🍀 3行まとめ
- 2026年9月15日、政府が食品の消費税を1%に引き下げる大綱を閣議決定。ただし国会での法案成立が前提でまだ確定ではない
- レッドブルは「食品」で1%予定、リポビタンDは「指定医薬部外品」で10%のまま。見た目が似ていても法律上の分類で税率が変わる
- 外食・酒類・医薬品・ペットフードなどは対象外。食品なら何でも1%になるわけではない点に注意
先日スーパーのドリンクコーナーで、ふと気づいたことがあります。エナジードリンクの棚に、レッドブルとリポビタンDが並んでいたんです。同じ「疲れたときに飲むもの」なのに、2027年4月から予定されている食品消費税の引き下げでは、片方は1%になるかもしれないのに、もう片方は10%のまま。私も最初、「食品ってつく飲み物は全部1%になるんじゃないの?」と思っていたので、この違いを知ったときは本当に驚きました。
この記事では、2026年9月19日時点でわかっている情報をもとに、「何が1%になる予定で、何が10%のまま残るのか」を、身近な商品を例にしながら整理していきます。
食品の消費税が「1%」になるって本当?
まず大前提として、これはまだ「決定した」話ではありません。ニュースの見出しだけを見ると確定事項のように感じますが、法律上の手続きはまだ途中です。
2026年9月15日に政府が大綱を閣議決定
2026年9月15日、政府は「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定しました。大綱というのは、これから国会に提出する法案の骨組みをまとめたものです。政府としての方針は固まった段階ですが、それ自体に法的な拘束力はありません。
2027年4月から2年間の予定
政府方針では、実施期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間とされています。税率1%の内訳は、国税分が0.78%、地方消費税分が0.22%相当と説明されています。対象となる「飲食料品」の範囲は、現在の軽減税率(8%)の対象と基本的に同じで、酒類や外食は含まれません。なお、定期購読の新聞は今回の1%の対象には含まれず、引き続き8%が据え置かれる見通しです。
まだ国会で法案成立前なので「確定」ではない
国税庁自身が、この内容について「今後、法案が国会に提出され、審議を経た上で可決・成立した場合のもの」と説明しています。つまり2026年9月19日時点では、法案はまだ国会に提出されておらず、成立もしていません。今後の臨時国会での審議次第では、内容が一部修正される可能性もゼロではないという点は、頭に入れておきたいところです。
レッドブル1%・リポビタンD10%?なぜこんな差が出るの?

私がいちばん「え、なんで?」と思ったのがここです。正直、法律の条文まで確認するまでは、レッドブルとリポビタンDの税率が違うなんて想像もしていませんでした。見た目も売り場もほぼ同じなのに、なぜここまで税率が違うのでしょうか。
レッドブルは食品、リポDは指定医薬部外品
レッドブルやモンスターエナジー、オロナミンCなどは、法律上「清涼飲料水」に分類されます。食品表示法上の食品にあたるため、政府方針どおりに法案が成立すれば1%の対象になる見込みです。
一方、リポビタンDやアリナミンV、チオビタドリンクなどは「指定医薬部外品」に分類されています。医薬品医療機器等法(薬機法)の管轄下にある商品は、消費税法上「食品」から除外されるため、税率は10%のまま変わりません。
見た目ではなく法律上の商品分類で決まる
同じ売り場に並び、パッケージのデザインも似ていて、「疲労回復」というイメージも共通しているのに、法律上の扱いはまったく別物というのが、この制度のややこしいところです。同じブランド内でも分類が分かれることがあり、たとえばチョコラBBシリーズは、清涼飲料水にあたる商品と、指定医薬部外品や医薬品にあたる商品が混在しています。パッケージだけでは判断できず、商品の区分表示を確認する必要があります。
現在より税率差が大きくなる可能性
2019年に軽減税率が始まったときも、8%と10%という2ポイントの差はありました。しかし今回、法案が成立した場合は1%と10%という9ポイントの差になる見込みで、これまでよりも「同じような商品なのに」という違和感を持つ人が増えそうです。
実はこんなにある「1%と10%」の意外な境界線

レッドブルとリポビタンDだけでなく、身の回りにはこうした境界線がたくさんあります。代表的な例を見ていきましょう。
ビール10%・ノンアルコールビール1%
ビールや発泡酒などの酒類は、酒税法上アルコール分1度以上のものと定義されています。そのため対象外で10%のままです。一方、アルコール分1度未満のノンアルコールビールは酒類にあたらないため、食品として1%の対象になる見込みです。度数表示のパーセンテージが、税率を分ける境界線になっています。
