この記事の3行まとめ
- 不良品の交換や返金、責任者への説明要求は通常カスハラではない
- カスハラかどうかは「要求内容」と「要求の伝え方」の2軸で判断される
- 土下座要求・怒鳴り続ける・SNSでの個人晒しなどはカスハラになり得る
先週、友達とカフェでこの話になったんだよね。「テイクアウトのコーヒーがぬるかったから交換してもらったんだけど、これってもしかしてカスハラだったのかな……」って本気で悩んでた子がいて。
いや、それは普通のクレームだよ、と伝えたんだけど、その子の不安、正直すごくわかる。2026年10月1日から、企業にカスハラ対策が義務化されるってニュースが流れてから、「私たちも下手にクレーム言ったらカスハラ扱いされるんじゃないか」って身構えてる人、実は結構多いんじゃないかなと思う。
私も気になって調べてみたんだけど、結論から言うと「交換してほしい」「返金してほしい」って伝えるだけなら、通常はカスハラには当たらない。じゃあどこからがアウトなのか、境界線を一緒に確認していこうと思う。
2026年10月からカスハラ対策が義務化される

まず前提だけサクッと。2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法にもとづいて、すべての企業(従業員1人だけの個人店でも)にカスハラ対策が法律上の義務になる。根拠は2025年6月に公布された法律と、2026年2月に出た厚生労働省の指針。
私が驚いたポイント
正直「大企業の話でしょ?」って思ってたんだけど、私が調べたら中小企業やひとり店舗にも猶予期間なしで即適用されるって知って、ちょっと驚いた。私の行きつけの小さな雑貨店とかも、10月からは対応マニュアルを整える義務があるってことなんだよね。
私はもともと「義務化される」と聞くと、企業側が身構えて客への対応が冷たくなるんじゃないかと少し心配していた。でも実際に調べてみると、義務化の目的は「店員を守ること」であって「客を追い返すこと」ではないと分かって、印象が変わった。従業員が理不尽な要求から守られることで、結果的に落ち着いた接客が続けられる——それって、正当なクレームを伝えたい私たち消費者にとってもメリットのある話なんだと思う。
義務化される内容はざっくりこれだけ
- 会社としての基本方針を決めて周知する
- 相談窓口をつくる
- 相談があったら迅速に対応する
- 悪質なケースへの対応方針を決めておく
企業側の話はこれくらいでOK。この記事で一番知りたいのは「私たち客側は何に気をつければいいのか」だよね。
カスハラ相談の増加率を計算してみた
厚生労働省の令和5年度調査によると、過去3年間にカスハラ相談があった企業は27.9%で、前回調査より8.4ポイント増えたらしいの。これって数字としてどれくらいのインパクトなんだろうと気になって、私も計算してみた。
前回調査の割合は「27.9% − 8.4pt=19.5%」。そこから27.9%まで増えたということは、19.5%を基準にした相対増加率は約43.1%(8.4÷19.5×100)。つまり、相談を受けた企業の割合が5年足らずでおよそ1.4倍になった計算になる。さらに、流通・サービス業で働く人を対象にしたUAゼンセンの調査では46.8%が被害を経験していて、これは職場に100人いたら約47人がすでに被害を経験している計算。私はこの数字を出してみて、「他人事じゃないんだな」って正直ちょっとゾッとした。
カスハラはどこから?判断のポイントは2つ

調べていて一番大事だなと思ったのがここ。カスハラかどうかは、「怒ったかどうか」では判断されない。見るべきポイントは2つだけ。
要求の内容は妥当か
まず「何を求めたか」。壊れていた商品の交換、届いていない商品の催促、契約と違うサービスへの説明要求——これは全部、消費者として当然の権利。民法上も認められている正当な要求だから、内容自体がカスハラになることは基本的にない。
逆に、商品代金をはるかに超える慰謝料を要求したり、些細なミスに対して「誠意を見せろ」と金品を求めたりすると、要求内容そのものが妥当性を欠いてくる。
要求の仕方が行き過ぎていないか
もう一つが「どう求めたか」。これが実はもっと重要。
たとえ企業側に100%の落ち度があっても、土下座を要求したり、大声で怒鳴り続けたり、何時間も居座って同じ話を繰り返させたりすれば、要求の中身が正しくても手段が行き過ぎたことでカスハラに該当し得る。
