📝 3行まとめ
- 個人向け国債「変動10年」は半年ごとに利率が自動改定されるため、金利上昇を待たずに始めても不利になりにくい。
- 1000万円を利率2.0%で運用すると、税引後の手取り利息は年間約15万9370円が目安。
- 発行後1年間は解約不可だが、1年経過後は元本割れせずいつでも中途換金できる。
「個人向け国債の金利が上がってるらしいけど、今買っていいの?」——正直、私も最初は「もっと金利が上がってから買えばいいのでは」と思っていました。でもこの記事を書きながら実際に計算してみたら、考えが変わりました。1000万円を国債に置いた場合の利息、変動10年と固定5年の違い、中途換金のルールまで、まとめて整理します。
個人向け国債は今買うべき?結論からいうと「変動10年」は待つ必要が薄い

私が調べていて一番驚いたのは、「金利が上がるのを待ってから買う」という考え方が、変動10年に限っては必ずしも正解じゃないということです。
変動10年は買った後も金利が上がる仕組み
変動10年の適用利率は、半年ごとに見直されます。計算式は「基準金利(10年固定利付国債の入札結果)×0.66」というシンプルなもの。つまり、今1.87%で買っても、半年後に基準金利が上がれば、私が保有している国債の利率も自動的に引き上がります。待っている間に得られたはずの利息が、そのまま機会損失になってしまうわけです。
固定5年は「今の高い金利を確保したい人」向け
一方で固定5年は、購入した時点の利率が5年間ずっと変わりません。2026年8月時点では固定5年の方が2.06%と、変動10年の1.87%より高いのが正直なところ。「これから金利が下がるかもしれない」と感じるなら、固定5年で今の水準を確保するのも十分ありな選択です。私はこの二択、どちらが絶対正解というより「金利がこの先どう動くと自分は思うか」で決めるものだと感じました。
2026年の個人向け国債、金利はいくら?

変動10年・固定5年・固定3年の最新水準
2026年8月時点の募集条件(Deep Researchで示された試算をもとにした水準)は、変動10年が1.87%、固定5年が2.06%、固定3年が1.71%です。2022年にはすべて年0.05%の最低保証水準に張り付いていたので、この数年でかなりの上昇です。数字だけ見ると「そんなに変わったの」と驚く方も多いと思います。私自身、この差を初めて数字で見たときは正直びっくりしました。
なぜここまで金利が上がったのか
背景には日銀のマイナス金利解除・利上げがあります。長期金利の上昇に連動して、個人向け国債の利率も引き上げられている状態です。金利が動くとNISAで保有している資産の見え方も変わってくるので、証券口座の見直しを考えている方はこちらの記事もどうぞ。
→ 新NISA乗り換え問題をスッキリ解決!特定口座の銘柄を売るべきか
変動10年と固定5年、結局どっちがいい?
金利上昇局面では変動10年に分がある
今後さらに金利が上がると考えるなら、半年ごとに利率が改定される変動10年の方が、長期的な受取利息を伸ばしやすい設計です。逆に「そろそろ天井では」と思うなら、固定5年で今の利率を5年間キープする方が合理的です。
最低金利保証があるので下限は共通
どちらを選んでも、年0.05%の最低金利保証は法律で決まっています。金利がどれだけ下がっても、この水準を下回ることはありません。ここは定期預金にはない安心材料だと思います。
1000万円買ったら利息はいくら?実際に計算してみた

「結局いくらもらえるの?」が一番知りたいところだと思うので、私も実際に電卓とPythonで計算してみました。
まず単年での目安
1000万円を利率2.0%で1年間預けた場合、税引前の利息は20万円。ここから利子税20.315%が源泉徴収されるので、手取りは約15万9370円になります。100万円なら1万5937円、500万円なら7万9685円が手取りの目安です。
金利が段階的に上がるケースも試してみた
変動10年なら保有中に利率が変わるので、「今の1.87%→1年後に2.2%→2年後に2.5%まで上がる」という仮のシナリオで3年分の利息を計算してみました。1年目18万7000円、2年目22万円、3年目25万円で、税引前合計は65万7000円、税引後の合計はおよそ52万3530円になります。1日あたりに直すと、今の1.87%水準でも1000万円で約512円の利息が毎日積み上がっている計算です。こうして数字を並べてみると、「待っている間の機会損失」の意味が実感としてわかりました。
定期預金と個人向け国債、1000万円ならどれくらい差が出る?
5年で約48万円の差
Deep Researchの試算条件(変動10年平均2.00%、メガバンク定期0.80%)をもとに5年間の受取利息を比べると、変動10年は税引後で約79万6850円、メガバンク定期は約31万8740円。その差はおよそ48万円にもなります。もちろんこれは試算条件次第で変わる数字ですが、私はこの差額を見て「定期預金に置きっぱなしにしていた自分」を反省しました。
ネット銀行の特別金利も選択肢
ネット銀行のキャンペーン定期は1.2%程度まで出ていることもあり、1000万円以内であれば有力な比較対象になります。ただし満期ごとに預け替えの手間がかかる点、ペイオフ上限1000万円がある点は忘れずに。資産形成をこれから始めたいという方には、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 投資を始めるのは本当に遅い?今から大丈夫な理由とロードマップ
「もっと金利が上がるまで待つ」は本当に得?
待つことの機会損失を考える
先ほどの試算のとおり、変動10年は待たなくても金利上昇の恩恵を自動で受け取れます。半年寝かせている間に得られたはずの利息を、あえて手放す理由は薄いというのが私の実感です。
「もっと上がったら固定に乗り換える」戦略もある
とはいえ、今後の金利動向は誰にも断定できません。まず変動10年で始めて、想定以上に金利が上がった段階で固定5年への乗り換えを検討する、という段階的な考え方も十分にありです。
10年間引き出せない?意外と知らない中途換金ルール

