温も約3%上がったと報告されてる。しかも、これが平常のレベルに戻るまでに約5時間もかかったんだって。
これはあくまで、この研究で対象になったハイイロガンというガンの仲間の話。すべての鳥がまったく同じように反応するとは言い切れないけど、少なくとも「一瞬驚いて終わり」ではないってことが数字でわかったのは大きいなと思う。
何度経験しても慣れない
私、正直「毎年花火を経験してれば、鳥も少しは慣れるんじゃないの?」って思ってたの。でもこの研究では、年齢による「慣れ」は確認されなかった。長年同じ場所で花火を経験してきた個体も、若い個体も、同じくらいのパニック反応を示したそうなの。人間みたいに「もう何回も見たから平気」ってならないんだね。
5時間分の負担を自分でも計算してみた
「約96%上昇」「元に戻るまで約5時間」って数字、パッと見ただけだと正直ピンとこなかったから、私も実際にPythonで計算してみたの。
まず上昇幅。124bpmから63bpmを引くと61bpm。これを63で割ってパーセントにすると96.8%になって、研究の「約96%上昇」とほぼ同じ数字が出た。
次に気になったのが「5時間ってどれくらいの負担なの?」ってこと。仮に5時間かけて少しずつ落ち着いていくとして、その間ずっと平均で上昇幅の半分くらい(約30.5bpm)高い状態が続いたと単純に計算すると、300分×30.5bpmで、なんと約9150回分も余計に心臓が動いていたことになる。もちろんこれはざっくりした概算だけど、「一瞬ビクッとするだけ」じゃなくて、数時間単位で体に負荷がかかり続けてたんだって思うと、数字だけでも印象がかなり変わった。
鳥以外の野生動物には何が起きる?

主役は鳥だけど、他の生き物にも短期的な変化が確認されているので、簡単に紹介するね。
コウモリは花火中に採餌をやめる
アメリカ・カリフォルニア州モントレー湾での調査では、花火が上がっている31分間、コウモリが超音波で獲物を探す「エコロケーション」の音が完全に止まったことが確認されてる。花火が終わってから狩りを再開したものの、以前と同じ活動レベルには戻らなかったそう。
シカやウサギは事故につながることも
草食動物は本能的に音のする方から全速力で逃げる性質があるの。暗闇での混乱した逃走は、道路への飛び出しなど事故のリスクにつながる可能性があると考えられている。
海洋生物にも短期的な変化
南アフリカ・ケープタウンでの研究では、花火の音が水中にも伝わり、水中音圧が143dB(基準1マイクロパスカル)に達したことが報告されてる。休んでいたオットセイが警戒行動をとったり、カモメの鳴き声が花火後に増えたりする変化が確認された。ただし、これが長期的に個体群へ悪影響を与えるかどうかまでは、この研究だけではわかっていない。
では日本の花火大会でも同じことが起きている?

ここまで読んで「うちの近くの花火大会も大丈夫かな」って気になった人もいるよね。正直に言うと、日本国内で花火が原因で野鳥が大量死したことを直接証明した査読付きの研究は、今のところ乏しいのが実情。海外の結果をそのまま「日本でも同じことが起きている」と当てはめることはできない。
そのうえで、日本の花火大会にはいくつか気になる特徴があるのも事実。
- 花火大会が夏(7〜8月ごろ)に開催されることが多い
- 河川敷・湖・海岸など、水辺で開催されることが多い
- 時期や場所によっては、野鳥の繁殖や巣立ちの時期と重なる可能性がある
欧米の研究の多くは大みそか(真冬)の花火を対象にしていて、リスクの中心は「厳冬期に強制的に飛ばされることによるエネルギー消耗」。一方、日本の夏の花火大会は季節がまったく違うから、リスクの中身も同じではないはず、というのが今のところの整理。「日本でも毎年大量死が起きている」と断定できる根拠は今の私には見つけられなかったよ。
季節が違うとリスクも違うかもしれない
冬の欧米だと「寒い中で無駄に飛ばされて、体力を使い果たす」のが心配される一方、日本の夏は気温的なエネルギー切れの心配は少なそう。その代わり、鳥のヒナがまだ上手に飛べない時期と重なる可能性がある、っていうのが日本ならではの心配ポイントなんだと思う。あくまで「季節が違えば心配のポイントも変わりそう」という推測の範囲だけどね。
水辺開催という共通点
隅田川・長岡・大曲・琵琶湖・諏訪湖…って、日本の有名な花火大会を思い浮かべると、たしかに川や湖のそばが多いよね。市街地で火薬を扱う都合上、広い水辺が選ばれやすいんだと思う。水辺は水鳥のねぐらにもなりやすい場所だから、「開催場所と鳥の生活圏が近くなりやすい」というのは、覚えておいてもいいポイントかも。
夢洲のコアジサシの事例
とはいえ、日本でも実際に「花火大会と野鳥」が問題になったケースはあるの。大阪の夢洲は、絶滅危惧種であるコアジサシという鳥の大規模な営巣地になっていて、そこで予定されていた花火イベントに対して、日本野鳥の会や大阪自然環境保全協会が「繁殖初期に親鳥がパニックで卵を放棄してしまうかもしれない」として、開催の延期や見直しを要請したことがあるの。