私はここを読んで「あ、だから『怒ったらアウト』じゃないんだ」って腑に落ちた。内容が正当でも、伝え方次第でカスハラになる——これが一番覚えておきたい基準。
これはカスハラ?身近な例で確認

実際にありそうな場面を、ひとつずつ整理してみるね。
不良品の交換をお願いする
これは通常カスハラではない。商品に欠陥があれば、交換や修理を求めるのは消費者の正当な権利。落ち着いた口調で伝えている限り、何も問題ない。
「責任者を呼んで」と言う
これも通常は問題なし。現場の担当者では判断がつかない内容について、責任者からの説明を求めること自体は正当な要求とされている。ただし、呼びつけた責任者を長時間拘束して同じ説教を繰り返すようになると、話は変わってくる。
本社へ連絡する
「カスタマーセンターに問い合わせます」と伝えること自体は、正式な相談窓口を使う正当な行動。何も恐れることはない。
星1の口コミを書く
事実に基づいて「対応が遅かった」「商品が思っていたのと違った」と評価を書くだけなら、それは意見・感想であってカスハラではない。ただし、事実と異なる内容をわざと書いたり、評価を材料に「星5に変えるから無料にして」と要求したりすると別の問題になってくる。
SNSに不満を書く
実際に体験した事実にもとづく感想の投稿は、通常はカスハラに当たらない。一方で、店員個人の顔写真や実名を無断で載せて誹謗中傷したり、「晒すぞ」と脅して要求を通そうとしたりする行為は、カスハラだけでなく名誉毀損など別の法的問題になり得る。
店員を撮影する
撮影行為そのものが即座に違法になるわけではないけれど、店員から中止を求められたのに撮り続けたり、その様子を晒す目的で撮影したりすると、威圧的な言動としてカスハラになり得る。撮影方法や使い方によってケースバイケースで判断される、というのが正確なところ。
長時間電話する
説明を求めて電話すること自体は正当。ただ、納得できないからと同じ内容を何十分も繰り返し要求したり、深夜早朝に何度もかけ直したりすると、執拗な言動としてカスハラになり得る。
逆に、これは明確にアウトな例
正当な範囲の話ばかりだと物足りないと思うので、逆側の「これは完全にカスハラになり得る」という例も並べておく。
- 店員に土下座を要求する
- 大声で1時間以上怒鳴り続ける
- 「誠意を見せろ」と商品代金を大きく超える金銭を要求する
- 退去を求められても居座り続ける
- 店員の容姿や実名をSNSで晒して誹謗中傷する
こうやって並べてみると、正当なクレームとの違いって実はすごくシンプルで、「相手を人として扱っているか」に尽きるんだなと私は感じた。
一覧で比較してみた
一覧表にまとめてみた
ここまでの内容を、私が自分の頭を整理する意味も込めて一覧表にまとめてみた。迷ったときはこの表に戻ってきてくれたら嬉しい。
| 行動 | カスハラ? |
|---|---|
| 不良品の交換をお願いする | 原則、正当な要求 |
| 返金について相談する | 原則、正当な要求 |
| 責任者から説明を求める | 通常は問題なし |
| 本社へ問い合わせる | 通常は問題なし |
| 事実に基づき低評価レビューを書く | それだけではカスハラではない |
| 店員に怒鳴り続ける | カスハラになり得る |
| 土下座を要求する | カスハラになり得る |
| 長時間拘束する | カスハラになり得る |
| SNSで店員の個人情報を晒す | カスハラ・別の法的問題になり得る |
| 「晒すぞ」と脅して無料にさせる | カスハラ・犯罪に該当する可能性がある |
こうして並べると、左側はどれも「内容」の話で、右側にいくほど「伝え方・手段」の話になっているのがわかると思う。もう一度言うけど、内容が正当かどうかと、伝え方が適切かどうかは別の話。ここを混同しないのが、境界線を理解する一番の近道だと思う。
表から見えてきたこと
私はこの表を作ってみて、10行のうち上5行が「要求の中身」の話、下5行が「要求のやり方」の話にきれいに分かれていることに気づいた。つまり境界線は「何を求めるか」ではなく「どう求めるか」に集中しているということ。これに気づいてから、自分がクレームを言うときに何を気をつければいいのかがすごく明確になった。
正当なクレームまで禁止されるわけではない

ここは声を大にして言いたいところ。2026年10月からの義務化は、私たち消費者からクレームを言う権利を奪う制度では全くない。
変わらず認められている権利
- 欠陥商品の交換・返金を求めること
- サービスの不備について合理的な説明を求めること