本みりん10%・みりん風調味料1%
同じ「みりん」という名前でも、アルコール分1度以上の本みりんは酒税法上の混成酒類にあたるため10%のまま。一方、アルコール分1度未満のみりん風調味料は食品として1%の対象になる見込みです。料理酒を選ぶときも、この度数の違いを意識しておくとよさそうです。
のど飴1%・医薬品や医薬部外品は10%
食品として販売されているのど飴は1%の対象になる見込みですが、効能表示のある医薬品・医薬部外品のトローチ剤は薬機法の管轄下にあるため対象外で10%のままです。パッケージの「指定医薬部外品」といった表示を確認するのが確実です。
ミネラルウォーター1%・水道水10%
ペットボトルのミネラルウォーターや宅配水は食品として1%の対象になる見込みです。一方、水道水は炊事用の飲用水と、洗濯やお風呂などの生活用水が一体となって供給されているため、対象外で10%のまま据え置かれる見込みです。
サプリメントと医薬品でも違う
一般的なサプリメントやプロテインは、薬機法上の医薬品にあたらないため食品として1%の対象になる見込みです。一方、医薬品として販売されているビタミン剤などは対象外で10%のままとされています。
以上をまとめると、次のようになります。
| 商品・ケース | 1%予定 | 10% | なぜ違う? |
|---|---|---|---|
| 栄養ドリンク | レッドブル等(清涼飲料水) | リポビタンD等(指定医薬部外品) | 薬機法上の分類の違い |
| お酒・ノンアル | ノンアルコールビール(1度未満) | ビール・発泡酒(1度以上) | 酒税法上の酒類の定義 |
| 調味料 | みりん風調味料(1度未満) | 本みりん(1度以上) | アルコール度数による酒類該当性 |
| のどケア | 食品の「のど飴」 | 医薬品・医薬部外品のトローチ | 効能表示のある医薬品・医薬部外品は対象外 |
| 水 | ミネラルウォーター・宅配水 | 水道水 | 生活用水と一体供給されているため |
| サプリ・医薬品 | 一般的なサプリメント・プロテイン | 医薬品のビタミン剤 | 薬機法上の医薬品にあたるかどうか |
※個別商品の実際の分類は、国税庁の軽減税率に関するQ&Aやメーカーの公式な商品区分、酒税法・薬機法などの一次情報に基づいています。今後の国会審議や制度の詳細によって、対象範囲の解釈が変わる可能性もあります。
コンビニではもっとややこしい?テイクアウト1%・イートイン10%

コンビニやファストフード店でも、同じ商品なのに税率が分かれる場面が出てきそうです。
同じ弁当でも食べる場所で税率が変わる
政府方針では、飲食料品を持ち帰る場合は「食品の譲渡」として1%の対象に、店内の飲食スペースで食べる場合は「食事の提供」という役務にあたるとして10%のままとされています。同じお弁当でも、持ち帰るか、その場で食べるかで税率が変わる仕組みは、現行の軽減税率(8%)でもすでに採用されている考え方です。
商品ごとの税率はPOSレジが自動判定
「レジ担当の人が商品ごとに税率を暗記しているの?」と気になる人もいるかもしれませんが、実際にはPOSレジが商品バーコードごとに登録された税率を自動で読み取って計算します。ただし、イートインかテイクアウトかの判断は、店員が口頭で確認するケースが多く、ここは引き続き利用者側の申告に委ねられる部分です。
9ポイント差になった場合に起きそうなこと
現行の8%と10%の差は2ポイントですが、法案が成立すれば1%と10%で9ポイントの差になります。差が大きくなるほど、「イートインのつもりで買ったけど、実は持ち帰り扱いだった」といった申告のずれが起きやすくなることも考えられます。
スーパーの商品は全部1%になるわけではない
「食品」という言葉から、スーパーの商品がまるごと安くなるようなイメージを持つ人もいますが、そうではありません。
酒類
ビールやチューハイ、日本酒などの酒類は、酒税法上「食品」に含まれないため、政府方針の対象外です。税率は10%のまま据え置かれる見込みです。
医薬品・医薬部外品
風邪薬やビタミン剤などの医薬品、指定医薬部外品の栄養ドリンクなども、薬機法の管轄下にあるため対象外です。健康に関わる商品でも、食品表示法上の「食品」にあたるかどうかが分かれ目になります。
洗剤やトイレットペーパーなどの日用品
洗剤やトイレットペーパー、ティッシュなどの日用品は、そもそも「飲食料品」ではないため、当然ながら対象外で10%のままです。
ペットフード
人が食べても問題のない品質(ヒューマングレード)のペットフードであっても、「人の食用」として販売されるものではないため、食品の定義から外れ、10%のまま据え置かれる見込みです。
食品の消費税1%で家計はいくら安くなる?