これは、日本の保護団体が実際に花火大会のリスクを指摘して、開催側との調整が行われた具体的な例。海外の研究結果を裏付けるような話ではないけど、「日本でも起こりうる話」として知っておくといいと思う。
なぜ夢洲が特別なのか
コアジサシって、地面の砂利や砂浜に直接卵を産む珍しいタイプの鳥なんだって。だから工事や人の出入りが多いエリアだと、それだけで営巣自体が難しくなっちゃう。そんな中で夢洲は貴重な営巣地になっていたから、繁殖期の攪乱リスクに保護団体が敏感に反応したんだと思う。
こういう調整が起きること自体が大事
花火イベント側と保護団体、両方の言い分があるはずで、私はどっちが正しいって決めつけたいわけじゃないの。ただ、こうやって「開催前に立ち止まって考える」動きが実際に日本でも起きてるっていうこと自体が、今回一番心に残ったポイントだったな。
花火大会をやめるしかないの?
ここまで読むと「じゃあ花火大会なんてやらないほうがいいの?」って思うかもしれない。でも私は、それは違うと思ってる。
花火には、地域のお祭りとしての楽しさはもちろん、慰霊や無病息災を願う意味合いなど、日本の文化としての大切な役割がある。だから「全部やめよう」じゃなくて、「動物への負担を減らしながら続ける工夫」を考えるほうが現実的だと思うの。
実際に海外で行われている工夫には、こんなものがあるよ。
- 野鳥の営巣地・保護区から距離を取って開催する
- 繁殖期・巣立ちの時期を避けてスケジュールを組む
- 打ち上げ時間を短くする
- 低騒音タイプの花火を取り入れる
- 一部をドローンショーなど別の演出に置き換える
私たちにできることがあるとしたら、まずは「花火の裏側でこういうことが起きているかもしれない」って知っておくことなのかなって思う。
静かな花火という選択肢
イタリアの町・コレッキオでは、2015年に自治体として世界で初めて「静かな花火(Quiet Fireworks)」の使用を義務付ける条例ができたの。動物やペット、音に敏感な人たちへの配慮が目的。
「完全な無音」というわけではなくて、従来の花火より爆発音を抑えたタイプなんだけど、こういう選択肢があるって知っておくだけでも、花火大会の見え方が少し変わる気がする。
ドローンショーなら完全に安全?
最近、花火の代わりにドローンで光の演出をする「ドローンショー」を見かけることが増えたよね。爆発音や煙、化学物質の飛散がない分、花火よりは動物への刺激が少ないと考えられている。
ただ、「じゃあドローンショーなら環境に完全に優しいの?」というと、そうとも言い切れないみたい。ドローンのモーターや電子部品からは、人間には聞こえない高い音域のノイズが出ていて、犬やコウモリのように高い音を聞き取れる動物には何らかのストレスになる可能性があるという指摘が研究者からされている。まだ仕組みがはっきり解明されているわけではないけれど、「音や煙が出ないから完全に無害」と単純には言えないんだなって、私も今回調べてみて思った。
音が小さい=無害じゃない
私、最初は「音が静かならOKでしょ」って安易に思ってたの。でも人間の耳に聞こえない音域があるって考えると、「静か=無害」っていう発想自体がちょっと人間目線すぎたなって反省した。
光の演出も油断できない
ドローンショーは光を長時間つけっぱなしにすることが多いよね。強い閃光が一瞬で終わる花火とは違って、持続的な光がずっと灯ってる状態。これも夜行性の生き物にとっては、方向感覚を狂わせる要因になりうるんじゃないかなって、個人的には気になったポイントだった。
きれいな花火の下で起きていることを、少しだけ知っておきたい
長々と書いてきたけど、私はこの記事で「花火を楽しんじゃダメ」って言いたいわけじゃないの。むしろ私自身、この夏も花火大会に行くと思う。
ただ、私たちが夜空を見上げて「きれい」って言っているその同じ時間に、人間には見えないところで鳥たちが一斉に飛び立っていたり、心拍数が跳ね上がっていたりするかもしれない――それを知っているのと知らないのとでは、花火の見え方がちょっと違ってくる気がするんだよね。
音や光だけじゃない、見えない汚染も
実は花火って、音や光以外の部分でも環境に影響を残すことがあるみたい。花火の色を出すための成分(重金属)や、酸化剤として使われる過塩素酸塩っていう物質が、燃焼後に大気を漂って最終的に川や湖に降り注ぐことがあるんだって。過塩素酸塩は魚やカエルの体の中でホルモンバランスに関わる働きを乱すこともあるらしくて、「音がうるさい・光がまぶしい」だけが花火の環境負荷じゃないんだなって、今回初めて知った。
私にできることは知っておくことから
開催場所や時期、花火の種類を少し工夫するだけで、動物への負担は減らせるかもしれない。花火という日本の文化を大切にしながら、そういう工夫にも目を向けていけたらいいなって、今回のリサーチを通して感じたよ。
よくある質問