- 障害や体調に応じた配慮(筆談・移動介助など)をお願いすること
これらはすべて、これまで通り正当な権利として認められている。
私が感じた「安心材料」
私は最初「クレーム=我慢しなきゃいけない時代が来るのかな」って少し不安だったんだけど、調べてみたら全然そんなことはなくて、むしろ「変な理由で萎縮しなくていい」って安心材料の方が大きかった。事業者側にも「正当な要求に応じる」責任は変わらずあるわけだから、私たちが必要以上に遠慮する理由はどこにもない。
「顧客等」って私たちだけの話じゃない
対象はこんなに幅広い
もう一つ、調べていて面白いなと思ったことがある。カスハラの指針でいう「顧客等」は、実はお店で買い物をする客だけを指しているわけじゃない。
- まだ何も買っていない、来店しただけの人
- 電話やメールで問い合わせただけの見込み客
- 病院の患者の家族
- 学校の保護者
- 取引先の担当者
こんなに幅広い人たちが対象に含まれている。
私が驚いた理由
私は最初「へえ、私たち買い物客だけの話かと思ってた」って驚いたんだけど、逆に言えば、それだけ「顧客等の言動」というものが社会全体で意識されるようになった、ということなんだと思う。友達に話したら「え、うちの親も病院の窓口でそういう対象になるの?」って驚いていて、意外と知られていないポイントなんだなと感じた。
Google口コミやSNSはどこからカスハラになる?
レビューの線引きを整理してみた
ここ、意外と検索する人が多いんじゃないかなと思うポイント。整理すると、線引きはこんな感じ。
| 行動 | カスハラ? |
|---|---|
| 事実にもとづいて低評価レビューを書く | それだけではカスハラではない |
| 虚偽の内容を書いて信用を落とそうとする | カスハラ・別の法的問題になり得る |
| 店員の実名や顔写真をSNSに晒す | カスハラ・名誉毀損などになり得る |
| 「口コミで晒すぞ」と脅して要求を通す | カスハラ・恐喝的な行為になり得る |
私が気をつけていること
要するに、「事実」と「主観的な感想」を書くのは自由。「虚偽」「個人晒し」「脅し」が入った瞬間に一線を越える、というイメージ。私も口コミを書くときは、自分が実際に体験したことだけを、感情的な言葉を使いすぎずに書くように気をつけている。「〜だった」という事実と、「〜だと思った」という感想を分けて書くと、後から見返しても安心できる。
2026年10月から客側に罰金ができるの?
結論を先に書く
これもよく誤解されているところなので、はっきり書いておく。
「カスハラ罪」という新しい犯罪ができるわけではない。 義務化されるのは企業側の対応体制であって、客に対する新しい刑事罰の制度ではない。
「何をしても平気」ではない
ただし、これは「何をしても罰せられない」という意味ではなくて、土下座の強要や暴言、居座りといった悪質な行為は、もともと強要罪や不退去罪など既存の刑法に触れる可能性がある。新しい罪ができるのではなく、すでにある法律で対応されるという理解が正確。私はこれを知って「じゃあ何をしても許されるわけじゃないんだ」と、逆に少し安心した。
クレームを伝えるときに気をつけたいこと

私が今回いろいろ調べてみて、一番腑に落ちた結論はこれ。
「不満を伝えてはいけない」んじゃなくて、「人を攻撃せず、事実と希望する対応を伝える」ということ。
- 「壊れていたので交換してほしい」→OK
- 「対応が遅くて困った、理由を教えてほしい」→OK
- 「土下座しろ」「SNSに晒すぞ」→アウト
この3つを比べると、違いは一目瞭然だよね。要求の中身が正当なら、あとは伝え方だけ気をつければいい。
私が実際に意識するようになったこと
正直に言うと、私はこの記事を書くために調べる前は「クレームを言う=相手を困らせること」というイメージが少しあった。でも今回、境界線をちゃんと理解してみて、考え方が変わった。
- 感情がたかぶったら、一呼吸置いてから話す
- 「〜してほしい」という希望を、できるだけ具体的に伝える
- 相手の名前ではなく、起きた出来事について話す
- 一度で伝わらなくても、繰り返し怒鳴るのではなく、書面や本社窓口など別の手段に切り替える
これだけ意識するだけで、正当な主張はちゃんと届きやすくなるし、自分自身もカスハラ扱いされる不安から解放される。私はこれからも、遠慮せずに必要なことは伝えつつ、相手を追い詰めるような言い方はしないように意識していこうと思ってる。
よくある質問