気になる家計への影響を、月間の対象食品購入額(税抜)ごとに、現行8%との単純比較で試算してみました。
| 月間対象食品購入額(税抜) | 現行8%の消費税負担 | 新制度1%の消費税負担 | 月あたりの軽減額 | 年間の軽減額 |
|---|---|---|---|---|
| 30,000円 | 2,400円 | 300円 | 2,100円 | 25,200円 |
| 50,000円 | 4,000円 | 500円 | 3,500円 | 42,000円 |
| 80,000円 | 6,400円 | 800円 | 5,600円 | 67,200円 |
| 100,000円 | 8,000円 | 1,000円 | 7,000円 | 84,000円 |
実際に我が家の食費で計算してみた
わが家の食費(税抜)はだいたい月5万円くらいなので、上の表にあてはめると年間で42,000円ほど軽減される計算になります。試しに月ごとの金額に直すと、42,000円÷12か月=3,500円。ちょうど毎月の消費税負担額と同じ金額です。数字にしてみると「意外と大きいかも」というのが正直な感想でした。
単純計算であることへの注意点
この試算は、あくまで本体価格(税抜価格)が変わらない場合の単純計算です。原材料費や物流費の高騰で本体価格そのものが値上がりすれば、実際に手元に残る金額はこの試算より小さくなる可能性があります。私は、税率が下がったからといって手放しでは喜べないな、と感じています。政府大綱の試算では標準的な4人世帯で年間約7.8万円の負担減が見込まれていますが、これも同様に単純計算である点には注意が必要です。
Amazon・楽天など通販で食品を買ったらどうなる?

ネット通販での買い物にも、意外な落とし穴があります。
食品部分の税率
Amazonや楽天市場などで購入する食品そのものには、店舗での購入と同じように1%(対象になれば)の税率が適用される見込みです。
送料を別途請求する場合
商品代金と送料が別々に表示・請求される場合、送料部分は「運送」という役務の提供にあたるため、10%の税率が適用されます。食品は1%、送料は10%と、1回の買い物の中で税率が分かれることになります。
送料込みの場合
「送料込み」として商品価格に含めて一括で表示・請求されている場合は、その全額に対して1%が適用される見込みです。同じ商品を買うのでも、送料の表示方法によって支払う消費税の総額が変わってくる可能性があります。
定期購入の注意点
定期購入(サブスクリプション形式の食品購入など)については、施行日より前に契約した分に旧税率を一定期間適用する経過措置が検討されています。切り替えのタイミングで請求額が変わることがあるため、通知が来たら内容を確認しておくと安心です。
お店側も大変?2年間だけレジを変更する問題
消費者だけでなく、お店側の負担にも目を向けておきたいところです。
POSの商品マスター
小売店では、商品ごとの税率情報をPOSレジのシステムに登録し直す必要があります。数万点の商品を扱う店舗も多く、改修には一定の準備期間がかかるとされています。
レシート・インボイス・値札
税込価格の表示義務があるため、値札やレシートの表記もすべて更新が必要です。インボイス(適格請求書)についても、適用税率欄に「1%」と記載する対応が必要になる見込みです。
制度終了時に再対応が必要になる可能性
今回の措置は2年間限定とされているため、2029年に税率が戻る際には、再びシステムや値札を元に戻す作業が発生する可能性があります。業界団体からは、短期間で2度の改修が必要になることへの懸念の声も出ています。事業者にとって負担が大きい制度変更であることは、客観的な事実として知っておいてよさそうです。
よくある質問