Q. 花火の音は本当に鳥を死なせるくらい大きいの?
花火自体が直接ぶつかって死なせるわけではなく、爆音に驚いた鳥がパニック飛行をして建物や木、送電線などにぶつかることが原因と考えられています。ブルガリアの事例では実際に翼の骨折や内出血が確認されました。
Q. 花火中、鳥はどこに逃げているの?
オランダの研究では、大みそかの花火開始と同時に気象レーダーに大量の鳥が一斉に飛び立つ様子が映りました。普段はいないような高い場所まで飛んで逃げることもあるようです。
Q. 花火の音を聞いた鳥は、すぐに落ち着くの?
ハイイロガンを対象にした研究では、心拍数が平常に戻るまで約5時間かかったと報告されています。一瞬驚いて終わりというわけではなさそうです。
Q. 鳥は花火に慣れたりしないの?
今回紹介した研究では、年齢による「慣れ」は確認されませんでした。何度も花火を経験している個体でも、若い個体と同じくらいのパニック反応を示したそうです。
Q. 花火中、コウモリはどうしているの?
モントレー湾の調査では、花火が上がっている間、コウモリの採餌行動(エコロケーション)が完全に止まったことが確認されています。
Q. 日本でも花火で野鳥が大量死しているの?
日本国内で花火が原因の野鳥大量死を直接証明した査読付き研究は、今のところ乏しいのが実情です。海外の結果をそのまま日本に当てはめることはできません。
Q. 日本の花火大会にはどんな特徴があるの?
夏に開催されることが多く、河川敷や湖、海岸など水辺で開催されることも多いです。時期や場所によっては野鳥の繁殖・巣立ちの時期と重なる可能性があります。
Q. 日本で実際に問題になった事例はあるの?
大阪・夢洲では、絶滅危惧種コアジサシの営巣地に隣接して予定された花火イベントに対し、野鳥保護団体が繁殖期への配慮を理由に延期・見直しを要請した事例があります。
Q. ドローンショーなら花火より安全なの?
爆発音や煙、化学物質の飛散がない分、動物への刺激は少ないと考えられています。ただしモーター音などが動物へのストレスになる可能性も指摘されており、「完全に無害」とは言い切れません。
Q. 花火大会はやめたほうがいいの?
全面的にやめる必要はないと考えられています。営巣地から距離を取る、繁殖期を避ける、低騒音花火を取り入れるなど、動物への負担を減らしながら続ける工夫が現実的な選択肢として挙げられています。
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参考・出典
- National Geographic「Why fireworks can be a death sentence for wildlife」
https://www.nationalgeographic.com/animals/article/why-fireworks-are-bad-for-wildlife - MDPI「Mass Bird Deaths Following New Year’s Eve Fireworks」
https://www.mdpi.com/journal/diversity - Oxford Academic / Conservation Physiology「Effects of severe anthropogenic disturbance on the heart rate and body temperature in free-living greylag geese」
https://academic.oup.com/conphys - Oxford Academic / Behavioral Ecology「Birds flee en mass from New Year’s Eve fireworks」
https://academic.oup.com/beheco - Acoustical Society of America 第190回大会 発表(Kerri Seger & Greg Cotten、モントレー湾のコウモリと花火に関する研究)
- Scientific Reports「Assessing the short-term impacts of in-air firework sounds on marine species in Cape Town, South Africa」
https://www.nature.com/srep/ - 日本野鳥の会大阪支部「夢洲のコアジサシ保護のための緊急共同声明」
https://wbsjosaka.com/
※本記事の情報は執筆時点のものです。内容は予告なく変更されることがあります。