Q. 不良品の交換をお願いするのはカスハラになりますか?
なりません。商品に欠陥がある場合の交換・返金請求は消費者の正当な権利で、落ち着いて伝えている限り問題ありません。
Q. 「責任者を呼んでください」と言うのはカスハラですか?
通常は問題ありません。ただし呼びつけた責任者を長時間拘束して同じ内容を繰り返し要求するとカスハラになり得ます。
Q. 本社のカスタマーセンターに連絡するのはカスハラですか?
いいえ。正式な相談窓口を使う正当な行動です。
Q. Googleマップで星1の口コミを書いたらカスハラになりますか?
事実にもとづいた感想であればカスハラにはなりません。虚偽の内容を書いたり、評価を材料に無料対応を迫ったりすると問題になり得ます。
Q. SNSに不満を書くのはカスハラですか?
実際に体験した事実の投稿はカスハラに当たりません。店員の個人情報を晒したり脅し文句を添えたりすると別の問題になります。
Q. 店員を撮影するのはカスハラになりますか?
撮影自体が即座に違法になるわけではありませんが、中止を求められても撮り続けるなど威圧的な状況になるとカスハラになり得ます。撮影方法や使い方によってケースバイケースです。
Q. 何度も電話して説明を求めるのはカスハラですか?
一度の問い合わせは問題ありません。同じ内容を執拗に繰り返したり深夜早朝にかけ続けたりするとカスハラになり得ます。
Q. カスハラをした客には罰金や逮捕がありますか?
「カスハラ罪」という新しい犯罪はできません。ただし土下座の強要や暴言、居座りなど悪質な行為は既存の刑法(強要罪・不退去罪など)に触れる可能性があります。
Q. 中小企業や個人店でもカスハラ対策は義務になりますか?
はい。従業員が1人でもいれば猶予期間なしで2026年10月1日から義務化の対象になります。
Q. 商品代金より高い慰謝料を要求するのはカスハラですか?
要求内容が実際の損害に比べて著しく過大な場合は、正当性を欠くためカスハラや恐喝的な行為になり得ます。
Q. 対応に納得できない場合、どこに相談すればいいですか?
消費生活センター(消費者ホットライン188)や業界の相談窓口、悪質性が高いと感じる場合は弁護士・法テラスなどを頼れます。一人で抱え込む必要はありません。
それでも納得できないときの相談先
自分の要求が正当だと思っても、店側と話が平行線になることもあるよね。そんなときに知っておくと安心な相談先も紹介しておく。
- 消費生活センター(消費者ホットライン188):商品やサービスのトラブル全般について、専門の相談員に無料で相談できる
- 業界の消費者相談窓口:大手企業の多くは本社に独立した相談窓口を持っている
- 弁護士・法テラス:金額が大きい、または悪質性が高いと感じる場合の法的な相談先
私は「一人で店員さんとやり合わなきゃ」と思い込みがちだったんだけど、こうした第三者の窓口を頼っていいんだと知って、気持ちが少し軽くなった。感情的にならずに、使える手段を知っておくことも、正当なクレームを気持ちよく伝えるためのコツなんだと思う。
おすすめアイテム
日々のちょっとしたやりとりだからこそ、気持ちよく過ごしたいよね。最後に、そんな毎日に寄り添ってくれるビサイユのアイテムを紹介するね。
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ビサイユのトートバッグ
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参考・出典
- 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html - 厚生労働省告示第51号「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662576.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html - 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」
※本記事の情報は執筆時点(2026年8月)のものです。内容は法改正等により変更されることがあります。個別のトラブルについては消費生活センターや弁護士など専門家にご相談ください。