発行後1年間は原則解約不可
個人向け国債は、発行から1年間は本人死亡や大規模災害などの特例を除き、いかなる理由でも中途換金できません。ここは定期預金と大きく違うポイントなので、当面使う予定のない資金で購入することが前提です。
1年経過後は元本割れせずに解約できる
1年を過ぎれば、いつでも1万円単位で解約可能です。差し引かれるのは直近2回分の利息×0.79685のみで、元本そのものは額面通り国が買い取ってくれます。通常の市場で売買される利付国債と違い、市場価格の下落による元本割れが起きない仕組みになっているのは、個人向け国債ならではの強みです。
1000万円を超える預金なら国債が気になる理由

ペイオフの1000万円上限との違い
銀行預金は預金保険機構により1金融機関あたり元本1000万円とその利息までしか保護されません。一方、個人向け国債は国が元利払いを保証するため、上限なく全額が保全されます。退職金や不動産売却代金などまとまった資金を持つ方が国債を検討する最大の理由はここにあります。
相続や認知症対策も事前に確認を
高齢の家族名義の資産を国債に移す場合は、認知症発症後の解約手続きや相続時の取り扱いを、購入前に金融機関へ確認しておくと安心です。老後の資金計画全体を見直したい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
→ 老後2000万円問題は「嘘」ではないが「正解」でもない?インフレ時代に必要な本当の備えと3つの解決策
こんな人は個人向け国債を急いで買わなくてもいい
1年以内に使う予定がある資金
前述のとおり発行後1年間は解約できないため、近々使う予定のある生活資金や教育資金には向きません。
積極的にリスクを取って増やしたい人
国債はあくまで「守る」ための商品です。資産を積極的に増やしたいなら、株式や投資信託など値動きのある商品との使い分けを考えた方が、目的に合っていると思います。
まとめ|今後の金利上昇を考えるなら「変動10年」という選択肢
私自身、この記事を書く前は「金利が上がりきってから買えばいい」と思い込んでいましたが、変動10年の仕組みを数字で追いかけてみて、その思い込みが必ずしも正しくないことがわかりました。もちろん将来の金利は誰にも断定できませんし、固定5年が向いている人もいます。1000万円を超える資金の置き場所に悩んでいるなら、今回の試算を参考に、ご自身の資金の使い道と照らし合わせて検討してみてください。
よくある質問

Q. 個人向け国債は今すぐ買うべきですか、それとも金利が上がるまで待つべきですか?
変動10年であれば半年ごとに利率が自動で改定されるため、待っている間の機会損失を考えると、今始めても不利になりにくい仕組みです。
Q. 変動10年と固定5年、どちらを選べばいいですか?
今後も金利が上がると考えるなら変動10年、今の高い水準を確保したいなら固定5年が向いています。
Q. 1000万円を個人向け国債に入れたら年間いくらもらえますか?
利率2.0%の場合、税引前で年20万円、税引後の手取りは約15万9370円が目安です。
Q. 個人向け国債はメガバンクの定期預金よりお得ですか?
試算条件によりますが、5年間で受取利息に約48万円の差が出るケースが示されています。ただし将来の金利水準を保証するものではありません。
Q. 10年間は絶対に解約できないのですか?
いいえ。解約できないのは発行後1年間のみです。1年経過後は1万円単位でいつでも中途換金できます。
Q. 中途換金すると元本割れしますか?
元本割れはしません。差し引かれるのは直近2回分の利息×0.79685のみで、元本額面は全額返還されます。
Q. ペイオフの1000万円上限を超える資産の置き場所として国債は有効ですか?
有効です。個人向け国債は国が元利払いを保証するため、上限なく全額が保全されます。
Q. 退職金をまとめて個人向け国債に入れても大丈夫ですか?
元本保全という点では適していますが、発行後1年間は解約できないため、当面の生活資金は別に確保しておく必要があります。
Q. 個人向け国債の利息にはどれくらい税金がかかりますか?
一律20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)が源泉徴収されます。確定申告は原則不要です。
Q. 高齢の親の預金を個人向け国債に移す場合、注意点はありますか?
認知症発症後や相続発生時の解約手続きが金融機関によって異なるため、購入前に取扱窓口へ確認しておくと安心です。
おすすめアイテム
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参考・出典
- マネイロ「個人向け国債の金利推移~2026年最新データと今後の見通しをプロが解説」
https://moneiro.jp/ - かぶ吉「【個人向け国債】変動10年|固定5年・3年の金利推移一覧・グラフ(2026年8月最新)」
https://kabukiso.com/ - 財務省・国債に関する制度情報(個人向け国債の商品性・中途換金ルール)
※本記事の情報は執筆時点のものです。内容は予告なく変更されることがあります。金融商品のご購入にあたっては、必要に応じて金融機関や専門家にご相談ください。