Q. 食品の消費税1%はいつから始まりますか?
政府方針では2027年4月1日からとされていますが、法案はまだ国会で成立していません。2026年9月19日時点では確定した実施日ではない点に注意が必要です。
Q. 消費税1%は本当に決定したのですか?
いいえ、まだ決定していません。2026年9月15日に政府が大綱を閣議決定した段階で、今後国会で法案が審議・可決・成立して初めて正式に決まります。
Q. 食品ならすべて1%になりますか?
いいえ。政府方針では現行の軽減税率(8%)の対象と同じ範囲が想定されており、酒類や医薬品・医薬部外品、外食などは対象外で10%のままとなる見込みです。
Q. 外食はどうなりますか?
レストランなどでの外食は「食事の提供」という役務にあたるため、対象外で10%のままとされています。
Q. コンビニのテイクアウトはどうなりますか?
持ち帰り(テイクアウト)は飲食料品の譲渡として1%の対象になる見込みですが、店内で食べるイートインは10%のまま据え置かれる見込みです。
Q. ビールは1%になりますか?
いいえ。ビールなどの酒類は酒税法上「食品」に含まれないため、対象外で10%のままとされています。
Q. ノンアルコールビールはどうなりますか?
アルコール分1度未満のノンアルコールビールは酒類にあたらないため、食品として1%の対象になる見込みです。
Q. 薬は安くなりますか?
いいえ。医薬品や指定医薬部外品は薬機法の管轄下にあり、消費税法上「食品」から除外されるため、10%のまま据え置かれる見込みです。
Q. サプリメントはどうなりますか?
一般的なサプリメントやプロテインは医薬品ではなく食品として扱われるため、1%の対象になる見込みです。
Q. ネット通販で食品を買った場合もお得になりますか?
食品部分は1%の対象になる見込みですが、送料を別立てで請求される場合、送料部分には10%が適用される見込みです。送料込み表示かどうかで変わってきます。
まとめ|「食品だから1%」ではなく商品の分類を見るのがポイント
2026年9月19日時点で確定しているのは、政府が「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ」の大綱を閣議決定したという事実だけです。2027年4月からの実施は、あくまで政府方針であり、国会での法案成立が前提になります。
レッドブルとリポビタンDの例からもわかるように、見た目や売り場が似ていても、食品表示法・薬機法・酒税法といった法律上の分類によって税率は大きく変わります。買い物のときに「これは食品だから安くなるはず」と思い込むのではなく、対象になるかどうかを一つひとつ確認する意識を持っておくと、制度が始まったときに戸惑いにくくなりそうです。
物価高が続くなかで、こうした制度の動きは今後もこまめにチェックしていきたいですね。あわせて、日々の家計管理や給付金の情報もチェックしておくと、もしもの時に慌てずに済みます。
そういえば、うちの家計でも固定費の見直しと合わせて制度の変化をチェックするようにしています。物価高に負けない家計づくりの手順を整理した記事も書いているので、よかったらあわせて読んでみてください。
→ 【2026年の家計防衛】物価高に負けない!給付金チェック×固定費削減×新NISA準備の3手順
給付金の動きも、消費税の制度変更と同じくらい生活への影響が大きいテーマです。こちらも「まだ決定していないこと」と「決まったこと」が混在しやすいので、あわせて確認しておくと安心です。
→ 一律給付は見送り?2026年、私たちの家計に今すぐ関係する給付金の話
金利のある時代になったことで、預金や住宅ローンへの影響も気になるところですよね。家計全体を見直すタイミングとして、こちらの記事もチェックしてみてください。
→ ついに金利1%時代へ!預金がうれしく増える一方で住宅ローンはどうなる?
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参考・出典
- 国税庁「消費税率引下げ特設サイト」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/zeiritsuhikisage.htm - 国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_02.htm - 内閣官房「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』について」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shouhizei_zeigakukoujo/index.html
※本記事の情報は2026年9月19日時点のものです。関連する税制はまだ国会で法案が成立しておらず、今後の審議によって内容が変更される可能性があります。個別の取引の税務上の扱いについては、税理士や国税庁の窓口など専門家にご相談ください。
